経営幹部の採用・転職支援は、人材紹介の中でも特に会社経営に大きな影響を与えます。人材紹介業界で働く方の中には、今後エグゼクティブ領域に挑戦したい方も多いのではないでしょうか。そのやりがいや醍醐味を、ジェイ エイ シー リクルートメントのエグゼクティブディビジョン部長を務める稲岡 英治が語ります。
※2020年当時のエピソードになります
会社の経営に「人」の観点から参画する
ジェイ エイ シー リクルートメントのサービスブランドのひとつであるJAC Executiveは、経営幹部やCxOクラスの人材紹介サービスを提供しています。稲岡は2019年から東京本社でエグゼクティブディビジョンの部長を務めています。
稲岡 「ビジネスのダイナミズムに直接触れられるのが、エグゼクティブ領域の面白いところです。ビジネスは経営者のアイデアをベースにつくられることが多いです。我々はその構想段階から参画して、事業と組織をともに考えていきます。
外部には公開できない情報や経営者が抱えている企業課題を、私たちを信頼して打ち明けてくださることもあります。その信頼と期待に応えるべく、我々もセッションと提案を重ねてきました」
経営者の圧倒的な熱量に触れ続ける日々。エグゼクティブ専門の人材紹介は、稲岡にとって成長の連続だと言います。
稲岡 「事業に対して情熱的に取り組まれている方ばかりです。ここまでやってきた思いや、今後どうしていきたいのかという希望。それらを語っていただける『尊さ』をいつも実感しています。
プライベートも含めた生き方や価値観においてリスペクトできる方ばかりなんですよね。贅沢な話ですが、一緒にビジネスをさせていただき、学び吸収させて頂く機会に恵まれています」
人材コンサルタントはある意味で、そうした成長を義務として求められる側面もあります。向上心がなければ、エグゼクティブの方々と渡り合える視座の高さは得られません。
稲岡 「会社の方向性に沿った人材を紹介するだけでは不十分で、当然候補者の内面性にも議論が及びます。ひとりのコンサルタントとしてジョインし、企業経営に『人』という部分で深く関わります」
エグゼクティブ領域においては、コンサルタントの腕が会社経営に如実に影響します。それが面白さであり、責任の重さでもあるのです。
経営者と経営者をつなぐ、コンサルタントとしての力量
稲岡は2005年にジェイ エイ シー リクルートメントに入社し、専門ディビジョンを歴任してきました。そこからエグゼクティブ部門に配属されたのは、2015年のことです。
稲岡 「エグゼクティブディビジョンのお話をいただいたとき、これはチャンスだと思いました。長く人材紹介をしてきた身として、いつかは経営幹部の方々のお手伝いをしたいという思いをもっていたので」
ところがエグゼクティブの期待に応えようとするあまり、思うような成果を出せない日々が続きます。
稲岡 「そもそもエグゼクティブ領域は組織構成上、案件の絶対数が少ない上に獲得難易度も高いです。だからこそ、せっかくお話をいただいた限りは絶対にプレイスメントしたいという気持ちがありました。それが焦りにつながってしまい、スタンスの取り方を間違えてしまうこともありました。ハイレイヤーの難易度を実感した時期でした」
稲岡が苦戦した理由のひとつには、エグゼクティブ領域の抽象度の高さがあったのではないかと振り返ります。
稲岡 「たとえば、エグゼクティブ領域では明確なポジションやスペックが確認できることは少ないですよね。経営課題や経営構想をお聞きしてコンサルタントとして仮説を立て、企業に必要な人材を考えるところから参画します」
だからこそ、経営者の思いを汲み取る“感度の高さ“が重要なのだと、稲岡は考えました。
稲岡 「経営者の想いを深掘りして、会社を前に進めるために必要な人材を探ります。その上で構想を練り、どうすれば刺さる提案ができるかをイメージするんです。
もちろん最初から100点満点の提案ができればベストですが、80点の提案でも次につながればいいのだと気づきました。『ここが違うから、この部分をもっとこうして』というフィードバックを受けて次のミーティングで議論を深め、最適な人材をご紹介するわけです」
試行錯誤する中で、稲岡はエグゼクティブ人材紹介のやりがいを見出しました。
稲岡 「エグゼクティブクラスの採用を考えるのは、ほとんどが社長・役員の仕事です。役員クラスの方々が直々にエグゼクティブの人材を求めることになります。私たちの仕事は、いわば経営者の方同士をおつなぎすることにあります。
フィットした経営者同士をおつなぎすることで、大きなイノベーションにつながります。その出会いが化学反応を起こし事業を前進させるインパクトとなり、ひいては経済・社会に貢献することにつなげるのが私たちの仕事です」
エグゼクティブ領域で実績を積み上げてきた稲岡は、「今では自信をもって、この領域が面白いと思える」と語りました。
個と組織の掛け算で、経営者の思いに応える
ジェイ エイ シー リクルートメントのエグゼクティブ部門の強みは、コンサルタントの多様性にあります。
稲岡 「アプローチの仕方やコミュニケーションの方法は、それぞれの個性があっていいと思うんです。実際に、弊社にはいろいろなコンサルタントがいます。
とにかく経営者とのネットワーキングを接点数で稼ぐタイプの人、トップアプローチで一瞬の刺さる提案から懐に入る人、いつでも携帯電話ひとつで経営者とつながれる人……山の登り方にいろいろな手段があるのと同様だと思うんです」
自分の強みを活かして結果につなげていくことは、本人にとっても企業にとってもベストだと考えられます。一方で、ひとりの能力には限界があることも事実です。
稲岡 「ジェイ エイ シー リクルートメントには、組織で共有する文化があります。面白い話があれば、積極的にチームで共有します。例えば『実は半年前にお会いした方で、隣接業界で面白い取り組みをされている方がいるよ』というチーム内の会話が、自分が担当する案件の新しい提案につながります。
コンサルタントごとに得意分野や経験年数は異なります。クライアント様との面談で即座によい提案をできないことも、当然あります。若手もベテランもフラットに相談できる環境を整え、お互いに助け合うことで成長していこうという考え方です」
稲岡はこうした協業を「個と組織の掛け算」と表現します。それがジェイ エイ シー リクルートメントの強みであり、目指すべき未来でもあります。
稲岡 「JAC Executive だから推薦できる人材やポジションの多さが、我々の強みです。その根本になるのが経営者層の方々とのネットワークの質と量ですよね。だからこそ私たちを選んでくださっているのだと思います。
そうした部分を、JAC Executive の絶対的な強みに育て上げていきたいと思っています。我々だからこそのデータベースと経営者ネットワークの構築、それにコンサルタント(個)×チーム(組織力)でマーケットに対峙して、我々の存在感を高めていきたいですね」
エグゼクティブの力になりたいという思いが原動力
稲岡 「私達JAC Executive は、今次なる成長を目指すステージにいます。ジェイ エイ シー リクルートメントがミドルハイクラス領域での存在感を確固たるものにしていく中で、我々JAC Executiveはその先頭に立ち、さらなるハイレイヤー、エグゼクティブ領域を牽引する組織でありたい。エグゼクティブ領域のTop Agentを目指します。
そのために、プラスアルファの力をもたらしてくれる、新たな仲間を増やしたいと考えています。前段で申し上げたように、それぞれの強みが活かされる多様性のある組織でありたいと考えていますので、人材業界、サーチ経験のある方々にJAC Executive にジョインして頂き、エグゼクティブエージェントとして新たな世界観をともに創っていきたいですね」
エグゼクティブ領域に共感される方は、是非チャレンジしてほしいと稲岡は言います。
稲岡 「私の原点は、目の前のリスペクトできるこの方のお役に立ちたい、このExecutiveの事業推進に貢献したい。シンプルですがそれが原動力だと思っています。お客様のお役に立ちたいと考え、そのスタンスで働ける人と、ぜひ一緒に働きたいと思います」
エグゼクティブの方々の薫陶を受けられる環境は、ビジネスパーソンとしてのキャリアに豊かな経験をもたらします。それを受け止め、成長を続ける感受性さえあれば楽しく働けるはずです。ビジネスのダイナミズムを感じながら、一緒に成長していきましょう。