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3年でトップシェア!ー関わるすべての人が満足する、新たなサービスの付加価値とは―

2015年、応募受付代行サービス「Omusubi」を基盤とした採用支援事業部が発足した。2018年に同業界でトップシェアとなり、2019年現在では全国6センターで応募受付を運営している。当事業部責任者の沼野幹生が考えるサービスの根本は何か。地方の活性化は、目的ではなく地方でのサービスを成り立たせるための付加価値であった。

いまだかつてない採用難の今、求められるサービスの本質

2015年、株式会社エスプールに新規事業が発足した。

応募受付代行サービス「Omusubi」を基盤とした採用支援事業部である。

創業当初より、中核事業として発展してきた人材派遣事業での人材の採用ノウハウを活かし、アルバイト・パート領域にて、応募から面接参加までの歩留まりを改善するアウトソーシングサービスである。

当事業部責任者である沼野は、企業の人材採用に問題意識を持っていた。

沼野 「サブプライムローン問題を発端とする不景気から一転、ここ数年では「買い手市場」から「売り手市場」へと変遷しています。とくに、チェーン展開をしている企業のアルバイト採用においては状況が厳しく、求人数は増え続け、採用単価も上がり続けているんです。いまだかつて、これほどまでに“採用”が企業にとっての重要課題になったことはなかったのではないでしょうか」

そんな中、応募受付代行サービス「Omusubi」はサービス展開を始めた。

応募者が複数企業、複数店舗に応募することが一般化している中、各企業の応募者に対しコンタクトを取り、スピーディーに、まめに感じよく対応を行う。それにより歩留まりを解決し、同じ応募数でもより多くの採用を、ひいては少ない応募数でも同等の採用数を確保することができる。そんなサービスをコールセンター業界としては異例の成果報酬型で展開し出したのだ。

2017年、新しく事業部長に就任した沼野は、まずはサービスの根本に立ち返って事業について考えたと話す。

沼野 「サービスの根本的価値を考え直したんです。なぜアウトソーシングが必要なのか。なぜサービスが存在しているのか。まずはそこから考え始めました」

2019年現在では、事業部発足より4年にて月間50,000件を超える応募者対応、対応店舗数は1万店舗に到達した。大手チェーン展開をしている企業の導入も増え、業界トップシェアとしてサービスを展開している。

沼野 「クライアントが増え続けることは、このサービスの社会での必要性を意味しています。そのようなクライアントの課題をわれわれのアウトソーシングによって解決します。このように、価値のあるアウトソーシングサービスを提供できているんです」

地方でおきる社会問題をアウトソーシングの力で解決する

               ▲センター開設セレモニー(宮崎県日南市)

このように、アルバイト・パート領域では未曾有の人材不足となっている。しかし、この環境下であっても、まだまだ買い手市場の領域も存在する。

そのひとつに、地方での事務職での求人が挙げられる。

都市部への人工集中化による地方での人口減少によって、人気職種である事務職はますます減少の一途をたどっているのだ。

そんな中、沼野は地方創生の一環として、応募受付センターを30,000人前後の地方都市である北海道北見市をはじめとして、宮崎県日南市、西都市、徳島県小松島市の計4拠点の地方センターを設立した。

沼野 「地方センターでは、時短勤務可能でシフト制を採用しています。運営のための人員配置はもっとも大切な要素ですが、そんな中でも、小さいお子さんがいても気軽に働ける環境をつくることを意識していますね」

沼野は地方センターの運営は、たやすいものではなかったと語る。

沼野 「ただでさえ遠隔地でのマネジメントに加え、30,000人都市という規模感も運営の難しさの要因でした。
オペレーション職の求人の特徴として、地方の事務職であり、営業要素があるアウトバンドコールではない珍しさにより、募集をかければ募集人数自体は集まります。しかし、口コミや噂が広まりやすいことも気をつけていますね」

提供する側、される側。Win-Winでなければ意味がない

こうして設立された地方都市のOmusubiセンター。2019年現在では、住民の定職化を初めとする地方創生に貢献していると評価を受けている。そして、地方自治体から誘致を受けて設立し、助成金をいただき運営をしている。助成金はサービス内容を弱めることなく、安価にサービスを提供できるため、クライアントのサービス満足度の向上へつながっているのだ。

また、地方のコールセンターでは地域特有のイントネーション・訛りに対する懸念の声があがる。

沼野 「イントネーション・訛りに対する懸念の声はあるが、この懸念は応募受付にとって最適な環境です。オペレーターの程良い訛りは、新しくアルバイト先を探している不安な応募者にとって安心感を与えるものなんです」

Omusubiサービスはクライアントにとっても満足度の高いサービスとなった。

沼野 「クライアントにとって必要なサービスでなければ、継続的なサービスの展開はできないです。事実、導入企業様の解約数は極めて少なく、満足度調査では 95.2%のサービス満足度の数値をたたき出しました」

Omusubiサービス導入前との数値を比較すると成果は一目瞭然である。

大手飲食チェーンでは、応募からの採用率が13.1%の数値しかなく、人材不足が企業にとって最重要課題となっていた。

そしてサービス導入後、応募からの採用率は29.4%へ向上、クライアント様の採用費は3分の1に下がり、手間の削減だけでなく、歩留まりの改善を実現している。

大手飲食チェーン店や、小売業だけでなく、警備業界や派遣業界・介護業界のクライアントが多いことも特徴である。

それぞれにあわせたトークスクリプトや対応フローをカスタマイズできることも、このサービスの満足度が高い要因であろう。

また、メリットと感じるのは、クライアントにとってだけではない。各企業へ応募をおこなった応募者にも多くのメリットがある。

応募をしてから1時間以内にコールセンターより連絡がくる。応募者にとってすばやいレスポンスは、入社意欲を増進させているのだ。

沼野 「地方で働くオペレーター、クライアント、応募者。関わるすべての方に満足いただけるサービスを目指します。また、逆にそうでなければ、アウトソーシングとしての意味がありません」

沼野のサービスに対する根本は、サービスを提供する側、される側の両者が満足するウィンウィンのサービスであることにあったのだ。

地方創生にも貢献ー採用市場のプラットフォーマーとして高みへー

Omusubiサービスの導入によりクライアントの採用歩留まりを解決できていることは言うまでもない。加えて、地方都市での正社員雇用促進を行い、地方創生に貢献している。

2018年3月に新しくコールセンターを開設した徳島県小松島市にとって、東京に本社がある企業のコールセンターは初進出であった。また、エスプールの初進出からちょうど1年後の2019年3月に、株式会社うるるBPOは新しくアウトソーシングセンターを設立した。エスプールセンターとの距離も近く、2社間ではフットサルを通した交流会を開催し、交流を深めることで、小松島市を盛り上げることにも一株買っている。

小松島市企業振興・商工観光課の花房由佳さんは「3万8千人の小松島市に2社の企業様がお越しいただいて、復興のためにお力添えいただき、夢のようです」と語っている。

沼野は、今後も多くの人にOmusubiサービスによってメリットをもたらしたいと考えている。

沼野 「今後さらなる採用困難が待ち受ける中で、採用市場のプラットフォーマーとして、市場と時代の流れに合わせたサービスが提供したいです。
クライアントの満足、自治体の満足、オペレーターの満足、事業部としての満足、関わるすべての人に良い影響を与える“ Omusubiサービス”そのものこそが、事業部にとってもっとも大切であると考えます」

サービス開始から4年。業界トップシェアになった今、採用支援事業部・沼野の舵きりに今後も目が離せない。

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