こんにちは、Magic Moment 採用担当です。
Magic Moment の注力プロダクト営業支援SaaS “Magic Moment Playbook” は2021年1月にリリースをし2年半が経ちます。そのプロダクト UI/UXデザインに責任を持つ、デザイナー3名に現在の業務内容・開発チームとの連携・デザイン思想などをインタビューを実施。プロダクトマネジメントチームに所属する彼らだからこそ感じている Magic Moment ならではのUIUXデザインの思想や魅力について語ってもらいました。
■プロフィール
田中 良樹
2018年に新卒で株式会社LITALICOに入社。UI/UXデザイナーとして、福祉施設向けの事務作業を一元管理できる運営サービスのデザイン全般を担当。BtoB SaaSで業務効率化をすることで、人がやるべきコア業務に集中できることに魅力を感じ、1からプロダクトデザインに関わりたいと、2021年1月に株式会社Magic Momentにジョイン。ビジョン実現に向けユーザーと共に進むことができるデザインを日々模索中。
野中 正晴
デザイン制作会社を経て、大手SIer でUI/UXデザイナーとして大企業の業務システムやWebサービスのデザインをメインに、UX戦略からGUIデザイン、ロゴデザインからDTPまで様々な経験を積む。そんな中、社会的ミッションを持った事業をデザインの力で拡大・推進し、生き方と仕事を一致させた働き方をしたいと考え、2022年5月にMagic Momentにジョイン。世界レベルのUXデザイン品質とスピードの両立を志向し、面白く充実した日々を送る。業務システムのUI/UXが好物。
保原 亜美
大手百貨店での販売企画の制作デザイナーとしてキャリアをスタートし、Webデザイン・アプリUI・業務系システムのUX・デザインコンサルティング等の経験を持つ。デザイナーとして色やカタチをただ作るのではなく、利用するユーザーが興味を持ち行動してもらうための仕組みを考えることに想いを注ぎたいと考えるようになり、2023年1月にMagic Moment へジョイン。ユーザーを中心に組織・コミュニケーションが成されるカルチャーに感銘を受ける日々。
プロダクトが成長フェーズに入った今だからこそ、基本品質を担保する仕組みづくりを
ーー本日はよろしくお願いいたします!まずは、UI/UXデザイナーの業務内容や開発体制について教えてください。
野中:私たちの業務内容は大きく分けて5つです。3人共、一人ひとりが幅広く担当していて、コンセプト立案〜実装レビューまでを行ってます。
- コンセプト・体験価値の立案・検証
- 要求分析・要件定義
- 仕様定義
- デザインデータ作成
- 実装レビュー
加えて、私はプロジェクトマネジメントに近いことも担当してます。一般的にスケジュールの計画・管理はプロダクトマネージャー(以下PdM)が担っていることが多いですが、現在PdMは複数スクラム・企画にまたがっているため、少しでも負担を軽くしより良い開発環境を作りたいと思い提案しました。Magic Moment では手を挙げればやらせてもらえる環境なので挑戦させてもらっています。
体制面は、正式にデザイナーチームというものはなく、デザイナーもプロダクトマネジメントチームに所属していて、各開発スクラムチーム*にデザイナー1人がつく形で担当領域を持っています。
デザイナー同士の横のつながりは、必ず複数のデザイナーの視点で検討することでデザインの質とスピードを担保できること、別スクラムで同時進行している新規企画の情報設計・仕様・UIに不整合が出ないことを目的に連携します。毎日デザインレビューというミーティングの場を設けお互いの取り組み・困っていること・アイディア出しを行うコミュニケーションを取っています。基本的に一人では必ず抜け漏れが出ますからね。
* スクラムチーム:Magic Moment Playbook(以下MMP) のユーザーペルソナは3タイプ。そのため、デザイナーの担当領域はペルソナ毎にアサインされている。
ーーMMPは大きなプロダクトだからこそ、一人ひとりの担当領域が広くなってしまうと思っていましたが、担当領域を決めることで各機能の進化にフォーカスできるようになってきたということですね!現在、みなさんが注力していることはありますか?
野中:最近はデザインシステムをつくることに注力しています。
保原:もともと、野中さんと田中さんがデザインルールを整えてまとめてくださっていたのですが、この少人数体制で新機能開発を進めながら基本システムを設計していくことは労力がいることです。ガイドラインを作っていても、うまく運用できないという現状がありました。
ただ、それでもスタートアップのプロダクトは、新しい体験を常にUI/UXとして実現していくことが重要なので、最低限のガイドラインは揃っていました。しかし、MMPが成長してきている中で、次のステージに入っていると誰もが認識しており、プロダクトの基本品質を見直すタイミングにきています。
ちょうど私が入ってきたタイミングがそのタイミングで、野中さんがずっとリードしてくださっていたデザインガイドラインをより精緻に具象化して、ステークホルダーに周知したいという意図があります。
その役割を私が担わせていただいて、急ピッチで進めています。より標準品質が絶対的に保たれた上で、新しい機能や体験が追加されていくことで基盤を整えています。
畑がしっかりと整っているところでは、いい野菜が育つっていいますよね。その発想になっちゃうんですけど(笑)
プロダクトが成長期間に入ったタイミングだからこそ、今注力していくのがデザインシステムだと考えています。
写真:デザインシステムについて
ーー実際の、MMPのデザイン思想(大切にしていること)について教えていただけますか。
野中:「プロダクトコンセプト」と「デザイン原則」の2つをベースにすべての判断指針にし、大切にしています。プロダクトコンセプトは、プロダクトの核となるものを言語化し、みんなで共有するものであり、デザイン原則はデザイン軸が個人の好みでブレないよう、照らし合わせて判断するために設けています。
例えば、デザイン原則の一つに「心に働きかける」という項目があるのですが、MMPは営業支援ツールなので、ユーザーが「次にこれをやってみよう」と思える気持ちが大事です。困っている業務に対応して終わり、とかこれを使えばできる、という無機的なものより信頼できる先輩にサポートしてもらっているような「心に働きかけるデザインをしたいよね」という想いを込めています。
田中:プロダクト仕様は、営業担当者のためのツールであることをしっかり標榜しているので、日々の営業活動をスムーズにすることは勿論、営業担当者自身が主体性を持って営業活動のPDCAを回せるところまでオーナーシップを持てるような仕掛けをしていきましょう、ということを大事にしています。
保原:このデザイン原則に基づき、企画プロセスが進むようにチェックリストも4段階用意しているんです。
- コンセプトがまだ抽象レベルで絵が全く見えない状態での時
- 実際に具象化してワイヤーフレームを作る時
- お客さまへ提供するにあたり、デザインが適切に作られているか確認する段階
- 品質として十分担保できてるか、開発も終わってこれからお客様に出す最終段階
この4段階で、それぞれが担当している企画のチェックリストを週一回ペースで順番に全員でチェックしています。
写真:Magic Moment Playbook のデザイン原則
人間社会の営みをデザイン一手で進化させる。ユーザーの使命感を高める設計を目指す
ーーMMPのUI/UXデザインにおいて、難しさを感じることを教えてください。
保原:正直に言うと、今までセールス業界に触れたことがなく、ドメイン知識ゼロで入社したこともあり、まず第一に、この業界知識の深さにすごく圧倒されました。
営業という言葉だけで、カジュアルに捉えてしまっていたところがあり、Magic Momentに入り、もはや専門業界だなっていう認識を強く持ちました。
業務の初めから終わりまでを全体的にサポートする、深く計算し尽くされたシステムというものを私は初めて見ました。業務システムのデザイン経験はあるのですが、ここまで密度の高いシステムを取り扱うことは初めてで、デザイン知識だけではなく、その業界の業務知識・ドメイン知識が同等に必要なデザインの現場だなと実感しました。
まだまだ知見は足りないですし、1回インプットすれば終わりというものではなく、だからこそ、ユーザーを深く知るということをリアルに体現している現場は初めてです。表面的には絶対無理ですね(笑)
田中:そうですね、営業という職種・業務への理解は奥が深いと思います。インプットしても、新しい機能開発のために別の切り口で知っていく必要がある。営業の業務全体像・営業活動の一連の流れ、その活動を行う目的等。自分に情報がない時は、社内メンバーやお客さまへ業務ヒアリングをさせてもらっています。
野中:私も、実際のユーザーの声を聞いてリアルな日常の痛みを知るために、共感するまで理解するようにしています。例えば、営業マネージャーであれば、達成目標を日々観測していて達成できるかできないかを気にしている。達成できればいいのですが、リカバリーするために見込みがどの程度見積もれるか、打ち手があるか知りたいが、それすら把握できない状況下でマネジメントするのは辛かった。と仰るんですよね。開発シーンによって、毎回ちゃんと学び直さないといけないなと感じます。
ーーそれでは次に、Magic Moment でデザイナーとして働くやりがい、魅力を教えてください。
田中:僕は、Magic Moment の思想でもあるのですが、営業という営みは、人と人との関係性や信頼を築いていく。もはや営業という世界に留まる話ではなく、人間関係を現しているプロダクトを作っていると思っています。そういう本質性がすごく好きなんです。
営業のことと言いつつ、人間社会の営みを表現しているプロダクトは、深め甲斐があります。UXを検討する対象が、”人の心の揺らぎ” に寄り添うことになるので、一生到達しない深みがあるところがやりがいですかね(笑)。どんどん面白い発想が出てきます。
あと、人生の時間の6割は仕事に費やすとして、その仕事がより本質的になるためのプロダクトに関わること自体インパクトがあると思っています。しかも営業担当者向けプロダクトとなると1日8時間使っていただくことになります。どれだけインパクトが大きいのだろうと常々思っています。野中さんはいかがですか?
野中:私も営業という仕事を簡単には理解しきれないことは大変ですが、裏返しにとても面白いと思っています。しかも、営業領域は商業のど真ん中であるのに、まだまだ改善の余地が日本全体レベルで沢山あります。
そのため、使われる規模も圧倒的に大きく、影響が起きる範囲も大きくて楽しいです。このプロダクトによって仕事がしやすくなったら、何百万、何千万という人の経済効率が急激に向上し、世の中の無駄なコストが投資予算に変わる。それがこの自分のデザインの一手で決まるんだ、と思うとやりがいがあります。
業務システムのUI/UXデザイン経験は豊富な方ですが、バックオフィスとフロントオフィス業務での影響範囲は全く異なると考えています。
保原:二人のおっしゃる通りだと思います。例えば、toCサービスは「好きか嫌いか」「楽しいか楽しくないか」等、初めから関心がある前提でスタートします。でも、業務系システムは、業務なので好き嫌いではなく向き合うべきものなので、皆マインドセットからスタートしますよね。そこで、使わなきゃいけない・やらなきゃいけないというその「いけない」をどれくらいサポートできて、良い体験にしていけるのか。サポートした結果、ユーザー達が業務に対してどれだけ使命感を楽しめるかというところまでを我々は設計できる権限を持っています。そういった意味では、UXというものを実現していく業務の難易度は高いけれども、その分魅力はあると思います。
あと、働く環境面では、自社開発の自社プロダクトという現場で「ユーザーがすぐ近くにいる」という魅力的な環境があるのは珍しいと思います。観察対象がすぐ近くにいて、インサイト(潜在的な欲求)が気軽に聞きやすいというところは我々がモノづくりをする上で、重要です。画面内のボタンの色、画面に設置する言葉遣い等、毎日一つ一つ丁寧にレビューし合います。その時に、身近にユーザーがいると凄くリアリティのある回答が受けられやすい。モノづくりをする人は深いところにこだわりを持つので、情報が得られる今の現場は魅力的だな、って思ってます。
より良いものを作り上げるために、チームで切磋琢磨することが当たり前なカルチャー
ーー続いて、開発チーム全体との連携や雰囲気を教えてください。
保原:ユーザーが中心に居て、各ステークホルダーが周りで連携しているようなイメージです。その象徴として、デザイナーが単体でプロダクトを作ることはないですね。
PdM含め、全体を統括する方達と戦略的なところも含めて意見が言えますし、エンジニアの方とも細かい仕様のディスカッションや、開発に直接的に関わっていない営業の方や、他スクラムチームの方々ともすごくディスカッションがしやすいんです。デザイナーという現場だけで閉じられてる企業は多々ありますが、Magic Moment は自分達のプロダクトを自分達で開発し、コンセプトを実現するための要素がしっかり揃っているなという印象があります。
野中:チームの仲が良くて雰囲気がいいんですよ。クリエイティブな空気も漂っているし、今までいた現場で一番いいなと思っています。最高です。
もっと良いものをつくろうよ、ということが当たり前で議論が始まります。誰がどのフェーズで発言をしても良いので、仕様への改善点・要件不足・デザインに対してエンジニアの方からも意見が出てきます。決まった仕様をただ作るだけではなく、なぜ作るのかをみんながしっかり理解しているから、真剣に意見が出てくるのではないかと思います。
会社風土って大事で、お客さまにとって価値があるかという指標を徹底しているカルチャーは意外とレアかもしれないです。
半端なものをリリースできないですし、時にはロードマップも組み替えてしまう。CEO 村尾が「このデザインの色さ、こうした方がお客さまにもっと分かりやすいんじゃない?」と。もうCEOレベルからお客さまに価値を出す文化があるって貴重かもしれないですね。
保原:あと驚いたことでもあるのですが、何かを「やりたい、やろう、こうした方が良い」と発信した時の周りのサポート環境が素晴らしいです。手厚いというより、発信した本人が言い出しっぺということでリーダーになり、責任を負わなければならないという考え方って日本人にあるじゃないですか。だから、なかなか言い出せないところってあると思うんですよ。ただ Magic Moment の場合は、発言時にみなさんが熱心に聞いてくれるんです。野中さんと田中さんだけでなく、プロダクトに関わる方全員がそうです。
賛同してくれて「いいね、やろう」となったら、もう勝手にサポートを始めてくれるんですよ。頼んでいないのに進んでるんです(笑)
私は営業業界の知見0で入社し、今までの経験が通じるのか不安でしたが、こういうやり方が良い、このようなものを使うとよいという意見に対して、チームメンバーの関心は強く、さらに、実現するための道のりを自主的にサポートしてくれます。自信がなくても安心して主張できる環境です。
ーーみんな本当に良いプロダクトづくりをしたいと考えている人ばかりですね。お話を聞いていて雰囲気が伝わります。
それでは最後に、今後どのような方と一緒に働きたいですか?
田中:やはり Magic Moment のビジョンに共感いただき、ビジョンと紐付けてUI/UXがそれぞれどうあるべきか熱く語れる方と日々仕事ができると嬉しいです!
野中:まずはMagic Moment の描く世界を「面白い!」と思って一緒にワクワクしていただける方です。次に、明るく楽しくクリエイティブな雰囲気を周りに伝播しながら仕事ができる方。最後に、ユーザーモデリング・体験価値検証などの上流工程から、Webサービスの要件定義、GUIデザインのエキスパートレビューまでご経験がある方で、さらにtoBサービスのUIデザインが好きな方だと最高です!さすがに欲張り過ぎですかね(笑)
保原:私は、基本的なデザイン知識をお持ちであることは前提になりますが、ビジネス的な価値にこだわれる方とご一緒したいです。働き方の好みは、チームでデザインすることに価値を感じられ、コミュニケーションが柔軟かつオープンな方だとお仕事がしやすいのではないかと思っています!
ーーありがとうございました!
Magic Moment ではUI/UXデザイナーを募集しています。
ご興味をお持ちいただけた方、テーマへの関心を持った方などお気軽にお話しさせてください!
写真:左から保原・野中・田中