鎌倉新書の売上高の50%以上を占める「いいお墓」事業部。「いいお墓」は、お寺さんや石材店さんなど、お墓や墓地を売りたい法人様と、お墓を必要としているお客様をつなげるサービスです。
「いいお墓」のお客様センターには、年間14万件ものご相談が集まります。お客様のニーズに応え、常に変化しながらサービスを提供している「いいお墓」事業部部長を務める田中哲平に話を聞きました。
田中哲平 プロフィール
福岡県出身。前職ではお墓の営業や、新たな霊園の建設などを経験。
趣味は、釣りやサウナ。鎌倉新書の部活動「いい釣り部」の部長も務める。
「いいお墓」のビジネスの仕組み
お墓を購入したいと考えているお客様は「いいお墓」(https://www.e-ohaka.com)を 使って、お墓を探すことができます。サイトには全国9,000件近くの霊園・墓地情報が掲載されており、ユーザーはその中から地域、お墓の種類、価格など条件を絞って、検索します。
さらに、年中無休でいつでも電話相談できる「お客様センター」があります。
田中:「お客様は、お墓を探しているけれども、何をどうしたらいいか分からない方が多いです。お客様センターでは、そういったお客様にお墓の選び方を伝えたり、その人に合ったお墓を提案しています。」
お客様に希望に沿ったぴったりのお墓が見つかった場合には、「いいお墓」の専門の相談員が墓地・霊園などに直接連絡を取り、お客様と法人様をつなぎます。
「いいお墓」がお客様と墓地・霊園を運営する法人様の間に立つことで、お客様にもメリットがあります。
田中:「お墓を探し始めたときに、法人様に直接相談するのはハードルが高いですよね。お客様センターでは法人様の目線ではなく、お客様目線でご相談をお受けしています。業者さんではなく、第三者に相談できる信頼感も感じていただけていると思います。」
「いいお墓」の強みはお客様センターや法人様とのつながり
専門の相談員が活躍するお客様センターは「いいお墓」の強みです。
田中:「お客様センターではお客様と直接コミュニケーションをとって、お悩みやご希望を聞き取ることができるので、リアルなニーズが分かります。」
新しいサービスや施策を考えるとき、その需要を見極める上でもお客様センターは大きな役割を果たしています。
田中:「私たちが常に意識しているのは、お客様の声をもとに施策を考えるということです。
例えば、墓じまいのサービスを始めた時は、過去3~4年ぐらい、お客様センターでも『墓じまいがしたい』という問い合わせが一日に何件か入っている状態でした。だからこそ、それをサービスとしてリリースすれば、必ず需要はあるよねということで話が進んだんです。
新しい施策やサービスの案は思い付きででてくるんだけれども、それが実際にニーズがあるのかということは、お客様の声を聞かない限り分かりません。鎌倉新書の場合、お客様センターでの実際の相談件数を見たうえで、やるやらないを決められるので、そういったところは強みになっていると思います。」
また供養領域は、伝統的なビジネスのやり方が強く残る領域です。IT化が進んでおらず、ウェブ事業に対する風当たりが強い面があるのは否めません。
しかし、だからこそ「いいお墓」には優位性があります。
田中:「鎌倉新書は、祖業が出版社であったということから、石材店さんやお寺さんとのつながりが強いことが特徴です。月刊仏事などの、紙の出版物をこれまで提供してきたことで、認知度が高く、法人様からも信頼も厚い。つまり、地盤がしっかりしているので、スムーズにビジネスが進められています。」
お墓市場はライフスタイルの変化に合わせて大きく変わっている
お墓の市場では、屋外の墓石をシンボルとしたお墓(一般墓)がまだまだ主流とは言え、樹木葬や納骨堂など新しいかたちのお墓を選ぶ人も増え、トレンドは変化しています。
田中:「ライフスタイルの変化がお墓にもすごく出てきています。
例えば、生まれ育った場所でずっと暮らし続けるのではなくて、いろいろな場所に移動して住むようになりましたよね。
これまでのお墓は先祖代々受け継がれて、何十年もそこにあるっていう感じだったんですが、最近は夫婦二人で使うお墓や、自分の思い出の地に眠りたいといった自分の希望に合わせて選ぶような傾向が出てきています。」
しかし、お墓の種類が充実しているのは、やはり都会。
田中:「東京などの都市部では、比較的いろいろな種類のお墓が網羅できていますが、すこし地方に行くと、あまりないんです。昔ながらの様式のお墓がまだまだ多いです。」
こんなにお墓の種類が増えてきたのは、最近のことです。
田中:「ここ3~5年ぐらい、終活という言葉が出てきてから一気にお墓の種類も増え、市場が大きく変わってきています。今まさに、変化の途中という感じです。そして、そういった変化の中で仕事ができるっていうのが面白いところかなと思っています。」
お墓選びといえば「いいお墓」という状態を目指す
寺院や石材店などの法人様には広く認知されている鎌倉新書ですが、お客様にはあまり知られていません。「いいお墓」と検索してくれるユーザーはほとんどいないといいます。
田中:「私たちの一番の課題は、お墓選びが必要になったときに『いいお墓』が第一想起されないということです。
例えば、結婚式であれば、ゼクシィが一番最初に思い浮かびますよね。『いいお墓』もそういったブランド力を持ちたいと思っています。」
おわりに
ライフスタイルの変化や「終活」の普及によって、お墓市場も大きく変化しつつあります。たくさんの選択肢の中から、お墓の場所や形を自分で選べるようになりました。しかし、それだけ迷うことも多くなるということ。そんなとき、お客様のお手伝いをするのが「いいお墓」のポータルサイトであり、お客様センターです。お墓選びといったら「いいお墓」と、誰もが思いつくような状態を目指して、成長し続けます!
編集後記
ちなみに、田中が鎌倉新書に入社する決め手になったのは、清水との面談だったそうです。「結婚式が、式よりも披露宴がメインになっていったように、葬儀も式ではなくお別れ会のようなものが主流になっていくと思う」と語る清水に対し、考えが3歩も5歩も先に言っているなと感じたとか。実際、鎌倉新書ではその後、お別れ会をプロデュースする「story」(https://e-stories.jp/)という部署が立ち上がりました。考えるだけにとどまらず、実際にビジネスに落とし込んでいくそのやり方も魅力だと、語ってくれました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!