医療×DXで社会課題に挑むメディフォン。
2025年11月に行われたFY25下半期のアワードでMVPに選ばれたのは、CEO室・新規事業開発グループと医療支援部・セールスグループを兼務し、営業として活躍する田代寛二さんです。
新卒3年目というキャリアの中で、圧倒的な当事者意識と成長スピードで成果を出し続けてきた田代さん。その原動力はどこにあるのでしょうか。詳しくお話を聞きました!
ーまずは自己紹介をお願いします!
2023年4月入社の田代寛二です。京都大学を卒業後、新卒4期生でメディフォンへ入社しました。(新卒1年目だった当時の田代さんのインタビュー記事はコチラ)
大学時代は国際NPO団体に所属し、海外インターンシップ事業を通じて国際社会の中での自分の可能性を見つけ、成長するための活動に取り組んでいました。異なる文化や価値観の中で挑戦する経験は、今の仕事にも大きく活きていると感じています。
入社後はマーケティング部に配属され、その後mediPhoneの営業部へ異動しました。現場で医療機関やパートナーと向き合う中で、サービスの価値をどう届けるか、事業としてどう広げていくかを考える経験を積んできました。
今年2月からは、営業業務に加えてCEO室の業務も兼務しています。事業企画・推進や、メディフォンが大切にする「5つのバリュー」の浸透をはじめとする組織開発、アライアンス案件の進行、医療機関へのコンサルティングなど、領域横断的な役割を担っています。
ーMVPを受賞した際の率直な気持ちを教えてください。
正直、かなりびっくりしました。まさか自分が選ばれるとは思っていなかったので、本当に「え、自分?」という感覚でした。
今回はアワードの運営メンバーとしても深く関わっていたので、完全に“運営する側”の気持ちでいて、受賞者として名前を呼ばれることは想像もしていなかったんです。名前を呼ばれた瞬間は頭が真っ白になりました(笑)。
▲MVP受賞者発表の瞬間。田代さんは運営側としてマイクを持って走っていました・・!
ーMPVは社内投票で決定しますが、投票時のメッセージを改めて見て、いかがですか?
改めて読み返すと、CEO室に入ってから本当に多くの人と関わるようになったんだなと感じました。その中で、日々の動きや姿勢を見てくださっていた方がいて、こうして評価していただけたのかなと思っています。
CEO室の業務を兼務するようになってからは、「これは誰の仕事だろう」と考える前に、とにかく何でもやる、というスタンスで動いてきました。正直、大変だった時期もありましたが、そうした試行錯誤や踏ん張っている姿も含めて見てくれていた人がいたのだと感じられたのは、とてもありがたかったです。
▲アワードの際発表された社内投票時のメッセージの一部
特に、事業としてもインパクトの大きい案件の受注について触れてくださったメッセージも多く、成果の部分もしっかり見てもらえていたことが印象に残っています。中でもスポット案件の対応は本当に大変で、簡単な道のりではありませんでしたが、その分、やり切った実感も大きかったですね。
▲受賞後にCEOの澤田さんからトロフィーを授与されたときの様子
ー受賞の決め手について、ご自身としてはどのように捉えてますか?
自分なりに振り返ると、いくつもの取り組みを積み重ねてきた結果だと思っていますが、大きな要因の一つは大型案件となったオンライン診療案件だと感じています。オンライン診療の案件自体は増えてきていたものの、メディフォンとして「オンライン診療で通訳を安定的に提供する」仕組みは、まだ確立されていませんでした。
そこで、多言語チームやCSと連携しながら、どのようなフローであれば継続的な運用ができるのかを一つひとつ整理し、形にしていきました。その過程で規模の大きな案件につながり、結果として大型受注に結びついたと考えています。
もう一つのスポット案件は、要人通訳という非常にイレギュラーなケースでした。深夜まで英語で条件交渉を行い、当日の朝にようやく合意に至るなど、最後まで気の抜けない状況でしたが、関係者と連携しながら何とかやり切りました。こうしたプロセスも含めて評価していただけたのかなと感じています。
ー他部門と連携するときに、心がけていたことや意識していたことを教えてください。
正直なところ、今でも「まだまだだな」と感じることばかりですが、他部門と連携するうえで一番大切にしているのは、日頃のコミュニケーションと各部署の業務理解です。
例えば多言語チームであれば、現在どんな通訳案件が動いているのか、実際にどのような通訳が行われているのかを定期的に確認するようにしています。また、自分とは違う部署のSlackチャンネルを覗きに行くことも心がけています。その結果、例えば打ち合わせやちょっとした移動中などに会ったときに「〇〇は大変でしたね」などと声をかけることができると思います。ただ依頼を投げるのではなく、「現場で何が起きているのか」を理解したうえで会話することを意識しています。
また、ちょっとした雑談や日常的なやり取りなど、些細なコミュニケーションも大切にしています。そうした積み重ねがあるからこそ、いざ一緒に動く場面で相談しやすくなると感じています。加えて、後出しにならないよう、背景や前提を早めに共有することも心がけています。最初からうまくできていたわけではありませんが、周囲に教えてもらいながら少しずつ改善してきました。
ーMVPとして名前が呼ばれた時に、涙する方がいたのをみてどう感じましたか?
名前が呼ばれた瞬間、直属の上長であるCEO室の室長と医療支援部のマネージャーが喜んで泣いてくれている姿が目に入り、胸がいっぱいになりました。驚きとともに湧いてきたのは、「ありがたいな」という気持ちでした。それだけ日頃から大切にしてもらい、丁寧に向き合っていただいていたのだと実感し、自分一人でここまで来たわけではないと強く感じた瞬間でした。
CEO室の室長は医療業界の知識が豊富で、何を聞いても答えが返ってくる存在です。こちらが言語化できない背景や状況まで汲み取ってくれます。細かく指摘をするタイプではありませんが、要所要所で投げかけてくれる率直な一言が的確で、自分の軌道修正につながってきました。
医療支援部のマネージャーには、営業として多くのことを教えていただきました。厳しさもありつつ、常に周囲に気を配り、チームの空気を和らげてくれるムードメーカー的な存在です。大変そうなときにさりげなくフォローしてくれるその気配りには、何度も救われました。また、細かく指示を出すのではなく、自分で考えさせ、見守りながら必要なときに修正してくれる。その背中から、営業のプロとしての姿勢を学んできたと感じています。
お二人の支えがあったからこそ、今の自分があります。心から感謝しています。
▲受賞後、上長からのコメント発表時の様子。コメントを聞いて涙を誘われた社員も。
ー入社してから3年の成長曲線を振り返るといかがですか。
入社してからの3年間は、決して一直線に成長してきたという実感はありません。最初はマーケティング部に配属され、業務自体はそれなりにこなせていたものの、「もっと顧客を理解する必要がある」「医療業界の理解が足りない」という課題を感じるようになりました。その流れで営業に挑戦することになりましたが、これは上長からの勧めもありつつ、自分自身も強く必要性を感じていた選択でした。
ただ、営業を始めた当初は本当にうまくいきませんでした。1年目から2年目にかけては、厳しく指導されることも多く、出張に行ってもアポイントが十分に取れなかったり、初対面の方と話すことに苦手意識を感じたりと、かなり苦労しました。mediPhoneはサービス導入を決める方と実際に使う方、困っている方が異なるケースも多く、その間をどうつなぐかに悩みました。
また、医療通訳というサービス自体がまだ十分に認知されていないため、その価値や必要性を一から伝える必要がありました。熱意を持って語ることと、相手の意向を冷静に汲み取ること、そのバランスを取るのが最初はとても難しかったです。
正直なところ、こうした壁は数をこなす中でしか乗り越えられなかったと思っています。最初の半年ほどは成果が出ませんでしたが、2年目に入った頃から徐々に商談を前に進められるようになり、この時期から受注につながる感覚を持てるようになってきました。
大きな転機があったかと言われると難しいですが、今振り返ると、担当する案件の範囲が絞られた結果、ひとつの案件に深く向き合えたことが要因のひとつだったと思います。今回のアワードの対象期間となった下半期以降はCEO室が主務となったこともあり、新チャネルであるオンライン診療の案件を中心に担当しました。その結果、持つ案件数は少なくなり、自分自身が「狭く深く考える」タイプだったこともあり、この環境が合っていたのだと思います。CEO室との兼務に伴う部署方針が、結果的に自分の成長につながったと感じています。
ーCEO室としてアワードを盛り上げる側の立場から、社内の皆さんにはこのアワードをどんな存在として受け取ってほしいですか?今後、どんな気持ちで参加・向き合っていってほしいかも教えてください。
アワードで選ばれる人だけが特別にすごい、ということではないと思っています。ただ、このアワードという場を通じて、これまで関わってきた仲間や、日々応援してくれている人たちへの「感謝」を形にできたらいいな、という気持ちは強くあります。
メディフォンには、「自分が前に出たい」というよりも、周囲のために黙々と動く、控えめな人が多いと感じています。だからこそ、「アワード受賞を狙いにいこう」という意識を強く持つ人は、今は決して多くないのかもしれません。それでも、アワードで評価されるほどの成果や姿勢を目指すこと自体は、とても前向きで価値のあることだと思っています。なぜならその評価は、決して自分一人のためだけのものではなく、会社の仲間や、家族をはじめとした支えてくれている人たちへの一つの恩返しにもなるはずだからです。
「評価されるために頑張る」のではなく、「誰かの期待や応援に応えたい」という気持ちで、前向きにアワードに向き合ってもらえたら嬉しいですね。
▲アワード発表後の記念撮影(一番前、中央が田代さん)
メディフォンにとってのアワードは、単なる表彰の場ではありません。誰かの努力や成果を“成績表”として評価して終わらせるのではなく、その人の歩みや想いごと称え、人生やキャリアの節目として刻まれる、象徴的な場です。
「次は自分も、ここに立ちたい」。そう思える人が一人、また一人と増えていくことが、メディフォンの成長そのものにつながっていきます。アワードを通じて、挑戦が称えられ、応援が連鎖していく。そんな次のステージを、これからもつくり続けていきたいと考えています。