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エンジニアとして考えるサポートの形とは。総合格闘技場 v.s 検証遊園地、そしてその先にあるお客様への想い

こんにちは。ソラコムのasako(平)です。
今回は日本では珍しい「自社内製のプラットフォームサービスを、日本だけでなくグローバルに提供している」というソラコム事業の特色の中で、サポートエンジニアという重要な職責をになっているエンジニアのインタビューをお届けします。

だけじゃない、ソラコムのサポート!

ーオフィスでも存在感の大きなサポートメンバーのお二人ですが、何気にインタビューは初めてだったりします!
mick : 待ってましたー!mick と申します。大学のころに取っていた授業がセンサーなどに使う熱力学と光ファイバーなどに使う材料工学と飛行機の傾きを安定化させる制御工学で、センサーとネットワークとコンピューティングで全部合わせたら IoT じゃん!って思ってこの業界に入りました。サポートエンジニア歴は前職からやっていて、足掛け 3 年ほどです。
kaoru: kaoru です。これまでは某外資IT企業でテクニカルサポートや IoT のプロフェッショナルサービスのチームでエンジニアやマネージャーとして働いていました。数年おきにサービスとサポートを行ったり来たりしていたのですが、そろそろサポートに戻りたいなと思っていたタイミングで 2018 年末の社員レポートを読んでとても共感し応募し入社しました。サポートの仕事はトータルで 10 年くらいやっています。

株式会社ソラコム
サポート エンジニア(左から順に)
佐藤 薫:kaoru
三國 直樹:mick

ーサポートとしての具体的な役回りはどんなものになりますか?
mick : サポートエンジニアの主な業務は、特に一度でもどこかに問い合わせをしたことある方はイメージしやすいと思います。お客様から技術や課金に関する問い合わせリクエストをあげてもらって、対応するという。基本は同じです。また、FAQ技術ドキュメントの整備もやっています。障害発生時にタイムリーに状況を伝えられるよう Status Page を更新するのも大事な仕事ですね。
kaoru: お客様がソラコムをお使いいただく際に出てくる技術や請求に関するお問い合わせに対応しています。ソラコムとお客様のコンタクトポイントは Web サイトからのお問い合わせ、TwitterFacebookなどいろいろありますが、ユーザーコンソールからいただいたお問い合わせは私たちが対応しています。

ーslack のサポート専用チャネルでは日々活発にお問い合わせに関する質問ややりとりが交わされていますよね。では次の質問にー
mick: いや、まだまだあるんですよ。ソラコムのリーダーシップステートメントには Think Without Boundaries というのがあって、興味があることにはロールの枠を超えて取り組めます。たとえば kaoru は Binary Parser Playground という機能をリリースしたりしました。インターナルツールやハンズオンコンテンツなど、エンジニアとして貢献できる領域がたくさんあります。

ー確かに、この機能は、彗星の如くリリースされて本当に驚きました。しかも、元々割り振られていたものではなく、サポートチケット対応をする中で kaoru が自ら起案して開発したと聞いてさらに驚きましたっけ!
kaoru: ドキュメントの改善やハンズオンイベントなどのサポートもそうなんですが、いわゆるテクニカルサポートの仕事だけでなく、お客様がソラコムを使うための支援を幅広くやっていくチームになりたいと考えているんです。気づいたところからどんどんいいストリームを作ってそれが最終的に幅広の支援につながってお客様の課題解決になることが理想と思っています。リリースブログにも書きましたが、サポートエンジニアでもお客様を支援するアイディアを本番化できる雰囲気と環境がとても素敵です。あとは直接サポートの仕事には関係しないのですがエンジニアブログを Hugo にマイグレーションするというようなこともやっています(ついでにソラコム君3D 化したりしました)。
mick: 私も、障害発生時に社員がスムーズに情報共有をできるツールを作ったら社内で好評で。こういった開発を通じて貢献もできるということは自分のエンジニアとしての成長にも繋がっていると感じます。どうやって工夫しようかと考えるといつもワクワクします(笑)
kaoru: ソラコムは何かおかしいなと思ったら、それが本番障害に繋がらない場合もすぐに報告することを推奨しているのですが、mick の Slack bot のおかげで異常状態の対応開始の宣言、情報共有するための Scrapbox の作成、Call のオープンなどを自動化してくれて、初動のスピードアップと事象発生中の情報共有がとてもスムーズになりました。

<冒頭からとても楽しそうな二人>

お客様サポートが一期一会な理由とは

ーサポートをやる上でどんなところに気を配っていますか?
mick : ソラコムのビジネスはプラットフォームビジネスなので売ったら終わり、ではなくお客様に使い続けてもらうことが重要です。さらに、お客様が成長することによってもっと要望をいただけ、自分たちの生み出すサービスを使ってもらえるという特徴があります。一言でいうとお客様と共にあるサービスなので、お客様に愛してもらうことがとても大切です。
あと私たちのサービスはリアルな店舗や営業を通さずに直接ユーザーコンソールからお買い求めいただけます。なので、「ソラコムの中の人」がお客様と接する機会は実はとても少ないんです。
このことから、サポートエンジニアとして問い合わせに対応する一瞬一瞬をとても大切にしています。具体的には、問い合わせて頂いた技術的な質問に速く・適切に回答するだけではなく、問い合わせてきた背景には何があるのか、その先も気持ちよく長く使っていただくために何が案内できるか、を考えて対応するようにしています。やり取りはオンラインですが、自分の持てる人間的スキルをフル稼働させた、いい意味でとても人間臭い仕事だと思います(笑)

全員がリーダーのサポート体制

ーサポートの対応はメンバーでどのように分担しているのですか?
kaoru: ソラコムは全員がリーダーであることを目指していますので、チケットをアサインする役割を決めたりはしていなくて、できるメンバーが積極的に対応しています。将来的にサポートのメニューが増えた場合は何らか考える必要あるのですが今の時点では自主性に任せています。
時にはたくさんのお問い合わせが来て溢れそうな日もあるのですが、そんなときもサポートチームの Slack チャネルの様子を見て心配になったエンジニアが積極的に手を上げてヘルプしてくれることも多いです。一般的にはサポートと開発・運用は役割分担がはっきりしている会社が多いと思うのですが、サポートプライマリという制度のおかげもあって開発や OpsDev チームもお客様のサポートをとても大事に考えていますね。実際のチケット対応だけではなく、技術的・営業的なアドバイスもどんどんやってくるのでとても心理的安全性の高いサポートチームだと思います。

ー日々たくさんの質問がくる中でオペレーションとして工夫している点はありますか?
kaoru: ZendeskSlackScrapboxと内製の (とても使いやすい) 契約管理などを司るバックエンドシステムを組み合わせて対応しています。自分たちで各ツールの連携をよくしようと試みているところで、まだまだ自動化の余地はたくさんありますが、たとえば週の問い合わせ数・回答速度を取得して Slack に投稿したり、plan01s と plan-D などなど間違いやすい用語も多いので textlint というオープンソースのソフトウェアを使って自動的に添削する AWS Lambda を作ったりしています。文書添削ツールは先日マーケティングチームの要望で Slack からも呼び出せるようにしました。バックエンドシステムは内製なので改善要望もクイックに実装してもらえたりするのでとてもありがたいです。

短いフィードバックサイクルの面白み

ーお客様とやりとりをしていて嬉しいことはなんですか?
mick : 私の一番はお客様からコメントを頂けたときです。問い合わせ対応には人間力を 120% にして取り組んでいるので、お褒めの言葉を頂けるととてもうれしく感じます。もちろん、お叱りの言葉も真摯に受け止めます。これはサポート業務の楽しいところなのですが、問い合わせを頂いてから完了するまで体感的に平均 1,2 週間ほどなので、PDCA サイクルをすごく速く回せるんです。「これがよくなくて叱られた」=>「じゃあ次はこうしよう」=>「(やってみる)」=>「褒められた!やった!」みたいな。なので、もしよければ是非忌憚なきコメントを頂けると嬉しいです。
kaoru: mick のいうとおり、フィードバックサイクルが短いところがサポートの一番面白いところだと思っています。お客様からの評価コメントはとても励みになります。mick などは名指しで褒められていてうらやましいなーとか。

<うらやましがるkaoru>

これは会社や製品を問わずテクニカルサポートという仕事の面白さと思っています。また、最後の砦という責任感もテクニカルサポートの面白さに繋がるかなと思っています。ソラコムの場合は、それに加えてさまざまなデバイスやサービスを組み合わせたシステムの問題解決というパズル的な面白さと、自社開発・運用という強み、スタートアップのスピード感が面白さを増している感じがあります。(どんどんサービスやデバイスが増えていくのは大変ではあります)
mick : もう一つは、技術的に難しいお問い合わせを解決できたときです。やはりエンジニアなので(?)、何が悪いのかわからないときほど燃えます。特に IoT って総合格闘技なのでデバイスからネットワーク、クラウドまで被疑箇所が多岐にわたるんです。それを紐解けたときの快感も最高ですね。デバイスやクラウドの話になる場合、ソラコムの話じゃなくなることもあるのですが、それに対しても「お客様のため」という思いと個人的な探求心からできる限り力になりたくなってしまいます。

ーお客様に伝えたいサポートのうまい使い方、tips 的なものはありますか?
kaoru: 私たちはお客様のデバイスに直接触れることができませんし、たとえば電波状況などは場所によって大きく異なることも多いですので、問題の解決にはお客様のご協力が必要になります。ですので、私たちと一緒に解決していく気持ちでいていただけるとこちらもより良いサポートを提供できると思います。例えばお困りごとの詳細な情報であったり、具体的な背景を共有いただいたりすると解決に向けた動きがスムーズになるので、結果として時間の短縮にも繋がります。
mick : IoT と一言に言っても様々な課題があって、難しいと思われる方も多いと思います。実際、私たちにとっても難しいことは沢山あります。でも全社員でサポートしますので困ったらとりあえず問い合わせてください。一人でも多くの IoT プレイヤーが生まれて、成長して、面白いプロダクトができていくのを支援できればこの上ない喜びです。よければこちらの FAQ を読んでからお問い合わせ頂くと、よりスムーズになります。
https://soracom.zendesk.com/hc/ja/articles/360003890852

赤坂オフィスはIoTの総合格闘技場はたまた検証遊園地?

ーソラコムに入ってから感じた良いところはありますか?
mick : サポートプライマリ制度については先ほど kaoru も触れていましたが、実際にプラットフォームを開発しているエンジニア達もチケット対応をしています。そのように制度としてエンジニアがサポートに参画するだけでなく、事業企画、ソリューションアーキテクト、営業、マーケティング、社長などなど、みんなサポートに非常に協力的です。社内の Slack でチケットの内容について相談すると、仕事をしていないんじゃないかと思ってしまうような速さで (笑) レスがたくさん付きます。お客様が問い合わせされたときはたいていサポートエンジニアやサポートプライマリから連絡がいきますが、その裏にはソラコム全社員の支えがあると思ってください (笑)
kaoru : IoT 企業のサポートエンジニアなので各種デバイスやクラウドが検証し放題なことだと思います。そのデバイスの一部を写真でご紹介します。総合格闘技をしている感じが伝わるでしょうか。
ー見た目は総合格闘技感ありますが、話を聞いているとどういう訳か、むしろ楽しそうで遊園地感があるのは私だけでしょうか (笑)

<総合格闘技場 vs. 検証の遊園地!?>

サポートエンジニアとして考えるこれからのチャレンジ

ー逆に、ソラコムに入ってからわかったこれからなところ(=チャレンジ)は何ですか?
kaoru: 現在お客様からは高い評価をいただいていますが、次の 100 万回線のお客様をサポートできる体制や仕組みを整えることがチャレンジだと考えています。たとえば、今の倍の人数で対応すれば同じレベルのサポートを提供できるのは分かっているのですが、エンジニアとしては自動化やお客様のご覧になるドキュメントの拡充などで対応したいなあと考えています。サポートの仕事は mick の言っている通り人間力の勝負もあり属人性を排除しすぎると面白くないと思っているので、人がしなくても済むところを改善するだけでもっとスケールできるかなと考えています。
サポートの仕事は会社の機密やお客様情報を多分に含むので共有が難しいのですが、他社のサポートエンジニアとの情報共有をもっとできたらいいなあと思います。

mick : 問い合わせ対応を楽しくやらせて頂いている一方で、「本来問い合わせをせずとも解決できる問い合わせ」はできるだけ減らしたいと思っています。お客様が疑問点を感じたらドキュメントや FAQ にあたれば全部わかる、そもそも疑問点を感じないような使いやすいセルフサービスなプラットフォームになることが理想です。
しかしその改善を上回るスピードでお客様数が増えていることもあって、問い合わせの量は増えています。サービスや認定デバイスの数もどんどん増えているのでドキュメントのメンテナンスにかかるワークも多くなっています。これに対してエンジニアとして対応していくことが大きなチャレンジですね。
一方でこの問題に大きな裁量をもって取り組めることもソラコムのサポートエンジニアの面白いところだと思います。ソラコム同様 API が使える zendesk + slack が主なツールですしドキュメントのサイトも自分たちでホストしているのでハックできるエリアは無限大です。
あとは海外進出ですかね。ソラコムには既に英語サポートはあって現時点でも超高品質なのですが、さらなる品質向上に貢献したいです。持論ですが、日本人の世界における競争力にはおもてなし精神というのがあると思います。滝川クリステルさんがオリンピック誘致で言っていたのを強く覚えていますが、この時のおもてなし精神はインバウンド、つまり日本に来る外国人向けでしたよね。私はそこからさらに一歩攻めてアウトバウンドなおもてなしをソラコムでしていきたいと思っています。これを・・・

ーmick・・そろそろお時間です。
mick: えっ!?
kaoru:こういった熱い話も普段からしているので (笑)、続きを聞きたい方はぜひ直接遊びに来てみてください。イベントもやっていたりするので、サポートについて語り合いたい方やソラコムでのサポート職についてもっと聞きたい方、ぜひお待ちしています。

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