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ウフィッツィ美術館収蔵作品のデジタルアーカイブ化と応用研究
フィレンツェにあるウフィッツィ美術館は、メディチ家によって1581年に創設された現存する世界最古の美術館である。"Uffizi"・とは、イタリア語の「オフィス」であり、メディチ家の事務所を美術館にしたことからその名が由来する。ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」や「プリマヴェーラ」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」などイタリア・ルネサンスを代表する美術品の収蔵で名高い。その世界最古の美術館をデジタル・ミュージアム化しようとするプロジェクトが進行している。 このプロジェクトはDADDI "Digital Archive through Direct Digital Imaging"(直接デジタル撮影処理によるデジタルアーカイブ)と呼ばれ、ウフィッツィ美術館先進技術部が推進する所蔵作品の保存、修復、活用のためのプロジェクトである。 参加機関はイタリアのフィレンッェ・ピストイア、プラート地区文化遺産監督局、チェントリ力社、フィレンツェ大学電子工学部、デンマークのフェーズワン社および日本の凸版印刷社である。このDADDIプロジェクトの技術的な特徴としては1.超高精細、高細密による画像のデジタル化(最大画素数:16,000×12,000ピクセルで約8倍サイズの印刷可能)2.ヴァーチャルな画像修復の技術3.カラーマネジメント(Colour Manegement System)によるメディア間の色合わせ技術4.電子透かし技法によるコピープロテクションの研究が挙げられる。 さらに、このプロジェクトは"Uffizi Strategic Projects"にバックアップされており CNR(Consiglio Nazionale della Ricerche), CNR National Committee for Science and Technology of Cultural Heritage, フィレンツェ大学電子工学部のLCI(Laboratory Co㎜unication and Image)によって、1990年より絵画の修復に関するデジタル処理を中心とした研究が進められている。