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-まず、教育に関心を持ったきっかけから教えてください。
大学時代にカタリバが運営する文京区青少年プラザ「b-lab(ビーラボ)」のボランティアをしたことがきっかけです。といっても、最初は単に子どもが好きで、「中学生や高校生と遊べたらおもしろそうだな」ぐらいの気持ちでした。
でも、ひたすらに卓球やバスケに付き合っていたら、次に会ったときに「八木ちゃん」と呼んでくれたり、「実はクラスメートのことで悩んでて……」とポロッと口にしてくれたりする瞬間があって。
カタリバの『ナナメの関係(※)』の大切さを実感すると同時に、「いずれ教育に関わりたい」と考えるようになりました。
※『ナナメの関係』とは、親や先生などのタテの関係でも、同世代の友だちというヨコの関係でもない、新しい視点をくれる少し年上の先輩という関係
-なぜ「いずれ」だったのでしょうか?
学校教育に関心がなく、教職課程もとっていなかったので、自分のなかに学校や塾を仕事場にするという選択肢がなかったんです。
カタリバでインターンをしてはいたものの、NPOで働くというイメージも持てなかったので、「将来、どこかでチャンスがあったら飛び込みたいな」ぐらいの気持ちでした。
-就職の際はどうだったのでしょう?
当時は教育以外にもフェアトレードやワークショップデザイン、まちづくりなどにも関心があり、やりたいことを選べなくて就活はほぼしていませんでした。
大学4年の夏ぐらいにさすがに焦り始めて、「これから教育に携わるのは難しそうだけど、人に関わる仕事なら」と人材採用コンサルタント会社に就職しました。しかし、やりがいが見出せず、1年程度で退職。「自分の興味関心は、人の変容や成長を直接見ることにある」と実感しました。
-その後、地方を転々とされて、岩手県釜石市の地域おこし協力隊として働き始めます。何がきっかけだったのでしょうか?
「仕事があったから」という理由が一番大きいです。
当時は「地方消滅」といったワードが出始めたタイミングで、自分自身もまちづくりに関心があったので地方に照準を当てて、千葉、岐阜、香川などを転々としていました。そんなときに見つけたのが、釜石の地域おこし協力隊での教育魅力化コーディネータ―という仕事でした。
内容は、行政職員として市内の公立高校と地域をつなぐ役割を担い、総合的な探究の時間を軸に先生と授業設計や生徒の探究支援などを行うこと。
学校の魅力づくりを通じて地域とつながりができていく過程は、本当に楽しかったのですが、残念ながら、3年間限定の有期契約でした。
ただ、その3年で自分自身の考えも整理することができ、引き続き学校現場に関わっていきたいと考えるようになりました。そんなとき、「双葉みらいラボ」での募集を発見し、迷わず応募を決めました。
-なぜ「双葉みらいラボ」に?
苦しみながらも生徒の成長を願って頑張っている先生たちの力になりたかったからです。
2022年度から高校で「総合的な探究の時間」が始まりましたが、先生たちは指導方法を教わったわけではなく、教科書もありません。意欲のある先生ががむしゃらに頑張っている状況だったので、専門的な知見を有している外部人材、コーディネーターが学校にいることが非常に重要だと感じました。
ここ数年、コーディネーターは徐々に増えてきていますが、まだすべての高校に配置されているわけではありません。
一生懸命頑張っている先生たちをサポートし、協力しながらより良い授業の環境をつくり、同時にコーディネーターの必要性も発信できたらと思い、「双葉みらいラボ」を選びました。
-現在の仕事内容を教えてください。
ふたば未来学園において、主に3つの業務を担当しています。
1つ目は、「双葉みらいラボ」という放課後の居場所を運営することです。
2つ目は、探究学習の年間授業計画の策定です。私は主に高校1年生を担当していて、先生たちと一緒に議論を重ね、計画を作り上げています。
3つ目は、ふたば未来学園やカタリバのなかで得た知見やノウハウを、全国に届けていく方法の設計です。学校ごとに学力や規模が異なり、やれることが変わってくるので、“届け方”も慎重に検討しているところです。
-最もやりがいを感じているのはどのあたりでしょうか?
いろいろあるのですが、中でも年間授業計画の策定は難しいだけに手応えを感じます。同じ1年生でも去年と今年ではメンバーが違うし、カラーも異なります。「今年はこういう感じですね」と先生と対話を重ねて課題を設定していくプロセスや、認識を擦り合わせられる瞬間は楽しいです。
-外部人材として、先生たちと関係性を深めていくことに難しさを感じることはありませんか?
入職した当時はそう感じたこともありました。自分のことを誰も知らない状況だったので……。その際に意識したのは、自分から挨拶をするなどの基本を徹底すること。誰しも何者かわからない人間に心を開くことはできませんから。
-これまでの経験で、今に活きていることはありますか?
やはり柔軟性ですね。これまでいろいろな地域を転々として、生活のなかに溶け込んでいく方法を模索してきていたので、コミュニケーションの取り方も含めて活きていると思います。挨拶の件もそうですが、適応能力は備わってきている気がします。
-今後のご自身の課題という点ではいかがでしょうか?
中長期での事業の展望や、予算獲得など事業経営の視点を持つことですね。学校で何かをやろうとしたときに、どうしても予算が必要になってくるので。いい意味での戦略性、したたかさみたいなものを身につけていきたいです。
-どのように培っていこうと考えていますか?
上司やチームメイトと相談しながら、自分に足りない部分を補っていきたいと考えています。
カタリバの魅力の1つは、頼りになるメンバーが他拠点含めて多く存在していることです。相談もしやすいし、知見やノウハウもたくさんある。しかもワークシートなどでナレッジマネジメントなどもされているので、見つけやすい。地域おこし協力隊で相談相手が限られていた立場からすると、心強すぎる組織です。
-最後に「双葉みらいラボ」として、これからやっていきたいことを教えてください。
先生向けの研修を通じて、全国の探究のより良い学びが授業として届く教育環境をつくりたいですね。そして、取り組みを通じて生徒の自己決定や自己実現を、進路選択と結びつけていきたい。やりたいことがあるって幸せなことじゃないですか。今後私たちにとって特にポイントになる部分だと思うので、注力していきたいと考えています。