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スパイスファクトリー(以下、スパイス)は、世界がより良い方向に向かうよう変化を加速させる “触媒” としての役割を全うすることをミッションとしたDXエージェンシーです。
これまで、様々なバックグラウンドやスキルをもつ当社の社員のインタビュー記事や対談記事を公開してきました。
インタビュー記事はこちらからご覧いただけます。
今回は、 FastDX Div. のディレクターである岡垣と取締役COO小島の対談をお届けします。
岡垣 隆志 | Takashi Okagaki
印刷会社にDTPオペレーターとして入社。その後、Web制作会社などいくつかの会社経験を経てスパイスファクトリーにコーダー・ディレクターとして参画。テクニカルディレクターとして技術周りを得意としながら、クライアント折衝やWeb制作のディレクションを担当。
小島 寛人 | Hiroto Kojima
ローカライゼーションベンダーのディレクターを経て、2006年よりウェブデザイン会社にて大企業のコーポレートサイト、マーケティングサイト、保険企業のオンライン見積りサイトなど多様なプロジェクトに従事。2022年11月よりスパイスファクトリーに参画し、事業責任者を務める。2022年8月には取締役COOに就任。
目次
- ディレクターに求められる役割。ディレクターのその先のキャリアとは。
- 得意領域で自分だけのバリューを。技術力で差別化を図るテクニカルディレクター。
- 社会の流れから自分のするべきことを見つける。2人が考える将来の見据え方。
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ディレクターに求められる役割。ディレクターのその先のキャリアとは。
ー 今回は、ディレクターという仕事について、ディレクターのキャリアについて、お二人にうかがいたいと思います。ではまず、そもそもディレクターに求められる役割や要素とはどんなものなのでしょうか?お二人のお考えを教えてください。
小島:そうですね、私は一般的なWebディレクターでいうと、主に3つの役割があるかと考えています。
第1に橋渡しの役割です。受託開発会社側のディレクターであれば制作サイドとクライアント、事業会社側のディレクターであれば営業やマーケターなどの技術者以外と技術者の橋渡しをします。
第2の役割は、人・お金・時間・品質の観点からのプロジェクトマネジメントですね。
第3の役割はプランニングです。ウェブサイトやウェブサービスの制作の際、運用法やどんな目的で制作するのかなどのプランを練ります。こんなところでしょうか。
岡垣:役割としては小島さんの言う通りではないかと私も思います。要素については、責任感が必要ではないでしょうか。案件や社会、クライアントに対して最後まで業務を全うすることが求められますよね。
また、これまでの話は一般的なディレクターの話ですが、其れとは別にスパイスのディレクターだからこそ求められる役割・要素というのもある気がしますね。
小島:スパイスならではの点があるのは私も思いますね。スパイスはアジャイル開発が得意な会社なため、アジャイルマインドの社風が定着していますよね。そのため、ディレクターだけがクライアントと話すのではなく、エンジニアやデザイナーが積極的に前に出てコミュニケーションをとる文化があり、クライアントと制作サイドの橋渡しといった役割はあまりディレクターに求められない傾向があるかもしれません。岡垣さんのおっしゃる通り、その代わりに責任感が強く求められていると思います。
岡垣:「エンジニアが積極的に前に出てコミュニケーションをとる文化」というところに、本当に共感します。スパイスだとクライアントとの会議でもエンジニアが直接クライアントと話すことも多くあります。なので、ディレクターがすべて抱え込んで指示を出す、というよりは、ディレクターもエンジニアも所属するチームが一丸となってプロジェクトに取り組んでいる、という雰囲気があります。とはいえ、私は他の制作会社のやり方を知らないので厳密に比較はできませんが…
小島:前職が制作会社だった私が考えるに、他の会社だと、ディレクターが先頭に立ち、全てを把握してプロジェクトを進める、エンジニアやデザイナーはディレクターの指示を受けて作業する、というやり方が多い印象です。こういったやり方は、個人的には昔からよくある一般的なやり方だと思います。
昔はWebシステムがシンプルだったので、ディレクター1人でプロジェクトの情報を把握しきれました。ところが今はスマホもあるし、Webがリアルと結びつき、複雑性が増しています。そのため、物理的にディレクターひとりで対応するのは不可能になってきているのでは?と私は思います。だからスパイスのように、エンジニアはエンジニアの領域でクライアントとやりとりをする、ディレクターはディレクターとしての役割を全うしてバリューを出す、というやり方が新しく出てきたのではと私は考えています。
ー では、ディレクターというポジションのキャリアとしては、どんな形が考えられるのでしょうか?また、スパイスでのディレクターのキャリアは他社と違うのでしょうか?
小島:私がこれまでみてきたプロジェクトマネージャーやディレクターの人たちのキャリアとしては、受託会社に入社し、事業会社へ転職する人が多い印象でした。その転職には、クライアント側に立ってみたいというシンプルな思いが関わっているようです。また、1つの事業に専念してビジネス的な貢献をもっとしていきたい、という気持ちもあると思います。
一方でスパイスは、いろんな業種業態の仕事ができることを強みとしているので、ちょっと違ったキャリア形成になっているかもしれないですね。
岡垣:そうですね、スパイスで積めるキャリアは、アジャイル開発に特化した独特なものだなと実感しています。ひとことで言うと、「社会のためになるものをつくり続けるためのキャリア」といったところでしょうか。スパイスのディレクターにはその時々で正解のないものに対する判断が求められるので、環境ややり方がかわっても適応できるようなさまざまなスキルが自然と身につくと思っています。
小島:スパイスでは良くも悪くも「ディレクターはこうあるべき」という型が決まっていないので、得意領域を活かしながら自律駆動でキャリアを積んでいけるのが魅力的だなと思いますね。岡垣さんの場合は、技術力を活かしてテクニカルディレクターとしてのキャリアを積んでいますよね。
ー 小島さんからみた岡垣さんは、どんな強みがあるディレクターですか?
小島:岡垣さんは、得意なことと強みが違うのではと思っています。岡垣さんはテクニカルディレクターなので、得意はやはり技術力ですが、強みはクライアントコミュニケーションの上手さだと感じています。以前岡垣さんがクライアントの知識量や立場を見極めてコミュニケーションをとっていると言っていて、なるほどと思いました。
岡垣:クライアントコミュニケーションのコツって、たしかにその見極めかもしれないですね。
小島:岡垣さん、クライアントからのリピート率高いですよね。
岡垣:いえいえ、クライアントに恵まれているからですよ。
ただ、やっぱり、クライアントが案件を進めやすいと思ってくれるのが大事ですかね。そこから派生してリピートに繋がるのではとも思います。ディレクターが専門用語ばかり使ってしまい、「この人、何言ってるんだろう」とクライアントに思わせてはいけないと思っています。専門知識だけでなく、フランクで雑談を好むタイプなのか、時間や成果を重視するタイプなのかなど、クライアントの雰囲気に合わせることも大切ですね。
得意領域で自分だけのバリューを。技術力で差別化を図るテクニカルディレクター。
ー ここからは、テクニカルディレクターにテーマを絞ってお伺いしますね。なぜスパイスには岡垣さんのようなテクニカルディレクターが必要なのですか?
岡垣:スパイスは私が入社したころからエンジニアが多く、エンジニアがものづくりを行うことを大切にしている会社でした。そして、ディレクターの独断でプロジェクトを進めるのではなく、エンジニアの意見を交えながらクライアントとコミュニケーションをとっていく、という形がとられてきました。
この形だと、必然的にディレクターがエンジニアやデザイナーと密にコミュニケーションをとる場面が多くなるため、対等に会話するためにも、現場や技術についての経験と知識をもったテクニカルディレクターが必要になったというわけです。
小島:そうですね。私もスパイスという会社は作り手を大事にするカルチャーをがあると感じます。言い方はおかしいかもしれませんが、ものをつくったりアウトプットする人が重要視されていると思います。これはエンジニアやデザイナーが偉い、ということではなくて、たとえばディレクターがクライアントが話したことをまとめて資料にするのもアウトプットのひとつですよね。
この、アウトプットにこだわる、アウトプットを速くだす、というのもアジャイル的な考え方に基づいているし、その考え方があるからこそ、スパイスのディレクターは今のような、その人なりのアウトプットが求められる形になったのだと思います。
岡垣:たしかにスパイスは、そもそも”ものづくり”の思考が強いですよね。
ー テクニカルディレクターとして、ディレクターが技術に強みを持っていることによるメリットはなんでしょうか?
岡垣:現実的な話でいうとスケジュールがきついときにヘルプに入れることですかね。また、最低ラインの共通認識をもってエンジニアとコミュニケーションを取ることが可能です。
小島:私は技術に詳しいわけではないので、岡垣さんのように対応することはできないですが、クライアントが何に対してお金をはらっているのか考えると、それはクライアントが実現したいことを形にできることに対してだと思うんですね。
ディレクターも技術的な知識があるからこそ、クライアントの実現したいことを把握するだけでなく、ディレクターも一緒になって実現まで進めるのがスパイスならではの価値ですよね。
岡垣:たしかにそうですね。あとは、技術に限らない話になるのですが、専門知識を持っていることによるメリットとして、クライアントと話しやすいことも挙げられると思います。例えばデザインについての知識があれば、どうしてこういうデザインなのか、デザイナーを通さずに話せます。専門家であるデザイナーが話したほうが説得力はあるだろうけど、話して納得してもらえるかは表現の方法にもかかっていると思うんですよね。デザインがだめで納得してもらえないときもあるし、表現がだめで納得してもらえない時もある。表現の方はディレクターでも工夫できるので、そこがおもしろみでもあるかなと思います。
小島:浅く広い知識だけでなく、自分の得意領域や専門領域を持っている人は今後ディレクターに限らず重宝されると思います。だから、岡垣さんのように技術やデザインによった得意領域をもっているのは強みになりますよね。
岡垣:今、世の中にWebディレクターはたくさんいますが、その中で個人として特色をつけてクライアントに提供できる人になりたいですよね。ディレクターに限らず、私は、「自分のバリューを作る」ということをずっと重要視しています。特にスパイスでは、他の人と同じスキル・方向性を目指すことより、自分だからこそもっている価値、強みを業務で出していくべきだと考えています。
社会の流れから自分のするべきことを見つける。2人が考える将来の見据え方。
ー 岡垣さんは今後のご自身のキャリアについて、どう想定していますか?
岡垣:しっかり決めているわけではないのですが、今のところ三通りの選択肢があるのかなと思っています。それが、「今のままディレクターを続ける」、「ディレクターの後続を育てる立場になる」、「全く別の立場から後続を育てる立場になる」の三つです。ただ、ディレクターを続けるのであれば、テクニカルディレクターという形にこだわらないほうがよいのかなとも思っています。まだ知らない領域も多いですし、今後の社会において何が重視されるかもわからないですから。たとえば、今後SNSがさらに成長して、マーケティングの知識が重視されるようになるかもしれないですよね。いまはテクニカルディレクターですが、それも途中過程だと考えています。
小島:私から見た岡垣さんは、仕事の領域をどんどん広げている印象があります。出会った頃は WordPress に詳しいディレクターでしたよね。そもそもスパイスの事業領域が広がっているというのもありますが、どんどん考慮すべき要素の多いプロジェクトに携わっていってくれていると思います。ここ半年くらい、未経験の領域にチャレンジし続けているんじゃないですか?ずっと WordPress が強みです、と押し続けることもできたと思うのですが。
岡垣:ここ半年どころか、スパイスに入ってからは未経験の業務が9割くらいですよ(笑)。
私は、ウェブ業界は二次元のもので、それにシステムが入ってくることで三次元として動きが出てくるというふうに考えているんです。今後ユーザーが求めるのは三次元だと思ったので、テクニカルディレクターという道を選びました。絶対にこの道に進みたい、というこだわりがあったわけではないですが、社会の流れを見て、いるべき場所がわかったという感じですね。
最初は技術の知識もあまりなかったので、エンジニアに尋ねたり自分で勉強したりしながら、テクニカルディレクターとして少しずつ成長していきました。
今でも、私自身をテクニカルディレクターと呼べるのだろうかという疑問は残りますが。
小島:テクニカルディレクターは自称でいいんじゃないですか。
岡垣:たしかに、何ができるからテクニカルディレクター、ってことはないですもんね。
ー 最後に、キャリアに悩むディレクターにメッセージをお願いします。
小島:おそらく、自分の強みってなんだろう、という悩みを抱えている人は多いんじゃないかと思うんですね。押し売りみたいになるのは嫌ですが、自分のバリューを見つけたい人にスパイスはいい会社だと思いますよ。
岡垣:誰でも、同じ会社で定年まで働き続けられるかと言われれば不安を抱くと思います。ただ私の場合、あと10年はテクニカルディレクターを続けられる自信はあるんです。そういった、自分のバリューを発揮できる仕事をみつけたり、その仕事が無くなったときにも他の進路が考えられるという点で、スパイスという環境をおすすめしたいです。
ー ありがとうございました。
スパイスファクトリーでは、革新の触媒の一員として、世の中を良くしていきたいとお考えの方からのご応募をお待ちしております。
スパイスファクトリー株式会社
世界がより良い方向に向かう"触媒"であることをビジョンとし、他の先進国に比べてデジタル化が遅れていると叫ばれる日本において、より社会貢献性・公共性の高い領域でのDXを促進し、デジタルの力を使っての社会課題解決を目指しています。代表を含めエンジニアが4名で立ち上げ、創業以来5年間、売上高は継続して150%成長。人数も直近1年間で2倍の60名規模になっています。
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