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こんにちは。マネーフォワード広報です。
マネーフォワードの中の人を知ってもらうため、いろんな部署にインタビューをするこの企画。今回は、金融機関向けのマネーフォワードを開発、提供しているFintech事業推進部へのインタビューです。
語り手
上野 賢史 (Fintech事業推進部 部長)
新卒で証券会社にて勤務後、複数のWEBサービス会社にてサービス企画や事業開発などを経験。2015年4月マネーフォワードに入社。PFM本部Fintech事業推進部にて、金融機関や事業会社とのアライアンス、ソリューション事業を担当。
花房 伸広 (Fintech事業推進部 副部長)
2005年 大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。金融サービス本部にて、金融機関向けコンサルティング業務を担当。2016年 株式会社マネーフォワードに参画。主にPFM本部(Personal Financial Management 本部)にて、金融機関様とのアライアンス事業に従事。
山下 学人 (Fintech事業推進部 エンジニア)
新卒でナビタイム入社。法人向けのパッケージ製品の開発、コンシューマ向けの乗換検索アプリを開発。2015年7月に iOS エンジニアとしてマネーフォワード入社。自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」のアプリ開発後、現在はRailsエンジニアとして金融機関向け「マネーフォワード」の開発を担当。
インタビュアー
青木 香菜子 (広報)
インタビュー・編集・撮影担当
マネーフォワードの未来をつくる仕事
青木 :では、よろしくお願いいたします。
上野 :恥ずかしいですね、これ。
青木 :皆さん恥ずかしがるけど、そんなに恥ずかしいですかね。
上野 :恥ずかしいですよ(笑)。
青木 :恥ずかしがりながらでも大丈夫ですので自己紹介を…。
上野 :はい(笑)。私は新卒で証券会社に入社し、約2年、富裕層の方に向けた営業をしていました。その後、自分で事業を起こそうと色々模索していたんですが、とあるご縁で化粧品の口コミサイト「@cosme」を運営しているアイスタイルという会社に、業務委託で携わりはじめました。その時に出会ったのが、今マネーフォワードのPFM(Personal Financial Management)部門を統括されている秋山さんです。
アイスタイルは、口コミサイトや、ECサイト、リアルの店舗等があって、コスメに関するあらゆるデータが集まっていました。これを全てつなげ、一連の購買行動全体を分析したり、その情報を元にユーザーに合ったご案内したら消費行動そのものを変えられるのではと考え、非常に可能性を感じ、半年後には社員になってました。
その後は、ID・ポイント基盤の整備、グループ企業になった会社のサービスのID統合、新規事業の立ち上げ、会員のデータを活用する全社横断のプロジェクトなどに幅広く携わっており、やりがいのある仕事でしたが、ある程度やりきった所で自分のキャリアをもう一歩先に進めようと考え、次に入社したのが楽天でした。
青木 :楽天でのミッションはどういったものでしたか?
上野 :そこでのミッションもまたデータに関する領域を担当してました。メーカーさんへのデータ販売検討や諸々のデータ基盤の整備・利活用を企画するような仕事で、具体的に仕組みを考え提案をしていたのですが、「実際に開発出来るのは数か月後、1年後だ」と言われる事が多くて。
青木 :そのスピード感に納得感がなかった?
上野 :そうなんです。そんな時期に秋山さんから、「マネーフォワードでこんなことを構想している」という話を聞いたんですね。「昨日提案したことがもう今日にはできている」「エンジニアがすごい優秀だ」など色々聞いて、そういうスピード感で思いっきり働きたいと思ったんです。それで前職を退職して、マネーフォワードにジョインしたのが2015年の4月でした。
青木 :予想通りスピード感がありましたか?
上野 :早速、入社初日から仕事を任せていただいて(笑)。その夏にCMを打つタイミングだったので、プランニングや数値の設計、事業計画の再整理、LTVのモデル構築など、やれることが山積みという状況でした。CMがひと段落した後、住信SBIネット銀行様と静岡銀行様から出資をいただくタイミングで、金融機関様向けのマネーフォワードを開発することが決まって。そこで当時のCTOの浅野さんにやってみないか?と言っていただき、そこからはPFM領域における金融機関様向けビジネスのリーダーをやっています。
青木 :では、想像通りだったんですね。
上野 :起きていることはほぼ想像通りでしたが、一方で金融機関様向けビジネスでは逆風もありました。
花房 :逆風というと?
上野 :当時、「Fintechによって銀行はなくなっていく」という議論もされていたりする中で、「マネ―フォワードが淘汰していくのか」と捉える金融機関様もいらっしゃったと思います。もちろん僕らはそのように考えていませんし、逆に金融機関様と一緒になって、金融業界をより一層進化させていくことで、エンドユーザーの利便性をさらに向上させていきたいと考えています。とは言え、それをお伝えし、理解していただき、関係性を構築していくことは簡単ではありませんでした。当時は、そのことをしっかりとお伝えしていくために、辻さん、浅野さん、瀧さんなどの創業メンバーと一緒にご提案に行ったりしていました。
山下 :住信SBIネット銀行様や山口フィナンシャルグループ様向けのサービスのリリースが進んで、そこからさらにプロダクトとして形にしていこうと言う話に、僕自身も参加していました。結構深い議論になって、それが確かクリスマスイブだったと思います(笑)。
青木 :(笑)。
上野 :『マネーフォワードfor住信SBIネット銀行』を11月にリリースした後に、山口フィナンシャルグループ様も興味を持ってくださって、これは地銀様など多くの金融機関様にとって価値があるサービスなんだなと、色々今後の可能性を感じましたね。
あれよあれよという間にマネーフォワードへ
青木 :では、花房さんの自己紹介をお願いします。
花房 :僕は新卒で入社したアクセンチュアという会社で11年程働き、次に入社したのがマネーフォワードです。元々僕は一浪しており、社会人になったのが26歳だったので、同級生は社会人3年目とかで、友人は「俺は何億の案件をまとめたぞ」みたいなことを話していて…(笑)。自分なりに焦りがあったんですね。
だから、死ぬほど仕事ができる環境にいこうと思ってアクセンチュアを選びました。最初の数年はどんな案件でも死ぬ気で働き、割と楽しく働けていました。ただ、大きな会社なので、5年、6年と経ってくると内部管理タスク的な仕事の割合が大きくなってしまって。
そんな中で「楽しいな」と思う仕事ができなくなり、仕事の規模が大きすぎて、「これは価値がある」と感じられなくなっていたんですね。
この後5年、10年と続けていくのかなと疑問に思いはじめ、転職を検討しはじめました。アクセンチュアでは金融グループに所属して居たのですが、当時世の中はFintech関連の報道が非常に多く、その分野に興味が湧いたんです。
青木 :その中で、Fintechをやっている会社を探されたんですね。
花房 :はい。たまたま当時参加したセミナーで辻さんが講演されていて、それを聞いて、この会社面白いなぁと思いまして。それを高校の友人に話したら、「辻さんはMBA時代の先輩だったよ」と話してくれて。そこで彼が、辻さんに連絡をとってくれ、履歴書を送ることになり、選考に進んだという経緯です(笑)。そこから、あれよあれよという間にマネーフォワードに近づいていったっていう感じですね。
青木 :すごい。いろんなことが重なったんですね。
花房 :最終面接の前に、再度辻さんが登壇されているイベントに参加しまして。その時、偶然辻さんと廊下でお会いして、「最終面接を受ける花房です」と言って名刺を渡しました(笑)。
青木 :(笑)。辻さん、びっくりしてましたよね?
花房 :お忙しそうだったので、びっくりしながら「ええ、そうですか。よろしくです!」って言いながら、去っていかれました(笑)。
青木 :想像できます(笑)。
花房 :今までBtoCの経験がなくて不安があったのですが、ちょうどBtoBtoCの形で金融機関様と組むプロジェクトがあると聞いて、これなら自分の経験も活かしながら挑戦できそうだと思い、入社を決めました。前職はあまりC向けの案件はなくて、世の中へのインパクトを感じる機会が少なかったのですが、マネーフォワードでそういうプロジェクトに貢献することができれば、インパクトも感じられそうだと考えていました。
青木 :では、当時はマネーフォワード以外は受けてなかったんですか?
花房 :ほとんど受けてないです。本当にたまたまご縁が繋がった感じで、徐々に気持ちが高まっていきました。入社したのが2016年6月で、もうすぐ丸1年です。
青木 :大手からベンチャーに移られて、どんなことに驚かれました?
花房 :まず、スピード感に驚きました。前職が遅いとは思っていませんでしたが、チャットでのコミュニケーションをみて、「これはやばい、早い」と。
もうひとつは、予想以上に優秀な人多いなというのが印象的でした。入社前に知人から「ベンチャーは一部の優秀な人で保たれていて、苦労するだけやで」と言われたりもしましたが、全くそんなことはなく、優秀な人ばかりで、想いがある人も多く、そこは良い意味でギャップでしたね。逆についていくのが大変です(笑)。
それ以外だと、入社してすぐの全社半期総会も驚きました。全社総会は、CSの方も含めて全員参加ですが、前職だとBtoBで、こちらのリソースをお客様に提供しているという考え方だったんです。マネーフォワードの場合は自社サービスを提供していて、「今日は僕たちが考える日だ」と決めて全員で考える日、というのはすごく新鮮でした。
青木 :「僕たちが考える日だ」というのも、その先に居るユーザーのためであって。そこに向けて価値を届けるために設けられた場ですよね。
花房 :そうですね。入社直後は、リリースが重なっていた時期だったことも良く覚えてています。引き継ぎを受けながらも、入社後すぐに福井銀行様の案件が動いたり、CFOの金坂さんと岡崎信用金庫様にご提案に行ったり、他にも案件があって驚いていました。
大規模サービス開発の楽しさと責任
青木 :では、まなてぃ(※)お願いします。
※編集追記:「まなてぃ」は山下さんのあだ名。以後「まなてぃ」と呼称。
山下 :僕は大学を卒業して、ナビタイムに入社しました。会社のメイン事業はBtoCサービスでしたが、当時僕はBtoBのバックオフィス系のサービス開発を担当していました。『MFクラウド経費』のような経費精算システムで、『ビジネスナビタイム』というサービスなんですが、ナビゲーションと経費って割と相性が良いんです。
青木 :確かに、これは相性が良さそうです。
山下 :ただ、当時の社内ではナビゲーションの知識があっても、経費や会計の知識があるメンバーが多くはなく、経費の申請者と承認者の両者にとって利便性が高いサービスを開発するのが簡単ではありませんでした。ナビゲーションの基盤があるので、使いやすくなる可能性は秘めていましたが、当時は伸び悩んでおり、その頃自分自身は「よりユーザーが多いプロダクトの開発を経験したいな」と思っていました。
そこで、ナビゲーションサービスの『乗換NAVITIME』の開発チームに異動し、iOSアプリの開発を担当していました。当時ユーザーが1,000万以上、iOSだけで800万くらいの規模で、毎回リリースするときは緊張してました。それがめちゃくちゃ楽しかったですね。ユーザーが多いサービスを開発する楽しさと責任の重さを体感しました。
青木 :良いご経験ですね。責任重大ですし、気も引き締まりますね。
山下 :ユーザーが多いと自分もそのサービスを好きになるし、責任感も変わってきます。影響範囲が大きいのですごく慎重になりますが、そのワクワク感もあって。ただ、ある程度やりきった所で、交通系だとユーザー層が首都圏中心になので、もう少し幅広いユーザーにサービスを届けたいと思い、入社して4年程経った頃に転職に踏み切りました。
マネーフォワードに決めたきっかけは、元々社会人になって2年目の時に興味本位で不動産を購入していたので、金融の領域には興味がありまして。
青木 :興味本位で買うと言うのがすごいです。
山下 :若かったから深く考えていなかったんです(笑)。結婚直後だったので、お金のことも勉強していて、その時に金融業界はもっと開けていくべきだと思って。僕自身でもマネーフォワードのアプリを使っていて、可能性のあるサービスだと感じていたので、入社を決めました。
2015年7月入社で、初日から自動家計簿サービスを作っていたのですが、取締役の都築さんに「うちはホワイト企業だから早く帰って」と言われ、最初は定時で帰らされました(笑)。ただ、最初のCMをやる時期が迫っていて、やることが膨大で期限も迫っていたので、当時は定時帰りは難しくなり(笑)。でも、すごく楽しかったですね。
青木 :その都築さんに今度インタビューをするので、楽しみにしていてください(笑)。
初めてのCMでのテストマーケティング後、UIを改善
青木 :上野さんとまなてぃは入社時期が同じ頃ですね。その頃に印象的だったことってありますか?
上野 :CMのテストマーケティングをやっていた頃でしたが、実は最初の効果が芳しくなく、対策を練っていたことを今でも覚えています。
青木 :それが以前、アプリマーケティング研究所さんの取材でお話されていたことですね。
山下 :そうですね。テストマーケティングの結果を受け、UIを変更したんです。
上野 :結果を受けて改善案とスケジュールを早急に引き、皆で急いで改善していましたね。
山下 :毎日遅くまで話し合いながら開発していたのですが、皆プロダクト愛が強くて、チームの雰囲気は良かったですね。険悪になる訳でもなく、全員で前を向いていて、すごく楽しかったのを覚えています。そのおかげで、僕もすんなり会社になじむことができました。
その後に3、4か月程して、金融機関様向けのPFMサービス開発の立ち上げメンバーとしてそのプロジェクトに加わり、そこからは同プロジェクトで開発しています。当時プロダクトの将来について議論しながら「金融機関とやるんだから可能性は大きい」「プロダクトとして成長させていきたい」と、当時のCTOの浅野さんに伝えていました。
青木 :マネーフォワードと、金融機関向けマネーフォワードの開発の違いについて教えてください。
山下 :開発する上での考え方の違いがすごくハードルが高いなと思います。最初は、僕が経験してきた世界観とは全く違う考え方だったので、簡単ではなかったです。しかし、「お金のプラットフォームになる」ということを目指してこの会社に入って、マネーフォワードとしてそこを実現するためには金融機関様と一緒にやっていくというのは、重要なひとつの道だと考えています。
上野 :苦労するポイントってどこでしょう?
山下 :「こういうのやろう」となった時のハードルですね。先方に話をして、先方と当社で議論を慎重に重ねるので、必ずしも「すぐ」はやれないんです。これまでだとすぐやれてきたことが、やれないというもどかしさがあります。ただ、金融機関というのは日本の経済を支えている巨大なインフラなので、「エンドユーザーのためにやりましょう」ということだけですぐには進められないんですよね。何かあって、許されれる世界ではない。その考え方を自分の中に落とし込むのに非常に時間がかかりました。
上野 :全ての金融機関様に言える事ですが、ユーザーから求められている信頼のレベルが段違いなんですよね。預けていた1万円が消えちゃった、なんて絶対に許されないじゃないですか。データベースが不具合ですいません、振り込まれてません、それで何十万円消えました、なんてことが起こると暴動が起きると思います。
それくらいの高い信頼を求められている方達と一緒に仕事をするというのは、やはりものすごく責任は重いです。とはいえ、お客様が直に触れるアプリのようなサービスの開発は、試行錯誤が必要な領域でもあるので、クリティカルでない領域はお互いトライ&エラーでやっていきましょうというマインドを持っていただけるよう日々お伝えしています。
「ユーザー」はエンドユーザーだけではない
青木 :部署のミッションについてお伺いしたいです。
上野 :マネーフォワードには「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というのミッションがあり、皆さんのお金の課題を解決するというのが僕らの目標です。そのために自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』があり、これをたくさんの人にお届けして、お金の課題を解決していただこうという。今でこそ利用者が500万人まで拡大しましたが、日本の人口が1億2000万人という視点でみると、まだまだお届けできていません。自分達の力だけではご利用いただけてない方達が居て、それであればパートナーとして金融機関様とご協力して、もっと多くの方に使っていただきたいと考えていました。
ただ、実は今は少し考え方を変わってきています。その考え方だけだと、「マネーフォワードとして達成したいこと」だけが主軸になっている所もある気がしていて。僕らにとってのユーザーはエンドユーザーだけでなく、金融機関様でもあります。なので、僕達は金融機関様の方も、もっと見るべきじゃないかと思うんですね。
金融機関様の課題を解決しながら、エンドユーザーの金融体験を向上させていくべきじゃないかなと。だから、一緒により質の高いサービスを提供するという考え方の方が、結果的に僕達のビジョンにも近づいていくんじゃないかなと思うようになってきました。
青木 :マネーフォワードのバリューに「User Focus」という言葉がありますが、その「ユーザー」の定義って単純に「アプリを使ってくださっている方達だけ」という意味ではないですもんね。
上野 :「User Focus」という言葉には、いろんな定義がありますが、僕達の場合は、金融機関様もユーザーなんですよね。エンドユーザーが「金融機関のお客様」ではあるものの、その視点だけではなく、BtoBtoCの「B」の部分もユーザーであるということを、改めて強く認識すべきフェーズだと思っています。
バグやエラーは絶対に有り得ない
青木 :今のチーム構成を教えていただけますか?
上野 :今は、エンジニアが6名、デザイナーが1名、ビジネスメンバーが5名、合計12名ですね。
青木 :大きなチームになりましたね。初期の頃はエンジニアが2、3名で、ビジネスメンバーも上野さんおひとりだったと記憶しています。
上野 :そうですね。ビジネス規模も、組織も大きくなりましたね。
青木 :スタートした1年前と今ではFintechや当社自体の認知度なども変わってきていると思いますが、どのような変化を感じていらっしゃいますか?
上野 :世の中がFintechブームとなって少し時が経過しましたが「Fintech」というものに対して感じてくださっている可能性やその温度感は衰えていません。より一層当たり前になってきているからこそ、それだけで「一緒にやりましょう」にはならないので、僕達としてどう付加価値を提供していくが重要になってくると考えています。
花房 :昨年導入してくださった金融機関様って、比較的新しいことにもどんどん挑戦されている所なんですよね。現状だと、割と慎重に判断されるような金融機関様も価値を感じてくださっていて、そういう所ともご一緒できるフェーズに来ていると思います。
先程と同じ話にはなりますが、銀行の場合は、システムでバグなんて絶対に有り得ないんです。銀行や証券などのシステムで何か止まって、決済が止まり、経済が滞る…なんてことが発生すれば、世の中からも国からも信頼を失うことになります。
だから、新しいことに挑戦するハードルが高いと思いますし、失敗が絶対に許されない中で、「1回やってみる」ということが簡単にはできないんですよね。
上野 :僕達は今従業員が250名くらいの組織ですが、金融機関様ってそれとは桁違いに大きな事業、組織です。何億、何兆円規模の預金を預かっていらっしゃって、そんなインパクトって僕らだけでは絶対に実現できないことなんです。
まだまだ成長過程の僕達ですが、「社会の人達のお金の課題を解決する」という視点で取り組んでいくべきだと改めて思いますし、金融機関様とご協力するというアプロ―チは絶対に必要だと思っています。
金融機関様の視点も、より一層お客様視点になってきているので、そこで金融機関様が課題に感じていることを一緒に解決し、エンドユーザーの金融体験の改善、お金の課題の解決を実現していきたいのです。でもそれは、御用聞きのように金融機関様だけを向き続けるということでもないんですよね。
サービスの成り立ちから、僕らの視点がエンドユーザーに寄っていた部分もあったので、そこに「金融機関様の課題の解決を通して、エンドユーザーの課題を結果的に解決していく」ということなのかなと思います。
顏をみて、直接お会いした方が気持ちがわかる
青木 :金融機関様がマネーフォワードを選んでくださる理由はどこにあると思いますか?
花房 :参照系APIや更新系APIの公開事例や、様々な金融機関様とのお取組みの事例も積み上がってきて、ベンチャーながらも会社として信頼していただけていると感じています。それだけではなく、打合せなどでサービスをお見せすると、「これはすごい」「こんな風に管理できるんですね」と驚いてくださいますし、価値を感じてくださっているなとも思います。
それ以外には、辻さんや瀧さんの政策提言などの地道な実績や、いろんな要素を含めて信頼していただいていることが大きいと思います。
青木 :そうですね。初期の案件で印象に残っていることなどありますか?
上野 :僕自身は、初めてお客様として金融機関の方とお話する時には非常に緊張感がありましたが、開発メンバーはそれ以上にめちゃくちゃ大変だったと思います。普段のコミュニケーションひとつ取ってもそうですし、サービス開発においても、広告の表示内容などにも非常に慎重になる必要があります。僕も何度もエンジニアに確認していましたし、そういう気を遣いながらベースのシステムを開発するのはすごく大変だっただろうなと思います。
山下 :エンジニアである僕たちはお客様と直接お会いしていないので、温度感がどうしてもわからなかった時があったんですよね。上野さんがお客様から聞いたことをベースに開発を進めていくわけですが、直接お話していないので、温度感にギャップがあったんじゃないかなと感じていて、いろんな反省がありました。
なので、今は可能な範囲で打合せには出席させてもらっていて、「実際にお会いしよう」と意識するようにしています。そうすることで徐々に、金融機関様の考え方を肌で感じられるようになって、アウトプットも変わっていったと思います。
上野 :打合せの場では、いろんなご要望を真正面から言っていただくので、僕の方で受け止められるものは受け止めようと思っていましたし、そこは全て僕が責任を持ってやろうと考えていました。ですが、ある時まなてぃに「顏をみて、直接会って話をした方が気持ちや考えがわかる」と言われて、僕の考えが違っていたなと反省しました。そこからは、エンジニアにも金融機関様と直接コミュニケーションを取っていただくようにはしていますね。
青木 :他のエンジニアの方も同席されてるんですか?
上野 :そうですね。エンジニアの福本さんは元々一緒に行っていただいてましたし、デザイナーの菅井さんにもコミュニケーションを取っていただいてますね。
山下 :たまに僕宛にお電話いただくんですけど、「山下さんいらっしゃいますか?」と言われるんですね。僕、社内では「山下さん」と呼ばれていないので、電話を取ってくれるメンバーにびっくりされます(笑)。
青木 :(笑)。
経験や技術は、手段でしかない
青木 :改めて社内の方に伝えたいこととかありますか?
花房 :世の中の方が銀行に求めていることや、期待していることを聞いてみたいですね。どんな金融サービスが求められているのかとか、聞いてみたいですね。アイデアがあれば教えてほしいなと思います。
山下 :確かに、銀行での良かったエピソード、嫌だったエピソードとか教えてほしいですね。
花房 :生活に密着した部分なので、そこは聞いてみたいですね。
青木 では、是非ぜひ何かある方は花房さんとまなてぃまでご連絡ください。最後に社外の方へのメッセージをお願いします。
上野 :金融機関様と組んで世の中にインパクトを与えていける事業ってそんなにないし、そういう意味ではすごくチャレンジングな事業です。「今の金融サービスをもっとこうしたい、こうあるべきだ」という想いがある方に来ていただけると嬉しいです。
それはエンジニアであろうがビジネスサイドであろうが同じで、今いるメンバーもこれまでの経験やキャリア、スキルという枠組みありきではなくて、「お金の課題を解決する」というミッションを金融機関様と一緒になってやっていくという目標を持って皆でやっています。経験や技術・スキルって手段でしかないと思うので、この大きな目標を一緒に追いかけてやろうって思える方に仲間になっていただけると嬉しいです。
山下 :金融の世界を変えていくことは、結果的に自分たちの幸せにも繋がると思っています。まだまだ道半ばですし、泥臭さや忍耐が必要ではありますが、その先には自分自身のや日本人全員の幸せに繋がっていく仕事だと思います。だから、そういう想いや課題感がある方に来ていただけると嬉しいです。インフラをつくる仕事なので。
花房 :金融期間全体が顧客本位という視点になってきていて、大きく変わってきていることは事実なんですよね。だから泥臭くやっていくことで、世間にインパクトも与えられる仕事だと思います。