『CEOや社員が全力でアクセルを踏めるように、でこぼこの道を整えていくこと』
これは、マイベストCFO(Chief Financial Officer)の木本さんが考える、今のマイベストにおけるCFOとしての役割です。
「ただ単に会社の財務だけを見ていれば良いわけではない」というメッセージが込められたこの言葉は、どのようにして生まれてきたのでしょうか。
今回は、マイベストのCFO木本さんに「これまでにどのようなキャリアを築いてきたのか」「なぜマイベストに転職したのか」「これからのマイベストはどのような未来を描いていけるのか」をお伺いしました。
国内大手証券会社でキャリアを積んできた木本さん。そこで木本さんが得た学びと、感じていた葛藤を語っていただきました。CFOを目指す方、強い女性に憧れる方、必見です!
証券会社に入社したのは、経済を良くすれば社会も良くなると思ったから。
——木本さんと吉川社長は、証券会社での同期だったとお伺いしています。まずは、なぜ証券会社に入ろうと思ったのか、入社の経緯をお伺いしたいです。
ファーストキャリアとしては証券会社を選んだのですが、大学時代までは法律家になりたいと思っていました。子供の頃から正義感や責任感が強くて、大学時代も法律事務所でアルバイトをしながら他のバイトとも掛け持ちをして。とにかく目標に向かって一生懸命取り組んでいました。
しかし、家庭の事情もあって、進学直前で進路を見直さなければならなくなり、悩んでいた時にバイト先の弁護士に「経済について知っていることが、今後のキャリアの強みになる」と言われました。遅ればせながら就職活動を開始して初めて参加したのが、証券会社の投資銀行部門の説明会でした。
そこで感じたのは「こんな仕事が世の中にはあるんだ」という驚きでした。法律ばかりを勉強していので経済のことを全然わかっていなかったのですが、「経済を動かす」ということの面白さに惹かれ、自分の中に新しいキャリアの選択肢ができました。
その後本格的に就職活動を開始し、その証券会社に入社を決めました。理由は2つあって、1つはそこにいた人たちの人柄がとても素晴らしく、一緒に働きたいと思えたから。もう1つは、大きな経済の動きに触れられると思ったからです。
若いうちからバリバリ働ける会社でしたし、自分が関わった仕事で少しでも社会がいいものになって欲しい。そんな想いもあって同社への就職を決定しました。
——証券会社で実際に行っていた業務は、どういったものだったのでしょうか?
入社して9年間は投資銀行部門で、企業の資金調達をサポートする業務を担当をしていました。私が当時担っていたのは、企業の財務状況を分析したり戦略を踏まえてどういう形で資金調達するのがよいかを提案したり、実際の調達を執行する仕事。主に大企業を担当していたので、中には数千億円規模の大きな案件もありました。
その部門で9年間働いたのちに、経営企画部に配属になりました。そこでは経営戦略や資本政策、IR、グループ会社の管理、新規事業推進など、さまざまな幅広い業務を担当しました。
——投資銀行部門で働くことで得られたものはどういったものでしょうか?
どんな状況でも当事者意識をもってやり切る力と忍耐力は培われました。私がまだ若手だった時代は、今とは違い、残業規制なんてものもないようなものだったので、寝られないくらいハードなことも多かったです。。
ただ、今思い返せば、私自身、入社してから30代までは夢中で働いて、自分から仕事を取りに行ったからこそ、「社会が動く瞬間」に立ち会えることもあったと思います。
当時、常に自分に課していたのが「昨日や前回の自分を1%でも超えていること」です。私の仕事では提案書を作成することがとても多かったのですが、やりがちな資料を使い回しはせず、常にお客様である企業のことを考えて提案書を作成し直していました。小さな積み重ねがスキルの向上にも繋がり、周りから信頼をえることができたと思います。
素直に「世界で戦う」と言えることは凄いこと。好きな会社をやめて、マイベストに参画した理由。
——経営企画部に配属された経緯にはどういったものがあったのでしょうか?
詳しい背景まではわからないのですが、聞いた話によると「一本釣り」だったとか。お客さまファーストの姿勢を貫き、その考えにそぐわない場合であれば、上司と喧嘩することも厭わない猛烈プレーヤーでしたので、もしかしたらそういうところがよかったのかもしれないですね。
また、経済界全体でも「女性の活躍推進」がテーマになっていた時期だったことも起因しているかもしれません。男社会だった金融機関の経営企画で、女性ならではの視点がいかせた部分もありました。
——吉川社長とは、どのような関係性だったのでしょうか?
吉川は、内定者時代からお互いのことを知っており、数多くいる同期の中でも信頼を置ける仲間の1人です。優秀な同期はたくさんいたのですが、その中でも「とくに頭のいい人だな」と感じた記憶があります。見た目はちょっと怖かったんですけど、実は純粋な人でした(笑)
同じ投資銀行部門だったんですが、吉川はベンチャー担当、私は大手企業担当だったため、一緒に仕事をしたことはありませんでした。ただ、研修のグループも同じでしたし、同期の結婚式の幹事を一緒にやったりして、何かと関わりは多い方でしたね。転職や起業して大変な時期も、同期で集まって話を聞いたりだとか。
マイベストを起業した直後、100円コーヒーで毎日過ごしていると聞いたときは本気で心配しましたね。
——経営企画にも配属され、会社について深く考えるポジションにいたと思われるのですが、そこから転職にまで至る経緯をお伺いしたいです。
まず、「転職をしたい」とは考えてもいなかったんです。経営企画部に配属され、中から会社を見るようになったことで、会社の将来について真剣に考えていました。誰よりも愛社精神の高い社員だったと思います。
ただ、「会社を成長させていくためにはどうしたらいい?」「証券業界をどうやって盛り上げていけばいい?」「日本経済はどうやって盛り上げていけばいい?」いずれの問いに対して、どれだけ真剣に考えても答えが出せず、モヤモヤしていました。
そんなとき、たまたま、吉川が移転したばかりのマイベストのオフィスに招いてくれました。そこで吉川が何気なく話してくれたのが「マイベストは世界を目指していく」ということ。日本の経営者の中に、「世界を目指す」と言える経営者がどれほど少ないか、金融機関に身を置く立場として、危惧するところでしたので、素直に共感しました。今までは同じ会社の同期だった吉川がこの時「すごい経営者」に感じられ、吉川の語る未来にとてもワクワクしたんです。
それに加えて、実際にマイベストが展開するサービスにも感銘を受けました。自分自身が優柔不断なので、「選ぶ」という領域の課題解決を目指すという点に純粋に凄いなと思いました。このサービスを、世界に展開して行きたいと心から思いました。
マイベストは若い女性社員が多い会社で、若くして管理職になっている女性も多く、そうい女性たちをサポートしたかったんです。当時、「女性社員がなぜか泣いていることがある」と聞き、何とかしたいと思いましたし、泣くほど真剣に仕事に向き合う女性がいる会社こそ、本当の意味で女性が活躍できる会社なんじゃないかと感じました。実際、男女問わずマネージャー陣の働きぶりは本当に尊敬できるものです。
大企業からベンチャーに行くことは大きなチャレンジでしたが、マイベストを日本発のグローバル企業にすることが、社会や経済を良くするということに繋がると確信し、転職を決意しました。
ワクワクしたいなら、チャレンジするしかない。世界を目指す会社のCFOが送るアドバイス。
——現在、マイベストで行っている業務内容をお伺いしたいです。
現在は、人事・労務以外のバックオフィスを所管しています。経営企画、経理・財務・総務、法務、対外対応などなど、多岐にわたります。ZHDとの資本業務提携も、水面下で進めました。現在は、上場も見据えながら会社の体制を整えているところです。
事業が急速にスケールし、会社として一気に成長している最中なのですが、その一方で、会社の中身はまだまだベンチャー企業。整っていないところを突貫工事しているような状況ですね。
2020年1月にCFOを拝命し、いまだに試行錯誤しながら感じているのは「CFOという役職は、ボコボコの道を舗装する役割である」ということです。CEOは、自分が進みたい方向に、ひたすらアクセルを踏んでいきます。その道がボコボコだろうと平らだろうと、お構いなしです。
しかし、ボコボコの道では当然スピードは落ちますし、途中で転んでしまうかもしれません。だからこそ、先回りして道を舗装して、最速で目的地に到達できるようにサポートする必要があると思っています。
ですので私も、吉川や社員がアクセル全開で走り回れるように、全力でサポートしたいなと思っています。
——マイベストで働けることのやりがいは、どういったものでしょうか?
「世界のマイベスト」が実現する土台を作っているということです。日本発で世界を目指す会社は、数えられるほどしかないのではと思います。マイベストが着手している領域は、世界で見てもとてもユニークなものであり、他社をも寄せ付けないスピードで成長を遂げてきました。文字通り、「世界のマイベスト」は実現すると信じていますし、実現する日はそう遠くないでしょう。
「自分が働いている会社は、世界レベルの会社になるんだ。自分たちが、世界的なサービスにするんだ。」というように、マイベストで働くことを誇りに思うメンバーが増えてくれたら嬉しいですね。
——この記事を読んでいる人の中には、CFOというポジションに憧れを持っている人もいるはずです。そういった人に向けてアドバイスをお願いします。
大事なことは、チャレンジすることだと考えています。ベンチャー企業のCFOは、ただお金周りを見ているわけではなく、会社を作っていく必要があります。ありとあらゆることに対応しなければなりませんが、ここに特別な資格は要りません。自分が好きなサービスで、会社やメンバーに尽くそうという覚悟さえあれば、CFOという肩書きに臆すことなく、チャレンジしてみたら良いと思います。
以前、CFOが50人くらい集まるイベントがあって、それに参加してみたことがあるんです。そうしたら、その場にいたCFOのうち、女性は私だけ。それが今の日本の現状なんです。会社を作っていくということは、本当に本当に大変なことですが、そこに男女の差はないはずです。男女、年齢問わず、臆することなくぜひ挑戦して欲しいです。
——マイベストで一緒に働きたいと思う人は、どんな人でしょうか?
間違いなく言えるのは、「mybestというサービスで一緒に世界を目指す」と言ってくれる人ですね。私たちはベンチャー企業であり、チャレンジャーだからこそ、些細なことで躓いてしまうことも多々あります。
しかし、そんなときに世界を目指すということを意識させてくれ、目の前の些細なことに囚われないような人がいてくれたら、また強い気持ちを持って前に進んでいけると思います。だからこそ、「一緒に世界を目指す」と言ってくれる人が良いですね。
あとは、私たちにはない「何か」を持ってる人とも働きたいです。吉川や私にも、できないことはたくさんあります。さらに、きっとこれからも、世界と戦っていくにあたって、沢山の壁にぶち当たるでしょう。そういった「困難や課題を突破する攻めの姿勢」を持っている人をお迎えできると幸いです。
最後に
マイベストのCFO木本さんにお話しいただきました。今回のインタビューを通じて感じたのは、一貫性があり、自分の進む道が全くブレていないということ。
木本さんの根底にあるのは、「社会をより良いものにしたい」という想い。法律家になりたいと考えていたのも、ファーストキャリアで証券会社を選んだのも、mybestに転職したのも、全てがその想いに集約されていました。
この一貫性が木本さんを形成し、これまでの輝かしい実績を積み上げることができた要因ではないでしょうか。
この記事を読んで「一緒に世界で戦えるサービスを作りたい」と感じた方がいれば、ぜひエントリーしてみてください!