巷に溢れるFintech関連のニュース。色々あった気はするけれど、なにかと記憶が曖昧になりがちな皆さんのために、当社Fintech研究所長の瀧が独断と偏見で振り返る「月刊 瀧」。今月はセブン銀行の西井さんとの対談を前編と後編の2回に渡ってお送りしております。今回はその後編。ラインナップはこちら!
【月刊瀧 8月号 後編】
2.Amazon Pay
3.宿題の出品が禁止された話
4.西井さんのプライベートの話
2.Amazon Pay
瀧 :イケメンATMで相当に序盤が充実しました。後半は、月刊っぽいテーマを見繕って、西井さんとおしゃべりできればと思うんですけれども、どうしようかな。この3週間くらいの間に出てきたテーマで、1個目はAmazon Pay。
前回、PayPayの話をして、ヤフーさんも決算発表の中で重点的に触れて、3億人をプロセシングできる決済インフラがPayTmにはあるのでその基盤を日本でも使いましょう、という話でした。
大量の処理をし始めたときに、その真価が問われる中でAmazon Payが出てきました。私、Amazon Payは、個人的には何度か使ったことがありまして、出前館の中とかで結構使える店が多いんですよね。
西井:それはEC?
瀧 :出前館はピザやお弁当頼めるECです。
西井:リアルですよね。
瀧 :Amazonはしょっちゅう使うので、たしかにだいたいパスワードを覚えてるんですよ。自分がパスワードを覚えてるサービスと、そのLast Pass(パスワード管理ソフト)とかに依存しないと入れないサービスとかがあるとすると、Amazonは別端末でもサクッと思い出せるパスワードがあるから、結構そこが強いなーと思いました。
西井:まあ、あとユーザーがいるっていうね。
瀧 :これ一つでもういいんじゃないかと、地味に思い始めてるところがあります。
西井:当然、Amazonはリアルがないんで、リアルのデータを取れれば完璧だと思います。それでいいのか、っていうところだけじゃないですかね。
瀧 :それで、端末を導入する企業が、Amazon Payの決済手数料3.5%を2年間は負担するので、加盟店側の負担はタダになります。LINE Pay、Paypayと、無料戦争が始まっていますね。
西井:動的ではないQRでやろうとしてる人たちがいますけども、あれが果たしていいのか?と僕は思っていて。今後、日本のQR決済は最終的にいくつかに集約されていくと思うのですが、静的なQRはペイメント手段ごとに用意する必要がある、っていう問題があって。中国は大手2個しかないんで、静的QRというのが流行りましたが、日本はそうとは限らないのでは、と思います。
瀧 :タクシーの窓の上の方に、使えるカードの種類がたくさん書いてあって。
西井:まあ、今も徐々に増えてきてますよね。4個くらいありますよね。
瀧 :たくさんQRが貼ってあったら、間違って横の撮っちゃいそうです(笑)
西井:そういうことです。
瀧 :まだQR使うことが、日本で普通に生きてるとあんまりないじゃないですか。QRやる時ってカメラ立ち上げて、カメラに収めると撮影する前に画面上で「これですか?」というURLが出るじゃないですか。構えて撮るっていう行為じゃないですよね。そうするとたぶん、一番最初にカメラに入ったQRが勝つみたいになるはずで、すなわち、一番端っこにいるQRがオセロみたいに強いんじゃないんですか?(笑)
西井:僕は今の日本で静的QRやろうとしている、このイシュアーが乱立してる中で、それやりますか?ってものすごく疑問ですね。その結果、QRが全く流行りませんでした、現金でいいやってなってくれれば、それはそれで、セブン銀行のATMは良いということなんです。
瀧 :笑
西井:僕、ヨガスタジオやってるんですが。
瀧 :そうでした!まじめなヨガスタジオやってるんですよね(笑)
西井:例えば、QR決済でLINE Payと、なにやらで並べますか?と言われたら、それはありえないですよね。なので、アクワイアリングはどこか包括してるようなところがやっててくれて、そこにイシュアーが乗ってる方が良いんです。ただ、ビジネスサイドとすると、恐らくデータはイシュアー側が持ってるデータよりも、間に入ってるアクワイアラ側のデータの方が強いと思うので、そこを取りにいきたいっていうニーズはあると思います。
瀧 :QRはそうすると、LINE Pay、Amazon Pay、Paypay・・・など、増えてきましたね。
西井:セブンペイっていうのも出ますけどね。
高橋:セブンペイのロゴはオレンジとグレーなんですね。
(出所)出願中の商標より
瀧 :かっこいい!
西井:来年春に出る予定です
瀧 :私、子どもが生まれて、最近多分、月の3分の1くらい、セブンイレブンの商品食べてるんですよ。
西井:ありがとうございます。
瀧 :野菜買って焼いたりとか、ハンバーグ買って温めたりとか。基本的にセブンイレブンだけで生きてて。朝もわざわざサンドイッチ買いに行ってて、みたいな、ほとんどセブンだけで生きてるんで、私たぶんこれだけで生きていけますね(笑)
西井:それにしても、ペイメント手段が増えすぎていて、〇〇Payの情報を網羅するのがもう限界になってきてます(笑)
3.宿題の出品が禁止された件について
瀧 :次のニュース。Fintechからだいぶ離れているかもしれませんが、文部科学省がメルカリさん等のC2Cマーケット大手と組んで、読書感想文の出品を制御しにいきました。最初にこれを読んだ時、虚構新聞かと思ったら、本当だったんです。ある意味、八月末限定サービスみたいなもので、すごい味わい深いなと。
頭のいい小学生だったらこのニュースを見て、STORESとかで「芥川龍之介7作あります」みたいのやりますよね。で、1600字とかでワーって書く小学生がいて、たぶん品質良かったら・・・
西井:クラウドワークスですね。小学生による。
瀧 :早く書ける子にとっては、信じられないくらい稼ぐチャンスなんじゃないかと思ったんですよね。で、もっと頭のいい子は、事前に芥川龍之介の感想文をクラウドワークスで仕入れておいて、売るみたいな(笑)
西井:教育問題ですね。
瀧 :年がら年中読書してる小学生、危ないんじゃないか、みたいな。
西井:僕は全然有りですねー。そんなにカリカリしなくても良いと思います。
瀧 :しかし、こういう対応があるんですね、というのが意外で。世の中で法令上何も問題ないけど、楽天で売られたくないものっていうのがあるんですよね。
西井:僕、この発想とか好きですけどね。メルカリでSuicaが売られた時にバーっとなって、次千円札で鶴を折って置物にしたり。人間はすごいな、発想が豊かだなーと思って。
瀧 :物を売るプラットホームが、今までいかに存在してこなかったかという。
西井:簡単だからですよ。ネットだと若干めんどくさいじゃないですか。保存して画像をアップロードしてみたいな。そこが簡単だからだと思いますよ。
瀧 :荒稼ぎする小学生。。
(メルカリでセブンコンシェルジュのグッズを検索する)
西井:もういっぱい売りに出ていますからね。。
瀧 :あー!辛いー!(笑)
西井:これはまあ、無料で渡してますから。でも、もっと辛いのはまだ一件も購入されていないことですね。
瀧 :あー、そっちですか。
西井:全部売れてたらすごい嬉しいんですけど。
瀧 :(セブン銀行の)M橋さんあたりに、全部買って回収していただきましょう(笑)
4.西井さんのプライベートの話
瀧 :西井さんって結構アフターファイブをちゃんと生きてる人みたいなイメージがあります。すごい仕事されてるけど、同時にすごい早くから銭湯に浸かってたりしますよね?
西井:最近Facebookには載せなくて、インスタにしかあげていないんですが、そうなんですよ。働き方改革ですね。
瀧 :すごいちゃんと、オンオフを切り換えされてるな、というか。
西井:プレミアムエブリデイなんですよ。もうこのあと帰りますから。
瀧 :いつ頃からなんですか?それって。
西井:もう4年前くらいからですかね。ただ、2時間に一回はPCを起動するようにしています。ベンチャー企業の方とのやりとりはメッセンジャーでやるのでリアルタイム性が高いんですけど、一般的にそこまで仲良くないとメールのコミュニケーションになって、それはバッチ処理なんですよ。
瀧 :はい。
西井:なので、9時から5時までずっと働いてるよりも、二時間おきに10分PCを立ち上げるサイクルを継続的に回してる方が、結果的に仕事は早いはずっていう発想なんです。
瀧 :へーすごい!いいこと聞いた。西井さんって、セブン銀行入られる前ってどこにおられたんでしたっけ?
西井:大和証券ですね。グループ本社で、大和ネクスト銀行設立準備会社にいました。2年半くらいですかね。で、その前がモルガン・スタンレー。
瀧 :大和ネクスト銀行は立ち上がるスピードがすごかったです。私も野村にいたので、同社をライバルとして見ていました。大和さんすごいなって思いながら。
西井:営業力がすごいな、と思いますよ。
瀧 :あー。
西井:リテール証券のNo.1、No.2でこの営業力ってすごいな、ていうくらいの預金がバコバコ入ってくる(笑)びっくりしました。まあ、結果的に何年で何兆っていう数字を見れば、そのスピード感たるや、っていうのはわかると思うんですけど。
瀧 :たしかに。
西井:この会社の営業力ってすごいなと。。。
瀧 :...最近、西井さんが食べていたハモ鍋が、すげーうまそうだな、と思って。
西井:あれは奈良なんですよね。
瀧 :食費すごいありますよね。西井さんのマネーフォワード(自動家計簿)見たら、きっと食費がすごい割合になってる。
西井:そうですね。ほとんど食費ですね。飲み代。
瀧 :西井さんみたいな人生いいなー。
西井:いやいやそんなことない(笑)
瀧 :というところで、お時間がきました。西井さん、今日は本当にありがとうございました!
高橋:ありがとうございました!
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