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「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」をミッションに掲げ、2010年の創業から次世代デジタル人材育成を手がけるEdTech企業、ライフイズテック。楽しく学べる人を一人でも増やすべく、学校や塾に向けてさまざまな教育サービスを届けています。今回は学習塾向けに提供を開始した新プロダクト「情報AIドリル」のカスタマーサクセスを務める小林 圭汰に話を聞きました。
Profile
小林 圭汰(Keita Kobayashi)
1993年生まれ。Rettyで法人営業・代理店営業やマネジメントを経験し、Wantedlyで営業・各チームリーダー(IS・Upsell・営業企画の立ち上げ)を事業横断的に従事。その後Wantedlyでは新規事業1人目として事業企画・推進を担当、2サービスのビジネスチームリーダーを経験。縁あって教育業界に戻り、ライフイズテックに新規事業3人目、CS1人目として入社。
スピード感あるベンチャー企業で、成長するために経験を積んだ
ー まず、小林さんのキャリアを教えてください。
学生時代から「人生の選択肢を最適に広げる価値提供をしていたい」という思いがありました。しかし、まだ20歳で、大きな仕事をしたことがない者が他人の人生をどうこうするということには、われながらさすがに違和感を感じました。そこで、まずは営業という仕事を通して、目の前の他人の選択を変えることができる力をつけようと考えました。自分の成長スピードを求めて、年齢に関係なく挑戦できるベンチャー企業、かつ「自分が好きだと思えて、まだ世の中に浸透していないサービス」がいいと考え、Rettyに入社しました。
Rettyでは飲食店に向けた販促サービスの直販を担当。当時はTwitterやFacebook、乱立するグルメサイトなど、ネット経由の集客に対して現状ほど対応できている店舗は多くありませんでした。お客様がどのようにお店を探すかを説明し、検索サイトやSNSを活用した集客手段など、ネットとの付き合い方をお伝えする日々を送りました。点数の高さや話題性ではなく、お客様が自身の好みにあったお店を見つけられるサポートをし、店舗にとってはファンが集うサポートをする。会社が掲げるWin-Winな世界観を目指し、2年半ほど営業経験を積みました。在籍期間後半は、代理店営業チームのプレイングリーダーも担当し、メンバーの育成に関わることもできました。
営業としてある程度スキルがつき、改めて「人の選択肢を広げる」仕事に挑戦しようと決意しました。人生の選択において、キャリア選択という転換点は非常にインパクトがあります。いつかは人材や教育業界に行きたいとずっと考えていました。
というのも、私は大学時代に塾で働いており、生徒のコーチングや学習マネジメント、目標作りに関わる業務に大きなやりがいを感じていました。学生のモチベーションを上げるには、「志望校合格」という目の前の目標以上に「自分の夢」を意識してもらう必要があります。志望校合格は、そのための通過点に過ぎない。そう認識できると生徒は大きく伸びるんです。それが本当に嬉しかったですね。だからこそ、社会人になってからも人生の大きなイベントである就職や転職に関わりたいと思っていました。そこで選んだのがWantedlyです。
Wantedlyでは、顧客の体験に沿って7部署を経験しました。まず運営する採用プラットフォームを企業に導入してもらうための営業に始まり、採用成功まで導く支援やアップセルを担当。その後、社内横断型の営業企画、インサイドセールスチームのリーダー、アップセルのリーダーと、スピード感ある会社とはいえ、かなり多くの役割を任せていただきました。
当時は会社が積極的に中途採用をしており、チームの立ち上げや仕組み化が必要なフェーズでした。私は「カオスで追い込まれた環境でも走れる回復力が強いタイプ」だと自覚しており、大変な状況でも「課題や改善策がわかってよかった」と思えるんです。私のことを理解し、信じて任せてくれた当時の上司には感謝しかありません。メンバーにも支えてもらいながらの荒削りでしたが、貴重なチャレンジでした。
その後、自ら志望して新規事業の立ち上げに携わりました。既存の採用領域ではなく、社員のエンゲージメント向上に関わる事業です。日本でも転職が当たり前になってきましたが、採用の難易度が上がる中で、社員の環境整備や育成への注目度が上がりました。そこでWantedlyでは、Web社内報、福利厚生、従業員サーベイという3つのサービスを新たにリリースすることに。私は1人目のビジネスメンバーとして、セールスやマーケティング、カスタマーサクセスなど複数の役割をこなしました。次々と出てくる課題をひとつずつ解決しながら、徐々に増えていくメンバーとの役割分担を進めていきました。少ないメンバーで運営する中でテレビCMを何度も出すことになり、クリエイティブを企画したり同時に実施したマス広告の実績集計や分析をしたりと、なかなかできない経験もさせてもらいましたね。また、経営者の近くで仕事をすることで、スピード感や見据えている未来の大きさを感じました。「事業を自らの思想で作り伸ばす挑戦をしたい」という思いが強くなっていきました。
チームMTGでの一枚
受験における大きなゲームチェンジに挑む
ー 新規事業はさまざまな業界の可能性があると思いますが、ライフイズテックを選んだ理由はなんだったのでしょうか。
ライフイズテックの学習塾向け新プロダクト「情報AIドリル」を知ったのは、そんなときでした。大学時代に学習塾のおもしろさや業界構造を知っていたので、非常に興味をもちました。
▼参考記事
https://www.wantedly.com/companies/lifeistech/post_articles/481375
また、2025年1月の大学入学共通テストから「情報 I 」が出題されるという、受験における大きなゲームチェンジに関われることも魅力的でした。新規事業は、立ち上げのスピード感やクオリティで勝負が分かれます。国が決めた期限に向けて、あらゆる会社が我先にと勝負をかけてくるでしょう。そこに挑戦する事業、そしてプロダクトの強さに可能性を感じ、入社を決めました。
あとは何より、ライフイズテックの掲げる「中高生ひとり一人の可能性を一人でも多く、最大限伸ばす」というミッションにも共感しました。面接で会った社員全員が「単にプログラミングができる子どもを増やしたいのではなく、子どもの将来の可能性を広げたい」と話していました。主語が自分でも会社でもなく、常に「子どもたち」なんです。私の軸である「目の前の人がより豊かな人生を送れるようサポートすること」に非常に近いものを感じましたし、この会社なら、この思いをサービスを通じて多くの人に届けられると確信したんです。
自身の成長の先に、子どもたちの未来がある
ー 2022年10月にライフイズテックに入社されました。
学習塾事業社内のカスタマーサクセス第1号として入社しました。職種にこだわりはなく、課題を解決して事業を伸ばせるのであれば、ポジションはどこでもよかったんです。というのも、前職で新規事業に関わっていたときは、自力で事業を伸ばせたという実感が持てなかったんです。同じ思いはしたくなかったですし、セールスとしてガンガン売るよりも、勝てる戦い方ができる仕組みづくりをしたいと思っていました。
現在、学習塾事業のカスタマーサクセスは、請求管理や顧客データ管理、開発チームとの連携やサポート体験の作り込みも担っています。情報AIドリルの正式版をリリースした、4月には導入教室数が2,100教室を超えました。これから導入数が増えることを見込んで、オンボーディング体験をよくするための打ち手に注力しています。この事業のカスタマーサクセスチームの特徴は、各教室へ直接ではなく塾本社を経由してサポートすること。現在は、少数でも充実した顧客体験を届けるための仕組みづくりを重要視しています。色々な業務をやっていますが、私含めてまだ2名しかいないので。会社によっては、事業企画や営業企画が担うような機能も必要です。導入する塾および教室の数、ひいてはプロダクトを活用してくれる生徒数を伸ばすために、お客様の満足度を高めることに注力しています。
ー 学習塾向け事業では、どんな人材が活躍できるのでしょうか?
新規事業においては特に、「実現したい世界を信じて走り切れるか」が大事です。新しい価値を世の中に生み出すためには、まず自分が心からサービスや事業を信じる必要があります。心のどこかでその価値を疑っているようでは、力を発揮できませんし、お客様にも伝わるからです。ビジネスには正解がないので、あれこれ考えあぐねて前進しないより、とにかく目の前のことをやりきる姿勢が大切です。とはいえ、もちろん無駄なことをしている時間はないので、考えながら走り抜く精神力も必要でしょう。議論を積み上げて、課題を発見して整理し、ずれのない打ち手を考えて、それをやり遂げる。こうして事業を伸ばすことに、年齢やスキルはそこまで大きく影響しないと思っています。「会社やサービスを自らの手で作り上げていきたい」「責任と裁量を持って仕事がしたい」と思って走れる人なら、必ず成長できるし活躍すると思います。また、ライフイズテックの学習塾事業は、2025年1月の大学入学共通テストから「情報 I 」が出題されるという、デッドラインが決まっているというのも他社の新規事業との大きな違いです。明確なゴールがある分、濃縮された経験ができますから。
一方で、自分の成長のためだけに頑張るのは限界があります。やはり中高生の可能性を伸ばすこと、受験という大きな岐路において子どもたちの力になりたいという思いが、しんどいときに自分を支える力になりますね。中高生は、得意科目や好きな科目というだけで進路を選んでしまいがちです。逆に、もし情報を嫌いになってしまえば、エンジニアはもちろんIT系の道に進む選択肢が無くなるかもしれない。それは本人にとっても、今後の社会においても大きな損失だと思っています。私は、「情報AIドリル」を通して、ひとりでも多くの学生に情報を好きになってもらいたい。そして、自分の人生に新たな可能性を感じてほしいと思っています。