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外資金融にいて感じたウェルスナビの魅力。ユーザーからアナリストとして入社するに至った理由とは。

シニア・マーケティングアナリスト
土橋正也

土橋正也は東京都の出身。慶応義塾大学卒業後、NTTデータの社内ベンチャー、カタリナマーケティング、楽天でマーケティングのデータ分析を担当し、外資系大手運用会社のフィデリティで金融商品のマーケティング分析に従事、その後、ウェルスナビにジョインしました。現在はシニア・マーケティングアナリストとして、顧客行動の分析やコアなデータ分析などを担当しています。趣味は読書、テニス、育児。

顧客行動を分析することで事実や可能性が見えてくる

──仕事の内容を教えてください。
主に顧客行動の分析を担当しています。ウェルスナビの各種サービスを利用されているお客様の取引データ、アクセスログやアプリのデータを解析し、各事業部にフィードバックするのが役割です。
もちろん、データは個人情報が削除されたものですが、顧客行動を分析することで、さまざまな事実や可能性が見えてきます。それをビジネスサイドと共有することで、サービスの改善点を見つけるサポートをしています。

──公表できる部分だけでよいのですが、顧客行動を具体的にいうと、どのようなものでしょうか?
例えば、お客様が口座を開設されても、その後、入金し運用するに至っていないケースがあります。そのため、お客様を後押しするためのキャンペーンを行うのですが、キャンペーンをやった場合とやらなかった場合を比較することで、キャンペーンの効果が定量的に検証できます。
あるキャンペーンで運用促進が20%向上したという結果がでた場合、その数字だけを伝えるのではなく、向上した理由やこうすればもっと向上しただろうという改善案もフィードバックします。

──アナリストは分析だけでなく、提案もできないといけないわけですね。
もちろん、それまで見えなかった純然たる事実の提示だけでも価値はあると思いますが、提案を付けた方が喜ばれますし、独自性を出すことができます。数字だけを見るのではなく、数字の向こう側に隠れているお客様の行動に思いを巡らすことが、次のアクションを左右すると思っています。そのためには、業務知識も必要となります。よく言われることですが、テクニカルな知識だけでは、どうしてもビジネスサイドに刺さりにくく、価値ある提案が難しいと思います。


進化生物学とビジネスの意外な関係

──慶応義塾大学では、どのようなことを学ばれていたのですか?
大学では進化生物学(進化学)を学んでいました。母親がクリスチャンで、幼いころからキリスト教の世界観に接することが多かったのですが、子ども心に疑問に思うところもあり、事実に基づいて自然界や人間の成り立ちを知ることに強い関心がありました。それで、生物の成り立ちと仕組みを科学的に理解できる「進化生物学」にとても惹かれたのです。特に人間が不合理な意思決定をする理由や、他の生物のために行う利他行動の要因を知りたいと思いました。

──そのまま研究者になろうとは思わなかったのですか?
確かにこの分野は非常に面白く、就職はあまり考えていませんでした(笑)。でも、当時読んだ『ビジョナリー・カンパニー』というビジネス書に、「ダーウィンの『種の起源』の概念の方が、企業の戦略策定に関するどんな教科書よりも役に立つ」という記述を見つけ、これがビジネスに興味を持つきっかけになりました。
調べてみると、生物行動の進化モデルと特に新古典派経済学は考え方が非常によく似ていることがわかりました。ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン教授も「両者は姉妹分野だ」と言っています。進化学と経済学は別物だと思っていたのですが、実は「効率的な資源配分」を論点として共有しており、追求するアプローチは共通しているんです。

──それで企業に就職するわけですね。
最初に入社したのは、NTTデータの社内ベンチャーでした。SIerのシステム開発とは異なり、大量のデータを分析して、マーケティング上の改善施策を提案する仕事で、とても面白いと感じました。ビッグデータという言葉は当時使われていませんでしたが、大量データを使った分析で客観的な立ち位置を維持しながらも、ビジネス的な価値を生みだすというスタンスが自分に合っているように思いました。分析を通して新しいことを知れるのが単純に面白かったのです。

──そのころからすでに顧客分析?
そうですね。分析という仕事は変えることなく、一方で分析の土俵は意識的に変えてきました。最初に求めていたのは、大規模なデータに触れられて、マーケティングの分析ができることでした。その点で、オフライン、オンラインでそれぞれ国内最大規模の購買データを擁する、カタリナマーケティングと楽天は、自分が是非データを見てみたいと思えた環境でした。もう一つ求めていたのは、購買データと他のデータを組み合わせて分析できることでした。フィデリティはその点で、ファンドの注文データとウェブアクセスログ、アンケートなどを組み合わせた分析を通じて、新たな知見の創出ができました。振り返るとデータの規模、種類、商品カテゴリーと言った点で、幅広い経験ができたと思います。

──そこまでのめり込む顧客分析の魅力とは?
純粋に「分かる喜び」もありますし、アウトプットに価値があれば、関係者にスムーズに行動に移ってもらえるのも魅力です。
例えば、コールセンターでコール数が急増したとき、何が原因か定量分析とテキストマイニングを組み合わせて調査したことで、あるメーカー端末の紙詰まりがきっかけとなり、回りまわってコールを引き起こしていた、とわかったことがあります。
データが持つ真実に光を当てることができれば、問題の原因を可視化でき、関係者による理解も容易になります。結果、余計な抵抗を生むことなく、改善へ話を進めることができるのが魅力です。

──ウェルスナビにジョインしたのはどうしてでしょうか?
日本では、株や投信を保有する顧客の多くは、お金を持っているシニア層です。しかし、資産運用は本来、投資に長い年数をかけられる若い世代こそやるべきだと思っています。金融機関に勤めて改めて感じたのは、長期的な資産形成のためのオーソドックスな投資手法が、自分が思った以上に世の中に浸透していない、ということでした。
しかし、ウェルスナビを知った時、まさに働く世代の投資をサポートできる、次世代の標準的な運用サービスとなる可能性を素直に感じました。ウェルスナビのセミナーにも参加し、会社のビジョンに強く惹きつけられたのと、代表の柴山の「自分の親に使って欲しいサービスを作りたかった」というメッセージに共感したことも理由です。
実際、ウェルスナビに口座を作って運用してみると使い勝手もいい。私は入社前からユーザーとして使っていて気に入っているので、ポジショントークではなく、自信を持って友人や家族に紹介できる。それで入社を決めました。

新しいものに関われる醍醐味

──やりがいを教えてください。
私は、次世代の標準的な金融インフラを創造する場に立ち会えている、と思っているので、この会社で仕事できていること自体にやりがいを感じています。実際、物凄い勢いで預かり残高や申込件数が増加していくのを見ながら、それらの動向を分析できるのは楽しいことです。
分析の点でいえば、ウェルスナビはそのサービス自体が世の中になかったものなので、データを見てもとても新鮮です。「ウェルスナビが提供したい価値」に共感いただいている、と感じています。このサービスが世の中に望まれていた、という手応えのようなものがありますね。
また、ウェルスナビの環境も気に入っているところです。データに明るい優秀なスタッフが揃っていて、分析結果を理解するのも早く、積極的に活用するカルチャーがあります。

──どのような人に来て欲しいですか?
世の中で起きていることに疑問を持ち、面白がれる人がいいですね。新しいことを面白がって吸収すると、活躍の場が広がると思います。もう一つは、目の前の仕事に自分でひと工夫しよう、とする人が向いていると思います。「工夫してやってみることに失敗はない」という考え方が好きです。それが、当事者意識を持って改善するカギとなると思うからです。仮に望むものと違う結果になったとしても、それは次に活かす素材になります。自分でトライする気持ちが大切だと思いますし、私自身それを忘れないようにしたいと思います。

──今後のビジョンを教えてください。
自分のベースにある進化生物学は私のライフワークでもあり、今も関連書籍や論文を読むことがあります。そこで得た知見を、サービスに活かして行きたいと考えています。
実際、進化生物学をビジネスに活用した、という事例はあるので、私も自分なりの工夫を入れて、新しい取り組みとしてやって行きたいですね。そんな進化生物学からのアプローチで、お客様にストレスのないユーザビリティを提供したり、資産運用を促進するサポートができればよいなと考えています。

──ありがとうございました。


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