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スキルアップAI代表の田原です。スキルアップAIでは、新事業として、2022年の2月からGX(グリーントランスフォーメーション)推進のための人材育成プログラム「スキルアップグリーン」の提供を始めています。
スキルアップAIは社名からも想像される通り、これまでDX・AI人材育成を主な事業としてきました。なぜ新規事業としてDXとは関係が薄そうなGX人材育成を始めたかについて謎が深まるばかりだと思いましたので、その真意を伝えていきたいと思います。
ーGX人材育成事業を始めたきっかけ
元々、スキルアップAIの複数のDX教育プログラムは経済産業省の『第四次産業革命スキル習得講座』に認定されており、将来の成長が強く見込まれる分野において、高度な専門性を身に付けることができるプログラム提供事業者として位置付けられてきました。
また、気象データとビジネスデータを分析し、企業におけるビジネス創出や課題解決ができるよう、 気象庁認定の「気象データアナリスト育成講座」の認定も2021年10月に受け、これまで多くの方の学習に活用いただいてきました。
こうした先端技術領域の様々な取組下において、国や産業界の動向を追っていると、グリーン領域も大きな課題となっていることに気付きました。気候変動問題に対応するため、日本の産業競争力を維持するため、各所でDXと同等以上の温度感で話されています。脱炭素社会実現に向けた施策を実施していくために、企業で活躍できる人材の確保が重要となるとの話をよく聞きました。
時局に感度を高めてみると、コーポレートガバナンス・コード改訂への対応やサプライチェーンからの脱炭素化要請など、各企業取り組みを加速させており、喫緊度が高い対応のひとつとしてGX(グリーン・トランスフォーメーション)を位置付けている状況も見えてきました。
また、国際イニシアチブへの対応やGHG排出量可視化、GHG削減施策の検討を進めている企業は増加していたものの、いずれも外部パートナー依存率が高い状態です。競争優位を構築して企業の成長機会とするためには、社内で推進できる人材が不足していると感じました。これはかつてのDX領域と同じで、時局に鑑みた施策をスピード感を持って実行していくには、自業界のことをよく理解している社内人材が、対応領域の全体像を理解し、育成計画を立てて推進していくことが肝要だと考えています。こうした理念やこれまでの事業で得た経験から、GXについてもスキルアップAIとして取り組むべきであると判断しました。
ーGX人材育成事業立ち上げとこれまで
とはいえ、スキルアップAIにはGXのスペシャリストがいるわけではありません。普通に考えれば、おとなしく専門性のあるDX領域に閉じておくべきかも知れません。しかし、私自身は自然環境学専攻出身であり、役員陣にもエネルギー管理士やLCAを研究していたメンバーがいました。そもそも多岐にわたるGXの全ての分野をカバーする専門家は決して多いわけではありません。会社としては一定の基礎力を持っている領域であることから、最後は『やってみなはれ』の精神でGX人材育成事業を開始することとしました。
『まずは隗より始めよ』という言葉もある通り、まずは私自身が様々なGX関連の有識者とコンタクトを取り、知識を体系化していきました。そして、2022年2月に『カーボンニュートラル入門講座』『カーボンニュートラル基礎講座』を開講しました。これらの講座では、今後具体的なGHG削減のアクションをとって行くにあたって、GX領域の共通言語を習得してもらうことを目的としています。
その後、2022年9月からは、『GXビジネスクリエイション講座』を関西電力系列の株式会社オプテージとの連携により開講しました。この講座は、業態別に3講座に分けており、実際の受講者所属企業のテーマを用いて、どのような考え方でGXビジネス(※1)を生み出せば良いかを学べる内容にしています。
これらの講座を軸に、2022年冬からはGX人材育成事業の立ち上がりも確かなものになりつつあり、来期以降は野心的とも捉えられる目標を掲げ、急成長の段階に入っています。
※1 企業のGHG排出量を直接的に削減する、または削減効果が付与された製品およびサービスを提供するビジネス)
ー今後していきたいこと
時を同じくして、政府からは5年で1兆円のリスキリング支援の方針が表明されており、社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続的な成長を実現させるための重点分野として、GXも投資対象の1つとしています。
ただ、GX領域において必要となるスキルはまだ具体化されていない状態です。なぜなら、GXと言っても分野は多岐にわたり、それぞれ個別の分野でのGXの取組はあれど、GXとして共通する部分については分野横断的なルール決めが優先されているからです。
こうした状況において、スキルアップAIでは既存クライアントやGXリーグなどでお会いした様々な企業へのヒアリングや情報交換を通して、『GX人材スキル定義』『スキルレベルのアセスメント』などの仕組み作りの解像度を上げる取り組みも始めています。
単に世の中のトレンドに合わせて教育コンテンツを開発していくだけではなく、様々な仕組みづくりも並行して進めながら、社内外のステークホルダーを巻き込みながら有機的な育成プログラムを構築したいと考えています。
ー課題だらけのGX人材育成事業
このように、やって行くべき道筋はある程度見えてきたのですが、それにあわせて日々課題が生まれ続けてます。現状、トップである私自身が先陣を切って問題発見、課題設定・解決にあたっていますが、一緒に問題発見、課題設定・解決をしてくれる仲間を募集しています。
私のビジネス経験の中でも、大きな社会課題の解決に直結する人材育成マーケットを創るという数年に一度あるかどうかの稀有なタイミングだと思いますので、思い切って飛び込んで頂ける方をお待ちしています。
社風的にも、「これをすべし」というものはなく、「どうしたいか」という主体性を重視していますので、裁量があるかないかではなく、社内外のステークホルダーを巻き込み、自身の強みを活かしていただきたいと考えています。