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株式会社アイエスエイプラン 執行役員 HRM & Strategy
坂爪 昭
入社おめでとうございます
入社おめでとうございます。
今年度入社の方々は採用倍率60倍の選考を見事にくぐり抜けて合格なされた優秀な方々です。
24卒の新卒採用は採用方式を大きく変更したためか、例年よりかは少し低めの倍率表示となりましたが、採用課題はより一層難しくなり、より一層の困難を乗り越えて来た方々が入社して来たという結果になったようです。その分、入社してきたみなさんは、誇りをもって仕事をしていただければと思います。
「Done is better than perfect.」
これまでのみなさんの20数年間の学生生活にて求められてきたことは、「毎日授業を受けて、期末のテストで100点に近い合格点を取得しろ!ということだったと思います。これが社会人になると一変することをぜひ頭の中に留めておいていただきたいと思っています。
InstagramやFacebookを運営するMeta Platforms社ではCEOのマーク・ザッカーバーグの格言より「Done is better than perfect.(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」というモットーがあるそうです。ともかく仕掛りの仕事は、形に出してみる。そうすると周囲から具体的な反応が起こる。そしてそれに修正をして形にしていくと、繰り返しの中で求めているものや求められているものが固まってくると言われています。
たしかにITシステム開発の観点から考えてみると、初期の動作としては満足に動かない、細かい不具合が多すぎる、利用していてイライラするなどの米国企業のサービス初期はムズガユイと感じることは多くありますが、その後の結果として、世界の覇権を握るサービスとなり、株価時価総額としての世界TOP10企業になっているので、成長戦略として間違いないこととしか言いようがありません。
「七放・五落・十二達」という考え方
これまで日本では学校から企業まで「いつも100点を目指してがんばろう!」という考えが浸透してきたなかで、村山昇(2007)※1が「七放・五落・十二達」の法則というものを提唱しました。
図1 村山昇(2007)より「七放・五落・十二達」の法則モデル
[七放]
自分の計画や挑戦について7割程度が固まったら、まずは実施をする。そしてその結果を見て、次の一手を考え、また行動するということ。
[五落]
事を始めるやいなや、当初の計画は覆され、状況は散らかり、プランの変更を余儀なくされる。実質、5割レベルまで落ち込んだところから出直しを強いられるようになること。
[十二達]
五落の状況と格闘を続けて行くと、当初自分が計画していた以上の高みになっていることが多く、12割レベルの結果が実感できるということ。
この法則の興味深いところは仕事を進める際のプロセスを「七放」「五落」「十二丘」という三つのプロセスに分割をし、それぞれのイベントが発生することを予め想定しておくということです。これにより、今の自分が行っている仕事のプロセスはどのプロセスにいる状況なのかを認識できるようになることや、予めマイナス要素が発生することへの耐性が事前に準備できることから仕事の成果がつくりやすくなっていることが、自分自身を困難に立ち向かいやすい状況にさせてくれているということです。
※1 村山昇(2007)『“働く”をじっくりみつめなおすための18講義』(クロスメディア・パブリッシング)
実際は「三放・二落・六達」で充分
仕事をしていて、ある状況に対して何かにこだわりすぎたり、不安がったりして、ひとつの場所に留まり過ぎると成果は出ないまま時間ばかりが経過し、いつまで経っても仕事の結果は出にくいものとなってしまいます。
上記のように「七放・五落・十二達」は一般的に業務がこなせる人へ提唱された法則なので、新入社員であるみなさんにはひょっとしたら「七放」をつくることでさえも難しいかもしれません。なので、先ずは「三放・二落・六達」くらいから取り掛かってみてはいかがでしょうか。仕事で60点出せる人でさえもなかなか居ないところですが、このくらいのモデルから目指し、「二落」を想定できる働き方を身に付けていただければよいところなのかと思っています。
この心得をこれから事あるごとに話していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。