京都大学 / 文学部・人文学科・美学芸術学専攻(美学芸術学ゼミ、動態映画文化論ゼミ等)
「小中高生のための大学院Coda school」という探究プログラムの企画・運営
私が学生時代に最も力を入れたのは「小中高生のための大学院Coda school」という教育事業の立ち上げ・運営です。Coda schoolとは、小中高生が大学レベルの研究活動への挑戦を通して、主体性、発想力、思考力など、社会で必要となる実践的な力を育み、小中高で勉強する内容の意義を感じてもらうことを目的としています。ここでは「➀この経験を通じて学んだこと」と「➁学びを活かしてあげた成果」の二点について説明します。 ➀この経験を通じて学んだこと 私自身大学3年生まで、研究をやらされ事に感じていました。卒業論文を書く理由やその書き方、そもそもなぜ大学生は研究をするのか、大学では待っていても誰も教えてくれません。ゆえに「単位や卒業のため」という理由でしか、大学での勉強や研究の意味を見出せず、講義やゼミ活動に退屈さしか感じられませんでした。 そんな中で、Coda schoolの講師として、小中高生が研究するゼミ環境を作る立場となりました。生徒が主体的に研究に取り組めるよう、研究の一つ一つのプロセスを説明していかねばなりません。また、担当生徒の研究テーマは自分の専門と同じとは限らないため、研究の進め方の方針を生徒と一緒に悩み、まるで自分の研究かのように考え続ける場面が何度もあります。 こうしてゼミ環境を準備し続け、成功と失敗を繰り返す中で、研究の意義や方法を自分の言葉で説明できるようになっていると気づきました。生徒が自分の力で研究を進めていくためには、なぜこの子にとって研究に挑戦することが価値なのかを作って提案する必要がありますし、正しい研究プロセスに沿って生徒が進めていくためには、なぜ研究はこのプロセスをたどるのかを納得させなければなりません。生徒が研究をする目的作りをするのが、講師の大切な役割でした。それが回りまわって、研究に対する私自身の解像度を広げることにも繋がっていたのです。 以降、大学の講義や研究活動に能動的に臨むことができました。Coda schoolで学んだ研究プロセスを自身のゼミ発表において活用したところ、院生や教授にも褒めてもらえることもありました。勉学以外にも、誰かに企画の提案や営業の際などでも、「他者が納得する形で説得する」という点で、研究の考え方が活かして物事を進められるようになりました。このように、生徒がいたから学べた沢山のことが、あらゆる場面で大学生活にも活かされています。 ➁学びを活かしてあげた成果 私は中学2年と高校3年の兄弟の受講者の講師として、研究活動の伴奏をすることが役目でした。私は2人の目指したい目標を対話を通じて明確にしていき、兄はAO入試で志望校に合格すること、弟は憧れの京大文学部に入ることを視野に入れながら、自分の興味関心を深めることであると分かり、それを基に個々の授業カリキュラムを設計しました。そこからは、研究のプロセスとなぜそれをやるのかを丁寧に伝えることに尽力し、結果2人は主体的に学術論文を読んだり、書評に挑戦したりしていき、最終的に自身の研究テーマの論文作成に至りました。そして兄は自身の研究をもとに志望校にAO入試で合格し、弟は同志社大学院で学会発表を行い、大学教授から鋭いフィードバックをもらって更なる研究への探求心を育むに至りました。 *Coda schoolランディングページ:https://codaschool.com/