前職日系SIerでの苦悩を糧にSalesforceに中途入社した小菅陽平。彼は「周囲を救える人間になりたい」という強い想いを叶えたいという熱い気持ちと、緻密で徹底的な自己分析を行い当社に入社しました。
入社後は、わずか2年半でマネージャーに昇格。数々の挫折を経験しながらどのように成長してきたのか。小菅が歩んできたキャリアと、入社後に実践してきたチーム貢献のマインドセットから紐解きます。
小菅陽平
コマーシャル営業
第5営業本部 第4営業部 部長
大手SIerグループ企業にて金融機関向けのソリューション営業企画、アカウント営業として従事。2019年10月、Salesforceへ転職。中堅企業向け営業を経験。2022年2月から中小企業を担当する営業部長として現在に至る。
前職で経験したプロジェクト撤退と、メンバーへの終了通告
ーーこれまでのキャリアについて教えてください。
キャリアのスタートは大手SIerグループ企業、13年ほど在籍していました。最初に配属されたのはBPO部門で、外資ハードウェアベンダーのPC保守に関わるエンジニア派遣業務を7年ほど担当。最終的にはプロジェクト全体のオペレーションマネージャーに昇格しました。しかし、会社の方針で派遣事業からの撤退が決まり、担当していたプロジェクトが解散することに。配下の派遣エンジニアや契約社員など、関わっていた全てのメンバーに契約終了を伝える経験をしました。
スタッフや会社に対して申し訳ない気持ちがあったので、私も一緒に退職する旨を上司に話しました。しかし、その際に「会社や他のメンバーに貢献できるように、また頑張っていけばいいのではないか」というメッセージをいただきまして。色々と悩みましたが、これからの働き方で「誰にも辛い思いをさせない周囲を救える人間」になりたいと思い、会社に残ることを決意しました。
ーープロジェクト解散後は、どのような業務を?
社内で募集をされていた地域金融機関に向けたソリューション営業を、5年ほど担当しました。最初のプロジェクトが上手くいかなかった理由を振り返ったときに、収支管理が大きな課題だと感じたので、売上やコストの管理能力を営業職で高めていきたいと考えたからです。
とはいえ営業は未経験だったので仕事の進め方がわからず、最初の1、2年は全く成果をあげられませんでした。それまでお客様と商談などで交渉した経験がなく、名刺交換もままならない。見積もりすら上手く取れない状態だったのです。
ーー当時の営業でどんなことに注力していたのか教えてください。
経験が足りない分、とにかく資料を事前に作り込むことを心がけていました。他社のソリューションや現場の深い部分までリサーチし、誰よりも丁寧に提案する。その一つひとつの取り組みをお客様から評価していただくようになり、成果につながっていきました。
日々のコミュニーションでは、担当している金融機関の業務効率化に貢献できるように、出来るだけ密に連絡するようにしていました。ソリューションの運用で改善案を提案したり、導入後も積極的にサポートしたりしていたので、その部分をお客様から褒めていただくこともありましたね。
ーー成果を積み重ねた結果、社長賞も受賞したそうですね。
競合他社に決まりかけていた大型案件をひっくり返すことができたので、その実績を評価していただいたのだと思います。その成功要因は、自分の強みである資料作成能力だったのではないかと思います。他社と比較しながら、ソリューションを現場でどのように活用するのか、具体的な運用方法まで提案していきました。
また、毎日電話で担当の方とお話させていただくなど、密度の濃いコミュニケーションを続けたことも受注につながった大きな要因です。お客様のビジネスに深く入り込んで関係を構築することを意識していました。その取り組みが認められ、従業員600名の中から社長賞に選んでいただいたのは、とても名誉なことでした。
決め手は企業理念。周到な面接準備で内定確率を高める
ーー順調にキャリアを進められていたと思いますが、転職を考えるようになった理由を教えてください。
お世話になっていた恩師が退職したこともありますが、大型案件の受注により、自分が営業として携わってきた仕事に区切りがついたと感じたからです。業務内容としても、もっとエンドユーザーの顔を見ながら業務改善に貢献できる仕事をしたいと思いました。転職活動を行う上で自己分析を徹底的に行い、なりたい営業と自分に合った理想の環境を分析していきました。
ーー複数の選択肢がある中で、Salesforceを選んだ理由は?
Salesforceが提供しているCRMが今後日本で不可欠になると感じた事がきっかけです。今の時代はあらゆるサービスがコモディティ化してきており、市場の差別化が難しくなっている状態だと思っています。そのなかでSalesforceのCRMデータが重要な役割を果たすと感じていました。また、Salesforceは機能の豊富さや柔軟性の面で優れているだけでなく、企業理念でも他社を圧倒していると思いました。
顧客の成功を第一に考えることが、自社の成長につながる。カスタマーサクセス(顧客の成功)のコンセプトは、CEO・マーク・ベニオフの著書「クラウド誕生」でも語られており、自分に合った価値観だと感じました。しかも、その考えを社会貢献モデル「1-1-1」で実践しており、ボランティア活動などで大きなインパクトを与えています。どんな企業なのか詳しく知りたいと思い、SNS経由で採用セミナーにエントリーしました。
ーーその後のカジュアル面談や面接では、どのようなことを感じましたか?
直接現場のマネージャーと色々なことを話せたので業務イメージも湧き、入社したい気持ちがどんどん高まっていきました。絶対にSalesforceへ入りたいと思ったので、周到にシミュレーションを重ねて毎回の面接に臨んでいました。
特にプレゼン形式の最終面接前は連日遅くまで予行練習を行い、内容のブラッシュアップを繰り返していました。思いのたけを込めたスライドを用意し、規定の時間内に収めつつも早口にならないよう、ペース配分にも注意していました。
ーー最終面接では、第三者機関における資料も活用したそうですね?
はい、私の特性がSalesforceのカルチャーにフィットしていることを示したいと思ったため、Web上の第三者機関に調査依頼しました。私自身の分析だけでは信憑性に欠けると思ったのです。そのエビデンスに加えて、「仕事で関わる人全員を幸せにしたい」という自分の理念も熱くプレゼンしました。
また、Salesforceが私を採用するメリットについて、過去の実績を伝えることはもちろんですが、大規模な増員に伴う課題についても言及しました。新たなメンバーが数多く加わることで、Salesforceの素晴らしい社内文化が薄れてしまう可能性があるのではないかと思ったのです。その解決策として、カルチャーフィットしている私のような人間を雇うことが大切だと提案しました。
プレゼン自体は上手くいったのですが、その後の質疑応答では上手く答えられない設問もありました。しかし、中2日ほどで内定の連絡をいただき、家族と一緒に歓喜したのを鮮明に覚えています。
壁を乗り越えたきっかけは、「カスタマーサクセス」のマインド
ーーSalesforce入社後に担当した業務について教えてください。
関東圏の中堅・メガベンチャークラスの企業のお客様を担当しました。既存顧客と新規顧客の両方を担当していたのですが、入社してから半年ほどは全く成果をあげられませんでした。何を提案しても全て断られるような状況だったのです。
経験が足りなかったこともありますが、自分のマインドセットにも課題がありました。前職で上手くいっていたこともあり、「早く数字を出したい」と焦っていたのです。仕事の進め方をきちんと理解しないまま焦って売ろうとしていたので、それをお客様に見透かされていたのだと思います。
ーーそんな状況から、なぜ成果を出せるようになったのでしょうか。
お客様のビジネスに貢献するという、本質的な目的に立ち返ったことが転機になりました。自分の売り上げは一旦抜きにして、まず自分がお客様にとって感謝される人になる。ボランティアでも何でもいいからとにかく支援をしようと思いましたね。手間暇のかかることでも、お客様のために率先して取り組むことで商談が上手く進むようになりました。
例えば、Salesforceを利用されているお客様のなかには、上場を視野に入れた企業も多くありました。その際、事業戦略を一緒に考えてほしいというニーズもあり、具体的な施策のアイデアを積極的に提案しました。他にも、現場の皆さんと一緒に勉強会を開催したりするなど、一見遠回りに見えてもお客様の企業成長にしっかりコミットしていくことが、大切だと身をもって学びました。
成果を出せるようになった背景には、Salesforceの手厚いサポートも大きく影響しています。一件の受注は外勤営業担当一人で決まるものはなく、インサイドセールスの案件発掘、ソリューションエンジニアの技術支援、マネージャー・役員のバックアップなど、総合的な力が必要です。自社を改革するため一大決心でSalesforceを導入しようとする企業もあり、私たちが組織全体で支援していく姿勢で臨まないと成約につながりにくいのです。エンジニアや上司と連携しながら商談を進めることで、大きな信頼を得られるようになりました。
ーー前職との違いで戸惑ったことはありましたか?
Salesforceは課題発掘力や提案力が求められるので、慣れるまで少し戸惑う部分がありました。というのも、前職の商材は金融領域のインフラに近いソリューションだったので、必要不可欠なものを提案する営業でした。それに対してSalesforceが提供しているCRMは、今までのパフォーマンスを高めるソリューションなので、必要性をしっかりと喚起しなければ買っていただけません。
お客様の気付いてなかった気づきを示唆したり、お客様の課題を解決するための提案を行なったり、コンサルティング的なアプローチが求められます。特に中小企業の場合は、事業運営に追われて課題を言語化できていないケースも多いので、施策の内容を整理するところから取り組んでいます。自分のなかで新しい営業手法でしたが、全体を言語化して解決策を仮説構築してから商談に臨むようにしています。
ーー転職して身についたスキルはどんなことですか?
お客様のビジネスをしっかりと理解する力が高まっていることだと思います。前職に比べて、各企業のビジネスモデルをしっかりと分解し、課題を特定していく必要があるので、様々な業界・業種のビジネスをスピーディーに理解できるようになりました。
お客様の事業全体を把握して、どこから取り組むべきなのか。戦略方針を考えるのはもちろん、現場でどのようなオペレーションを構築していくのかなど、詳細部分まで理解して提案に落とし込んでいきます。経営層と現場の両軸で物事を考えていくので、自分の視野が広がっていると思います。
若手へのナレッジシェアを続け、マネージャーに昇格
ーー今年からマネージャーに昇格したそうですね。その要因をどのように捉えていますか?
個人の売上よりもチーム貢献に注力してきたので、その部分が評価されたのではないでしょうか。営業時代、毎週金曜日には新入社員へのナレッジシェアを目的に勉強会を主催。若手がSalesforceに早く馴染めるよう、自分たちの営業ノウハウや資料を積極的に共有していました。私自身が入社後の半年で苦労したので、新たなメンバーが悩みを抱え込まないように、出来るだけサポートしたいという気持ちから行っていました。
他のメンバーの成長にコミットすることは、入社前から考えていたことです。入社前は4年でマネージャーになりたいと考えていましたが、それより大幅に短い2年半で実現できました。
ーーどんな時に仕事の醍醐味を感じますか?
経営者の方々から戦略面の相談を受けるときに、お互いの信頼関係を実感できますし、お客様の成長にコミットする仕事の醍醐味を感じられます。例えば、上場しようとしている会社で事業戦略を一緒に考えたり、DX推進で経営層と調整を図ったり。「Salesforceにして良かった」と感謝の言葉を言ってくださることもあります。お客様の課題を解決し、企業成長に貢献できていることにやりがいを感じますね。
ーー最後に今後の展望について教えてください。
マネージャーになったことで担当企業数が増えるなど、影響を与える範囲が大きくなっているので、お客様の経営にもっと大きなインパクトを出していきたいです。それを実現するためには、メンバーをしっかりと育成していくことも大切です。
Salesforceで成長を続けるメンバーは、お客様に貢献しようとする気持ちが強い。「お客様の事業やビジネスに大きなインパクトを与えたい」そんな志向の方でしたら、存分に活躍できると思います。
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