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SaaS事業におけるワンプロダクトiCareとマルチプロダクトwevnalの戦略と組織の模索

■自己紹介

株式会社wevnal 取締役 COO(Chief Operation Officer)
西田貴彦
1986年生まれ、兵庫県出身。慶應義塾大学 経済学部卒業後、有限責任監査法人トーマツに入所。その後株式会社エス・エム・エスにて、経営企画Grや子会社の管理部業務を行う。
退社後は複数社のベンチャーに関与し、2019年12月にwevnalに入社。当初は、管理部責任者として上場準備や会社初のエクイティ調達を主導。
2021年4月から事業側へ異動し、COOとして「BOTCHAN」の事業を統括。

株式会社iCare 取締役 CPO(Chief People Officer)
中野雄介
1991年生まれ、名古屋市出身。滋賀大学教育学部卒業後、大手人材会社に入社。2015年11月株式会社iCAREに第一号社員としてジョイン。Sales / Marketing 担当として500 社以上の衛生委員会立ち上げやストレスチェック実施、メンタル不調者対応などの健康管理に携わる。
2019年1月にSales / Marketing 部長に就任し、2019年9月に執行役員CRO(Chief Revenue Officer)に就任。2020年7月より取締役に就任。2022年7月より現職。


両社の事業に関して

株式会社wevnal COO 西田(以下、西田):
本日はよろしくお願いします。
まず本題に入る前にお互いの事業を紹介しましょう。

株式会社wevnal COO 西田

株式会社iCare CPO 中野雄介氏(以下、中野氏):
はい、弊社では「Carely」という人事・産業保健スタッフのための健康管理クラウドを提供していて、企業の働く環境や仕組みを改善し、働くひとの健康を創るお手伝いをしています。

CarelyCarely(ケアリィ)は、人事・産業保健スタッフのための健康管理システムです。健康診断・メンタルヘルス・面談管理など健康www.carely.jp

Purposeは「働くひとの健康を世界中に創る」と掲げています。Purposeに基づく組織づくりに関しては、このあと詳しく話しますね。
wevnalさんの事業も簡単に教えてください。

株式会社iCare CPO 中野雄介氏

西田:
弊社はBXプラットフォーム「BOTCHAN」を運営しています。一言で「BOTCHAN」と言っても、実は5プロダクトあるんです。

BX(ブランド体験)プラットフォーム BOTCHAN(ボッチャン)|チャットフォーム(チャットボット)BOTCHAN(ボッチャン)は、消費者および企業のLife Time Valueの最大化をブランド体験(Brand Expwww.botchan.chat

「BOTCHAN」は、Webマーケティング市場において課題となりがちな獲得費用を抑えるサポートを行うチャットボットツールです。
商品の魅力付けから購入後の定期購入継続に至るまで、各フェーズにおけるコミュニケーションを強化しLTVを上げる施策を実施しています。
ちなみに中野さんはチャットボットを使ったことはありますか?

中野氏:
あ~FAQ系のチャットボットは触ったことはありますが、マーケティングの領域では触ったことないですね。どのような企業に導入されているのですか?

西田:
現在はD2C事業社さまが中心で、あとは美容クリニック/スポーツジム等が主要クライアントです。2023年にChatGPTを活用した「BOTCHAN AI」をリリースしたので、導入業界は広がりつつありますね。
現時点の組織体制としては、各プロダクトごとに責任者を立て、そこに紐づいて個別のチームが構成されている形です。

マルチプロダクトとシングルプロダクトの 戦略と組織の作り方

中野氏:
元々「BOTCHAN」は一つのプロダクトだと思ってたけど、最近流行りのコンパウンドスタートアップなんですね!

西田:
いえ、それでいうと僕たちはコンパウンドスタートアップではないと思っています。コンパウンドスタートアップは、以下の要件をもっているスタートアップという理解です。

  • 創業時から単一プロダクトではなく、複数プロダクトを意図的に提供
  • 部署でサービスを区切るのではなく、データを中心にサービスを統合する
  • プロダクト間の連携の良さそのものがプロダクトである
  • 複数のプロダクトを管理、ローンチするケイパビリティを持つ

私達は顧客課題に対して適切な解決策を展開しており、それが結果としてマルチプロダクト化してきています。プロダクト連携にはユーザーインターフェースという観点で紡ぐことをしていますが、データを基点として大きな価値に広げていく部分は今まさにチャレンジをしていっているフェーズです。

中野氏:
なるほどですね。と言ったときに運営は相当大変じゃないですか?

西田:
はい、プロダクトも一気に開発されたわけではなく順次リリースをしてきたので、PMF中のプロダクトとGTMのプロダクトが混在し、組織運営の力点も違います。
また先ほどお話しした通り、D2C事業社での導入がメインでしたが、今後は美容クリニック業界やその他業界へ向けて展開をしていく予定です。同じマーケティング領域といっても業界毎に微妙に課題が違う中でそこをうまく運営していく必要があると思っていますね。
ただマーケティング領域は技術革新が凄く早い一方で、ユーザーデータの連なりが価値を発揮するための1つのキーになっており、そこに課題感があると感じているので、市場の必然性という前提で当該戦略をとっています。

iCAREさんはシングルプロダクトで機能別組織をキーに100名超の事業運営をされていますが、どのように事業戦略を作られていますか?

中野氏:
現在弊社は、健康管理を効率化・一元化するクラウドサービスと産業医紹介サービスなどのプロフェッショナルサービスを運営しています。データを基点に健康課題をSaaSで可視化し、その健康課題を解決するために産業医紹介や健康経営コンサルティング等を重ねて提供していくイメージです。
また私達は、安全と衛生・健康増進・働きやすさ・働きがい・生きがいという5つの要素から成る、働くひとの健康を創る「Carelyファイブリングス」というフレームワークに基づいてサービス展開をしており、今後は組織の働きやすさ・働きがいを促進する新規事業を仕込んでいます。

ただ、基本的には「Carely」というひとつのサービスシリーズの中でカンパニーケアを包括的に支えていくような事業となるため、組織としてはそのサービスを実現するためのセールスマーケティングやカスタマーサクセス、プロダクト開発などの機能別組織を敷いています。

組織作りで乗り越えてきた弊害の差分と共通項

西田:
ワンサービスの運営の際、機能別組織が100人を超えて来た時にその弊害とかは出てきませんか?

中野氏:
その部分を正直ベースでお話すると、機能間の連携が上手く行かず滞ってしまったり、部門間での個別最適は進んでも全体最適にならないといった現象が起きていました。
私達は月次で行っている組織サーベイに『私の部署と他の部署とは馬が合わない』という質問がありまして、そうだ・まあそうだと回答する割合が一時は30%を超える水準にまでなっていました。
そこからは下記の2点を集中して行いましたね。

  1. 組織の枠組み変更
  2. プロジェクトチームの再編

結果、今は15%程度の水準にまで落ち着きました。組織が拡張する中で、機能別組織における横の連携が大切であると痛感させられましたね。
その点で「BOTCHAN」はどのような組織の変遷になっているのですか?

西田:
元々「BOTCHAN」では複数プロダクトであるにも関わらず、ワンプロダクトのように『営業・CS・開発』が存在する組織構造で運営をしていました。
ただ複数プロダクトとしてそれぞれが成長してきた1年半ほど前に、営業部門に関しては「顧客業界が同じ」という観点で統合しました。
その後は各プロダクト毎にCS・プロダクトチーム・開発という形で運営してきましたが、この1年でプロダクトが2つから5つまで拡大してきたので、今年の9月からまた枠組みを顧客に提供する価値起点でCS・プロダクト・開発を一定の枠組みで取り纏めました。

正直過去1年は、複数プロダクトの立上げや、また会社としての調達活動、広告事業の売却と目まぐるしく、責任者レイヤーの採用も多くした年で、自分達の目指すべき水準が全く達成出来ませんでした。
そうなった一番の要因としては、変数を自分達で増やしてしまったことですね。ただでさえ事業体として変数が多いのに、各プロダクトの中で多くの施策が動き、その中でもどの優先順位でやれば良いの?重要な施策は何なのか?ということを運営の中で出来ていませんでした。
組織を取り纏めて運営するというのは、その優先順位付けを一定の単位で行う為に有効だと思っています。

また今後業界展開を進めていく中でその都度組織を変えていく必要はありますし、責任者のポジションが常に不足しています。
今の「BOTCHAN」では、そのような変化に対して楽しく受け止める人が多く、常に柔軟的に進めれるのが面白さであると思っています。

採用上での訴求ポイント

中野氏:
ありがとうございます。そのまま採用上での訴求ポイントの話を聞いても良いですか?

西田:
はい、もちろんです。上記の話にもありますが、私達は変化が激しいマーケティング領域で事業展開をしており、今まさに生成AIを基軸に大きな時代の変わり目に入っています。その中でChatGPTを活用した「BOTCHAN AI」もリリースし、プロダクトの形や組織の形をさらにアップデートしていく必要があります。なので下記の2点からキャリアチャンスが多くあると思っていますね。

  1. 今後どうなっていくのかをまさに仕事をしながら接することが出来る
  2. 組織の形をUPDATEしていくので必要ポジションの空きがドンドン出て来る

iCARE様はどうでしょうか?

中野氏:
弊社は最初にお話した『働くひとの健康を世界中に創る』というPurposeでアトラクトを図る採用を行っています。働くひとであれば誰しもが働くことに楽しさを見出したり、やりがいを感じたいと願っているはずなのに、その働くことを通して傷ついたり病んでしまう人が存在しているのも、この社会で起きている紛れもない事実です。私達はその矛盾を解消し、働くひとが自分らしく健康でいられる世界を実現したいと考えており、同様の課題感を持っている人にとっては、iCAREでの仕事を通じてPurposeを実現していく手触り感を感じられることが魅力的なポイントだと思っています。

両社の採用注力ポジション

■「BOTCHAN」
事業責任者候補を募集しています。
https://hrmos.co/pages/wevnal/jobs/0001006
それ以外の職種も募集しておりますので、気になるポジションがあればぜひご連絡下さい。
https://hrmos.co/pages/wevnal/jobs

■「iCARE」
カスタマーサクセス、エンジニアを中心に幅広く募集中です。
https://herp.careers/v1/icare




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