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シードSaaSこそ世界観を重視すべきという話

こんにちはLoglass代表の布川です。

今回は、シード期ならではの学びについてシェアしていきたいと思います。この記事はもともと社内向けにConfluenceにまとめていたものをリバイスして投稿しているものになります。ログラスでは様々な学びを社内で共有していくことを重視して、ドキュメントを資産として残していっています。

本記事ではSaaSビジネスにおいて重要だと最近感じている世界観について書かせて頂きます。

私も直近までプロダクトの方向性で非常に悩んでいたのですが、ある程度固まってきた部分もあり、その学びをシェアしたいと思って執筆しました。

目次

  1. 世界観とは一体なんなのか?
  2. B2B SaaSにおける世界観とは?
  3. 事例から学ぶ世界観において非常に重要な点
  4. Loglassも頑張っていますという話

世界観とは一体なんなのか?

実はこの"世界観"というワード自体は契約書マネジメントシステムを提供するHolmesの笹原社長から教えて頂いたワードです。
※この記事は私なりの解釈をもとに書いております。笹原さんご本人には許可を得ております!!笹原さんありがとうございます!!

ホームズクラウド|国内初の契約マネジメントシステム 株式会社Holmesホームズクラウドは、企業の契約業務全般を最適化する、国内初の契約マネジメントシステムです。契約前の段階から、作成、締結、契www.holmescloud.com

世界観とは非常に難しい概念ですが、世間一般にいうビジョンとか理想とかそんなものをより拡張した概念であると思ってくれて構わないと思います。

例えば、テーマパークで比較すると分かりやすいです。

ディ〇ニーランドはミッキー〇ウスを中心とした世界観が存在しますよね。常にハロウィンやクリスマスといったテーマに沿った世界観を演出することで、来場客に実世界から切り離された体験を提供しています。

提供される食事からトイレ、掃除のおじさんに至るまで、全てクルー呼ばれる職員によって高いレベルでサービスが提供され、顧客は単に遊園地ではなくディ〇ニーランドに来ているということを強く意識しています。


一方で、富士急ハイランドは日本最高レベルの絶叫アトラクションを用意することで人気を博しています。

富士急ハイランドは決して世界観等で商売はしない。圧倒的なファクトベースでの差別化を追求していることが画像からも良く分かります。

下の画像はその代表例です。ドドンパという名前からもとにかく速そうで、実際にHPの文言もめちゃくちゃファクトベースです。

発射1.56秒で時速180km!天井知らずのスピードキング!


ディズニーランドでスプラッシュマウンテンの時速を気にする変態は中々いないと思うので、この歴然とした差分は誰でも理解できるものなんじゃないかなと思います。

どっちがいいかではなく、違いを理解して頂ければと思います。

B2B SaaSにおける世界観とは?

さて、今回のテーマはSaaSです。SaaSを知らない人は申し訳ないですがググるか、以下のWikipediaをご参照下さい。

SaaS - Wikipediaja.wikipedia.org

この領域において、世界観とは一体どのような効果をもたらすのかを考えてみたいと思います。

SaaSにおいて最も成功している企業は言わずもがなではありますが、Salesforceという企業だと思います。


グローバルでは15兆円の時価総額を誇り、国内でも750億円超の売上を達成している化け物企業で、正直意味が分からないレベルです。

あのSanSanですらARR80億円で上場したというのに、国内で750億円売上があるってどういうことなの!!!

このSalesforceが何故ここまで企業価値を高め、高額な商品を販売できるのか?その答えは・・・

もうお分かりですね

そう、世界観です。

Salesforceは以下のようなかわいいキャラクターが至るところに登場し、プロダクト自体にも登場するほど世界観を重視している。(気がする)

少なくとも富士急ハイランドではなさそう感が滲み出ている。


そんなSalesforceのビジョンは、

あらゆる人のために、サステナブルな未来の実現を目指す

もはや一体なんの企業なのか全く分からない・・・説明としては以下のようなことが書いてあります。

Salesforceは、ビジネスの本分は世界をより良い場所にすることであると考えています。私たちは、従業員、お客様、パートナー、地域社会、環境など、全ての関係者への貢献を通じて、イノベーションの基盤となるよう努めています。Salesforceは、サステナブルな低炭素社会の実現に向けて、以下のような取り組みを推進しています。

・全世界の事業活動で100%再生可能エネルギー化を目指す
・顧客にカーボンニュートラルなクラウドを提供し、温室効果ガス排出量実質ゼロで事業を運営
・グリーンビルディング認証を取得し、革新的なグリーンオフィス構想を推進
・人材、テクノロジー、リソースを活用して、世界中の環境運動を支援

地球を保護し、気候変動に対処する上で、企業が果たすべき役割は大きいと私たちは考えています。私たちは、決して現状に甘んじることなく、 あらゆる場面でイノベーションの可能性を探り、大胆に行動し、賛同する他の人ために道を切り拓くことを自らに課しています。共に、サステナブルな未来を目指しましょう。

世界観が凄いビジネスとはそもそも世界をより良い場所にするものであるという世界観を持っている。しかも、この価値観に資するような活動をしっかりとCSR的に行っており、従業員はこれらの活動に一定の時間を使うように社内でも推奨されている。(らしい)

また、プロダクトとしてはCRM(顧客管理)がメインとなっているが、とにかく売上が伸びるという点を強調したコンセプトになっている。

これは社名からも想像できるが、CRMとして顧客管理が簡単になるといった点よりも、如何に営業がエンパワーメントされるのか?について記述している訳です。これはある意味とても分かりやすい世界観ですよね。


参考:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/?d=70130000000lzaAAAQ

また、Salesforceが凄いのは、これらを利用したユーザーが広告等として機能している点です。

SalesforceにはTrailblazer(先駆者)という概念があり、ユーザーの中で先駆的にSalesforceを活用している人たちのことを、このように呼称するんですね。


私の身近にもTrailblazerがいますが、普段着で着用していたりするので、驚くしかないです。世界観が日常に染み出している。

ちなみにTrailblazerが集まって構成するのがOhana(家族)というものらしく、Salesforceの定義するビジネスが拡大すると世界がよりよくなるので、彼らが協力していくことで更に世界が良くなるという論理になっているようです。

結論、とにかく世界観が凄い

顧客をも巻き込んだ圧倒的なプロダクトを取り巻く世界観を構築することで、自分たちが本当に世界を変えられると心の底から信じることができるような気持ちになりますよね。

そして、Salesforceはこの世界観を引っ提げて、圧倒的に高い単価で多くの企業に導入されているという実績があります。

売っているのはプロダクトそのものの機能ではなく、
・なんか売上が上がりそう!!
・他の人が楽しそうにプロダクトを使ってそう!!

そんな世界観を構築した上でこそ、世界一のSaaSは成り立っているのではないかなと私は思います。

事例から学ぶ世界観において非常に重要な点

身近なテーマパークとSaaSの事例を並べてご理解頂けたように、人が継続的に特定のサービスを受けたいと感じるには世界観が一定重要です。

そして、機能つまりディ〇ニーランドのスプラッシュマウンテンの速度や高さは、富士急のフジヤマには到底及びません。しかし、読者の多くはスプラッシュマウンテンに乗った回数の方が多いでしょう。

しかし、富士急よりもディ〇ニーランドの方がチケットは高いですよね。しかも何回も行きたくなる。本質は、アトラクションの機能よりも、あの世界観を何回でも味わいたい、すなわち世界観に基づく高品質なサービスこそが、価値の本質なんだと思います。

そしてこれはSaaSにおいても全く同様です。もちろん最低限の機能は必要ですが、本質的には顧客とどんな世界を創りたいのか?を追求しなければSaaS企業とりわけシードベンチャーは生き残ることが今後難しくなるのではないかと個人的には思います。

シードベンチャーはリソースが少なく、開発できる機能や画面も非常に少なくなります。よくあるリーンスタートアップ的な概念はここを解決するものとして界隈では良く読まれていますが、いくらリーンであっても自分たちが目指すべき方向性が定義されていなくては結局大手のリッチなサービスに敗北してしまいます。

Loglassも頑張っていますという話

Loglassは、下記noteにある通りまだまだシードのスタートアップです。

正直こんな記事を書けるような実績もなければ権利もないのですが、たくさんのヒアリング等を通して感じたのは、機能を前面に押し出しても誰も買ってくれないということです。

最近は私たちは新しく世界観を定め、リリース前にも関わらず多くのお客様から引き合いを頂いております!!!!

弊社の世界観は来年のリリース時のお楽しみということではありますが、強い想いを持って開発を進めています。

エンタープライズ向けIT製品営業のご経験があるあなた、Salesforceにお勤めのあなた!!話を聞くだけでもいいので、ぜひ「話を聞きに行きたい」ボタンを押してください!!

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