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「あなたにお願いしたい!」と選ばれる人材になるために。今すぐ壊したい、目に見えない“枠”とは

こんにちは。
アバナードでインフラストラクチャ部門の責任者を務めている小西です。

ものすごいスピードで変わりゆくIT業界においては、わたしたちITコンサルタントやエンジニアに求められる仕事そのものが変化しています。
その変化に対応し、求められる人材でい続けるために、今後わたしたちはどうすべきでしょうか。

「外資系コンサルタントの回顧録」第二回目となる今回は、仕事の「枠」についてお伝えしていきます。

※第一回目はこちら:会社基準でキャリア選択すべきではない。会社を「乗りこなす」という考え方

面白い仕事には「枠」がない

突然ですが、質問です。
今あなたはインフラストラクチャ、アプリケーション、ソフトウェア…どの領域の仕事をしていますか?

もしそう聞かれたら、今のわたしは「どれでもありません」と回答します。

「え!?さっきインフラの責任者だと言っていたような…」とツッコミたくなった方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かにわたしはインフラ部門の責任者という立場にあり、得意領域でもありますが、わたし自身はインフラだけの仕事をしているつもりはありませんし、実際に幅広い自由な仕事をしています。
それはつまり、「枠」にとらわれない仕事とも言えます。


ジェネラリストを目指せと言っているのではありません。

アバナードが自らを標ぼうするデジタルイノベーターで働く身として、顧客企業や利用者らとアイデアを出しながら、新しいビジネスやサービスを生み出す仕事に取り組みたい。
自分自身をなにかしらの領域に特化せず、エンジニア、コンサルタント、デザイナー等、既存の「枠」にとらわれない仕事をやってみたいと思ってます。

その意味で、インフラ部門という「枠」で捉える思考は、ビジネスの幅を狭めてしまい、結果的に自分自身の可能性を狭めてしまうと考えます。

さて、ここで少しイドラの話をさせてください。
イドラとは初耳の方も多いかもしれませんが、簡単に言うと「思い込み」です。
弊社デジタル最高顧問のエリックもこのイドラについてよく語っているのですが、わたしもここで使わせていただきます。

イドラとは、イギリスのベーコンさんという方が提唱している概念です。(検索してみてください)
イドラには、4種類あります。

● その1、種族のイドラ
人間である以上、人間の感覚しか持ちあわせていないが、それによる思い込みのことです。簡単にいうと、わたし達がこう思ったのだからこれが正しいのだ、と思い込んでしまう事。
● その2、洞窟のイドラ
人生で得た経験や、その仕事の内容などからもたらされる謎の自信と体験を正しいと思い込んでしまう事。
● その3、市場のイドラ
社内の誰かがこうだと言っていたし、他の皆も同じことを言っている、SNSでも見かけた等、その場での多数派の意見に流され、それが正しいと思い込んでしまう事。
● その4、劇場のイドラ
部長や課長、親など、立場が上の人が言うことだから、それが正だと思い込んでしまう事。

詳しい説明は割愛しますが、これらの組み合わせが思いもよらないデメリットをもたらしたり、可能性とチャンスの幅を狭めたりすることが往々にしてある、と、わたし自身の経験から感じています。

大学の授業で、前述のエリックが学生に尋ねました。
「みなさんにとっての幸せはなんですか?」
この問いに対する回答は人それぞれで、これと決まった形が存在していません。それは自明の理でもあります。

すこし脱線しましたが、あらためて冒頭の質問に戻ります。
「今あなたはインフラストラクチャ、アプリケーション、ソフトウェア…どの領域の仕事をしていますか?」
みなさんの答えの中には、少なからず、小さなイドラがあったのではないでしょうか?

ここで改めて、アバナードの目指すデジタルイノベーターとは何であるのか、を考えながらお話を進めさせていただきます

わたしがいるアバナードには、ビジネス領域として、モダンワークプレイス、アプリケーション&インフラストラクチャ、クラウド、ビジネスアプリケーション、データ&AIがあります。
これらが、アバナードが提供するビジネスの軸です。

そして、それらのビジネスに紐づくように9つのチーム、すなわちソフトウェアエンジニアリングであるとか、エクスペリエンスデザインであるとか、わたしがいるインフラストラクチャなどのチームがあります。

これらは「軸」ですが、「枠」ではない、とわたしは捉えています。

なぜならば、わたしたちがお客様に提供しているのは、ビジネスそのもの。
わたし達が提供すべき仕事という視点から見てみると、アプリケーションだろうがインフラだろうがそれぞれの領域は関係ないのです。

デジタルイノベーターは、インフラのコンサルタントでもなければ、ソフトウェアのコンサルタントでもありません。なんでもできるジェネラリストとも異なります。そして、このイノベーターにも決まった枠はありません。みなさんそれぞれの想いこそがイノベーターとしての出発点でもあります。アバナードの中にいると、数多くのイノベーターに出会い、社内、社外360度から多くの刺激を受け、今これを読んでくれているみなさんそれぞれのイノベーターが誕生します。これがアバナードで働き成長する楽しみの一つでもあります。

ITの世界はたった10年で大きく変化している

そう考える理由は、ITの歴史からも紐解くことができます。

一昔前、ITというのは製品ありきの世界でした。
クラウドの普及が進んでいない時代、わたしたちエンジニアやITコンサルタントは、企業が何かしらの製品やプロダクトを導入するために働いていました。
その製品自体が、インフラストラクチャ、ソフトウェアエンジニアリングと分類されていたので、製品ありきでわたしたちの仕事が考えられていたのです。

ところが現在は、製品ベースの概念はなくなりつつあります。
もちろん実際に製品はあるのですが、どちらかと言うと機能ベースになってきています。

また、ITを活用するための環境自体も大きく変わりました。
かつてはネットワークや物理的なコンピューターを会社の中に整備する必要がありましたが、今は必要ありません。
サーバーをデータセンターに持っていって設置するだとか、ケーブルを自分で必要な長さにカットするだとか、通信を行うために機器の設定を行うというかつてのインフラの仕事は、もう存在していないのです。

簡単な選択・操作だけで、クラウドにサーバーを作れてしまう時代へと変化しているのですから、必要とされる仕事も当然変化しているのです。

ITの変化によって、わたしたちは以前のように「何かを作り上げること」にフォーカスする必要がなくなりました。
新しく何かを作ることよりも、今目の前にあるものをどう活用するのか?いかに新たなビジネスを生み出すのか?お客様にどんな利益や幸せをもたらすのか?が、ひとつのフォーカスポイントであり、仕事になっています。

少なくともアバナードはそういう仕事をしています。

時代に求められる人材でい続けるために

そうITが変化し、求められる仕事が変化しているのですから、これまでの枠にとらわれていたのでは仕事が無くなっていくと考えるのが自然です。

例えば、「私はインフラでの経験が○年で得意です。インフラだけをやってきました」という方が、目の前のお客様を喜ばせることができるでしょうか?
わたしは、インフラの知識と経験だけでは、今現在のお客様を喜ばせることはできないと思うのです。

大人数のチームの1人となれば専門知識だけでも問題ないかもしれませんが、少人数のプロジェクトだった場合、正直その人だけでは心もとないでしょう。

もしあなたがお客様の立場なら、どんな人を選びたいと思いますか?
わたしなら、「インフラ以外のことにも知見のある、ビジネスを知っている人」を選ぶと思います。つまり、インフラ専門家じゃなくていいのです。


そうならないよう、キャリア選択においても、エンジニアだとかコンサルタントだとか、過去の経験や職種、業界などにも縛られすぎない方がいいと考えます。

実際に、わたし自身のキャリアもさまざまな変遷があり、現在に至ります。

今でこそIT業界にどっぷり浸かっていますが、実は、学校を卒業してすぐに就職したのは病院の総合職でした。数年間、病院の設備関係の仕事をして転職先を決めずに退職したところ、おせっかいな親戚の紹介で小さなIT関連会社に就職することになります。それがIT業界との関わりのスタートでした。
結果的にはその会社に3年ほど務めましたが、2週間で辞めたいと思うほどハードな環境でした。

その後も、エンジニアの道をまっすぐに歩んできたわけでもないのです。
いくつかIT関連会社を渡り歩く間に、アルバイトとして大手通信会社のコールセンターで働いたことがありますし、雑誌の編集者としての経験もあります。

とあるタイミングでSIerに勤務していた時にMicrosoftテクノロジーにハマったことが、今のアバナードに繋がってくるのですが、決して一貫したキャリアではありません。

多様な経験が、「枠」をなくしていく

書き出したらキリがないわたしのキャリアですが、それを通して何を伝えたいかと言うと、幅広い経験が間違いなく今に生きているということです。

仕事上、さまざまなお客様のサポートをさせてもらうのですが、さまざまな業界・職種経験のおかげで、その会社の雰囲気であるとか、お客さんが今求めていることというのを、早めに察知することができるようになりました。
担当者の方の境遇なんかも理解できるので、それだけでも信頼感を持っていただけます。

多様な知識と経験をもとに提案していくことで、次につながる仕事も生まれています。
そういう仕事には、インフラという枠はありません。

このような経験から、インフラという枠に囚われてしまうことは自身の可能性を狭める形であり、ビジネスの幅を狭めていることになると考えるのです。

枠をなくすことで、自然と視野は広がりますし、仕事の可能性も面白さも広がっていくのではないでしょうか。


あなたには、どんな枠がありますか?

ぜひ自由な発想で、枠に囚われることのないキャリア拡大や仕事の創造というものをされてみてください。
きっと新たな道が拓けていくと思います。

次回は、「ITコンサルタントがロジカルシンキング以上に大切にしたいもの」というお話をします。

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