広報担当の高橋です!
先日、Wantedlyブログで予告をした「D2Cに関するミートアップイベント」を開催いたしましたので、その内容をレポートとしてご紹介したいと思います。 ▼予告記事
このブログでは、
・イベント概要(昨年のイベントレポートも含め) ・テーマ別のトークセッション ・イベントの感想
というパートに分けてまとめてみましたので、ぜひご覧ください!
イベント概要 https://d2c-inside.connpass.com/event/140012/
このD2C insideという企画は、昨年12月に開催し大盛況だったイベントがシリーズ化されたもので、第一回目はコーワーキングスペースのcoba神南(渋谷)で開催、そして第二回目となる今回は、FABRIC TOKYOの代々木オフィスで初開催いたしました。
トークセッション登壇者の方々 株式会社Takram ディレクター 佐々木 康裕さま( https://ja.takram.com/ ) 株式会社ZOKEI 代表取締役社長 沼田 雄二朗さま( https://objcts.io/ ) 株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役社長 森 雄一郎
昨年の開催時には約50〜60名の方に参加いただきましたが、今回はなんと前回を遥かに超え、約80名近くの方にご参加いただきました!(ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!)
昨年開催した時のレポートはこちら
今回はD2Cを軸に、9つの異なるトピックを絡める形で、トークセッションが繰り広げられました。 今回のトピックは、日本と米国、創業経緯、ファイナンス、リアル店舗、盆栽、EXIT、"日本でやるなら"、エコシステム、D2Cの今後。途中、オフレコトーク(笑)もありながら、トークセッションが進んでいきました。
要点のみ、かつ噛み砕いてまとめていますが、いくつかのトピックで話されていたトークセッションをシェアさせていただきます。 創業経緯 D2Cブランドの創業者、MBAホルダーが多い傾向にある。理由はペンシルベニア大学ウォートン校で教授をしていたDavid Bell(デイビッド・ベル)という人の影響があるため。David Bellは、デジタルマーケティング、User Experience領域に精通していて、教え子がD2Cビジネスを立ち上げている。 リアル店舗 リアル店舗が必要と語られる理由は、「体験を届けよう」という文脈が一般的だが、マーケティング目線でいうと「オンライン(Web広告)が渋滞してきており、リアルなオフラインの場の方が成果が出るのでは?」という考え方もある。オンライン経由で顧客になった人と、オフライン経由で顧客になった人を比べたところ、LTV(Life Time Value)の指標では、後者の方が約3.5倍高かった、というデータがある。米国でD2Cの成功事例として有名なWarby Parker、社内にデータサイエンティストを抱えており、本も出版している。新規出店においても、データサイエンティストがプロジェクトに携わり、「収益化できるかどうか?」を判断してから、出店の意思決定をしている。 Warby Parkerのデータサイエンティスト・ Carl Anderson氏の本 Creating a Data-Driven Organization: Practical Advice from the Trenches(画像はAmazonより) https://www.amazon.co.jp/Creating-Data-Driven-Organization-Practical-Trenches/dp/1491916915
ファイナンス&EXIT 米国において、D2Cの領域はIPOは出ていないが、M&Aは増えている。実例として、P&Gは合計6社、D2Cスタートアップを買収している。P&Gが評価しているのは、顧客をエンゲージメントできる戦略、データサイエンスの部分。スタートアップが買収したという象徴的な案件が、米国の髭剃りのD2Cスタートアップ「Harry's」が、約100億円規模の資金調達をし、その資金でドイツの老舗シェーバー工場を買収したこと(あとで詳しく調べてみると、買収した工場は創業93年という歴史あるメーカーでした)。勢いのあるスタートアップが、老舗のメーカーを買収する、というのは非常に象徴的な出来事だった。 トークセッションのさいごは「D2Cの未来」締めくくりました。 D2Cの今後 D2Cスタートアップは増加すると思うが、すべてのブランドが急速に成長を目指すべきなのか?という視点もある。大事なのは、「自社ブランドのゴールをどこに置くのか?」という点だと思う。ほか、D2Cブランドでいうと、作り込まれたデザイナーズ寄りのブランドが増えて欲しい。例えば、ARGENTという女性向けのビジネスウェアを手がけているD2Cスタートアップなど。ビビッドなカラーで、ジャケット裏にスマホなどのガジェットを入れられるデザインがカッコイイ。 ARGENT Official Website(画像は公式HPより) https://argentwork.com/
D2Cの百貨店が出てくると思われる。事例を挙げると、ディスカウントストアとして有名な米国のTARGETですら、D2C企業との関わり方を増やしている。ミレニアル世代からすると、「TARGET = ディスカウントストア」という印象があるので、TARGETで商品を買いたくないと思う層もいるようだが、今のTARGETは、既存ブランド、D2Cブランド、プライベートブランド、というようにミレニアル世代向けにブランドを混ぜて展開している。D2C領域は、商材は真似しやすいが、ストーリーテリングは真似できない。ユニコーン(未上場で評価額が10億ドル)企業になっているブランドは、ブランド力、ファンの熱量、そしてストーリーテリングに長けている。 トークセッション後は懇親会!美味しいオーガニック系のフードをケータリングしました! イベントの感想 運営側目線というよりも、いち個人としての目線で感想をまとめると、「D2Cブランドに関して米国と日本のスタートアップの過去、今、これから」を幅広く、かつ時にはめちゃくちゃ深く知れるイベントでした。雑談トークという形式だったので、話を聞く側としてもリラックスして、カジュアルな雰囲気で楽しむことができました。
個人的には、リーマンショック後の2008年前後がD2Cスタートアップの第一世代が生まれた時代であること、米国でD2Cスタートアップが生まれている背景にはDavid Bellという人の存在があること、あたりの部分に引き込まれていました。(イベント中、すぐにLinkedinで調べていました笑)
今回、雑談トークセッション形式、かつ初の自社オフィス開催!という初めて尽くしな会でしたが、定員80名枠のチケット完売でキャンセル待ちという状況で、大盛況だったと思います。写真はないですが、懇親会も参加者同士で盛り上がっていました!
最後に、イベントに登壇いただいた株式会社Takramの佐々木さま、オブジェクツアイオーの沼田さま、イベントにご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました!
また次回も企画していく予定なので、ぜひお楽しみに!
株式会社FABRIC TOKYO's job postings