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カスタマーサポートに携わる多くの人にとって、キャリアパスのあり方は大きな課題なのではないでしょうか。
また、未経験の職種へのジョブチェンジをしたいと思っている人にとって、その足がかりとなるファーストステップのあり方は非常に悩むポイントなのではないかと思います。
弊社が提供している、事業者向けのバックオフィス系クラウドサービス「マネーフォワード クラウドシリーズ」のカスタマーサポートを担うCS本部では、活発に他部署への異動を奨励しエンパワーメントしています。
今回は、その事例となった当人と、送り出した部、受け入れをした部の当時の責任者に当時の話を伺いながら、背景やその後の活躍などについてユルさ全開で対談してもらいました!
①CSから営業へ:鈴木 彰太さん
②CSからディレクターへ:秋山 智恵さん
③CS本部長からBPR責任者へ:木代 大輔さん
①CSから営業へ
異動した主人公:鈴木 彰太さん(事業推進本部 事業推進1部 士業インサイドセールスグループ リーダー)
送り出した人:瀧 俊雄さん(取締役執行役員 マネーフォワード Fintech 研究所長)
受けとめた人:山本 華佳さん(事業推進本部 副本部長)
(少し緊張ぎみの鈴木さん)
鈴木:これって、あとで文章直せるんですか...?
瀧 :まずは失言ベースで、あとは電子的に直す(笑)
鈴木:失言ベース(笑)
瀧 :さっそく彰太くんをイジるわけですけど、入社は2014年12月くらいですよね?
鈴木:はい。クリスマス前くらいですね。
山本:初日が全社総会かなんかで、来て突然「はい、じゃあ鈴木くん挨拶して」みたいな感じで発言させられてたよね(笑)
鈴木:まじ、ないわーと思ってました(笑)
瀧 :だいたいそういうところ運もってないよね。最初、電話サポートやってたんでしたっけ?
鈴木:はい。最初電話で、2人くらい入ってきた頃からチャットサポートも始めました。
瀧 :旅立ったのは?
鈴木:2015年の夏頃です。だから1年もいなかったですね。
瀧 :あんまりいなかったんだ!だいぶ長いこといたイメージだったけど。もともと、電気工事の仕事から転職してきたんだっけ?
鈴木:3年位やってました。ただ、電気工事の仕事では、うちの会社に入る余地がないから、やるなら電話サポートかなと。電話サポートの仕事はダイレクトにお客さまと接することができるので楽しかったですね。
瀧 :サービス的に、最初対応に苦労しました?
鈴木:当時はまだサポート対象が「マネーフォワード クラウド会計」だけだったので、集中して簿記の知識獲得に取り組むことでそんなに苦労はしませんでした。
瀧 :当時は、ずっとCSをやる目線だったんですか?
鈴木:楽しかったので、当時はCSでのキャリアアップしか考えてなかったですね。
瀧 :異動ってどうやって決まったんでしたっけ...?もう思い出せなくて(笑)
鈴木:社長の辻さんから頻繁に「営業行ったほうがいい」と言われてましたね。
瀧 :彰太くんが異動したときって、まだバリバリの応対者がいなかったんですよね。唯一、しっかりした人材が連れていかれた形(笑)
鈴木:リソースが足りていないことはめちゃくちゃわかっていたので、駅前の立ち飲み屋で木代さんたちに「行ってしまっていいんですかね。。。」って相談した記憶があります。
でも、その場でも「行けよ!行ったほうが良いよ!」って言ってくれて。
(久々の鈴木さんとの絡みで嬉しそうな、当時の上長だった瀧さん)
瀧 :異動した直後はどうでした?
鈴木:自社プロダクトのサービス知識はCSである程度獲得できていたので、フィールド営業することへの恐怖心とかはなくて、なんとかなるんじゃないかって思ってました。
瀧 :当時の事業推進(※「マネーフォワード クラウドシリーズ」の営業を担う部署)はどんな感じでした?
鈴木:どこまで言っていいのか...
瀧 :大丈夫(笑)
鈴木:...異動した4年前はとにかく自由な状態でしたね。訴求方法もそれぞれだし、今のようにメニューも揃っていなかった。。「俺はどうしたらいいんだ」って感じでしたね。
ただ、結果的には自由にやれたというのもあって楽しかったですね。
瀧 :当時、山本さんとは師弟関係みたいのはあったの?
鈴木:北海道出張について行って、3商談くらいに同行して、、あとは「行って来い!」って感じでしたね。
瀧 :OJTもない...トレーニングもしてない...
鈴木:あ、思い出した!「もう行けるよね!?」って言われました(笑)
山本:ほんと当時は自社の未来に賭けていただけるユーザーを増やすことが正で、じゃないと会社の明日はない!っていう感じで。
瀧 :なるほど。
(右:鈴木さんの受け入れ側だった事業推進本部の副本部長 山本さん)
山本:彰太が来たときは、とにかくセールスが出来る人員がいないから、メンバーの成長とかより「若くて活きがよさそうだ」くらいの(笑)
鈴木:どこも人が足りていなかったですしね。でも、キャリアを考えるうえで、「営業はビジネスマンの基礎だからやったほうがいいんじゃない?」って言われて「たしかにな」と初めて心が動いたのを覚えています。
山本:たしかに、最初は快諾してくれるような感じじゃなかったような気がする。あんな動物園みたいなところに入るんだみたいな(笑)CSがすごい心地良さそうだったし。
鈴木:でも、良くも悪くも、自分でチャレンジして、自分でモノにして、自分で考えてやっていくっていう環境が偶然そこにあって、そこが自分の性格にマッチした気がしています。
CSを経験したことで、基本的な言葉遣いとかITリテラシーのような基礎的な部分を覚えることが出来たので、いきなり営業に飛び込むより良かったですね。
山本:私、最初ちょっとだけCSにいたじゃないですか?何本かメールとかチャットとか電話とかやって。その中で、瀧さんから「て・に・を・は」について語られた記憶があります。ただ、内容が高尚すぎてすぐには理解できなかった(笑)
瀧 :それぐらいしか言えることが無かったんですよ(笑)
瀧 :営業スタイルって、誰かから学んだりしました?
鈴木:実はこれ、、ありまして(笑)山本さんは、お客さまと良い距離感を保ちながら、徹底してメッセージを伝える。他の方だと、信頼を作るために、お客様が敢えてできていないところを言うとか、訴求価値をどう見せるかで売るとか。なかには、押して、押して、押して、押して、押して、押して、押して、みたいな人もいたんです(笑)
そういうのを全部吸収して、いろいろミックスして、今の自分のスタイルが出来たような気がします。それを相手に合わせて、一番いいアプローチの引き出しから提案しています。
瀧 :今は彰太くんて何してるの?
鈴木:インサイドセールスの責任者として、組織づくりを主にやってます。新規で興味をもってくれたお客さまのアポイントを取ってフィールドのチームに渡すのとは別ラインで、既存のお客さまが、うちのサービスを使うことでもっと業務効率化ができるように、より良い使い方などを提案することに注力しています。
瀧 :筋トレはしてるの?
鈴木:最近は、ちょっと...また少しずつやり始めたくらいですね。
瀧 :なんで冷めたの?筋肉が裏切った?
鈴木:いや、筋肉は裏切らないです。むしろ筋肉が一番裏切らないです(笑)前は通ってたトレーニングジムのステッカーをパソコンに貼ってましたし。
山本:それで辻さんに怒られてたよね(笑)一回、「筋トレとジムの話したら買ってくれました!」て言ってて、その商談に辻さんが同行してたんだよね(笑)
鈴木:たまたま相手先の方と筋トレとジムの話でものすごく盛り上がって、打ち解けられたんです。毎回筋トレとジムの話になるので、僕もその商談には「辻さんに同行してもらわないほうが良いです!」って言ったんだけど、当時の上司からお願いされて...。結果、全然大丈夫じゃなくて、「あいつ仕事舐めてる!」ってめちゃめちゃ怒られました。。
山本:激怒されてたよね(笑)
鈴木:こんな話で良いのかな(笑)...撮れ高大丈夫ですかね?
瀧 :大丈夫です!では、山本さん、まとめを。
山本:動物園と筋肉の話からのまとめ(笑)最初のキャリアステップとしてCS・インサイドセールスはすごく良いなと思っています。
お客様との1セッションの濃厚さは対面の方があるかもしれないけど、CSは対応量が圧倒的に多い。より多くのお客様と触れ合い、知見を貯められるのは強い。
それに、わからないことがあればその場で隣の人に聞ける。そこで得られる成長速度は魅力的です!
②CSからディレクターへ:秋山 智恵さん
異動した主人公:秋山 智恵さん(サービス開発本部 請求書グループ)
送り出した人:木代 大輔さん(事業推進本部 BPR推進部長)
受けとめた人:山田 一也さん(執行役員 事業戦略部長)
(CSからディレクターにジョブチェンジした秋山さん)
木代:ろくろ回さないようにしなくちゃ...
山田:まず、当時のCSの体制はどうなってましたっけ?
木代:チャットと電話に担当が分かれていて、秋山さんはチャットチームにいて、チャット対応をめちゃくちゃやりながら、資料作成もやってくれていました。
秋山さんはチャットのスーパープレイヤーだったので、当時の部内レコードを叩き出してましたね。かつ、すごいのは、必ず定時には帰ってたんですよね。それすごくいいなと思ってましたね。CSのSpeed Queenという称号が付いてました(笑)
山田:麻雀みたいですね(笑)
木代:めっちゃ鳴いて早上がりするみたいな...。まだCSの人数も少なくてカツカツでやっていたので、チャット対応件数でめちゃめちゃ助けられていましたね。そういう人が抜けてしまうということで、当時すごい現場的にはキツかったのを覚えています。
あと、これ、どこまで言っていいのかわからないのですが、そもそも入社の段階で、そこまでがっつりCSやると思っていなかったというのもあったと思っていて...
山田:そうなんだ(笑)どういうきっかけで転職してきたんですか?
秋山:会社は好きだったんですけど、「個人としてもっと成長したい」という思いが強くなったからですね。それと、CSだけをやりたかったというよりも、PMO(Project Management Officer)のような仕事をしたくて、「お客さま対応をしながらそういうことができるかも」と思ってジョインしました。その気持ちで働き始めてみたら、めっちゃコールセンターだったっていう(笑)
山田:実際やってみてどうでした?
秋山:電話はほんとに声色にも気を使わないといけないので、私はそういうのはちょっと苦手で...。そこが少し大変でした。
木代:たしかに最初ちょっと電話とってましたよね。
秋山:チャットだと文面なので、それだったら全然問題なくて。次にどんな案件を引くかわからないドキドキ感みたいなのもありますし(笑)
木代:なるほどねー。
秋山:チャットの通知が光ってるとつい反応して取っちゃうみたいな感じでしたね。
木代:同時10件対応なんて当たり前でしたもんね。
秋山:そうでしたねー。
山田:そんな中、資料作成なんかも始められたと思うんですが、僕がサービス開発にいたころ、「結構プロダクト寄りのことを手伝ってくれるんだな」っていう印象をもっていて。どういうきっかけで手伝ってくれ始めたんでしたっけ?こちらの方からお願いしたのかな(笑)
木代:いろいろきっかけはあったと思いますけどね。もともと秋山さん自身もそういう仕事をするのはポジティブでしたし。最初、営業部門のリクエストで、お客様に配布する150ページくらいのPDFのマニュアルを作りましたよね。
秋山:あー、山ごもりする感じで作ったやつですね(笑)
木代:そんな感じで一年間、CS対応をやりきっていただいたので、現場的には相当キツかったですけど、それに報いるかたちで、「本人が希望されていることをしていただいた方がいいよね」ってなった気がします。
(受け入れ先の責任者だった現執行役員の山田さん)
山田:当時、どんな仕事をしてもらうかを考えていたときに、作成してもらった資料がすごくわかりやすく要点が押さえられていて。それって仕様を切る際のベースになることなので、「マーケよりディレクターの方が向いているんじゃないですか」ってお話をしました。
木代:思い出してきた(笑)
山田:抜け漏れなく状況を把握するのがすごくうまいと思っていて、それはCSを経験したことで、先手を打ちながら開発できているからだと思います。
秋山:自分としても、今やっていることは、「こういう仕事をしたかった」というところに来ているので、ありがたいですね。
木代:じゃあ、CSを経験したことで意図せず良い結果になったということで...良かったですよね(笑)
秋山:そうですね。まったく知らないプロダクトで「はい!やってください!」って言われるよりも、CSを通して知ったユーザーの肌感をもてたことと、全体の仕様を把握できたことはすごく良かったですね。
あとの方が入ってくるという点でも、いろいろ教えてあげられるのは大きいかもしれないですね。
山田:ロールモデル的になって、安心して入って来れますよね。逆にここ苦労したというところはありますか?
秋山:こういう職種って、みなさんコード読み書きできて当たり前だったりするのに、私にはそこが無いところですね。。
ただ、無いからこそ、この案件の目的は何かとか、達成したいことは何か、みたいなところについてはブレずに決めて、落とし所をみつけるみたいな感じでやっています。
それと、まわりにいる方のエッセンスをパクっていく感じでもあったりしますね(笑)デザイナーさんがデザインの目的や定義をすごくしっかり作られるところとか、山田さんの資料とかもそうですけど、目的がこれで、わかりやすく3行で書くとこれ、とかされているじゃないですか。そういうのを見ていると、「そうやってまとめるとわかりやすいんだ!」とか。
木代:できない(笑)ほんとそうですよね。
山田:サービス開発本部って、エンジニアもいるし、デザイナーもいるし、ディレクターもいるし、ドメインエキスパートの人もいるし、いろんな職種の人がいるからそれぞれの良さがあって学びが多いですよね。僕も実際仕事してて、結構吸収できることあるなと思いながらやってます。
木代:サービス開発側にCS出身の方がいることは、状況の共有がスムーズにできる側面もあって、CS側の品質の向上にもつながっていますよね。
山田:CSと開発のコミュニケーションは明らかに良くなりますよね。
木代:極論、顧客対応キャパ、みたいなものは新しく入ってきてくださる方たちで対応できる部分ではあるんですけど、開発側にそういう知見のある人がいてくれる状況というのは貴重ですし、結果としてその方が価値が大きいと思います。
秋山:そうですね。今開発側にはいますが、CSと開発どっちの状況もわかるので、程よい感じで出来ていると思います。
山田:なんだかんだ言って、相互理解って事業を進めていく上でとても大事だからね。2つ以上の職種を経験したことがあるって本当に貴重だなって思います。
③CS本部長からBPR責任者へ
異動した主人公:木代 大輔さん(事業推進本部 BPR推進部長)
送り出した人:高橋 陽一さん(CS本部長)
受けとめた人:竹田 正信さん(取締役執行役員 事業推進本部長 )
竹田:木代さんに来ていただいてなかったら、うちの部は成り立ってないですね!
高橋:いきなり(笑)そういえば、今日みんな大学一緒ですよね。
木代:竹田さん、何年で卒業しました?
竹田:5年!
高橋:俺も。
木代:全員留年!(笑)
(左から:高橋さん、竹田さん、木代さん)
高橋:...木代さんの第一印象ってどんな感じだったんですか?
竹田:とにかく腰が低くて、恐縮し合っちゃう感じ?
木代:そうですねー。ただ、竹田さんが本部長になられる前にオファーがあって異動したので、竹田さんからすると「なんでこの人来るんだ」って感じじゃないのかなって申し訳なく思ってましたけど...
竹田:いやいや全然。全然ですよ。
高橋:(やっぱり恐縮しあってる...)
木代:当時、社内業務を改善するプロジェクトがあって、営業チームの課題感が一番大きいから、これは本格的にやらなければ、ということでお声をかけていただきました。
それと、かねてから僕は「CSの責任者の職務は誰かに譲りたい」と思っていたのもあったので、お受けしたっていう経緯です。
高橋:実際、異動されたあと、すごい寂しかったです。誰にも言えなかったけど。。木代さんとは同志として頑張ってたっていうのもあって。
木代:戦友的なところもありましたよね。
高橋:入社時期も近かったので、課題のキャッチアップから、次どうしていこうか?みたいなことをずっと一緒に考えながらやっていたので、異動されたときは「一人になっちゃったなー」っていう感じでした。
(木代さんのジョブチェンジ先のボス、取締役・執行役員の竹田さん)
高橋:...あ、竹田さん、なんか食べ物頼みます?
竹田:俺ね、ゴーヤチャンプルー食べたい。ゴーヤチャンプルーがうまい店は他もうまい!
高橋:そういう法則があるんですね(笑)じゃあ、頼みましょう。(ゴーヤチャンプルーひとつください!)
...で、木代さんの話に戻すと、木代さんってCS本部では神に等しい伝説の本部長というか、誰からも崇拝されていて、僕がその次を任されたんですが、「なんだ、木代さんのあとコイツかー」みたいな(笑)
木代:ないない、そんなことはない(笑)
竹田:(笑)
高橋:当時の事業推進本部におけるBPR(Business Process Re-engineering)の重要性ってどれほどのレベル感だったんでしょうか?
竹田:僕が1年3ヶ月前くらいに今の本部を任されたときに思ったのが、今足元でどういう状況になっているのかという定量的な情報が明確に捉えられないという課題があったんです。
例えば商材別・エリア別の進捗状況や重点顧客の状態やステータス、営業マンの生産性、マーケティングのどのフェーズにネックがあるのか?売上構成は?とか、グロースレート、チャーンレートなどの指標とか。そういうことを把握したい、と思っても定量的にファクトを捉えるのにとても時間がかかる状態でした。
クラウドシリーズは、いきなり行っていきなり売れるようなサービスじゃなくて、時間をかけて理解していただかないと導入を決めてもらえないじゃないですか。
今どんな会計ソフトを使っているのかを含め、ヒアリングした状況をツールに入れるような運用にしていても、それを入力する負荷が高すぎて入れられないし、それをモニタリングする仕組みも別に作らないといけないし。
ちゃんと見ようと思ったら、散らばっている他のデータをかき集めてカスタマージャーニーマップを作らないといけないわけですが、そこまでの道のりがものすごく遠いんだっていうことがわかったんです。
ここを、長期的にでも改善していかないといけないとなったときに、何よりも大事なのはBPRだな、と思ったんですよね。
高橋:なるほど。
竹田:だから、これが進まないことには、営業を科学するみたいなことだったり、ファネルごとのモデル作りだとかっていうのは絶対できない話で、その根幹のところをちゃんとやるんだっていう思いでしたね。
地味だし、よくわからないことが多いし、いろいろ断捨離しないといけないんだけど、それを今回のタイミングでやりきらないと、ぎりぎりの局面だなっていう危機感がありました。
逆に、BPRが成功したら、誰がマネジメントしても芯は外さない感じになると思っていて。だからこそ、一番やらなきゃいけないし、やって一番効果が出るところだと思っていたんですよね。
ただ、それってすごい難しくて、BPRは商品設計スキルもないといけないし、業務分解してフローを整備できないといけないし、コンサル的なスキルも必要で。あと、なによりもクラウドシリーズの多岐にわたるプロダクトを理解していないといけなかったり、そうなった歴史的な背景も知っていないとものすごく時間がかかるし、絡んでいる人間関係も捉えてないといけないんですよ。
「こんなヤツいる?」っていう話で(笑)...と、思ったらいたんですよ!木代大輔っていう男が!
(右:世界一腰の低い男、木代さん)
木代:それはできてないです、できてないです。(2回)
竹田:「すげぇ人いるじゃん!」ってなりました。しかも自ら来る、みたいな話になって。そんな、およそ奇跡みたいなスキルセットを持った人が木代さんだったわけです。
高橋:さすが(笑)今まさに取り組まれているBPRについて、その重要性を肌で感じられていると思いますが、実際どうですか?
木代:最初は「おもしろそうだから行きます」っていう感じだったんですが、実際、CSのときには見えていなかったSaaSのビジネスモデルや営業に対するイメージも変わってきて、数値を見える化するとか、役割分担を明確化するとか、科学的にやっていく分野なんだなということがよくわかりました。
それがわかってきて初めて、そういった整備が必要なんだなということを感じましたね。
当時は、セールスを管理するツールのデータ設計がムチャクチャだったので、それを改善するという意味で設計の改修は進めているのですが、一方で実運用の改善とか、それを浸透させるというところはあまり出来ていなくて。そこは営業戦略部や各拠点の「Salesforce大臣」と呼ばれるメンバーが積極的にやってくれているので、すごく良かったなと思っています。
あとは、業務フローや商品設計の抜本的な改善は思い描いたスピードで進められていないので、なんというか、非常に不甲斐ないという感じですね。。
竹田:(笑)
高橋:CSの経験が、今取り組んでいることに活かされていると感じることはありますか?
木代:商品設計がすごく難しいので、長く営業にいても裏の仕組みを正確に理解している人は少ないと思っていて。CSにいたころから、商品の裏の仕組みとか、プロダクトキーの仕組みがすごく好きだったので、これはちゃんと理解していないと難しいだろうな、と思っています。
営業戦略上の観点でやりたいことがあって、それを実現するために、どうやって商品設計して運用するのかを考えるときに、裏の仕組みをわかっている人が参加する必要性はあるんだろうな、と思います。
竹田:実は社会人の最初のキャリアは自分もCSでして。2年くらいテクニカルサポートをやってました。そこで思ったのは、営業とCSがお客様と直接対面する数少ない部署だということですね。
でも、中身のベクトルや時間軸には大きな違いがあって、営業の課題解決は未来に向かってのものだけど、CSはその場で必ず課題を解決しないといけないんですよね。
だから、必然的に社内の開発やその他の部署との連携が深まりますし、システムの中身とかそれを作っている人に詳しくなりますよね。
高橋:そこは本当にそうですね。
木代:(金柑サワーください)
竹田:あと、これだけは言っておきたいんだけど、木代さんのBRP推進部が発足して1年半、その間に課金やプラン、売り方に大きく影響するプロジェクトが大小様々いくつも発生してるんですよ。後から。
だから、全体最適の視点を持って、守備範囲を広げたり、いい意味で計画を修正しながらもゴールを見失わず進めるバランス力がすごく大事なんです。もし、柔軟性のない、部分最適で当初計画だけを優先するような人だったら、もう組織は瓦解してた気がしますね。
木代:そのへんのスピード感との兼ね合いや、新しい施策への対応と、業務改善のハンドリングは難しかったですね。。
竹田:そこらへんの文脈を理解していないとBPRって絶対うまくいかないし、ただ強引にやって破綻したり、逆にいつまで経っても進んでいない、みたいになりがちなんですよね。
だから、俯瞰的に見て、物事をありのままに把握して、意思をぶらさない形でやり続けないといけないプロジェクトなんです。
高橋:...まあ、総じて言えることは、やっぱり木代さんはすごいってことですね。
木代:ほんと、もう、もう...大丈夫です(笑)
竹田:(やっぱり腰が低い)
高橋:では...撮れ高もOKなので、ここらへんで終わりましょう。今日はありがとうございました!
竹田:お疲れ様です!
木代:お疲れ様でした!
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