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ーそもそも、受賞した中西さんとは?
企画部 部長・内部監査室 室長
中西 将史 MASAFUMI NAKANISHI
2006年3月 大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。
学校法人にて監督省庁への許認可申請、報告・検査対応を主な業務として、
総務、教務、学生支援などに携わる。
2019年2月 デコボコベース株式会社に入社。パートナー事業所の運営支援に関わるオペレーションの改善、行政の運営指導対応や法令遵守の体制整備などに携わる。
2023年4月 内部監査室長に就任。
内部通報窓口の運営と改善を担当。グループ全体のスタッフを対象とした、コンプライアンス勉強会、支援xAI勉強会を主催。
2023年10月 企画部長に就任。
グループ全体のコンプライアンス体制の維持・改善と、パートナー支援に関わる業務改善を担っている。
ー受賞した感想を改めてお願いします。
第3回AIアートグランプリ(2024年11月)審査結果発表後の記念撮影
おかげさまで、今回、第3回AIアートグランプリの最終選考会に登壇させていただく機会をいただき、さらに審査員特別賞を賜ることができました。
ありがとうございます。
グランプリになれば各社メディアの取材を受けることとなり、多少なりとも会社の名前を宣伝できたのですが、残念ながら一歩及ばず、審査員特別賞どまりとなり、悔しく思っています。
次は当然グランプリを狙っていきたいですが、それだけでなく参加者がもっと増えて、もっと多様な人々同士が交流できる機会になれば嬉しいと思っています。
このあとの文章は長いので、生成AIに要約してもらいました。
※ちなみにタイトルもAIに作成してもらいました!笑(広報より)
私は、2019年から障害福祉とテクノロジーの関係に関心を持ち始めました。
現在では、生成AIを積極的に活用し、社内外でAIの勉強会を主催して情報発信を行っています。
AIは近い将来、私たちの生活に自然に溶け込んでいくと考えています。スマートフォンやパソコンで様々な手助けをしてくれるようになるでしょう。
ただし、人間一人ひとりが持つ感性や興味関心は、AIには代替できないものだと考えています。
仕事の面では、AIが単純な作業を代替するようになり、福祉の分野でも、AIやテクノロジーの活用が進んでいくとみています。
これからの時代を生きる人には、自分の得意分野や興味関心をよく知ることが大切だと考えています。
新しいことへの挑戦を恐れず、AIと上手く付き合いながら、自分らしい仕事を見つけていくことが重要だと思います。
もっと詳しい内容に興味のある方は、続きを読み進めてください。
ー今回、エントリーしようと思ったきっかけは?
第1回AIアートグランプリエントリー作品(2023年2月)の絵コンテ
AIアートグランプリには、第1回からエントリーしていました。
チャレンジすることで生成AIに対する学習が深まるであろうと考えたためです。
第1回のころは動画生成AIが登場していなかったので、生成AIでプロットを書いて、シナリオと絵コンテは自分で作り、画像をたくさん生成して繋げて、動画みたいなものを作ってエントリーしました。
第2回では、大規模言語モデルのAPIを使って、いくつかキーワードを与えて、いくつか選択肢を選んだら、誰でも短編小説が作れる簡単なWebアプリケーションを作り、生成AIを使った創作体験をしてもらうプロジェクトとしてエントリーしました。友人や社内の人にも協力いただきました。ありがとうございます。
残念ながら第1回、第2回とも一次選考落ちでした。
GPT-4を使った24時間ハッカソン(2023年11月)で優勝したときの様子
今回の第3回のエントリーには、前段の話があります。
AIアートグランプリは、AIフェスティバルというイベントの中のメインコンテンツです。
同じイベントの中に「24時間AIハッカソン」というハッカソンのコンテンツもありまして、これに支援xAI勉強会に一緒に取り組んでくれているメンバーと一緒に、デコボコベースとして参加して成果を残す、という目論見がありました。
残念ながら、エントリー多数のため、参加することができず、苦杯をなめることとなりました。
私の敗因分析は、「デコボコベース者がAIで何か取り組んでいる会社だ」という知名度がなく、従って期待値もなかったため、と分析しています。これもたいへん悔しく思っています。
そこで方向転換して、まだ締め切り前だった第3回AIアートグランプリでの入賞を目指してエントリーすることにしました。
ーAI関連の分野に興味関心を持ったきっかけは?
第1回生成AIなんでも展示会(2024年4月)で使用したスライドより
もともと私は、テクノロジーや新しい概念への興味関心が強い方だと思います。
振り返りますと、2019年、デコボコベース社に入社する前に、オリィ研究所の分身ロボットカフェの実証実験やxDiversityのシンポジウムなどに参加して、障害福祉とテクノロジー、テレプレゼンスと身体拡張への興味を強めていました。
同年、デコボコベース社入社後に、ソフトバンクと東京大学先端科学技術センターの実証実験プロジェクトである「魔法のプロジェクト」の成果報告会に参加しました。
成果報告会で、香川の特別支援学校の実証実験で、重度の重複障害者の4年間分の手書きの支援記録を手作業でラベル付けして、体調の良い日悪い日に頻出するラベルを見出して、そのラベルのサインによって当日の体調を予測し、活動量を調整する、という報告を聞きました。
私は、膨大な自然言語による記録へのラベル付けによって、支援の未来予測ができるという強いインスピレーションを得ました。
そこで、旧業務システムから新システムを開発するときに、支援記録に必ずラベル(体調:良好、注意、悪化)をつけられるようにしてくれ!と強く要請し、これを実現していただきました。必ず将来役に立つと思います。
すぐに人工知能やディープラーニング、ビッグデータの学習を始めたのですが、当時のAIは、数学と統計とプログラミングの深い知識が無いと動かすことができず、コンピューター工学を修めていない自分には、概念は理解できても実際に動かせないものでした。
初期の画像生成AIで制作したコンセプトアート
時は流れて、2022年7月、突如として画像生成AIが野に放たれました。
私はこの時にも強い直感を感じました。
自然言語から画像を生成できるということは、近い将来には専門知識の無い一般市民が、自然言語で自分のためのアシスタントAIを動かせるようになる!と確信しました。
AIは将来の同僚になる。なので入社前に仲良くしておこう!と考えて、毎日通勤の行き帰りに500枚ずつ画像を生成しました。
自分の中で「生成AIを使う」を生活の一部レベルまで当たり前にするためです。
2022年11月、ChatGPTが登場し、大規模言語モデル(LLM)を気軽に使えるようになりました。
当時のLLMは大したことはできなくて、1度触っただけで全然触らなくなった、という方も多かったと思います。
私は前段で画像生成AIを触っていたので、うまくいかなくても何度も繰り返し取り組むことに抵抗がありませんでした。
2023年3月からは専門家のオンライン講座に参加してAIについて学習、同4月からは凸凹グループ全体向けに月1回の「支援xAI勉強会」を主催。プライベートでも同時期からAIの勉強会を主催。その他、参加しているクリエイティブ系のコミュニティでも積極的に情報発信。情報発信するために学習をする、というサイクルで自分自身のインサイトと学習意欲を加速させています。
ー挑戦しようと思うときに(新しいことに一歩踏み込むときに)何がハードルになりますか?それを乗り越えるTipsがあれば教えてください。
第2回AIアートグランプリエントリー作品(2023年9月)のアイデアスケッチ
ハードルは見えていたら学習を進めることで取り除けるし、学習が進んでいるからハードルにぶつかるのであって、学習のサイクルの中の頻出イベントの一つだと思えば、ハードルが存在すること自体は特に問題にならないと考えています。
目標が見定めれば、自分と目標とのギャップが明らかになり、学習が始まります。
難しい問題や、解決方法がわからないことにぶつかったときは「お、学習始まった」と考えています。
この考えは、私には当てはまりますが、全員には当てはまらないと思います。
なので、まず大切なのは自分を知ることだと思います。
例えば、私のクリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)の上位5つは、着想、収集心、内省、共感性、学習欲です。
収集心と学習欲が新しい興味関心を強烈に引き寄せて、内省が自分自身のインサイトを観察し思考を回し、共感性が他者のインサイトを察知し、新しいアイデアや解決策を着想します。これら上位5つの内の4つが戦略的思考力のカテゴリーに属するもので、私は学習、思考、着想のサイクルを回すことで全体構造を俯瞰的に捉えて考える傾向があります。
その考えの中では、学習の中でのハードルは「当然ぶつかるもの」であり「取り除けるもの」となります。ハードルにぶつかることがわかっているので、新しいことを始めるときの問題のほとんどは「やるかやらないか」だということになります。
自分の強み(戦術)を知ることで、自分に必要な兵站を確保し、自分に有利な戦略でものごとを進めることができます。
また、自分の弱みや平凡性を知ることも重要だと考えています。
私の遺伝子検査の結果では、標準偏差から外れて有意に強みがあるのは「経験への開放性(好奇心とか新しいことへ挑戦する意欲のようなもの)」のみでした。
他の能力は平凡か標準偏差より弱い傾向で、生まれ持った強みのようなものは特に無いことがわかっています。高IQ者と会話すると、自分の思考スピードが彼らの1/10にも達しないことがわかります。
どんな分野でも第一線で活躍する人と会話すると、自分の努力と経験の密度が彼らの1/10にも達しないことがわかります。
自分の平凡さ、未熟さをよく知れば、自分の持っている戦術を最大限に活かしてサバイブするのみという考えに帰結します。自分の平凡さ、弱さに真剣に向き合うのは苦労の多いことだと思いますが、臆病者ほど生存確率が高いし、未熟なほど学べることが多いのです。
自分の弱みも戦術の一つであり、よく知ることで戦略を組み立てやすくなります。
ー今後、デコボコベースの仲間になる可能性のある”あなた”へ
第3回AIアートグランプリ最終選考会(2024年11月)で用いたスライドより
私は生成AIへの興味関心が高く、その動向を追いかけていますが、いずれ勝手に向こうから生活の中に溶け込んでくると思います。
Apple IntelligenceやGeminiのアシスタントが、モバイルデバイスの中で何でもサジェストしてくれたり、ガバメントクラウドが行政サービスのインフラを横断的に結んで全体最適が図られるような生活がすぐにやってくるでしょう。
今生成AIと呼ばれている技術は、次第に生成AIと呼ばれることがなくなり、生活の一部になると思います。
今の学生さんの中には、PerplexityやOpen AI o1などを使って学習のスピードを上げている人がいるでしょうし、その学生さんたちも、将来生成AIネイティブ世代の部下を持つことになるでしょう。
AIがなんでもできるようになり、何でもしてくれるようになっても、人間一人ひとりが持っている感覚、感性、興味関心、執着や偏愛などの固有性は代替することができません。
生活の中で、自分が何に関心を引かれて、何に心が動いているのか。視覚情報を重視しているのか、聴覚なのか触覚なのか味覚なのか嗅覚なのか。何のことなら何時間でも考えられて、語ることができて、手を動かせるのか。それら全てがみなさんの固有の魅力であり、人間同士が一緒に働くことの最大の価値だと思っています。私たちの仲間になったときには、ぜひみなさんの固有性を発揮してください。
ー社内のメンバーへ
第3回AIアートグランプリ最終選考会(2024年11月)でのプレゼンテーションの様子
現在の生成AIは、単純なタスクを処理する能力しかありませんが、複雑なタスクも分解して手順化すれば処理することができます。手順を分解して標準化し、再現性を担保できる仕事であれば代替できるということです。
DXやAI化は、障害者雇用の仕事の一部を一気に代替してしまう可能性が高いです。企業の障害者雇用の担当者さんと話すと、みなさんこのことで悩んでいます。
仕事の内容が、人間の手作業が必要な仕事や、対人サービスの分野へ寄っていくということも起きるかもしれません。しかしこれらも、この先やってくる深刻な労働力不足に備えてロボットや遠隔操作のアバター、AIアバターへの置き換えが既に始まっています。
一方で、介護分野ではこの先やってくる深刻な労働力不足に備えて、早くからDXやロボティクスの実証実験を行い、政策提言を行い、報酬制度に反映させて変化を加速してきました。
2022年から2040年にかけて、労働人口が900万人減少すると見込まれている中で、介護分野の就労数は増加すると見込まれていますが、同時に2040年には65歳以上人口が総人口の35%に達し、需要の拡大にともなって相対的に労働力不足になることが見込まれているからです。
障害福祉でも同様に、労働力不足に対する施策として生産性向上を報酬で評価する報酬制度設計になっていくと見込まれますから、生産性向上の観点で仕事の仕組みを大きく変化させていく必要があります。
同時に、多くの人が働きたいと思うような魅力的な職場を作っていく必要もあります。自分自身の固有性を知り、会社の固有性を知り、未来の障害者雇用、未来の障害福祉の仕事を作っていきましょう。
生成AIについて興味のある方は、ぜひ支援xAI勉強会やチャットにご参加ください!
ー弊社代表・松井さんより
社員が仕事以外で最先端の分野に挑戦して活躍しているのを見ると、素直にワクワクします!
「デコボコが活きる社会創り」という私たちの理念が、こういう形で広がっていくのは本当に嬉しいことです。一人ひとりが自分の強みを活かして時代の最前線に挑む姿は、人生を豊かにするだけではなく、会社にも新しいアイデアやエネルギーを持ち込んでくれる。これからもそんな挑戦を全力で応援していきたいと思います!
編集後記
クリフトンストレングス(旧ストレングスファインダー)については、あくまで自分をよく知るために使って、他人を判断したり比較したりするために使うものではないこと。「みんなが自分の強みを知るためにやってくれるのは大歓迎🙌」と、補足コメントをいただきました。
自分の強みを知ることで、お互いの強みを活かすというチームビルディングにもつながりそうですね。
ちなみに、そんな広報MのTOP5の強みは
個別化・学習欲・運命思考・達成欲・収集心 です。
※ご参考:第三回AIアートグランプリ 最終審査会・結果発表 AI Art GrandPrix
https://www.youtube.com/watch?v=EQzdJeTGjeE