災害への備えを、知識として「学ぶ」だけでなく、自分たちの地域について調べ、誰が困るのかを想像し、解決策を考え、自分の言葉で社会へ伝える
「希望の循環」を社会実装するために設立されたスパイスファクトリーの子会社、Ginger Lab(ジンジャーラボ)では、第一弾プロジェクト「社会貢献型の防災備蓄食 KIBOU CURRY(キボウカレー)」を、次世代向け探究学習の“生きた教材”として活用する取り組みを始めています。
2026年7月、信州大学教育学部附属長野中学校の中学3年生を対象に実施したのが、
「はたらく防災 KIBOU CURRYで考える、仕事・防災・希望の循環」です。
今回、Ginger Labが目指したのは、商品を説明して試食してもらう企業見学ではありません。
学生自身が長野の防災課題を調べ、その問いを企業へ持ち込み、実際の商品や事業の背景を知りながら、企業と一緒に解決策を考える
未来の防災を一緒につくる共創型の教育プログラム
として設計しました。
登壇者:
Ginger Lab株式会社 代表取締役社長 流郷綾乃
Ginger Lab株式会社 CFO(Chief Food Officer/最高フード責任者) 大道静華
KIBOU CURRY(キボウカレー)は「社会貢献型ローリングストックモデル」を備えた防災備蓄食です。企業・自治体に導入いただいた後、賞味期限前に回収、こども食堂・福祉施設へ寄付し、新しい備蓄へ入れ替える循環の仕組みが特長です。「余る」そして廃棄される備蓄を「足りない」場所へつなぎ、導入のワンアクションが「BCP整備 × CSR実践 × 食品ロス削減 ×石川復興支援」の4つの社会課題解消に繋がっています。
KIBOU CURRYの社会貢献型ローリングストックモデル
当日のプログラム
社会課題解決視点から「働く」を考える
KIBOU CURRYは、複数の社会課題の解消に接続する仕組みが特長です。
Ginger Lab株式会社代表取締役社長 流郷とCFO 大道のこれまでのキャリアを織り交ぜながら、KIBOU CURRYが生まれた社会背景や「誰かの課題や困りごとを解決する」視点も仕事や働くことにつながることを伝えました。
学生からは活発な質問が投げかけられ、『なぜこの会社を作ろうと思ったのか』『仕事や人間関係で大切にしていることは何か』など、企業の社会的役割や働く価値観について深く掘り下げる声が上がりました。
学生に語りかける流郷(右)と大道(左)
話に聞き入る学生の皆さん
中学生が調べた学生の防災意識。どう社会へ伝え、人を動かすか、実践的な伝え方を学ぶ
学生たち自身が事前に調査した自校の学生の防災意識についても発表いただきました。
調査からは、防災バッグを備えている家庭がある一方で、防災知識に自信がない人、非常食の賞味期限を確認できていない人、非常食そのものにも「美味しくない」とマイナスなイメージを持つ人が多いことなど、学生自身の生活に身近な課題が見えてきました。
この発表に対し、流郷からデータの信頼性と発信方法について具体的なフィードバックを行いました。アンケートを外部に発信する際は、回答数の母数を明記すること、公式な発信には最低でも100件以上、できれば300名程度のデータが望ましいこと、スライドにはファクトデータや出典を明記する必要があることなど、パブリック・リレーションズの実務にも通じる視点を共有。防災について学ぶだけでなく、「情報をどう受け取り、どう社会へ伝え、どう人を動かすか」まで考えるデータ・情報リテラシー教育の機会にもつながりました。
学生の皆さんの発表の様子
KIBOU CURRYのアレンジメニュー開発ワークショップ
後半は、学生たちが2チームに分かれてKIBOU CURRYのアレンジメニューを考案するワークショップを実施しました。
Aチーム:避難所で安心して食べられるメニュー
長野県内の小布施町の名産である栗と長野名産の七味を組み合わせたアレンジを考案。栗はアレルギーの心配が少なく、火を通すと食感を残したまま食べられる点に着目しました。
Bチーム:寄付された子ども食堂で食べたくなるメニュー
KIBOU CURRYをチーズと卵でドリア風にアレンジ。働くお母さんなど家族層に届けたいという狙いから、SNSでのレシピ動画投稿や長野のスーパーでのチラシ配布といった発信方法まで具体的に検討しました。
KIBOU CURRYの試食をしながらレシピを考案
地元のスーパーでチラシを配るなど、具体的な発信方法の案が出ました
防災教育とキャリア学習の新しいかたち
今回、学生たちに考えてもらった「問い」は、
「非常食はある。でも、本当に誰にとっても食べやすいのだろうか?」
ということでした。
小さな子ども、高齢者、食欲がない人、アレルギーのある人、不安を抱えながら避難所で過ごす人。様々な人の「課題」を解決するには、どんな視点を考えるべきか。
備蓄の“量”だけでなく、その先にいる一人ひとりを想像する
KIBOU CURRYを実際に食べながら、防災を制度や知識ではなく、自分や家族、地域の生活につながるテーマとして考え、学生たちには事前に長野の課題を調べ、自分たちなりの問いを持って来社いただきました。
私たちは、実社会で培った知識や経験を提供し、一緒に考えます。
学生が、その知見を長野へ持ち帰り、自分たちの学校、家庭、地域で次の行動、そして数年後のキャリア選択のきっかけへと繋げていくことを願っています。
学校が持つ「学生の問い」と、企業が持つ「社会実装の知見」を掛け合わせる、そして社会課題について異なる世代が一緒に考える機会の創出も、このプログラムで実現することができました。
後日、学生たちからは、考案したアレンジメニューを実際に調理し、試食を実施。校内発信のためのKIBOU CURRY紹介動画も作成されたと嬉しい報告をいただきました。
防災を「自分ごと」に変え、「備える」ことが、次の誰かを動かす
私たちが学生たちに伝えたのは、
「今日のゴールは、KIBOU CURRYを好きになってもらうことだけではありません。“備えることは誰かを支えることにもなる”という考え方を、今度は皆さんが長野で伝える人になってほしい」
ということでした。
企業が備える。
その備えが、必要とする誰かへ届き、循環する。
その仕組みを知った子どもたちが、防災を自分ごととして考える。
そして学んだことを、家庭や学校、地域へ持ち帰る。
その先で、また誰かが防災について考え、行動する。
備蓄された一食から、人の意識や行動まで循環していく。
私たちは、そこまで含めて「希望の循環」だと考えています
信州大学教育学部附属長野中学校の中学3年生のみなさんありがとうございました
Ginger Labでは、KIBOU CURRYの導入に加え、学校・教育機関、自治体、企業、地域団体と連携した防災・探究学習プログラムについてもご相談を受け付けています。
「自校の探究テーマと組み合わせたい」
「地域の子どもたちと防災を考えたい」
「備蓄導入を、地域・次世代への取り組みにも広げたい」
そんな想いの方は、ぜひ公式Webサイトからお気軽にご連絡ください。
Ginger Lab株式会社:https://ginger-lab.co.jp/