アクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社として2000年に米国で生まれたアバナード。「戦略×テクノロジー」の支援により、これまで多くのクライアントのイノベーション創出を支えてきました。
世の中には多くのコンサルティングファームやシステムインテグレーターが存在し、コンサルティングと開発を一手に引き受けている企業も少なくありません。そんな中、なぜアバナードが選ばれクライアントから評価されるのか。
今回、話を聞いたのはセールスの北村とClient Leadershipの塚原。案件獲得を担う二人に、競合他社とは違うアバナードの魅力や、二人が考える案件獲得へのこだわりについて話を聞きました。
顧客ごとの売上最大化を図るCALチーム
―塚原さんのキャリアについて聞かせてください。
塚原:私は2010年にアバナードに入社しました。
前職は中小のシステムインテグレーターでマイクロソフト系の開発やSI案件のプロジェクトマネージャーをしていました。前職でもアクセンチュアとは繋がりがあり、協力会社の一員として一緒に仕事をすることがありました。縁あってアバナードに入社してからも、7年ほどはアクセンチュアの案件にアサインされていました。
その後は、主にアバナードのダイレクト案件を担当するようになり、現在はClient Leadership部門でリードを務めています。
―Client Leadershipとはどんな部門でしょうか。
塚原:クライアントグループのリード、各クライアントグループにおけるポートフォリオのリード(金融であれば、銀行、証券。製造業であれば、自動車、小売など)、クライアントアカウントリード(CAL)のメンバー構成となっています。
各メンバーは、それぞれのカバー範囲での事業責任者のような動きをしており、セールス金額、売上金額にコミットしています。特にアバナードのCALは特定のアカウントに対するセールス金額にコミットし、デリバリーにも関与しながらビジネス拡大していくのがミッションです。こうしたメンバー構成から、部門統括として、メンバー個別にビジネスのKPIを追ったり、レポートラインのあるピラミッド構造にしている訳ではなく、採用以外は、情報共有コミュニティのようなチーム運営としています。
―産業を軸にするようになった背景を聞かせてください。
塚原:今やクライアント自身もテクノロジーへの理解が深まっており、テクノロジーの知識があってもソリューションを売ることはできません。クライアントの課題やマーケットトレンドを理解しながら、テクノロジーがどんな価値を提供できるかを考えて提案する必要があります。組織体制も、今のようなクライアントグループとして、各産業の軸ができたことは必然的だと思います。
―北村さんのセールス チームとはどのように違うのでしょうか?
北村:セールスは最初の入口を作るのがミッションなのに対し、CALはその後のデリバリーをしながら売上責任を負っていくのがミッションです。ただし、セールスとCALの仕事は明確に分かれているわけではなく、一緒に議論しながら動くケースも少なくありません。
セールスとCALの一番の違いは、一定割合は現場の責任者として実際に稼働しなければならないことです。案件の売上を最大化するためにも、現場で動きながらクライアントとの関係性を強化する必要があるからです。
「難しい案件はアバナード」と思われている理由とは
―アバナードのセールスについて、コンサルティングファームやSIerの営業組織との違いについて教えてください。
北村:アバナードは、純粋に物売り営業をする人を求めていません、イメージで言えば、アバナードは「建売住宅」ではなく「注文住宅」を売っているようなものだからです。
クライアントに欲しいと言われた商品を売るのではなく、クライアントの業務理解とその課題を深掘りし、それを解決できるシステムをカスタマイズで提案しなければなりません。そのため、必然的にクライアントの業務とシステムの両面の知識が必要になります。
―新規クライアントの開拓はどうしているのでしょうか?
北村:定期的にマイクロソフトのイベントなどに登壇しており、そこからの引き合いが多いです。業界では「難しい案件はアバナードに頼む」という認識が広がっているようで、他の会社に頼めない案件をお願いされるケースが増えています。
また、クライアントにはエンタープライズ企業が多いため、一つの案件から広がって別の事業所や事業部に広がるケースも少なくありません。
―なぜ「難しい案件はアバナード」と思われているのか聞かせてください。
北村:一つはグローバルに展開できることです。大企業でグローバル展開している企業の課題は、国内だけでなくグローバルに絡み合って複雑になっていることが多々あります。そのような案件は、海外の事情も理解しなければならないため、グローバルで密にコミュニケーションをとっている私たちに依頼が集まるのだと思います。
もう一つは、課題解決に向けて最後まで伴走することです。たとえば商品を売りたいというニーズで相談されたら、単にシステムを提供するだけでなく、どうしたら売れるかまで一緒に考えていきます。難しい案件ほどそのような姿勢が求められるので、アバナードが評価されているように感じます。
―塚原さんの市場開拓についても聞かせてください。
塚原:私は役割上、特定のターゲット市場に絞って開拓となります。現在はとある自動車会社を担当しており、その会社が抱えている課題は、実は業界課題であったり、同様の課題や似たような悩みを他企業も抱えていたりします。クライアントが求めている課題を深掘りしていくことで、業界全体の課題に繋がっていくのです。
海外の事例含め、解決のソリューションを商材としながら、提案を横展開していくことで市場を開拓します。
また、マイクロソフトの技術に特化しているのがアバナードの特徴なので、その技術を求めている企業からは声がかかります。今ならAIに特化して研究することで「AIならアバナード」というポジションを確立することに重点を置いています。
―他社と差別化するために意識していることはありますか?
塚原:常に新しいことにチャレンジすることです。各企業は既存のベンダーと取引があるので、そこに割って入るのは容易なことではありません。そのため、入り込むチャンスが生まれたら、付加価値の高いデリバリー・提案を行い、取引を継続していく必要があります。
そのためには、他社と同じような提案をしても意味がありません。来た球を打ち返すだけではなく、マーケットトレンドやクライアントニーズを読み、常にチャレンジャーであるという姿勢を忘れないようにしています。
「自分のやりたいことにチャレンジできる」若手でも裁量を持って働ける
―どのような人がアバナードのセールスやCALに向いているか教えて下さい。
塚原:自分で考えて動ける人です。
他のコンサルティングファームほどセールスの“型”は決まっていると言えないと思います。自分で考え、整理する必要がでてくることも多い反面、裁量が大きいです。
そのため、今の会社で「もっとこうしたらいいのに」と思って提案しても、意見が通らずにモヤモヤしている方は向いていると思います。自分で考えながら自分のスタイルを作っていける方に興味を持ってほしいですね。
―社内の雰囲気はどうですか?
塚原:フラットな組織なので、若手が発言しやすい環境だと思います。私はシニアディレクターとしてチームをマネジメントしていますが、役職に関係なくフラットにディスカッションを重ねています。若手でも言いたいことを遠慮なく言いますし、むしろ自分の意見を言える人でなければアバナードで活躍するのは難しいかもしれません。
リーダーシップ層との距離も近く、やりたいことにチャレンジできる環境は整っていると思います。
―お二人ともチームを率いるリードとして、大事にしている考えなどがあれば教えて下さい。
北村:クライアントを深く理解することをチームで徹底しています。私たちの仕事は、クライアントの業務まで踏み込んで理解しなければ本質的な提案ができません。そのため、クライアントの業界・業種はもちろんのこと、どんな課題が起きているのか業務レベルで理解する必要があります。
そのような姿勢をチームで共有しながら、クライアントの課題解決に向けて動いています。
塚原:自分のノウハウをできるだけ共有するよう心がけていて、メンバーの提案など成果物に目を通し必要があれば指摘して直してもらいます。私は幸いなことに、これまで難しいプロジェクトもそれなりの数を経験し、お客さまから厳しい指摘をもらうことも多くありました。そういった経験で培ったお客さまの目線やノウハウを、メンバーにできるだけ細かく伝えていきたいですね。
最近では、私が過去に伝えた指摘やメッセージを、同様の趣旨でプロジェクトメンバーに向けて発信しているリーダーを見かけることもあり、カルチャーが浸透してきているのを感じます。個人の裁量の多い会社だからこそ、いつでも上司に頼れる安心を感じて気持ちよく働いてもらいたいと思っています。
―最後に、アバナードに興味を持った方へメッセージをお願いします。
塚原:アバナードは性格のいい人が多いですね。クライアントのために本気で考える人間ばかりですし、仕事も丁寧で親切な方が多いと思います。
北村:良い人が多いのは事実で、なぜそのような人間が多いのか考えてみると「志が高い人」が集まっていることに行き着きます。志が高いから自分で考えますし、壁にぶつかっても腐らずに前向きにとらえてチャレンジを続けていけます。
これまで「ベンチャー気質」や「新しいことにチャレンジ」という言葉を打ち出してきたことで、志の高い人間が集まり、結果的に良い人ばかりの組織になってきたのではないでしょうか。加えて、志の高い人間を受け入れるカルチャーもできたことで、同じような人間が集まっているのだと思います。
そのような環境に惹かれる志の高い方は、一度話を聞きに来てください。