ウォンテッドリー株式会社では、ご利用いただいている企業様向けに組織や人事、採用に関するお役立ち情報を発信するセミナーを定期開催しています。
今回は一方的に話を聞くようなセミナー形式とはテイストを変え、対話の第一人者である中村一浩さんをゲストにお迎えし、インタラクティブな対話体験会を実施しました!通常セミナーとは異なり、研修・育成のプロが提供する特別イベントです。
ゲストプロフィール
中村一浩
ミスミ、リクルートなどを経て独立後、慶應SDMの博士課程でイノベーションと対話の研究をしつつ、数々の大手企業に対して、場づくりを通じた実践的な人材育成・組織開発の支援やイノベーション創出の支援をしている。著書「なぜすぐに決めないリーダーが結果を出し続けるのか」「新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「問題解決」の基礎講座」等
今回、上記のテーマで参加者募集させていただいたところ、想定より多くの方にご応募いただきました。(ありがとうございました!)
第1回を4月19日に開催した結果、参加者のみなさんより非常に好評なお声をいただいたためリピート開催で5月10日に第2回を開催し、合計で15名の方にご参加いただきました。
▼参加者には、中村さんが4月に出版された対話の本をプレゼントしました
今回、そんな対話の体験会がどんな会だったのかを、レポートとしてお届けします。
なぜ対話の体験会を開催したのか
昨今、チャットなどツールを活用したオンラインコミュニケーションが主流となる中、個人の価値観の多様化によって、組織においても「対話」の必要性がより問われています。
日頃、企業の人事担当者様向けには、Wantedlyの使い方や採用ノウハウといった情報提供がメインで、どうしても目線が「すぐに役立つ短期的視点」の情報に偏りがちです。もちろん、人材不足における尽きない悩みの解決に伴走しつつも、中長期的な視点で人材の活躍・組織戦略を考えるきっかけ作りをしたい、そんな想いで「対話」をテーマに体験会を開催しました。
「対話とは何か」「なぜ今必要なのか」「どんな変化が生まれるのか」言葉では表現しづらいその答えを、体感を通じて味わってみる会を通して、採用だけではなく「本当に大切なこと」を見つめ直す機会になるよう、学習の側面も持つような会に設計しました。
どんな体験会だったか
対話会は中村さんが進行してくださり、まずは自己紹介いただきました。
「みんなからは、カズさんと言われてます。今日も嫌じゃなければカズさんて呼んでください😊 」と、穏やかな雰囲気の中で会はスタートしました。
(以下、中村さん=カズさん)
まずは、一人ずつ自己紹介です。
「名前とニックネーム」「なんで参加してみようと思ったか」「どんなことを期待してるか」について一人1分ずつ話します。初対面の人たちが、オンラインで自己紹介を始める…どんな雰囲気になるのかソワソワ。。。と思いきや、カズさんに「じゃあ誕生月順でいきましょう!」ということで声をかけていただき、自己紹介が始まりました。
一通り終わると各々この会の意気込みなどを共有できた状態で、Zoomの表示名もニックネームに変更し、簡単な相互理解をした上でいよいよ「対話」をテーマに対話する時間です。
ーー「じゃあ、皆が今言葉にしている「対話」とは、なんだと思う?」
そんな問いかけをカズさんからいただき、個々に考えて発表してみることに。そうすると、面白いことに色々な言葉で表現された「対話」が出てくるんですね。選ぶ言葉もさまざま、伝わり方もさまざまで、そこでハッと気づきました。
▼ニックネーム表記に変えたところでブレイクアウトルームにて「対話」とは何かを発表
言葉には意味と定義がある
多くの人は、言葉の定義を決めたがるけれども、目的によって決まってくるのが定義。
色んなバックグラウンドの人が集まる中で、その言葉の「共通する意味を作ることが対話」である、と気づきました。想起する意味は、自分の体験に沿ったものしかないので、複数人が集まった時には、その「体験」を通じて作るしかないということです。
「対話とはなんだろう?」の問いかけから、それぞれ言葉にする意味が違うこと、それを共通するものに作り上げていくのが対話であることを、早速この会を通して文字通り体験していきます。
日々のコミュニケーションの悩みをポツポツと参加者が口に出していく中で、「オンラインのコミュニケーション」についても話題に上がり、カズさんからは「オンラインの時、自分は逆に声に集中してもらうために、関係性が構築されたメンバーの中ではあえて画面をオフにすることもあるよ」とのこと(!)。
▼じゃあやってみようか、とオフにして話し始めるカズさんと参加者
やってみると...「確かに会話に集中できますね」「相手の身振り手振りの反応が目に入らないので、逆に相手の顔色を伺うことなく自分が綴りたい言葉が自然と出てきます」など、ポジティブな発見があったりもしました。
やってみてどうだったか
対話について、気づきを得るきっかけになったとともに、座学で体系立てて学ぶのではなく対話を通して対話を体感する、というのが実践的でした。
特に人事や採用担当の方にとっては、候補者とのやりとり・フォローの中で生かせることや、現場から上がってくる組織・コミュニケーションの課題といった日々の実務に生かせるちょっとした工夫も見つかり、今日から早速実践してみます!と最後には多くの感想をいただきました。
(実際にその後Facebookメッセンジャーのグループも立ち上がり、チームの円滑化のためにみんなで話そう!みたいな時間を企画し、その場のファシリテートをする予定です!などの嬉しいご報告もいただきました!)
また、日々目の前のやるべきことに追われて「何かを決断する」「議論して決める」場面が多くなりがちですが、特に組織において関係性の質が、思考の質→行動の質を高め、最終的には結果の質をあげていくという、まさに組織の成功循環モデルの根幹にあるのが対話である、と認識しました。
カズさんよりコメント
私たちが何気なく交わしている普段のやり取りは、実は、自分の中の色々な前提や勝手な想定をもっているもので。対話をすると、そういった無自覚の前提や想定に気づきやすくなると僕は感じています。コミュニケーションをするとき、つい、おもてに現れた言葉や表現にばかり目が向いてしまうけれど、その奥にある願いや想いに触れられると、もっと簡単に人と人は繋がっていけるし、そこから生まれる新しい流れをくみ取っていけるのだと思います。たかが対話、されど対話。ぜひ一度、皆さんに触れてみてほしいです。
体験会参加者の声
対話が大切、というがそれそのものも本を読んだだけではなかなか伝わってこなかったりして、直接口から言葉で伝えていただいてさらに意味を納得する、というプロセスも経験できたように思います。貴重な機会をいただきありがとうございました!本のプレゼントもめちゃめちゃ素敵です!ぜひ続けてください!
とても温かい温度を感じる会で、自分の想ったことを皆さんが話せている空気を感じる中で過ごせたのが心地よかったです。100%理解することは難しくて、定義は決めて、意味を対話するということを意識的にしていきたいと思いましたし、この考え方を仲間に伝えたいなと思いました。
大変有意義な時間でした!気づかないうちに自分の中で正しいと思う軸で生きていて、それに沿わない人を正そうとしてしまう意識があったのかなと感じました。人は人で別に軸があって、正しいかどうかに関わらず、その軸が形成された背景や理由があるということを意識して今後人と関わっていこうと思いました!
話すことは普段無意識的に行なっていますが、自分の感じ方を分析したり、周りの人の反応を観察して学ぶことから自分の対話力を広げていくことができるということがとても面白いなと思いました。本当にあっという間で有意義な時間でした。
もう少し沈黙も大切にしたり、相手の反応に意識を向けてみたいと思いました。何か話す時結構自分が自分がになってしまいがちですが、もう少し落ち着いて周りを見ることで相手から感じ取れること、自分の気づきを大切にしながら対話、会話をしようと思いました。
Wantedlyでは、今回の体験会に限らず、ご利用いただいている企業様向けのセミナーやコミュニティを運営しています。今後も組織や採用に役立つ情報をお届けできればと思いますので、ぜひチェックしてみてください!