事業を伸ばしたい。新しい挑戦を始めたい。けれど、必要な人材に出会えない──。
人材獲得の難易度が高まるなかで、採用は企業の成長スピードそのものを左右する課題になりつつあります。
そうした課題に向き合うプロダクトとして、ウォンテッドリーは2024年11月、次世代型採用管理システム(ATS)「Wantedly Hire(ウォンテッドリー ハイアー)」をリリースしました。
Wantedly Hireが目指すのは、選考状況を管理するためだけのシステムではありません。採用活動のデータを可視化し、候補者との向き合い方や採用判断の質を高めることで、企業の採用力そのものを支えるプロダクトです。
今回は、Wantedly Hireのビジネス領域全般を担う両角と、開発チームのリーダーである原に、採用市場の変化やAI時代におけるATSの役割、そしてWantedly Hireが目指すプロダクトのあり方について聞きました。
登場人物
写真左:Biz Branch / Hire Tribe / Business Squad │ 両角 創平(もろずみ そうへい)
2004年に上智大学文学部哲学科を卒業後、インターネット広告代理店に入社。IT系メディアの広告営業としてキャリアをスタートし、2008年度には通期MVPを受賞。その後、BtoB営業組織の立ち上げや部門長を経て、事業領域全体の責任者を担う。2025年よりウォンテッドリーに参画し、Wantedly Hireの事業拡大に取り組んでいる。
写真右:Dev Branch / Hire Tribe / Hire Squad / Frontend Chapter │ 原 剛士(はら つよし)
2013年に中央大学大学院理工学研究科数学専攻を修了後、株式会社ボルテージに入社。エンジニアとしてデータ分析基盤やPUSH通知システムの開発に携わり、チームリーダーも務める。2018年よりウォンテッドリーに参画し、フロントエンドエンジニアとしてVisitの大規模プロジェクトやグロース領域を経験。現在はWantedly Hireのフロントエンド開発をリードしている。
採用が、事業成長のボトルネックになる時代に
──現在の採用市場の課題について、どのように捉えていますか。
両角:企業にとって、人材獲得の難易度が年々上がっていると感じています。採用競争が過熱するなかで、一人の候補者に対して複数の企業がアプローチすることも当たり前になっています。結果として、一人を採用するために必要なコストや工数も大きくなっています。
日本では、まだ人材紹介に頼る比重が大きい企業も多いと思います。ただ、それだけでは難しいという課題感は、企業の方々とお話しするなかでも聞くようになってきました。
そのため、従来の母集団形成の手段だけに頼るのではなく、採用活動の手法を多様化しようとする企業も増えていると感じています。いわゆるタレントプールのような、一度接点を持った候補者を蓄積していく動きも広まりつつあると思います。
──そうした採用市場の変化について、両角さんご自身はどのように感じていましたか。
両角:私自身、前職時代から採用に対しては課題感を持っていました。事業会社の営業部門責任者として採用にも関わる機会があり、そのなかで人材獲得のハードルが年々高まっていると感じていました。
以前の会社はデジタルマーケティング業界で、ある程度人が集まりやすい産業だったと思いますが、それでも年々難しくなってきたことから、世の中にはもっと人材獲得に悩んでいる企業がたくさんあるのではないか。今後、日本全体で大きな課題になることは避けられないのではと感じました。
──両角さんがWantedly Hireに参画したのは、そうした思いからだったのでしょうか。
両角:そうですね。転職を考えたときに、社会性のあるテーマで新しい挑戦をしたいという思いがありました。
その中で、ウォンテッドリーが新規事業としてATSに取り組んでいることを知り、「ここなら、自分が感じていた課題に向き合いながら新しい挑戦ができるのではないか」と思ったのが最初のきっかけでした。
前職で他社のATSを実際に使っていたのですが、「このシステムがあるから採用活動がすごく良くなった」という実感はありませんでした。だからこそ、新しいコンセプトの次世代型ATSを開発したウォンテッドリーなら、自分が感じていた課題に向き合えるのではないかと思ったんです。
採用の成功は、企業の知名度や条件、事業の魅力など、さまざまな要素に左右されます。一方で、データ活用の土台をきちんと整えることも、これからの採用活動において明らかに重要になります。人材獲得を支える仕組みそのものをアップデートしていけることに、Wantedly Hireの可能性を感じました。
採用管理の基盤を整えながら、AI時代のプロダクトへ
──原さんはリリース当初から開発に関わっています。Wantedly Hireは、これまでどのように進化してきたのでしょうか。
原:リリースから1年ほどは、初期のお客様からいただいたフィードバックをもとに、採用管理システムとして必要な基本機能を一つひとつ整えていくフェーズでした。あわせて、Wantedly Hireならではの強みになる機能として、レポートビルダーの開発にも力を入れていました。
現在はその基盤をさらに磨きながら、AI機能の開発にも力を入れています。最近は、お客様とお話ししていても「AIを活用した機能はありますか」と聞かれる機会が増えています。世の中全体としてAI活用への関心が高まるなかで、採用管理システムにも、これまでとは違う新しい価値が求められるようになってきていると感じています。
Wantedly Hireでも、そうした変化を踏まえながら、採用活動で企業が抱えている課題に対して、AIをどう活かせるのかを探っています。単に機能を追加するのではなく、企業の採用判断や候補者との向き合い方を支えるプロダクトとして、開発を進めています。
Wantedly Hireの「AI書類選考アシスタント」
──AI活用が進むなかで、採用におけるAIの役割をどのように捉えていますか。
原:AIの役割を考えるうえでは、まず採用において何を人が見極めるべきなのかを整理する必要があると思っています。
スキルや経験だけでは測れない、自社のビジョンと候補者のビジョンが合っているのか、候補者がどのような思いで仕事に向き合っているのか。そうした部分は、対話を通じて確かめていくべきものです。 そしてこの考え方は、ウォンテッドリーの「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションにもつながると思っています。
だからこそ、AIはあくまで補助ツールである、という位置づけが大事だと考えていて。人間が指示を出し、AIに作業をしてもらい、最終的には人間が判断する。この流れは、どこまでいっても変わらないのではないでしょうか。
AI機能があったとしても、すべてをAIが判断するようにはならないと思いますし、私たちもそうあるべきではないと考えています。カジュアル面談や選考ステップのなかで候補者と向き合いながら、本当に一緒に働いていけるのか、自社に合う方なのかを見極める。そのプロセスは、これからも重視されるべきだと思います。
──では、AIに任せる部分と、人が担うべき部分をどう切り分けているのでしょうか。
両角:お客様とお話ししていても、AIに何をどこまで任せるのかは、多くの企業が探っている段階だと感じています。
たとえば、人間の判断にはどうしてもバイアスが生じますよね。そうした偏りを避ける手段として、AIを活用できる場面はたくさんあります。一方で、自社にとってふさわしい方を見極めるために候補者とのコミュニケーションをどう取るのか、どんな軸で判断をするべきなのか。そこは人がしっかり向き合うべき領域だと思います。
採用の難易度が高まっているからこそ、企業は限られた時間をより重要な判断や対話に使っていく必要があります。そのためにも、AIを使う目的や範囲をきちんと定義することが重要ではないでしょうか。
採用を「管理する」だけでは、もう足りない
──Wantedly Hireでは「次世代型ATS」という言葉を掲げています。この“次世代型”とは、どのような意味なのでしょうか。
両角:これは私自身の解釈も含まれますが、従来の採用管理システムは、あくまで採用プロセスを管理し、スムーズに進めるための“ツール”として見られることが多かったと思います。
一方で、Wantedly Hireは、企業としての採用力を高めていくことや、採用結果をより良くすることを目指しています。単に選考の進捗を管理するだけではなく、本当に自社にふさわしい人を採用できる仕組みをつくる。その思想が、最初からプロダクトに盛り込まれていると感じています。
たとえば、データ分析機能もその一つです。採用活動の状況を定量的に把握することで、担当者は次に何を改善すべきかを考えやすくなります。さらに、面接で何を見極めるべきかを明確にするために「構造化面接」の考え方も取り入れています。採用活動の状況を把握するだけでなく、一つひとつの判断の質を高めていくための仕組みです。
採用プロセスを回すだけではなく、採用成功率を上げ、企業の採用力を高める。そうした、より本質的な価値に目を向けていることがWantedly Hireを「次世代型ATS」と表現している理由だと考えています。
ただツールを売るのではなく、一社ごとの採用に向き合う
──実際に導入を検討する企業からは、どのような点を評価されていますか。
両角:いくつかありますが、シンプルなところでいうと、UIが見やすく、直感的に操作できるところを評価いただくことが多いですね。
採用管理システムを長く使っていると、機能追加が重なって画面が複雑になったり、使いこなすために一定の慣れが必要になったりすることがあります。その点、Wantedly Hireでは日々使う人が迷わず操作できることを大切にしています。
もう一つ評価いただいているポイントが、分析機能です。企業によっては、採用状況を把握するたびにデータをダウンロードし、自分たちで加工する必要がありました。Wantedly Hireでは、採用活動の状況をシステム上で簡単に把握できるため、「これがすぐに見られるのは助かる」と感じていただくことがあります。
使い続けてきたATSを変えるのは企業にとって大きな決断ですが、それでも日々の採用活動をより良くできることに期待を寄せていただいているのだと思います。
──企業と対話を重ねるうえで、特に心がけていることはありますか?
両角:ATSを変えることは、単に新しいツールを入れるというより、長年根付いてきた採用オペレーションを見直すことに近いと思います。企業規模が大きくなるほど、採用担当者だけでなく、現場社員も採用活動に関わっています。そのため、採用現場の方々に納得して使っていただける状態をつくることも含めて、乗り換えのハードルは決して低くありません。
一方で、現状の進め方に課題を感じている企業が多いのも事実です。たとえば、採用状況を把握しづらい、運用に手間がかかるといった使いづらさを抱えているケースもあります。
採用の進め方や運用は、企業によって大きく異なります。だからこそ、まずはその会社の採用活動のどこに課題があり、Wantedly Hireをどう活用できるのかを丁寧にヒアリングする必要があります。プロダクトに合わせて「これで使ってください」と一方的に提案するのではなく、企業と一緒に考えることを大事にしています。
使命感を持って、日本の採用課題に向き合いたい
──ここまで、採用市場の変化やプロダクトの特徴について伺ってきました。そうした状況のなかで、今のWantedly Hireではどのような人が力を発揮しやすいのでしょうか。
原:開発サイドでいうと、まだまだ作っていかなければならないものが多く、チャレンジできる余地は大きいと思います。
ウォンテッドリーは、エンジニア一人ひとりが大きなオーナーシップを持つ会社です。誰かが決めた仕様通りに作るだけではなく、ユーザー体験をどう良くするのか、そのために機能はどうあるべきなのかを自分で考え抜きながら開発していく必要があります。
Wantedly Hireも、採用活動をどう支えていくのかをまだまだ考えられるフェーズです。決められたものを実装するだけではなく、プロダクトのあるべき姿から考えたい方にとっては、面白い環境だと思います。
両角:ビジネスサイドでも、新規事業としてこれからさらに伸ばしていかなければならない段階にあります。すでに敷かれたレールがあるわけではないので、そうした状況を楽しめる方には合っていると思います。
営業活動においても、単純に数を追うだけの仕事ではありません。各社の事業や採用課題を深く理解し、その会社にとってWantedly Hireをどう活用できるのかを考えながら提案していく必要があります。一社一社に向き合うぶん、採用という仕事への理解も、事業への理解も深まっていくはずです。
そのうえで、私個人としては、使命感も大事にしたいと思っています。採用難が原因で、事業自体は伸びているのに、人を採用できないことで前に進めない企業が出てくる可能性もあります。
そうした日本の社会的な問題ともいえる状況に対して、Wantedly Hireというアプローチで何ができるのか。そこに向き合うことを、自分のモチベーションに変えられる方と一緒に働きたいです。