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大手事業会社でベンチャーのように働く!1人目UXデザイナーとしての最高に働きやすいトッパンの環境とは。【社員インタビュー:Vol.02】
「トッパンのこと、印刷の会社だと思っていませんか?」
今までの考え方・やり方を「突破」し、DX(Digital Transformation)を推進する、トッパンのDXデザイン事業部でUXデザイナーとして働く村井さんに、実際にトッパンに入社してみて感じたことをインタビューしてみました。
話を聞いてわかってきたのは、大手事業会社としての最高に働きやすい環境や、トッパンでデザイナーとして働くことの真実でした。
村井 隼人|UXデザイナー
大学院では機械工学を専門とし、画像処理や人間工学について研究。
大学院卒業後、医療機器メーカーのメカニカルエンジニアとして機器開発に従事。
在籍中にUXデザインに出会い、ハードウェアのUXをデザインするために、イヤホンの商品企画職に転職。働きながらデザイナー育成の専門学校に通い、UIデザイン・UXデザインの基礎を学び、UXデザイナーとして未経験でデザイン会社に転職。toCアプリやtoBサービスのUXデザインに従事。
凸版印刷では、全社のDXデザインを担う事業部にて、複数サービスのUXリサーチ・UXデザイン・UIデザインを担当している。
趣味は街歩き・カフェにいくこと・写真を撮ること。
転職の決め手は事業領域の広さ
──医療機器のエンジニアから始まり、現在はUXデザイナーとして働かれているのはとても興味深いですね。トッパンに転職するまでの経緯はどんなものだったのでしょうか。
実は、凸版印刷のことは新卒採用の頃から知っていました。当時から「印刷会社」という印象は少なく、大学院で画像処理や3次元計測の研究をしていたので、歴史的文化財を3次元スキャンして保存するというプロジェクトに興味を持ったのがきっかけでした。
当時は、医療という狭い領域に絞ったキャリアを考えるようになったので、結果的に凸版印刷よりも優先して、医療機器メーカーに入社することにしました。その後、イヤホンの商品企画職を経て、前職のデザイン会社にてUXデザイナーとしてのキャリアを歩んできました。未経験ながら、たくさんのクライアントワークに携わらせていただいて、とても成長することができました。
──そんな中、トッパンに転職した理由は何だったのでしょうか。
幅広い事業領域と取り扱うサービスと、深い技術力を感じたからです。また、社会に価値ある事業を創造していくことに使命を感じている会社の方針に、とても共感したことも理由です。
前職のデザイン会社で大企業をクライアントにして仕事をしていて、とてもやりがいを感じていたのですが、サービスやプロダクトの立ち上げは経験できてもそれはあくまで外部視点であり、当事者の立場でサービスをグロースさせる経験ができないことに、もどかしさを感じていました。もっと自分の関わるサービスに責任感を持ち、社会のために価値ある仕事をすることが、もっと自分のやりたいことに近いのではないかと考えるようになりました。
また、これは制作会社ならではのことですが、やはり数々の大企業との仕事を同時並行で進めることで相当な労力がかかっていたことも背景にありました。それでも、さまざまな分野のサービスやプロダクトに関わることは、自分にとってとても楽しいことでした。
そこで、トッパンのような、さまざまな分野と技術力を持ち、社会価値を高める取り組みを率先している企業というのは、とても素敵な環境だと感じるようになりました。
事業横断でUXリサーチからUIデザインまで全てを任せてもらえる自由度の高さ
──現在UXデザイナーとして働かれている村井さんですが、これまでのUXデザイナーとしての働き方はどんなものだったのでしょうか。
前職では、クライアントと共同でサービスをデザインする、いわゆる「サービスデザイン」の領域でUXデザインをしていました。
「こういうサービスを作りたいけど、実際にサービスとして顧客に受け入れられるようにするにはどうしたらいいのか」という、ざっくりとした依頼からくることも少なからずありました。そういう時には、UXデザイナーとして、顧客と想定しているユーザーの理解から始め、サービスやプロダクトの骨格を作っていくことがメインの仕事でした。
具体的には、顧客・ユーザー理解の領域ではインタビューや行動観察を行い、その結果をクライアントとワークショップ形式でまとめて振り返る。そこから出てきた、サービスをどう作っていくべきなのかを、ワイヤーフレームやプロトタイプの形式でデザインをするまで、担当していました。
──現在トッパンで働く中で、そうした経験は活かせているのでしょうか。
はい、前職までの仕事の経験を、今も引き続き活かしながら行っています。
実は、現在所属するDXデザイン事業部のICT開発センターでは、UXデザイナーは私一人です。
私が最初に面談をしたのが、実際に今いるチームの上長なのですが、今のチームで担当しているサービスを「デザインする」ことの重要性を感じており、そのための人員が必要という話をしました。その時から、自分がこれまでやってきたことをそのまま活かせると感じ、今のチームを希望して面接を進めました。
──入社してからは、具体的にどんなお仕事をされているのでしょうか。
入社してからは、地方移住を希望する人と地方の自治体をマッチングさせるサービスや、AIを用いた文章の自動校正サービス、絵本読み聞かせのためのデバイス・アプリなど、様々なサービスやプロダクトのUXデザインを、事業横断で担当してきました。具体的には、企画した事業部のメンバーと一緒に、いわゆるUXリサーチの領域でサービスやプロダクトの価値を明確にしたり、想定する顧客が何を望むのか、膝を突き合わせてインタビューしたりということもしています。
また、文章校正サービスのUXデザインを担当しながらも、最終的なデザインとして私がUIのデザインまでしていたりします。他のデザイナーがいないからという理由もありますが、元々UXリサーチもUIデザインも興味があって、「自分がやらなきゃ誰がやる」という状況で背中を押してもらえたのは、このチームに入れてよかったことだと思っています。
「心理的安全性の高いチーム」と「デザイナーとしての仕事のしやすさ」が魅力
──先ほどチームのいいところが話に上がりましたが、今所属している組織について他にここがいいなと思う点はありますでしょうか。
現在の事業部やチームについては、良い意味で「大企業なのにベンチャーっぽい」ところがいい点だと思っています。
まず、私が組織で1人目のデザイナーなので、何をするかは基本自分自身で決めています。大まかな方針や役割は、組織メンバーや上長からの意向を伝えられますが、具体的に何をどのようにやるかは自分次第な環境です。
ちなみに、私の所属するチームは開発チームでして、PjM・PdM ・エンジニアが基本メンバーです。つい先日、新しく「UXエンジニア」として1名中途入社しましたが、その方を除くエンジニアメンバーは、何をいつまでにどう進めるかをみんなで話して、分担して作業をしています。一方、私は自分で決めて他のメンバーと合意をとって、自分で進めるということをしています。
──そうなんですね。一般的な大企業の働き方のイメージよりも、裁量を持って働けている印象ですね。
そうですね。大きな会社ではありますが、各プロジェクトは、コミュニケーションにかける時間が最小限になり、迅速に動ける「ピザ2枚ルール」の7〜8人程度で進めるので、人数の少なさや仕事の進め方がなんとなくベンチャーに近しいと感じています。また、今のチームはUXデザインも含めて、デザインの重要性について理解をしてくれている人が多いので、とても仕事がしやすいです。
それと、少なくとも私の身の回りの方々は「気兼ねなく話せて信頼のできるメンバー」だと思っていますので、心理的安全性がとても高いチームだと感じてます。今までの仕事で関わった、チームメンバー以外の社員の方々も同じような印象なので、部署を跨いでもあまり孤独感や疎外感を感じないのもいいところだと思います。
「働き方」という意味では、今のチームはコロナ禍に入ってからリモートワークを有効活用しています。出社した方が効率がいいというメンバーは出社してますが、普段のコミュニケーションやミーティングもほぼ100%オンラインミーティングとSlackで成立してるので、ある意味すごいチームだなと思っています。「大企業だから今も毎日出社じゃないの?」という固定観念は、いい意味で崩れました(笑)
──なるほど、心理的安全性が高いのは、リモートワークでも完結する良いチームワークのおかげなのかも知れませんね。
そうですね。それを支えるのは、チームメンバーに「率直に意見を伝えられる」ことが理由なのかなと思うことがあります。変に気を遣ったり、あれを言ったら不機嫌にさせるなど、業務に関係ない点で人間関係で悩んだり困ることが少ないのが、仕事のしやすさにも繋がってると日々感じますね。
それと、心理的安全性の高さは、「学習を後押ししてくれる組織」であることからもきている気がしています。今のチームですと、Udemy Businessが使い放題だったり、経費での書籍の購入も可能です。私はGoogleのUX Design Certificateというオンライン講座を受けたいと上長に話したら、快く経費での受講をOKしてもらえました。もちろん、社内メンバーへのアウトプットも求められるので、そこは頑張らないといけないポイントですね(笑)
──組織以外の観点で、他に良いなと思った点はありますか?
事業の広さは先ほども申し上げたのですが、最新の技術に関するサービスを担当できるというのも、トッパンという歴史ある会社なのに意外かつ素晴らしいと思ったポイントです。
具体的には、NFTやメタバースに関するアプリの開発も、DXデザイン事業部では関わっています。新しい技術を使ったサービスの体験を設計できる可能性があるのも、トッパンの中でもDXデザイン事業部に入れてよかったなと思う点でもありますね。
── 一方で、ここはいまいちだなという点は何かありますか?
正直この1年働いてきて、あまりないのですが...
人によっては、仕事の進み方のスピード感に物足りなさを感じるかもしれません。これは大企業あるあるかもしれません。
それこそ本当のベンチャーだったりは、仕事すること自体が会社の生死に関わる勢いなので、とてもスピード感のある仕事をしないといけないところが多い印象です。しかし、過度に個人に負担をかけるのではなくみんなで協力して仕事を前に進めていけるのは、リソースが充実しているという意味で大企業の利点なのかも知れません。
また、デザイナーにとっては心に余裕ができるポイントでもあります。開発やリリースに急ぐあまり、開発者や事業者目線での開発しかできない状況よりも、リサーチやデザインに時間を取るべき理由を説明しメンバーに納得してもらえれば、しっかりとユーザーに向き合う時間を取らせてもらえると感じますね。
自分で仕事を見つけて、自分で学習して、自分で前に進める人が活躍できる環境
──1人目のUXデザイナーとして入社したばかりの村井さんだと思うのですが、実際に働いてみて、どのようなデザイナーが今のチームに合うと思われますか?
そうですね。どんな会社でも共通する気はするのですが、「自分で仕事を見つけて自分で進められる人」かと思います。
デザイナーが少ないことと、私もまだまだUXデザイナーとしてのキャリアが浅いこともありますが、自分で道を切り開いていく能力と勇気が必要だと感じます。バックグラウンドも仕事内容も異なるメンバーと一緒に、「自分はこうしたい」とか、「こうするべきだと思う」ということを率直に話し、合意しながら進められるのが大切です。
また、一つのことに集中するよりも、いろんなことに手を出していろんな経験をしたい人にも良いと思います。とにかく事業部や事業の種類が多彩なので、どんどん他の事業部の人と交流しながら仕事を進められる人にとっては、とても楽しいと思います。
まだまだデザイナーが少ない環境なので、大企業でも裁量を広くして働いてみたいという方には、とても合っていると思います。
──先ほどの話を聞いていると、自分で学習を進められる人も、今のチームに合いそうですかね。
その通りだと思います。ちなみに今のチームのサービス開発は、AWSなどのパブリッククラウドサービスを利用してサービス開発を行うのは当たり前になっているので、私のようなデザイナーもAWSのCP試験を受けたりしています。ちなみに先日無事に合格しました(笑)デザイナーであろうとも、エンジニアリングの知識を進んで吸収できる人は、どんどん活躍できると思います。
π型人財になれるデザイナーと働きたい
──どんな人が合うかについてお聞きしましたが、村井さん自身は、どんなデザイナーの方に入社してもらいたいと思っているのですか?
UXデザイナーももちろんですが、グラフィカルにデザインしたり、スタイリングを決められるUIデザイナーは今もいないので、入社したら各方面から仕事の依頼がくると思います。
また、私もUXデザイナーでありながらリサーチもしますが、リサーチを専門にやってきたUXリサーチャーも、とても必要性が高いと感じてます。事業が大きくて種類も多いですが、そうした中でこそ、顧客の潜在ニーズを引き出したり、サービスの価値を再発見する仕事はとても重要視されると思います。
ただし、これらの専門領域一つでやっていると、仕事のスピード感を考えると、手を持て余してしまうかもしれません。なので、UXリサーチ・UXデザイン・UIデザインなど、幅広い領域で精通している人であればあるほど、かなり活躍の場が広がると思います。それは入社してから専門を広げるのも一つだと思います。
ちょうど先日、上長との1 on 1で、「T型人財からπ型人財になれると良いよね。」と言う話をしていて、まさしくそれだなと思いました。自分の専門だと言える領域が、1本から2本、2本から3本にできるような人が、一緒に働きたいと思える方かと思います。自分もそうなれるように頑張りたいですね。
最新の技術・最新のサービスを扱う「最強のデザイン組織」をイチから一緒に作りたい
──それでは最後になりますが、これから村井さんご自身が目指していきたい理想像はありますか?
デザイナーとしての実績を積み、DXデザイン事業部だけでなく、会社全体にUXデザインの重要性を広めていきたいなと思います。
私自身もそうですし、これから入社されるデザイナーの方に、各方面から仕事の依頼がひっきりなしに来て、それに完璧に対応できる「最強のデザイン組織」ができることが、私の目標でもあります。
今はとにかくデザイナーの仲間を増やして、共同でも良いですし各々が独立してでも良いので、悩みとかも共有しながら仕事をこなしていき、一緒にデザイン組織をイチから作って行ければいいなと思っています。
また個人としては、UXデザインに取り組む中で、戦略側にも染み出したデザイナーとしての動き方をしていくのも、直近の目標ではあります。そうした取り組みに共感できる人と、一緒に働きたいですね。
──組織としては、今後どのような方向に向かっていくのでしょうか、
それこそ今、私自身関わっているのですが、既存で扱っているサービスのSaaS化に対応したり、PLG(Product-Led Growth)に対応したサービスを開発することが直近の取り組みです。
会社としては、DX(Digital Transformation)とSX(Sustainable Transformation)に関わるサービス作りが重要視されています。DXはご存知の方も多いと思うのですが、SXは「持続可能な社会」を作るための事業ともいえます。こうした、社会に意味のある事業に取り組むことが、組織としても個人としても重要になっていますね。
──最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
これからも、DXデザイン事業部の中で、UXリサーチ・UXデザイン・UIデザインなどのデザインプロセスを、組織の内外にかかわらず横串で駆動していくことがとても重要になってきます。デザイン組織をイチから作るために、少しでも多くのデザイナーがいてくれると、とても心強いです。
こうした働き方に少しでも興味を持ってくださったなら、ぜひ一度お話ししましょう。