就活、キャリアやスキル取得に迷う、学生や若手社会人の方に読んで頂き、少しでも参考になれば、と思っている。
僕は、大手商社、起業(創業は5回、2度売却)、MBA(国内)、コンサルティングファーム、VC、中小企業の経営(取締役兼COOとして)を経験し、再度起業し、2016年にプロ契約のキャリーミーを立ち上げた。
業務委託契約で成果に対してコミットできるプロ人材8500人(登録者)を活用し、法人の経営課題を分解・整理しながら、解決していくサービスだ。
キャリーミーは、2019年にパーソルグループやプロサッカー選手であり事業家でもある本田圭佑さんなどから投資を頂いて事業を運営している。
48歳で、スタートアップから大手まで、投資からコンサル、起業まで、一通りのビジネスは経験したつもりだ。
そんな僕が、若手の社会人、もしくは学生に、今、これから「これだけは学んだ方が良いスキル」を、分野として1つだけ挙げるとすると、「事業開発」だ。
スキルというより経験だ。
以下、
① 事業開発経験が求められる理由、
② 事業開発とはそもそも何か、
③ 事業開発を学ぶためには何をすべきか、
の3点を記事にしてみた。。
① 事業開発の経験が求められる理由
まず、労働の対価、報酬は何で決まるのか?
一言でいえば、需要と供給の関係で決まる。
いくらスキルがあっても、そこに需要がなければ(もしくは供給が多ければ)高単価にならない。
昔は、MBA取得した人材や公認会計士の資格を保有しているだけで、報酬は高かったが、今はコモディティー化している、つまり、一般的になり、そうした資格や経験だけでは高単価にならない。
では、今と今後、どこに需要と供給のギャップがあり続けるのか?
それが、事業開発、もっと言えば、新規事業を開発できる人材が、死ぬほど枯渇しており、当面続く。
そして、もう1つ重要なことは、この新規事業を開発するという実務部分はAIやロボットでは絶対にできない、つまり人がやらなければいけない。
では、どこに新規事業など、事業開発をできる経験者がいるのか?
答えは、起業家やスタートアップで早期に参画し事業を開発してきた人以外は、ほぼ皆無である。
なぜか。
日本企業は経済成長期に、市場全体が広がっているので、新規事業を創る必要もなく、既存事業を成長させていればよかった。
だから、新規事業を創る必要がなかったし、むしろ新しいことをリスクをとってやろうとすると、上から潰される、という風潮さえあった。
リスクをとらずにミスもせず、言われたことをやれば会社は成長し、会社が成長するにつれて、個人も評価された時代である。
だから、新規事業を創ってこなかった、つまり、自社内に事業開発を経験してきた人材がいないのである!
自社にいないから、と転職市場を探しても、殆どいない。
なぜなら、他社も同じような状況で、「既存事業」で伸びてきた会社ばかりだからだ。
更に、新規事業は得てして「異業種」に参入することが多い。
そうすると、異業種の知見をもった人材が必要になるが、当然、このような人材は社内にいない。
しかし、人口が減少し市場全体が縮小すると、日本企業が成長しようとすると、選択肢が2つしかなくなる。
市場がある海外展開か、新規事業である。海外展開は、語学等の問題もあり、ハードルがより高く感じられるのか、結果、殆どの企業が新規事業開発に取り組むこととなる。
だから、どの企業も、新規事業の開発経験者を求めている。
手前味噌で恐縮だが、私は事業開発の経験が、27歳の時の起業も含めて、5度あったので、43歳ごろから、業務委託で5~6社程度の企業のお手伝いをさせて頂いた。
単価は、1時間あたり5万円~7万円で、顧問仲介会社を経由していたことが殆どだったので、企業側が支払っていた単価は1時間あたり10万円~14万円(想定)だ。
こうしたお話をすると、「そりゃ、大澤さんは事業開発は経営者だから経験できたんでしょ?起業したり、社長にならないと、事業開発の経験なんてできませんよ。」という声があるが、それは大きな誤解だ。
事業開発は、経営者でなくても、営業でも、マーケティングでも、サービス開発担当者でもできる。
では、以下、事業開発とは何か、少し深堀してみよう。
② 事業開発とは何か
事業開発とは、簡単にいうと、
「PMF(※プロダクトマーケットフィット)のために、だれに(どの顧客層に)、何を、どのくらいの価格帯で、なぜ(本当に提供価値)、どのようにアプローチ(営業やマーケ)すべきか、を考えながら、現場と自社のプロダクトを頭の中で、かつ、物理的にも何度も、何十回も、何百回も往復すること」、
である。
(こちらは大澤の個人的な定義です)
※PMFとは、自社の新しく開発した商品やサービスが、正しい顧客にしっかりとフィットしている状態を指し、シリコンバレーではスタートアップの最も重要な概念とされている。
事業を開発している段階では、まだ商品やサービス、あるいは顧客層や価格帯など、すべてが「仮説」でしかなく、固まりきっていない。
経営者の頭にある「妄想段階」といっても過言ではない。
こうした段階で経営において一番重要なのは、「筋の良い仮説を作り、検証し、サービスを顧客にフィットした状態を探り当てること」に他ならない。
これを勘違いして、フィットしていない段階で、優秀な営業マンを採用し、それによって売れてしまうとどうなるか?
営業力があるから売れる、が、顧客はサービスを買っているわけではなく、営業マンに魅了されて買っている可能性もあり、継続しない。
しかし、一時的に売れている状況を見た経営者が「やっぱり俺の仮説(妄想)は正しかった」とアクセルを踏んで、下手するとテレビCMなど展開してしまうと、大変なことになる。
顧客は、営業マンの腕で買わされたサービスは、CMを見て買うことはない。
もしくは1度は買っても、リピートにはならない。
そうすると、継続的に売上が上がり続けることはなく、どこかの時点で売上が下がり、広告等の重荷によって赤字に転落するケースが多い。
では、事業開発の担当者は何をすべきか。
事業開発の担当者は、
・自社のサービスは本当にその顧客層に購入されるのか
・その対価は本当に妥当なのか? もっと高く/安くした方が適切ではないか。
・そのサービスで本当に顧客から評価される価値は何か
・なぜ、それまであった競合等の代替商品・サービスではダメなのか
・顧客層の部署、役職はどのレベルであるべきか
・その顧客層にはどのようにアプローチできるのか(電話営業、DMなど)
さらに、初期アプローチではどんなセールストークが刺さり、商談時にはどんな説明が刺さるのか。
ということを、「現場でよく観察」し、上司等に適切にフィードバックし、ディスカッションしていくことが求められる。
自分1人でわからなかったら、自分1人でわかる部分だけでも、上司あるいは他部署に意見をぶつけて、より適切なサービスの形(利益を最大化できるサービスやビジネスモデル)にしていくことが役割なのだ。
さて、上記の役割を見て、「誰なら」最も「観察」できるだろうか。
現場、BtoBの業態であれば、「営業」である。
事業開発にはマーケティングや商品・サービス開発の視点も勿論必要である。
が、よく観察し、経営陣に最も適切なフィードバックができる重要なポジションにいるのはBtoBに限って言えば、現場にいる「営業」であることは間違いない。
アウトバウンド営業、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、どの分野でも、この感覚、経験は求められている。
これが、よく、転職などの求人票などに「営業・事業開発」などと並列で書かれている理由であろう。
が、本来は営業と事業開発は並列ではない。いわゆるApple to appleではない。
事業開発という枠組みの中に、営業という機能、もしくは商品開発という機能があるので、役割としては「事業開発」と「営業」両方を兼ね備えることができる。
③ 最後に、事業開発を学ぶためにはどうすべきか。
個人的な経験で申し訳ないが、事業開発という分野は、MBA、経営コンサル、あるいは読書では、なかなか学びにくい分野だ。
いわゆる、「勉強すれば身につく」知識などではなく、経験から得るべきスキルだからだ。
では、どうすべきか?
若手が取り組みやすい2つの方法を紹介しよう。
1つ目は起業する、もしくは起業に近い経験をする。
起業すると、事業開発そのものの経験は必ず通るからだ。
ただ、これをすぐに実行するのはなかなか難しいかもしれない・・・。
2つ目は、営業を含む事業開発ができる経験をできる企業に就職・転職する、という選択肢である。
こちらが一番王道であろう。
キャリーミーでは、まさにこれから新たな事業を開発中であり、そのために、その事業開発においての営業メンバーを募集している。
インターン生でも、中途人材でも、募集している。
熱量がある個人を求めているので、ぜひ応募頂きたい。
特徴としては、事業開発ができるという以外に、大きく3つある。
① キャリーミーは、直近4年間で売上が20倍となっている事業であり、「ある程度は顧客課題、提供できる価値、適切な顧客層」は曖昧ながら見えている状態である。
コロナ後、過去最高売上を達成するなど、世の中の流れにも乗り、月次では既に黒字化している、スタートアップとしてはリスクが少ない、確実にこれから成長する事業だ。
この、これから、まさに「どうフィットさせるか」という事業開発のキモの部分を経験できる。
② 某社で数度のMVP獲得の「プロ人材」から学び市場価値を高められる
キャリーミーは、自社のサービス「プロ人材」を30人も活用している。
営業でも活用しており、「そうそうたるプロ人材」(某社で何度もMVPを受賞)から営業ノウハウを徹底的に学べる。
(ちなみに、プロ人材と未経験の若手社員(インターン生や派遣社員含む)をペアで紹介することを、「師弟採用」(商標登録済)として、他社にもおすすめしている。)
③ AIから科学的な営業を学べる
AI搭載型のIP電話「Miitel」を導入しているので、「どんなペースで」「どのくらいの間をとりながら」「必要なキーワードをどのくらい入れているか」など科学的に分析しながら営業ができる。
キャリーミーでは、オンライン説明会を毎月開催しているので、覗いてみてください。
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