TAMメンバーにインタビューする「TAMのお仕事図鑑」シリーズ。今回は、共創プランニングチームデザイナーの上井温美さんに話を聞きました。
新卒から制作会社のデザイナーとしてキャリアをスタートし、現在取り組んでいるのは、デザインの枠をさらに越えて、クライアントのビジネスそのものに踏み込むこと。
上井さんが考える、これからのデザイナー像や模索中のアートディレクターとしてのあり方、TAMで働く魅力について聞きました。
—— 上井さんの、TAM入社までのキャリアについて教えてください。
大学では、情報設計という意味でのデザインや芸術のことを広く学びました。Webデザインに関する授業は大学ではごくわずかでしたが、独学中心で身につけることができました。小さい頃から家にパソコンがある環境で、HTMLなどコードで作ったものが可視化される楽しさに触れていたのが影響していると思います。
卒業後、大阪の制作会社にWebデザイナーとして入社しました。社員10人もいない会社で、キャンペーンサイトやプロモーションサイトを中心に、紙媒体や映像などにも関わりました。4年間働いて一定のインプットができたので、もっと幅広いジャンルやテイストを担当できるようになりたくて、東京の制作会社へ転職して7年間働きました。
—— そこから転職を考えたのは、どんな理由だったのでしょうか?
制作会社のデザイナーとして働く中で、純粋にアウトプットのスキルを磨くだけにとどまらない関わり方をしたいと思うようになったことが大きいです。
もちろんデザインの技術は大事ですし、腕を磨き続ける道もある。それとは別に、もっと上流工程に食い込み、クライアントと対等に会話しながら課題を整理したり、最適なアウトプットを提案して、みんなが良いと言える成果を出す関わり方をしてみたいと思ったんです。その工程の中で、自分の強みとしてこれまでに培ったデザイン視点のスキルを発揮できればと。
—— TAMへの入社を決めた理由も、その考え方とつながっていましたか?
そうですね。面接で印象に残っているのが、TAMのディレクターの飯田さんと話したときに「これからデザイナーが、手を動かす作業者一本で生き残っていくのは難しい」という話をしたことです。
デザインという手段にこだわらず、お客さんにとって何が一番いいのかを考える。その方向に進みたいと思っていたので、「共創」を掲げるTAMならできるかもしれないと感じました。
もう一つ印象に残っているのが、チームリーダーの小栗さんとの面接です。面接というか、小栗さんが最近は薪のDIYにハマっているとか、私は何が好き?とか、2〜3時間ほど雑談していた記憶があります(笑)。
スキルはポートフォリオを見れば分かるから、一緒に仕事をして楽しいかとか、同じ方向を見られているかを読み取ろうとしてくれたのかなと今では思います。具体的な仕事やスキルの話というより、「どういうことを考えている人なのか」という、人そのものを見てもらっている感覚がありました。
—— 現在のお仕事では、どんなものがありますか?
TAMに入ってから関わった中で印象に残っているものの一つが、JALスカイ札幌さんの案件です。
お客様はこちらが出したデザインを前向きに受け入れてくださる方だったので、だからこそTAM側がしっかりとクリエイティブコントロールを行う必要があると感じました。なので最初にムードボードをつくって、「今回はこの方向でいきましょう」というコンセプトの合意を取り、お客さんともチームとも認識を合わせることを大事にして進行しました。
コーポレートサイトのアートディレクションと採用サイトの制作に携わり、Webの画面をデザインするだけではなく、写真撮影のディレクションにも関わっています。
自分が一人で完成品をつくるのではなく、プロジェクトのメンバーと一緒に、コンセプトから最終的なアウトプットまでつくっていく。今の自分の仕事を表す案件の一つだと思います。
—— 最近は、さらにデザインの領域を越えた仕事にも挑戦していると聞きました。どのような内容でしょうか?
今取り組んでいるミズノさんの案件は、まさにそうです。
野球用スパイクのLPや印刷物をつくることだけが仕事ではなくて、ブランドをどう見せるのか、業界の中でどんなポジションを取るのか、といった深いところまで関わる案件です。
ブランドを強くして、売上につなげ、競合と比べたときにも選んでもらえる状態をどうつくるか。最終的には、ユーザーにブランドの価値をどう体験してもらうかまで考える必要があります。
直近では、年末に発売されるスパイクに合わせたツールやLP、展示会用カタログのビジュアル制作などを進めています。例えばカタログでは、お客さんから受け取った情報をそのまま紙面に入れるのではなく、「そもそも何を一番強く伝えるべきなのか?」を考えることから担っています。
クリエイティブディレクターや撮影を担当するパートナーとの連携、スケジュールの調整なども必要な仕事です。これまで経験してこなかったことばかりで、正直、苦労しています。
でも、自分で考えて提案したものに対して、長くミズノさんの担当をしてきたディレクターの飯田さんから「それでいいと思う」と言ってもらえると、「方向は間違っていなかったんだ」と少しずつ自信になっています。
—— 若手デザイナーと一緒に案件に取り組むこともあると思うのですが、特に意識していることはありますか?
そうですね。経験のあるメンバーと若手がペアになって大型案件を担当することがありますが、「答えをすぐに言わない、一緒に考える相手になること」を意識しています。
特にレビューをするときは、「ここをこう直してください」と答えを渡せば、たぶん早いんですが、チャットでダイレクトな修正指示は送らずに、声で話すことも多いです。
すごく遠回りだと思いながら、「このデザインにした狙いは?」「狙いが正しく伝わるにはどうする?」と話しながら、一緒に考える時間を大事にしています。
非効率かもしれませんが、デザインの表面的なテクニックだけではなく、「なぜそうするのか」を考え続けたり、「本当にこれで、お客さんの伝えたいことがエンドユーザーに伝わるのか…?」と疑ったりする力を身につけてもらいたいんです。
—— その育成スタイルには、ご自身の経験も影響していますか?
かなり影響していると思います。自分が若手だった頃は、むしろ指導された経験はあまりなくて、「実戦で経験を積んでください!」という感じでした。職人肌な人の輪で揉まれたというか…。それによってクオリティを担保する意識は身についたと思います。
一方で、自分が受けてきた方法をそのまま若い人にやりたいかというと、そうではなくて。自分の考えや発想を引き出す壁打ち相手のような、自分が若い頃にしてもらえなかった関わり方を、今は自分なりに実験している感じです。
若い人には、デザインすることを楽しんでほしい一方で、自分がつくったものが会社の名前で世に出ることへの責任も感じてもらいたいと思っています。
特にTAMのお客さんは、こちらの提案を信頼して任せてくださることが多いです。すごくありがたいことですが、だからこそ受け身になってはいけないし、TAMが手掛けたものとして品質が担保できるように一貫して関わっています。
楽しいだけでもないし、厳しいだけでもない。その両方をどう伝えるかは、ずっと考えています。
—— TAMで働いていて、魅力を感じるのはどんなところですか?
TAMの人が、自分の興味があることにすごく前向きなところです。何か新しいものを見つけた人が、自分だけで持っておくのではなく、普通に周りに共有してくれるんですよね。
例えばAIの活用でも、エンジニアさんが試したことや知ったことをどんどん共有してくれたり。そういう人たちがいる環境は、すごくありがたいです。
—— これから、仕事で挑戦してみたいことを教えてください。
現在担当しているミズノさんのような、お客様のかなり深いところまで関わって共創するお仕事をもっとやってみたい気持ちがあります。
Webサイトをつくる、グラフィックをつくる、というデザイナーとしての腕だけを求められるのではなくて、「上井さんがいるTAMさんにお願いしたい」とクライアントがTAMを選ぶ理由の一つになれたら、すごく大それたことだとは思いますが、嬉しいなと思います。
—— 他にもやってみたいことはありますか?
ラジオが好きなので、いつか好きなラジオ局のグッズづくりやWeb周りなど、自分の得意分野で関わりたいです。待っているだけでは何も起きないので、イベントに行ったときにスタッフの方へ声をかけたり、自主制作したものを発信したりしています。
すぐに仕事になるとは思っていませんが、「リスナーの中にこんな形で応援したい人間がいます」と、とにかく種をまいている感じです(笑)。
あと、社会人野球もすごく好きなので、とある企業の野球部のWebサイトを自主的にリニューアル提案しようと動いています。
今のサイトを見ていて、チームの熱量をもっと伝えられるんじゃないかと思ったのがきっかけです。大会のときに応援団の方にアプローチして、提案につなげられないか考えています。
自分の好きなチームなので勢いで作り上げてしまって、やはりモノづくりには「好き」と「熱量」だなと思いました。こんなふうに、好きを仕事にできたらいいなと思います。
仕事でもプライベートでも、興味を持ったことには自分から動いてみたいし、これからもデザインという枠だけに閉じずに、楽しんで、自分にできることを広げていきたいですね。
上井さんからは、好きに向かうポジティブなエネルギーをひしひしと感じました。頑張ってください!
インタビュー、ありがとうございました!
上井さんのように、お客さんとの共創に挑戦したいWebデザイナー、ディレクター、エンジニアを募集しています。
まずはカジュアルにお話ししませんか?募集ページからのエントリーをお待ちしています!
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