こんにちは、なるテック広報部の八木です。
突然ですが皆さんは、障害福祉サービスについてご存じでしょうか。障害者の方々を日常的に支援するサービスが増えてはいるものの、課題は多くあります。
誰もが様々な選択をすることができる世の中にしたいという思いから、障害者就労継続支援事業を始めたメンバーにインタビューしました。
・障害者就労継続支援とは
・障害者就労継続支援事業を始めた理由
・障害は実は身近にある
今回の記事では上記のことがわかります。福祉領域を知らない方や、知っている方でも学びの多い記事になりますので、ぜひ最後までご覧ください!
自己紹介をお願いします♪
東成瀬村の山を背景にして写る山口さん
山口実久と申します!
北海道出身の26歳、なるテックではコンサルタントとして働いています。
脳神経外科病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務していました。
どのような事業を担当されているんですか?
東成瀬村で行われた成瀬ダム祭りで販売しているmanabyCREATORS利用者のハンドメイド作品
障害者の就労を支援する事業です。
障害を抱えていることで、働きたくても一般企業への就職が難しい方がいます。
そんな方たちのために、将来的に一般企業への就職を目指すべく、社会との繋がりを持ったり、生活リズムを作ったり、自分らしい働き方を一緒に見つけるお手伝いをします。
ーー障害者の方々が働く楽しさや自分らしい働き方を見つけられる事業って素敵ですね♪
なぜ障害者就労継続支援を始めようと思ったのですか?
始めようと思った理由は2つあります。
一つは私が住んでいる東成瀬村に障害者を支援するような施設が一件もないためです。
東成瀬村には100名以上の障害をお持ちの方がいらっしゃいます。しかし、障害者の方々を支援するような施設がないため、隣町の社会資源に依存せざるを得ない現状です。
豪雪地帯である東成瀬村の住民は積雪の影響で隣町に足を運ぶことも一苦労で、通所が必要なサービスを利用するのはかなり大変です。
もう一つは、障害者の方が働きたいという意欲があっても、働き方を選択することが難しいためです。
周辺地域の障害者の就労継続支援施設では、シールを貼ったり、箱を組み立てたりなどの作業を準備している事務所が多い傾向にあります。
そのため、働きたいという意欲があったとしても仕事の内容を自由に選択することが難しいのが現状です。
※就労継続支援事業における国の方針は、社会との繋がりを持つこと、一般企業への就職を段階的に踏んでいくことを推奨しています。
※厚生労働省 就労支援について
また、軽作業だけではスキルを身につけることは難しく、次のステップに繋がらない問題があります。
これらの問題を解決したいと思い、ITを活用して働く場所を問わず、スキルを身につけられるという、新しい就労継続支援B型事業所を立ち上げることになりました。
ーー就労継続支援と言っても軽作業が多かったのは初めて聞きました。ITを活用できれば幅広い働き方の選択ができそうですね!
就労継続支援B型事業所ではどんなことを行っていくつもりですか?
東成瀬村で行われた成瀬ダム祭りで撮影した障害者就労継続支援事業に携わるメンバー
大きく分けて3つあります。
1つはスキルを身につけることです。
この事業はフランチャイズとして株式会社manabyさんとパートナーシップを結んでいます。そのため、株式会社manabyさんが独自に開発したeラーニングシステムを活用していきます。
eラーニングは動画をみながらITスキルを学んでいく内容です。
WordやExcelなど基本的なところから、プログラミングやライティング、デザインまで幅広いスキルを学ぶことができます。
利用者様の体調や集中力など個々のペースに合わせて、自由に学習が可能です。
2つめは身につけたスキルを仕事にすることです。
事業所では、株式会社manabyさんが運営しているメディアサイト「novalue」の運営委託を受けています。
そのため、利用者様が創作した作品をnovalueに掲載することで、株式会社manabyさんから委託料としてお金をいただく、という仕組みになっています。
novalueに掲載する作品に関しては特に縛りはなく、利用者様一人ひとりの個性や興味のあること、発信したいという意欲を大切にしています。お金を得るためだけに創作をしていただくわけではありません。
novalueに作品を掲載することは、身に着くスキルを活用し、創作することを通して自由に思いを表現することができます。他にもデータ入力など、事務系のような作業内容を準備しています。
3つ目は自分が働く意義や自分らしく生きるとは何かを見つけていくことです。
eラーニングで学んだり、創作活動をしてみたり、データ入力をしてみたりなど、今までにない経験を積み重ねていく中で、
・自分らしさとは
・働くとは
・社会と繋がるとは
これらを相談員と「対話」を通して見つけていきます。
支援員一人一人が利用者様と一緒に自分らしい生き方を自分で決められるよう、お手伝いいたします。
ーー最終的にはスキルを身につけるだけでなく、精神的に自立する力を身につけるんですね!
障害者就労継続支援事業をどうしていきたいのか、今後の意気込みを教えてください!
マスコットキャラクター「マナビーくん」
まずはこの事業をきっかけに、いままで触れてこなかった、気付かなかった生きがいや楽しさについて考える人が増えてほしいです。
この事業は、私の人生ビジョンである「色々な人の選択肢をつくりたい」ということにぴったり当てはまるんです。
新しいITという選択肢が増えることで、今までになかった価値観や経験を生み、そこから自分らしい働き方や生き方について考え、自分らしい生き方を選択する人が増えてほしいと思っています。
また、福祉のイメージを変えていきたいとも思っています。
福祉領域は、賃金が低く、常に人手が不足しており明るいニュースが多くはありません。
私たちが立ち上げた事業所に通う人々が楽しそうで、きらきら輝いていたら、事業所自体が魅力的になると思いますし、そこで働くスタッフもいきいきとすると思います。
そうすることで、福祉に関する仕事に魅力を感じる方を増やしていきたいと思いますし、福祉に関わりたいという想いの輪を広げていきたいです。
ITを活用した事業所というのは全国的にまだ少なく、秋田県雄勝郡周辺には今までありませんでした。
新しいことを始めると、できるのかという疑問の声や、頑張ってくださいという応援の声を多くいただきます。
私はどちらかというと「一緒に頑張りましょう」という応援の声に変えていきたい、そんな存在になりたいと、この事業を通して思っています。
ーーこの話を聞いて、山口さんと一緒に頑張りたいという気持ちになりました!
最後になにか伝えたいことはありますか?
障害者のイメージを柔らかく持ってほしいと思います。
障害というのは色々あって、生まれたときから障害を抱えている方もいれば、病気や事故、社会環境や心理的影響をきっかけに障害を抱えてしまう方もいます。
これは、だれでも障害を持つ可能性があるということです。
特に現在は、うつ病など精神障害と診断される方が増えています。
障害と一括りにいっても、今に至るまでには、10人いれば10通りの背景があります。
ですので、地域の皆様には、障害者就労継続支援事業所を開所することに対する抵抗感やイメージが少しでも柔らかくなればいいなと思っています。
ーー私たちもいつ障害をもつかは分からないですし、このような取り組みに少しでも肯定的な環境を作っていきたいですね!
なるテック編集部の一言
誰でも障害者になり得るということ、まだまだ障害者に対してのサービスは充実していないことがよくわかる記事でしたね。
なるテックでは他にもさまざまな社会課題を解決すべく動いています!なるテックに興味を持ってくださった方がいましたら、ぜひご応募ください!
東成瀬テックソリューションズ株式会社's job postings