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ライナフ開発部の加賀田です。2019年の入社以来、主にスマート内覧の開発・運用を担当しています。
ライナフでは、新型コロナウイルス感染症が広がる以前から試験的にリモートワークを導入し、先の緊急事態宣言期間中は「全社出社停止」の措置をとって業務を継続してきました。そして緊急事態宣言後の現在に至るまで、自社オフィス勤務とリモートワークを選択できる態勢を続けています。オフィスで働く社員、リモートワークする社員、また自宅とオフィスを行ったり来たりする社員、いろいろいる中でわたしは半年以上のほとんどをリモートワークで過ごしてきました。
当初はオフィスが消えるとか郊外への転居が増えるとか騒がれたリモートワークのブームも、平日の電車の様子などを見るといったん落ち着いたように見えます。一方で「第3波」が来たんじゃないかとか、コロナ禍については引き続き不穏な情勢です。
そこで今回は、リモートワーク論の名著『リモートワークの達人』からピンときた箇所を引用しつつ、ここしばらくのリモートワーク生活での出来事や思ったことを個人的な視点からふりかえっていこうと思います。なお、社としての取り組みについて詳しくは、当ブログの過去の記事や社長ブログをご参照ください。
「通勤は人生の無駄づかい」より
通勤時間が好きな人なんていない。
(中略)通勤が体に悪いことは、科学的にも明らかになっている。通勤時間の長い人は太りやすく、ストレスが多く、ゆううつな気分になりやすい。通勤時間の短い人でさえ、やはり通勤をしない人よりも幸福度が下がっている。
リモートワークを始めて最初に問題になったのが、実はこの「通勤時間がゼロになる」という点でした。
前職含めてここ数年、片道約1時間の通勤時間は自分にとって「読書の時間」でもありました。その通勤時間がゼロになった4月以降、読書量が極端に減ってしまったのです。浮いた通勤時間を使って自宅で本を読めばいいだけだと当初は思っていたのですが、長年しみついた「本は外で読むもの」という習慣から簡単には逃れられません。ある意味でわたしは「通勤時間が好きな人」だったのです。
最近になってようやく、「寝る前に本を読む」習慣が身についてきました。通勤を前提にした生活習慣をリモートワークに対応した習慣に切り替えるのに、半年もかかってしまったことになります。長年の習慣を変えるというのは、それだけ時間がかかるということなのでしょう。
特に緊急事態宣言前後には、リモートワークをめぐって「自宅よりオフィスのほうが仕事しやすい」という声を社内外で見聞きしました。もしかすると「長年の習慣を切り替える産みの苦しみ」で、もう少し辛抱して続けた人の中には違う感想を持つようになった人もいたのでは、と想像します。
腰を据えて長期的にリモートワークに取り組んでみたい方は、ぜひライナフの採用選考に応募されてはいかがでしょうか。
「ひらめきは会議室で生まれる?」より
そもそも、ひとつの会社はどれくらいの画期的なアイデアを処理できるのだろう。 それほど多くはないはずだ。
ほとんどの仕事は、すでにあるアイデアを洗練させるプロセスだ。アイデアを形にし、より使いやすく磨き上げていく。それこそが、仕事の本質だ。
ひらめきの瞬間を期待してブレインストーミングばかりやっていると、みんな疲れはててしまう。新しいアイデアをだすということは、前回のすばらしいアイデアを捨てるということだからだ。あるいは、これから実現すべき仕事の数をいま以上に増やすということだからだ。
未消化の仕事があまりに増えすぎると、仕事の流れはよどんでしまう。
『リモートワークの達人』でいちばん好きなくだりです。TOC(制約理論; Theoy Of Constaints)や「1個流し」、あるいはオライリーの『カンバン仕事術』のスローガン「始めるのをやめて、終わらせることを始める」などを連想させて、アジャイル的な発想だなと感じます。
特にリモートワークをしていると、オンサイトでの仕事以上に「タスクの進捗の共有」あるいは「タスクが予定どおり進捗しているという安心感の共有」が難しくなります。一方で、うまくやれば「アイデアを形にする作業」に集中できる環境へ自分を追い込めるのもリモートワークの利点だと思います。タスクを分割し絞り込むことで情報共有のコストを下げつつ、個々のタスクに集中して各個撃破していくような開発スタイルが、リモートワークにはマッチするのでは…と最近考えているところです。
開発フローの改善に関心のある方、ぜひライナフに入社してお手伝いいただけませんか?
「家には邪魔が多すぎる?」より
誘惑はある意味で、仕事がおもしろくないことを示すシグナルでもある。炭鉱のカナリアのように、僕らが気づいていない以上を教えてくれるのだ。
つねに誘惑に負けそうになっているなら、仕事の内容を見直してみよう。そこには何かしらの欠陥が見つかるはずだ。タスクが明確でなかったり、単純作業ばかりだったり、プロジェクト自体に意味が感じられなかったり。
先の話にも通じるところですが、リモートワークには「これまでの仕事のやり方の問題点」がより顕在化するような性質があるようです。
そんなときには「出社したほうが楽なのでは…」と心が揺れることもありますが、「この問題点を解消できればもっとチームをいい感じにできる」と自分に言い聞かせて、ここまでやってきました。おかげで、去年までは得られなかったような仕事上のヒントが得られたように思います。ライナフでは…というかわたし個人は、離れていても励ましあえるリモートワーク仲間を求めています。
「バーチャルな雑談の場をつくる」より
僕らの会社では、キャンプファイアというチャットツールを使って雑談を実現している。
(中略)こうしたチャットのいいところは、気が向いたときだけ見ればいいということだ。仕事に疲れてきたら、チャットにつないでみる。仕事に戻りたくなったら、離れればいい。
弊社ではコミュニケーションツールとして Slack を多用しています。例によって雑談用のチャンネルも開設されており、仕事と関係なさそうな話が活発に展開されています。
で、『リモートワークの達人』のこのくだりを読んで初めて気がついたんですが、Slack って別にすべてのメッセージを即既読にしなくていいんですよね。
リモートワークを始めた当初、「リモートワークでも仕事が滞らないように、自分に関係するメッセージは見逃さず即チェックしないといけない」と思い込んでいたわたしは、Windows タスクバーの Slack アイコンに新規メッセージを示す青いマークがつくたび、即座に Slack ウィンドウを開いてメッセージを読んでいたのでした。気が散って疲れるわけです。
作業中には Slack ウィンドウを最小化して、Windows タスクバーのアイコンも隠してやることで、落ち着いて仕事ができるようになりました。何か見落とさないか最初は心配だったんですが、たいていのメッセージは1時間や2時間読まなくても誰も困らないものでした。また、すぐに見ないといけないものはまめにメンションをつけてもらえるので、デスクトップ通知さえ効いていれば何の支障もないのでした。
ともあれ、Slack の雑談でおもしろい受け答えができる方は、ライナフで人気者になれます。もちろん、自然言語よりコードで語り合いたいタイプの方も歓迎します。
「直接会って交流しよう」より
僕らの会社では少なくとも1年に2回、約5日間は全員で顔を合わせるようにしている。目的のひとつは、仕事の話をすることだ。とりくんでいるプロジェクトを紹介し、会社の方向性について話しあう。
でも、もっと大事な目的は、いつもコンピュータで見ている相手と直接会って交流することだ。ずっと会わないでいると、画面上の印象だけで相手を見てしまう。とくに、新しく入ったメンバーがいるなら、かならず全員に紹介しておくべきだ。
直接ふれあった相手とは、リモートでもコミュニケーションをとりやすくなる。
リモートワークを基本としている企業でも、定期的に全社員が集合する機会を設けている例があります。上記の例である Basecamp 社のほかにも、例えば年に一度世界中から社員が集まって1週間の合宿をする Automattic 社 など。
人が集まるイベントを企画しづらい昨今ですが、将来状況が許せば、また全社員が一堂に会する機会を設けるのもいいかもしれません。そのときには、何を目的に集まり、何をすることになるでしょうか。将来の働き方に一言物申したい方、今がチャンスかもしれません。
まとめ
『リモートワークの達人』を導きの糸に、リモートワークの取り組みについて個人的な視点からふりかえりました。リモートワークは、今までの仕事の進め方では見えにくかった問題点を浮き彫りにし、改善のための新しい視点をもたらす効用があったように思います。
ライナフでは今後も、就業環境を自由に選択できる態勢を続けていきます。この環境を活用して、継続的な業務改善に取り組んでいきたいところです。