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創業ストーリー:元外資系証券マンの創業者が語る、サービス開始までの2年間、採用、そして今後の展望(後編)

「起業」や「キャリア」にご関心をお持ちの皆さま、お待ちかね!Open Room Inc. のメンバー紹介シリーズ、いよいよ最終回です!前回に引き続き、創業代表・田沼のインタビューをお届けします。前回語った創業までの道のりからその後どのように今日まで歩んできたのか、サービスをリリースするまでにかかった2年間のうちに味わった生みの苦しみ、採用、そして今後のビジョンなどについて語りました。

名前: 田沼豊寿(通称:Toyo)

役職: 代表取締役CEO

年齢: 36歳

出身: 東京、日本

尊敬する起業家: Richard Branson、Rich Devos、母親


開発とリリース        

2019年8月に初のサービスをリリースしましたが、それまでの開発過程でどのような困難がありましたか?

まず、そもそもがエンジニア不在で始めた取り組みだったので、自分でもかなり遠回りしながら来ていると思います。学生アルバイトやフリーランスのエンジニア数名といくつかのアプリケーションを造っては捨ててを何度か繰り返しました。ただし、そんな一見無駄な経験が、ITど素人の私がアプリケーション開発というものが何なのかを学ぶ上でとても貴重な機会になりました。これが後に、エンジニア採用を行う上での重要な鍵になったと思います。

2年間も売り上げが無い中で、どうやって開発を続けられたのですか?

ITスタートアップが抱える課題の一つが開発と運営活動にかかる資金の確保です。当社もその例外ではありません。今日までに何度か「これは、もうダメかな」と思うような事はあったものの、その都度、既存の投資家や金融機関を初めとする方々からの温かいご支援があったから今日までやって来れました。ただし、その根底にあるのは、目の前にあることを地道にコツコツとやり続けることだと思います。起業する上にとってすごく大切なのは、小さい成功を一つずつ重ねていくことだと日々身を以て感じていますそれはサービス開発も然り、資金調達も然りです。


チームビルディング        

最初のメンバーとは、どのように出会い、採用に至ったのですか?

はじめの2年間は、理系学生やフリーランスエンジニアを数名パートで雇いながら、全員遠隔によるリモートで開発を続ける一方、ビジネスSNSなどを通じてフルタイムのエンジニアを探し続けました。結果、延べ約350人以上にアプローチし、50名ちかくを面接しましたが一向に見つかりませんでした。売り手市場のエンジニア業界にあって、ITの知識がほぼゼロの状態で一人で採用活動を行なっていたのも要因の一つにあると思います。そんな中でも一か八かで銀行から2,000万円の借り入れをおこし、ちょうど採用活動が350人目あたりに差し掛かったところで、今のCTOであるジョナサン・ミューラーと出会うことができました。

他のメンバーとは、どのように出会い、採用に至ったのですか?

他メンバーは全員、それからわずか3ヶ月間のうちに採用を決めました。ジョナサンがメンバーに加わってくれたことで、そこから採用スピードが一気に加速したんです。プロダクトサイド出身の経営者が開発チームの採用を行う場合に鍵となるのは、いかに適正な一人目を見つけられるかだと思います。一言に「エンジニア」と言っても、業界も幅広く、その職種も様々なので、取り組もうとしている課題や事業に適した経験や知識を有するエンジニアが見つけられるかが、とても大事になると考えます。そのためにはまず、経営者自身がエンジニアやアプリケーション開発について学ばなければなりません。

どうやってここまでグローバルなチームを作ったのですか?

実は、当初グローバルなチームを作るつもりは、全くなかったんです。そもそも挑むのが「不動産」というとても特殊性の強い領域なので、言語面での壁が高いと考えていました。ただし、フリーランスの日本人エンジニア数名と仕事をしていく中で、徐々にその見方が変わりました。大切なのは、商慣習や言語における理解ではなく、求められている技術や事業領域において個々が誰にも負けない、高い専門性を持っているかです。そこは、現在いるメンバー全員に共通します。採用を決めた時には、このメンバーだったらどんな化学反応が起きるんだろうというワクワク感はありました。


働き方        

職場環境においてどのようなことを大切にしていますか?

当社の事業ミッションは、日々の暮らしに”安心を提供する”ことです。この意識は、お客様、従業員、投資家様をはじめとする、すべてのステークホルダーに対して持っています。従業員は、安心することではじめて心のゆとりが生まれ、はじめてベストなパフォーマンスを発揮できると思います。CEOとしての私の役目は、社員全員が気持ちよく、自由に仕事できる環境を用意することです。当社がフラットな組織を心掛けているのも、誰しもが発言しやすい職場環境があってこそ、会社や事業が発展していく関係性が社内で生まれると信じるからです。

どのような価値観を会社に注ぎ込んでいますか?

当社が最も大切にする価値観は、”人の成功を助ける”ことです。周囲が成功することで、自分が成功する。その逆はありません。これは、サービス提供においても、社内カルチャーにおいても当てはまります。お客様は、私たちが提供するサービスを通じて、売上が伸びたり、運営効率が上がるから対価を払ってでもまたサービスを使って下さる。顧客の満足なしに、会社の成長はありません。チームに対しても同じことが言えます。メンバーがプロフェッショナルとして個々に成長するためには、周囲からの的確なサポートが必要不可欠です。いくら特定の数名が突出して優秀だったとしても、チーム全体が成長しなければ、会社は成長できないと思います。

起業してからも準備期間も長かったと思いますが、焦ることはなかったですか?つらいときに自分を支えるものってなんですか?

自分にとって一番の心の支えは、やはり家族です。金融の世界を飛び出して起業したのも、長男が生まれたのがきっかけでした。世の中に社会的な課題が山積する中で、次の世代のために自分は今どのような役割を担うべきなのかを問うようにしています。20年後、30年後に私たち現役世代が今よりももっと良い社会を次の世代に手渡すための仕事や事業に関わり続けたいです。また何事も不安や焦りは付き物です。そこは「焦らず、怠らず」を自分に言い聞かせ、常に目の前のことに集中するよう心掛けています。


今後の展望        

不動産業界は、今後どのような変貌を遂げると思いますか?

これまでのようにごく一部の限られた受益者による情報の占有ではなく、サービスも情報もより開かれたOPENな不動産業界が近い将来そこにあると思っています。不動産業だけに限らず、老齢化や少子化などによってどの産業も衰退と再編が続く中で、健全な競争環境をいかに整備できるかが個々の産業における今後の明暗を分けると思います。そして、その責務は民間が主導して担わなければとも思っています。

その変貌にOpen Room Inc. はどのように貢献していくのですか?

まずは、当社が最も強みとするOCRとそれに関連する技術の精度を高め、いまだにKFC(紙・FAX・コピー)を中心に回っている不動産業界における情報コストの軽減に注力します。それら情報コストを情報アセット(資産)に変えていくことによって、将来的には、国境間を跨いだクロスボーダーな取引なども、より闊達に行える住まい社会の実現を目指したいです。


最後の質問        

大切にしている思想やモットーみたいなものはありますか?

特定の思想はあまり持ち合わせないんですが、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが提唱する、”The Regret Minimization Framework(後悔の最小化思想)”と呼ばれる考え方には強く共感します。これは、「人生は、幸福の最大化ではなく、後悔の最小化のためにある」という考え方です。いつか自分が歳を重ねた時に、「なぜあの時に、自分はあれをしなかったんだろう?」「あの時に、もっとこうしておけば良かった」と思わないように毎日を過ごすようにしています。

起業やキャリアパスについて考えている方々に伝えたいメッセージやアドバイスはありますか?

泣いても笑っても、人生は一回きりです。間違いや失敗を怖れずに、やりたいと思った事は、思い切ってやってみるべき!「すべての準備が整えてからやろう」と思っているうちに終わっちゃうのが人生だと思います。


これまで毎週にわたってお読み頂き、ありがとうございます。Open Room Inc.では、現在、夢の実現を目指して共に歩んでくれるメンバーを求めています。当社に少しでもご関心を持たれた方は、ぜひご応募してみてください!

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