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2月下旬の夜、リサーチ&クオンツ・マネージャーの牛山史朗が、東京工業大学で「ロボアドバイザー」について講義をしました。今回のブログではそのもようについてお伝えします。
京都大学大学院で金融工学を専攻した牛山は、三菱UFJ信託銀行、野村證券を経て、ウェルスナビにジョインしました。ウェルスナビでは、資産運用アルゴリズムの開発・改良、経済情勢やマーケット動向のリサーチなどを担当するほか、東京大学・松尾研究室との共同研究を行う「ウェルスナビ AI資産運用ラボ」の所長も務めています。
「いいときも悪いときも淡々と」
今回牛山が登壇したのは、金融や投資にご関心のある学生さんが有志で集まって自主運営する「金融リテラシー講座」。「金融の知識はないけれど、ロボアドについて知りたい」という方から、「金融アルゴリズムを研究テーマにしている」という方まで、さまざまな方に集まっていただきました。
まず牛山が、ロボアドバイザーの市場や、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の仕組みについて講義を行いました。
「ロボが相場の急落を事前に予測して回避してくれる、といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうわけではありません。過去のデータを分析するだけで将来を正しく言い当てられるほど、市場は単純ではないのです。ロボアドバイザーは、相場がいいときも悪いときも、金融アルゴリズムにのっとって淡々と取引を行います」。
牛山がそう話すと、ハッとした表情でメモを取られる学生さんも。WealthNaviは、王道とされている「長期・積立・分散」の資産運用を長く続けていただけるようサポートしています。
「これまでとっつきにくかったであろう資産運用サービスを、テクノロジーの力で若い皆さんにどう届けるかが大切。WealthNaviではゲーム業界などから来たエンジニアが、ユーザーにとって使いやすいサービスを作っています。金融業界出身の私が、サービス作りにあまり口出ししないのがポイントかもしれません(笑)」(牛山)
講義後の質疑応答では、終了時間ギリギリまで、皆さんからの手が挙がり続けました。その中から2つをピックアップします。
ーー東大の松尾研との共同研究では何を実現しますか?
牛山 たとえば、アマゾンで買い物をすると「おすすめ商品」が提案されますよね。アマゾンがユーザーごとにサービスをパーソナライズしているわけです。
投資の世界でいえば、海外の富裕層はプライベートバンクに資産運用を委ねています。プライベートバンカーは、お客さん一人ひとりのバックグラウンドや思考も踏まえたうえで、アドバイスしているはずです。将来的には、AI(人工知能)によって、プライベートバンクのようなパーソナライズされた資産運用のアドバイスに少しでも近いものが実現できることを目指して、まずは基礎的な研究から始めています。
ーーロボアドを取り巻く環境は?
牛山 長く金融業界に携わってきた身からすれば、今は「長期・積立・分散」の資産運用が日本で広まる大きなチャンスだと思っています。
たとえば2016年の金融レポート(金融庁が発行)で「長期・積立・分散」についての言及があり、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)のように「長期・積立・分散」を後押しする仕組みが整ってきています。ロボアドも「長期・積立・分散」を手軽に始めて、かつ続けていただくための仕組みであり、WealthNaviをはじめ、業界全体として急成長しているところです。
東工大の皆さん、このたびは熱心にご聴講いただきありがとうございました!