「採用と組織づくりをリードする」をコンセプトに掲げた、ウォンテッドリー主催のイベント「FUZE(ヒューズ)」。通算7回目となる今年は9月25日(金)、東京・六本木で「FUZE2026」を開催し、多くの方々にご来場いただきました。
本ストーリーでは、「FUZE2026」におけるビジュアルのコンセプトや企画開発、各種造作物のクリエイティブについてご紹介します。
テーマ・ビジュアルの制作
FUZEでは毎年、時流を捉えたテーマを定めています。2026年に向き合ったのは、採用のあらゆる場面にAIが浸透していくなかで、企業は何を拠りどころに人と出会っていくべきか、という問いでした。
募集を書く、スカウトを送る、書類を選ぶ。AIに任せられる仕事が増えるほど、どの企業の採用活動も一定の水準にそろっていきます。そのとき候補者の心を動かし企業ごとの違いを生むのは、効率では測れない、その組織ならではの想いや価値観ではないでしょうか。私たちはそれを“原液”と名づけ、メインテーマを「原液に宿る、AI時代の採用の答え」としました。
FUZEでは、“原液”を2つの要素で定義しました。ひとつは、ミッションやビジョンのように企業が掲げる理想と、それが生まれた背景にあるストーリーです。もうひとつは、「スピードと丁寧さ、どちらを重視するか」のように、組織として大切にしたい行動基準や価値観です。
濃度の高い原液を貯め、共鳴する仲間と出会うための、新たな組織のあり方を見つけ出す。来場者のみなさんと一緒にその答えを探る一日になるよう、イベント全体を設計しました。
テーマの「原液」から着想を得て、さまざまなモチーフやデザインを発散し、検討
キービジュアルは、テーマに掲げた“原液”そのものを、液体のモチーフで表現しました。
FUZE2026 キービジュアル
画面を大きく流れるのは、ゆるやかにうねる、粘度の高い液体です。水で薄められていない原液の濃度や存在感を、うねりながら広がっていくフォルムで描きました。色はミントグリーンの一色に絞り、グレーの背景と対比させることで、液体の鮮やかさが際立つようにしています。
液体には細かなドットの質感を、背景には網目状の曲線とグリッドを重ねました。整然としたデジタルな線と、有機的に揺らぐ液体を同じ画面に置くことで、AIの時代にあっても人にしか生み出せないものの存在を浮かび上がらせています。
制作ではChatGPT、Gemini、adobefirefly、Claude CodeなどのAIツールを積極的に活用しました。虹色にきらめく液体、青を基調にした透明感のある表現、鮮やかなグラデーションなど、AIで数多くのパターンを生み出し、質感や色、構図を短いサイクルで何度も試行錯誤。そのうえで、テーマにもっともふさわしい表現を見極め、テクスチャや色付けといった最後の仕上げは、デザイナーが行いました。表現の選択肢を広げるのはAI、その中から“原液”を見極めるのは人。テーマそのものを体現するようなプロセスでデザインを進めました。
LPデザイン
ムービーの制作
FUZE2026の世界観を来場者へ届けるオープニングムービー。テーマの“原液”を、液体そのもののモチーフで表現しました。「AIは、最適な答えを導く?」という問いかけから始まり、企業の原動力となるビジョンや指針、人と組織の衝動・信念・願いへと言葉を重ね、「“原液”に宿る、AI時代の採用の答え。」という言葉に着地する構成です。
ミントグリーンの液体がしずくとなってはじけ、混ざり合いながら形を変えていく映像に、ワイヤーフレームの曲線と細かなドットの質感を重ねました。テロップも液体の動きに合わせて揺れ、傾き、溶け込むように展開し、言葉と映像がひとつの流れとして伝わるよう仕上げています。
会場造作
FUZE2026の世界観を創るため、大型パネル、本棚、トロフィー、ブース、ノベルティなど多岐にわたるデザインを手掛けました。
受付
来場者限定で配布した「FUZEBOOK」のデザイン。表紙のマンガには厚盛りニスを施し、登場人物たちが浮かび上がるように表現。指でなぞると、線の凹凸も楽しめます。
会場入り口に設置した大型パネル。フォトスポットとして、多くの来場者にご利用いただきました
「Wantedly Awards 2026」の受賞企業に贈られたトロフィーのデザイン
ステージ上のパネルや登壇スライドのデザインも担当
この1年間にウォンテッドリーが実施したキャンペーンと、プロダクトのアップデートを紹介したパネル
来場者配布用のチョコとウォーターボトルのデザイン
キービジュアルのモチーフをあしらったパスカードのデザイン
サイネージ
誘導パネルなどのデザイン
全員参加型の「“原液”言語化ワークショップ」で使ったカードのデザイン。ミッション・ビジョンを「登る山」、行動指針を「山の登り方」にたとえ、記入例や話すときのコツを添えて、初めてでも書き進めやすい構成にしました
今回紹介した制作物のほかにも、トークテーマの設計や会場の導線、交流が生まれる仕掛けまで、来場者が触れるあらゆる接点に目を配り、一日の体験を形づくっていきました。
AIで選択肢を広げながら、最後に何を選ぶかは自分たちの手で決める。今年の制作は、私たち自身が“原液”と向き合うプロセスでもありました。FUZEがこれからも採用と組織づくりをリードする場であり続けられるよう、ウォンテッドリーらしいデザインで、価値ある体験を届けていきます。
スタッフリスト
Creative Direction:Yusuke Mochizuki
Art Direction / Design:Mayo Uchimura, Mona Nishiyama, Takayuki Kido
Editor:Aina Maruyama
Movie:DICE Inc.