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ナディアでディレクターをしているOと申します。
日々、Webサイトリニューアルのご相談をいただく中で、お客様からは、「何から手を付けていいかわからない」といったお声をいただくことがあります。
その一方で、かつて、万全の態勢で取り組んだものの、行き詰まってしまったことがある、というご意見も。
今回は、そんなお悩みに対して私なりに考えるWebサイトリニューアルの処方箋についてまとめたいと思います。
はじめに
WEBサイトのリニューアルの中で、やらなければならないことや考慮しなければいけないことは膨大にあります。
さらにそのプロジェクトが大規模で、関わるお客様の部門が多岐に渡ると、色々なご要望が膨らみプロジェクトは複雑化します。
今回はスムーズなサイト制作のため、実制作に着手する前に何を検討すべきかを挙げてみます。
1.社内体制の整備
まずは、お客様社内での体制作りです。
各部署やチーム内での役割分担ももちろんですが、各部署の要望などをまとめ、ときにはなだめるハブとなる人物は絶対に必要です。
このポジションについてはPM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれており、制作会社側で担うことも可能ですが、社内の事情に通じているお客様側で立てておくとスムーズなコミュニケーションが実現できそうです。
▼大型Webサイトの役割例
<WEB担当チーム>
・PM(プロジェクトマネージャー)
・実務担当者(チーフ・サブ)
・スーパーバイザー
<他部署>
・コンテンツオーナー
・システム担当
・広報担当者
・法務担当者
2.目的の明確化
続いて、Webサイトリニューアルの目的を明確化します。
ブランドイメージの醸成、ユーザーエクスペリエンスの改善、コンバージョン率の向上など、リニューアルの目的をしっかり定めましょう。
また、広告や、PRなど、コミュニケーション施策の実施計画がある場合はロードマップとしてまとめておくと、Webサイトリニューアルと連動し、携わるメンバー全員が目的の達成に向けて、意識を合わせることができます。
3.課題の抽出とサイトコンセプトの確立
競合分析やユーザー調査で現状のビジネス課題の分析を行います。改善すべき点や競合に対して差別化すべき点が明確になります。
この段階でようやく、やらなければならないことがリストアップできます。目的を実現するための施策のほか、サイト制作完了までの作業など様々です。
さらに分析結果をもとにコンセプト設計を行います。コンセプトとは、サイトがユーザーに与える感情や印象です。
プロジェクト全体の方向性を定めてメンバー全員に共有しておけば、後々になって進行がぶれません。
コンセプトをあぶりだしていくには、ペルソナの設定やカスタマージャニーマップも有効です。
ワークショップ形式を取ることでさらに理解が深まるため、スケジュールに余裕があれば実施をおすすめします。
4.目的を達成するための手段の精査
私がお客様のWebサイトをディレクションさせて頂く際に、最もカロリーをかけるのがこのステップです。
各部署からの要望を吸い上げ、一つのWebサイトにまとめていくには細かい調整をする必要があります。
まずはブレストを実施し、実現したいことをリストアップしていくのが良いかと思います。
そのうえで、様々な制約条件と照らし合わせて注力すべきポイントを絞っていくのが良いでしょう。
制約条件とは具体的に、以下のようなものが挙げられます。
・予算:支払い期日の決まっている予算や追加工数に対しての上限
・期限:公開の期日
・Webサイトのコンセプト:ブランドとしての統一感
・トレンド:古すぎる表現や技術は逆効果
・運用フロー:運用に負荷を与えない表現や技術の選定
・サイトポリシー:ガイドラインや推奨環境
実現したいことと制約条件はしばしば対立しがちです。
絞り込んでもまだ期限や予算をオーバーしてしまう場合は、来期の予算での実装を検討するなど、フェーズ分けすることをおすすめします。
スケジュールもこの段階でより明確になってきますので、大まかに立てていたロードマップをタスクベースのスケジュールに落とし込んでいく作業もこの時期に行いましょう。
5.コンテンツ設計
目的、コンセプトが決まったらコンテンツを精査していきます。
この作業には制作会社だけでなく、クライアントの各コンテンツオーナーの協力が非常に重要になってきます。
・どんなコンテンツを掲載するのか(原稿の準備)
・掲載ルールの策定(言い回しなど用語集の作成)
・法務チェックなどの役割の確認
・受け入れ時のチェック体制
などが必要です。
また、各部署によってWebサイトに掲載したい内容がぶれることを避けるため、コンテンツ制作に入る前に、Webサイトコンセプトについて、必ず共有しておく必要があります。
まとめ
1.各所の意見と取りまとめるPMと各担当者を決めておく
2.Webサイトリニューアルの目的を設定する
3.実現したいことをリストアップし制約条件と照らし合わせて注力すべきポイントを決定する
4.意見がぶれないよう、コンセプトをプロジェクトメンバー全員に浸透させておく
5.各担当者と協力してコンテンツ企画を行う
となります。
制作を見切り発車で進めてしまうことも可能ですが、前述のステップを省いてしまうと混乱や炎上の原因となってしまうため、余裕をもって取り組むことが重要だと考えています。
以上、企業向けサイトリニューアルの処方箋でした!
少しでも貴社サイトリニューアルの参考になれば幸いです。
株式会社ナディアは、創業より、たくさんのお客様のWebサイトリニューアルをお手伝いさせていただいております。
上記のようなお悩みがありましたら是非ご相談ください!