- ソフトウェアエンジニア
- シニアセールス
- コンサルタント
- Other occupations (11)
- Development
- Business
- Other
こんにちは。MNTSQ(モンテスキュー)のCo-founderの安野と申します。「未来の社会インフラとなるリーガルテクノロジーをかたちにする」というミッションの下、現在は弁護士の作業を支援するサービスの開発、提供をしております。その中でもわたしはアルゴリズム開発、プロダクト開発/運用、BizDev周りを中心に担当しております。
前回私が書いた記事では、MTNSQが取り組んでいる分野の技術的な面白さについて話をさせていただきました。今回は、MNTSQを通じて何にチャレンジをしたいのかという、より個人的な話をさせていただければと思います。
これまで何をしてきたか
簡単に自己紹介をさせていただきます。ざくっと略歴を書くとこんな感じです。
・高校生のときから趣味でWebサービスを数個開発
・東大工学部松尾研卒業
・外資系コンサルティングファーム入社
・未踏スーパークリエイター認定
・PKSHA傘下にてBEDOREを創業
・MNTSQ創業(イマココ)
もともと大学では東大工学部の松尾研という、機械学習の研究室に所属をしていました。当時(2012年頃)は世間的には”機械学習”、”ディープラーニング”という単語は全くといっていいほど認知されてはいませんでした。一方で、研究室のメンバーの多くがこの技術の可能性にすごく注目していて、活発に議論をしていた記憶があります。
その後、”技術の社会実装”に興味があったため、外資系のコンサルファームに就職しました。技術は実際に社会で広く使われてこそ価値があり、社会に技術を実装/浸透をさせるためには、ビジネスで意思決定が行われる現場について深く理解する必要があると考えていました。なかなかに苛烈な環境で、終電で帰れたのは数えるほどしかありませんでしたが、その分、在籍していたのが一年半とは思えないほど濃密な経験をさせていただきました。様々な業界の色々な現場で、何が課題とされていて、どのような情報をどう扱って意思決定をしているのかを、手触り感を持って垣間見ることができたのは代え難い経験です。
前職では、PKSHA Technology傘下で、自然言語処理を用いたサービス提供を行うBEDOREという企業の立ち上げをやらせて頂きました。特に、コールセンター業界に対して、自動応答エンジンのプロダクトをSaaSで提供するという経験はMNTSQでもとても活きていると思います。最初は堅山と私の二人しかいなかったBEDORE社も今では30名以上のメンバーを抱え、アルゴリズムで安定的に価値を提供できていると思います。
プロフェッショナル向けのインテリジェント・ソフトウェアの提供に挑戦したい
MNTSQでやりたいことの一つは、「プロフェッショナル向けのインテリジェント・ソフトウェア」の提供に挑戦したいというものです。違う目線から言い換えれば「プロファームのアソシエイトの徹夜を減らしたい」という極めて個人的なモチベです。
前述の通り、私はコンサルティング業界のプロファームにて働いていた経験があります。その中で、私のような現場レベルのアソシエイトがやっている作業には多くの単純作業も存在しているが、それを効率化するソフトウェアは存在しないことに気づきました。
原因の一つとして、高度なプロフェッショナルが行なっている知的作業を支援するソフトウェアを、要件定義し、実際に売って、サービスを提供し続ける、ということのハードルがとても高いということが挙げられると思います。要件定義に求められる業務理解、知識レベルは、エンタープライズ向けのソフトウェアよりも更に高いもので、実はまだ世界的にもなかなかチャレンジされてはいない領域ではなのではないかと考えています。
終電で帰ることが全然できていなかった昔の私のような、プロファームのアソシエイトが、信頼して背中を預けることができるようなサービスを作っていきたいと考えています。先日、長島・大野・常松法律事務所との資本業務提携も発表されましたが、ソフトウェアエンジニアと現場のプロフェッショナルの距離が極めて近いことがMNTSQの特徴です。この組織であれば、プロフェッショナル向けのソフトウェアを生み出すことにチャレンジできるのではないかと考えています。
人間と機械を組み合わせた、新しいオペレーション/関係性を作り続けたい
もう一つの大きなモチベーションは、一点目とも関係しますが、MNTSQがチャレンジしているものが「人間と機械を混ぜた新しいオペレーションを作ることによる価値創造」という、私の好きなテーマにドンピシャではまっていることです。
前職のBEDORE社でやってきたことは「コールセンターにおいて、機械による一次回答と、人間へのエスカレーションを組み合わせたオペレーションを作る」というものでした。未踏事業に採択された時には「Microsoft Office上での操作を機械と人間で分業することで効率化を目指す」というテーマを扱っていました。M-1グランプリという漫才の大会にロボットのPepperを使って出た時も、機械と人間の新しい関係性/オペレーションを作っていたと言えるのかもしれません。
MNTSQでは、柔軟なパターン認識が可能な人間の弁護士と、決して疲れないインテリジェントなソフトウェアを組み合わせることで、新しいリーガルサービスを作っていきたいと考えております。
技術が進歩していくことによって、人間と機械技術の最適な関係性というものはどんどん変わっていくと思っています。現代社会では、人間の認識や意識の変化よりも早く、最適なポイントが移動してしまいます。なので、いつまでたっても人間と機械は最適な関係性にたどり着くことはできない状態になっているのだと思います。
実は、世の中のアーリーステージのスタートアップが、PMFを取るまでにやっていることは、少しでも良いポイントにその均衡点をずらそうとするという営みなのではないでしょうか。現在の技術と社会システムを前提に、ありとあらゆる手段を講じてより良い均衡点に持っていく。安定している均衡点から、別の均衡点に移行するためには、相当量の活性化エネルギーが必要で、均衡点上でオペレーションを続けるのとは質的に異なる大変さがあると思います。一方でその作業は、個人個人の思考がダイレクトに世界に大きな影響を与えうることができる数少ない場面でもあり、とてもエキサイティングなものだと思います。
MNTSQでは上記のようなチャレンジを一緒にしていくメンバーを募集しています。ぜひとも少しでも興味がある方はご一報いただけますと幸いです。