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【イベントレポート】【生鮮食品×ファッション×日本酒×ネットショップ】先進企業の事業責任者が語るコマースの未来

広報担当の高橋です!本日はイベント関連についてお届けします。

今回、レシピ動画サービス「クラシル」さん、ネットショップ作成サービス「BASE」さん、日本酒のD2Cブランド「SAKE100」さん、そしてFABRIC TOKYOの4社でEC事業者向けのイベントを開催したので、その内容をレポートとしてご紹介したいと思います。

・イベント概要
・各社LT
・パネルディスカッション
・参加してみた感想

というパートに分けてをまとめましたので、ぜひチェックしてみてください!

イベント概要

https://bethesun.connpass.com/event/111616/

今回の企画は、急成長を続けるEC市場においてEC化率が低い領域「生鮮食品」「酒類」「ファッション」に関わる事業責任者が集まり、各社の取り組みや今後の事業構想について赤裸々に語るイベント。1社ずつLT(Lightning Talks)の後に、クラシルさんファシリテートでパネルディスカッションという盛り沢山のコンテンツでした。

弊社からはCTOの中筋が登壇し、LTとパネルディスカッションへ参加させていただきました。

「先進企業の事業責任者が語るコマースの未来」をテーマに各社からLTタイム!

クラシル・大竹 雅登さん(dely株式会社 執行役員/CTO)

<自己紹介>

1993年、横浜生まれ。dely株式会社、CTO/執行役員/コマース事業責任者。 2014年にdelyを共同創業し、CTOに就任。2016年にレシピ動画サービスの『クラシル』をリリース。2018年現在は累計1,500万DLを突破。 2017年にはAWS社主催の「CTO of the year」を受賞。クラシルの初期は唯一のエンジニアとしてフルスタックに開発を担当し、サービスと会社の成長に伴ってエンジニア組織やデザイン組織を作ることに注力。 現在はクラシルのコマース事業責任者を務める。

今後、クラシルは食品コマース市場への注力をしていきます。なぜ参入するのか?というと、顧客の日常にもっとも近い食を手がけることは、顧客一人一人の志向や行動をより正確に把握することができるためです。EC化率にフォーカスついてお話しすると、食品市場においてEC化率が低い理由は「実店舗が強い」という点が挙げられます。消費者目線でみると、食品は購入から受け取りまでに時間がかかる問題、また「実際に見て、手にとって購入したい」という意識を強く持っています。まとめると、食品コマース市場においてEC化率が低い理由は、①食品は手にとって鮮度が良いものを選びたい需要があり、ECサイトと相性が悪い、②スーパーやコンビニの利便性に、食品ECサイトが勝てない、③ネット事業者の配送料負担がかかる、という3点が挙げられます。
世界のトレンドで見ると、中国、アメリカ、イギリスにおいて食品コマース市場は伸びています。ポイントは、①オンラインとオフラインの融合、②店舗と物流の融合、③スーパーとレストランの融合であると考えています。
クラシルが解決したい課題は「家事としての料理の負担を減らす」ことです。「料理」を分解すると、その下には「レシピの収集・記憶」「献立を考える」「材料を買う」が料理をするまでに隠れています。クラシルは「献立を考えること = 見えない家事」と考えているので、ユーザーが抱えているこのペインを解決したいと考えています。


FABRIC TOKYO・ 執行役員/CTOの中筋からはD2CについてのLT!

<自己紹介>

1980年千葉県出身。高校卒業後、陸上自衛隊に入隊し、重迫撃砲副砲手として各種任務に従事。その後、ITエンジニアにキャリアチェンジをして、エンタープライズ系システム設計構築、大規模無線LAN設計構築などを経て、2013年NHNテコラスに入社し、サービス企画やITインフラの設計運用に従事。2015年アマゾンジャパン㈱入社 ディストリビューションセンターのシステム構築、運用業務に従事。2016年4月にリードエンジニアとしてライフスタイルデザイン(現:株式会社FABRIC TOKYO)に参画。同年11月に執行役員CTOに就任。

まず、FABRIC TOKYOについて簡単にご説明すると、FABRIC TOKYOは、オーダースーツ・シャツをECで販売するサービスであり、ブランドです。ECサイトだけでなく、都内に店舗も構えており、現在東京と横浜に計8店舗構えています。2014年に代表が一人で創業し、2018年現在では2期連続売上350%成長・従業員は約80名を超える規模へ成長しています。弊社は「D2C(Direct to Consumer)」というビジネスモデルで運営をしているので、そのお話をさせていただきます。D2Cとは、簡単にお伝えすると「自社で企画、製造した商品を直接自社のECサイト(チャネル)で販売するビジネスモデル」のことを指します。
創業時から現在までを一言で表すと、「これまではD2Cブランドとして確立するための歴史」という位置付けで考えています。当初は、全身15箇所をユーザーが採寸&入力し、そのデータをもとにスーツが作れる、という今よりも純粋なWebサービスに近い形でしたが、そこからサービスを改善していくにあたり、「私たちはなぜこの事業をやっているのか?」というコーポレートアイデンディティ、「わたしたちのブランドは誰に向けたものなのか?」というブランドエクイティの再設計に経営陣で着手しました。そして、上流部分が固まった後、店舗・Webサイトをはじめるとする顧客接点のブラッシュアップ、そしてバリューチェーンのシステム化(生産管理システムの開発・ワークフローの構築・QCD管理の構築)を進めてきました。つまり、企画して、販売して作り、届けるという全てを自分たちで作り上げてきました。ここまで来るのに大変なことも多かったので、正直、ベンチャーがD2Cをやるのはむちゃくちゃ辛いです(笑)これからは、①OMOの促進、②パーソナルデータの利活用(さらに促進させる)、③サプライチェーンの強化、の3点の強化に挑戦していきたいと考えています。


SAKE100・生駒 龍史さん(株式会社Clear 代表取締役CEO)

<自己紹介>

「未来視点のサービスでSAKEの市場と文化を発展させる」をミッションに、日本酒に特化した事業を展開。これまで飲んだ日本酒は1,000銘柄以上で、コンペティションの審査員なども務めています。 日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES(サケタイムズ)」、 高価格オリジナル日本酒D2Cブランド「SAKE100(サケハンドレッド)」を展開中。

まず、自己紹介からさせていただくと、そもそも「日本酒がめちゃくちゃ好き」という気持ちで起業をしました。現在、運営するSAKETIMESは、国内で最大の日本酒専門WEBメディアとなっています。2018年7月から、"高価格オリジナル日本酒D2Cブランド"としてSAKE100をリリースし、Eコマース領域での事業展開をスタートした段階です。「なぜ、日本酒か?」と聞かれれば「日本酒を知ると人生が豊かになるから」です。日本酒をいちど好きになると、一生楽しむことができます。
日本酒市場についてお話しすると、「純米酒」「吟醸酒」と呼ばれる特定名称酒を中心に世界的に市場が拡大しています。そんなマーケットにおいて、SAKE100は世界を代表するSAKEブランドになることを目指しています。ターゲットは、お酒が好きな方というよりは「人生をより良く過ごしたい」という人が対象です。SAKE100の製造においては、もともとSAKETIMESを通じて、酒蔵さんとの信頼関係ができているので、パートナーとして共にSAKE100の製造に携わっていただいています。


BASE・神宮司 誠仁さん(BASE株式会社 執行役員)

<自己紹介>

1992年生まれ、東京都出身。10代で「おつかい」をするWebサービスを運営開始。2013年12月にBASE株式会社に入社。ショッピングアプリ「BASE」のPMとして「BASEライブ」をはじめとする販促機能開発やコンテンツ企画に従事、2018年4月よりネットショップ作成サービスを含める「BASE」全体のPMを担当。同年6月に同社執行役員に就任。

「BASE」はネットショップを無料で簡単に作成できるサービスです。もともとは代表の鶴岡のお母さんが言った「ネットでモノを売ってみたい」という言葉がきっかけとなり、お母さんも使えるネットショップという課題解決のためにスタートしました。ネットショップと聞くとショッピングモールというイメージが大きいかと思いますが、「BASE」はショッピングモールに出店する、というよりは「自分のネットショップを持っていただく」というイメージです。ショップオーナーの特徴としては、クリエイターや生産者、メーカーが直接販売をしているのが特徴で、ご自身で生産・製作された商品を販売している方の割合は「BASE」全体の約70%になります。さいきんでは、ショップ開設数が60万を突破し、ショップオーナーとお客さまのコミュニケーションを活性化するために新しく「We are Owners」というメッセージを発信し、自分の人生にオーナーシップを持って生きる人々を応援する新しい取り組みをスタートさせました。
ユーザー事例としては、Senbei Brothersさん、阿波ツクヨミファームさんなどが挙げられます。販路はネットショップやポップアップショップ等の催事で、実店舗はありませんが、多くのファンに愛されている人気ショップです。今まで「ネットショップで売るためには?」と調べると、SEO流入を頑張ろうとしかならない現状がありました。しかし、「BASE」ではSNS流入が多く、SEO流入以外で認知をご自身のネットショップを広めることができます。SEO流入を頑張るというよりは、SNSを通じ、「自分たちのブランドに共感してくれる人に向けて、情報発信することを頑張ろう」というスタンスで取り組んでいます。ほか、オンライン以外の新しい取り組みとして丸井グループさんと提携し、常設店舗「SHIBUYA BASE」をオープンしました。オンラインだけでなく、オフラインでもショップオーナーさまが出店し、お客さまとのエンゲージメントを高める場作りに挑戦しています。

次はパネルディスカッションタイム!

Q. タッチポイントをテーマに聞きたい。オンラインだけでなく、オフラインも持つ意味は?

中筋:「お客さまのための体験ファースト」で考えると、オフラインも必要だと考えている。「EC化率」という言葉だけをみると、オンラインのみでの注文という印象になるが、お客さまからすればスマホでの購入もリアルと考えられる。

生駒:現状はオンライン購入のみですが、オンライン、オフラインどちらの購入が良いという考えはありません。しかし、SAKE100というブランドの世界観を知ってもらうためには、視覚情報以外の味覚情報を伝えていく必要があります。そのためにオフラインがあると考えています。

神宮司:ネットショップオーナーの目標として「実店舗をもつ」という目標を持つ人もいる。そういう人のために、オフラインの場を提供している。ネットショップオーナーのために、BASEがプラットフォーマーのためにリスクを取り、実店舗を作れるようにしている。ネットショップオーナーのリスクを最小にし、実店舗をもてる仕組みをしている。

参加してみた感想

いち参加者としての感想を述べると、生鮮食品、ファッション、日本酒、ネットショップ、とそれぞれECという共通点はありつつも、挑戦している市場、解決しようとしている課題、届ける商品・サービスが全く異なるため、とても新鮮なインプットを得られた時間でした

パネルディスカッションでも「オフラインチャネルを持つ意味、つまり店舗を持つ意味は?」という議題において、”業界が異なる各社が考えるオフラインの価値”を知れたことが個人的に良かったです。今回のテーマでもある「先進企業の事業責任者が語るコマースの未来」の「オフライン領域」において新しい視点や、これからのあるべき姿の示唆を感じることができました。

またイベント会場がヤフーさんのオープンコラボレーションスペース「LODGE(ロッジ)」ということもあり、オープンで開放的な空間でした。色々とご調整いただいたdelyのみなさま、ありがとうございました!

個人的には今回だけでなく、また数ヶ月後に同じ各社で集まって事業の進捗、新しい取り組みなどについてLTがあるといいな〜!と思いました。

今後も弊社CTOやメンバーが登壇するイベントには積極的に参加し、レポートを届けて行きたいと思いますので、今後も楽しみにしていただければ嬉しいです!

さいごになりましたが、この場をお借りして、イベントを共催いただいたクラシルさま、SAKE100さま、BASEさま、また会場へご参加いただいたみなさまへ、厚く感謝申し上げます。ありがとうございました!

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