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コントロールせず、誠実な人を集めよ。最強の組織のつくり方

人は生きている間、何度も生まれ変わります。

生きながら生まれ変わるというのは、これまでの生き方や在り方を支配してきた考え方や価値観を自発的に転換し、人間として成長していく——いわゆる「自己革新」を指しています。

「考える人」はとくに自己革新の頻度が高いです。コウダプロ社長の幸田さんもそんな人のひとり。

この日の朝礼では「先週から今朝にかけて、自分の中で大きな変革が起きました。僕は1週間前の自分とは別人です」と切り出しました。

具体的には「組織の成長や大きさは、社長の(人間としての)器で決まる」ことが実体を伴って理解できる出来事があったそう。

「人間の器」とはよく聞く言い回しであり、言わんとするところは分かりますし、自分にも他人にも感じるものですが、測定できないのが特徴です。

幸田さんは「人間の器とは“手放す”こと」と、まずは抽象度高めに言語化した上で、具体の話へと入っていきました。

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こんにちは、プレスラボの池田園子(@sonokoikeda)です。昨年より、月1回「コウダプロ朝礼レポート」を担当させていただいています。

前回(2024年5月)の朝礼noteはこちらから。
https://note.com/koudapro/n/n4238164ac6cc

それでは朝礼レポートをお届けします。




人をコントロールするスタンスが間違っていた

「手放すこと」について、幸田さんは「自分の中のおそれを超越すること、と考える人もいるかもしれません」と語りかけます。

しかし、程度の差はあれ、おそれの感情は生きている限り生じるもので、完全になくなることはないといいます。

「おそれを感じたことは人生で一度もない」「おそれの感情は0%」と言う人がいたら「え〜、嘘吐きじゃない!?」と意地悪な返しをしたくなります(#性格良くない)。

おそれとはそれくらい自然な感情です。

おそれを抱くのを前提とした上で、手放すこと=「人をコントロールするのをやめること」との言語化、腹落ちに至ったのだと幸田さん。

これまでは(組織において)人をコントロールしようとしていた、と幸田さんは自覚しています。

幸田さんの根底にあるのは「良い仕事をしたい」という普遍的な想いです。メンバーをコントロールする → メンバーとの関係性がより良くなりチームも良い方向へ向かう → 組織で良い仕事ができる という好循環を意図していました。

「正しいことを探求して、より高度な正解にたどり着き、それが組織の中で共有・共通化されたら問題は解決すると考えていました。でも、人をコントロールしようとするスタンス自体が間違っていたから、正しいと思われる内容をどれだけ伝えても問題は改善しないわけです」(幸田さん、以下同)

中身が正しくても、考え方や在り方が正しくなければ、望む結果につながらないというのは、仕事をしている人であれば理解できるのではないでしょうか。

しかし、人をコントロールしないとなると、「どうやってマネジメントするか?」問題が発生します。

「そのやり方は違う。だから、やめなさい」と指示するのは、人をコントロールしていることになります。

一方で、とくに初心者に対しては、ある程度具体的に伝えたり、介入したりする必要があります。「そのやり方は違う」「別のやり方で進めて」と言った方が互いにとって良いシーンもあるでしょう。

この二律背反について考えを巡らせる中、幸田さんは「小言も説教もして良いのだ」と気づきます。



高度に自立した組織の特徴は?

ただし、小言や説教をするには条件があります。「相手に言うことを聞かせる」のではなく「自分が言いたいから言うけど、受け取るかどうかは相手の自由」というスタンスでいることです。

「言った通りにしなさい」ではなく「僕にとっての正解は伝えたよ。それをどう受け止めて行動するかはあなた次第」というように、「人をコントロールしない=信じて、委ねるというスタンス」でもあると幸田さんは補足します。

人をコントロールする組織では、コントロールされる側は何も考えず、コントロールする側からの指令に忠実に動けばOKです。

しかし、人をコントロールしない組織では、先輩から正解を伝えられ「あとはご自由に」と言われた後輩は、自分の頭で考える必要があります。

「与えられた材料をどう使おうか?」「これから自分はどう動けば組織のためになるのか?」など頭を使う点で、後者は高度に自立した組織ともいえるでしょう。

なお、組織のメンバーが後述する価値観や企業理念など、組織の「核」や「根っこ」といえる物事を深く理解し共感していることが、ここまでの話の大前提です。

普遍的な人生哲学書として知られる『7つの習慣』があります。第4の習慣「Win-Winを考える」では「人間関係の6つのパラダイム」として、以下の6つの考え方が書かれています。


Win-Win : 自分も勝ち、相手も勝つ

Win-Lose : 自分が勝ち、相手は負ける
Lose-Win : 自分が負けて、相手が勝つ
Lose-Lose : 自分も負けて、相手も負ける
Win : 自分が勝つ
Win-Win or No Deal : 自分も勝ち、相手も勝つ。それが無理であれば取引しない

『7つの習慣』より引用


ここで幸田さんは「Win-Win or No Deal」を取り上げ、組織内でこの考え方を適用するシーンを例示しました。

たとえば、経営者が発信する組織の価値観と相容れないメンバーに、価値観を無理やり押し付けて組織にい続けてもらうのは「違う」ということ。

その状況はお互いにとって意味がありません。メンバーが組織の重要な思想や在り方を受け入れられないなら「うちの会社とは合わないね」と、組織から去ってもらう流れが双方にとっていいのです。

極端な例ではありますが、コウダプロ憲法で「人をコントロールしない」と規定したとして、「それは遵守したくありません。私は人をコントロールします!」派を貫く人は、コウダプロにいない方がいいということ。

組織の最高法規に真っ向から対立する人が在籍し続けるのはリスクしかありません。




メンバーに最も求めるのは「誠実さ」

一方で、組織の在り方や方向性を納得・理解した上で、チームや組織に貢献しようとするメンバーの姿勢には「誠実さ」があります。

誠実というキーワードは、組織や人材を含むビジネスの文脈でよく出てきますが、誰もが持っているとは限らない能力のひとつであることはご存知でしょうか。

「誠実さや真摯さは後天的に身につけられない力である」といった趣旨の発言をしたのはドラッカーです。もともと持っていなければ、一生持ち得ない要素だということです。

誠実さに欠けた人が、誠実そうな振る舞いをして、誠実な人としてブランディングすることはできても、真に誠実な人とは根本的に異なります。人を見る目がある人は、それが似非なのか本物なのかを的確に見抜きます。

幸田さんはこう言います。メンバーに求めたいのは人が先天的に持っている誠実さである、と。コミットメントする力は時間をかければ育ち得る能力だからこそ、最初から完璧なスキルを求めてはいない、ともいいます。

実際、今のコウダプロのメンバーでも誠実な仕事が徐々に芽吹いてきて、一定の期間をかけて花を咲かせている人(結果を出している人)が少なくありません。

コウダプロ創業から8年、さまざまなメンバーと仕事をしてきて、幸田さんは「誠実な人は必ず芽が出る」と確信しています。


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さて、そろそろまとめに入ります。

以下は私が「朝礼の感想」として、コウダプロの皆さんにお伝えした内容ですが、今回のテーマは「誠実さとは?」を考える機会になりました。

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仕事における誠実さとは、仕事を「自分ごと」として捉えてやり抜くことだと思っています
他人ごとにしたら、いい加減な向き合い方になる

誠実さ=広義で嘘をつかない
これは自分に対しても組織に対しても嘘をつかない、ということだと思う
具体的には組織の在り方、方向性として示されたことが、自分の中で腹落ちした状態で、組織のために動けるかどうか、ではないか
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最後に、幸田さんは今のコウダプロにはたくさんの資産があると話していました。

組織が一丸となって前に進もうとするマインドや能力、素晴らしい仲間、パートナー企業、お客様、自社製品、8年の間に築いてきた財政面での安定etc.ありがたい状況にあるといいます。

これらは誠実な在り方をしてきたからこそ、手にできたことでしょう。「今日の自分は真に誠実であったか?」を日々自分に問いたいものです。

Text/池田園子

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