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デザイン実践だけではない、rootが考える「デザイン投資」のあり方

こんにちは!root採用広報担当です。

rootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指すデザイン会社です。

今回は、当社のCEOの西村と共に、rootの考える「デザイン実践とデザイン投資」について、お伝えしていければと思います。

目次

  1. 組織内におけるデザイナーの認識を変えていく必要がある
  2. 「デザイン投資」が企業に与えるポジティブな影響
  3. rootが実践する「デザイン投資」3つの取り組み
  4. 事業を牽引できるデザイナーも将来的には増やしたい
  5. rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!

組織内におけるデザイナーの認識を変えていく必要がある

──まず、rootが考える「デザイン実践」と「デザイン投資」について教えてください。なぜ、デザイン投資が必要だと考えているのでしょうか?

rootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」というビジョンを掲げています。具体的には、組織や事業にデザインを活用できる事業者を増やしていくことをミッションに、デザイン組織立ち上げの支援などを行っています。

これまで、スタートアップを中心にさまざまな企業を支援し、新規事業の立ち上げからグロースまでを経験してきましたが、多くの現場で経営者や事業責任者、PdMなどの間で期待していることの認識が揃っていないということが起こりがちです。

その背景には、組織内でデザイナーを表層的に何かをつくってくれる人、見た目を整えてくれる人という認識になってしまっているというのがあると思います。その認識を変えていくことが、どの企業においても必要になってきています。

認識の変容を実現していくにあたって、rootでは「デザイン実践」と「デザイン投資」という2つのことに取り組んでいます。デザイン実践というのは、組織内で要求されることに対してデザイナー自身が、成果を出していくということです。大事なことではありますが、ただデザイン実践をやっているだけでは、組織や事業の単位でデザインを活かしていくという考え方にはなっていきません。

では、何が必要か。個人的には、もう少し影響力を持った範囲でデザインに対する活動や取り組みが必要だと思っています。具体的には、事業計画や開発のロードマップを策定するように、デザインの計画やロードマップを策定するなど、経営やマネジメントレベルでのデザイン活動が必要ということです。

ただ、現実には組織内で少数派となるデザイナーは現場にとどまってしまうため、デザインが機能せず、支援に入るほとんどの組織ではデザインの計画やロードマップが策定できていません。計画を立てるためには、具体的にどういった投資をしなければいけないかの判断が必要になります。この判断ができる状態にすべく、rootはデザインプログラムマネージャー(DPM)を通して、支援しています。

rootのDPMは、デザインを扱う組織環境を整備する役割を担います。デザイナーがはたらく現場ではデザイナーと非デザイナー間での連携強化や、プロダクト開発サイクルへのデザインプロセスの定着を支援したり、マネジメントレイヤーでは開発計画に応じたデザイン計画やデザインチームの目標設定などを運用します。

最上段では事業計画に対してデザイン人材のリソース配分、デザインシステムやプロセスなどのアセットへの投資配分を経営レイヤーへ提案しながら、事業計画に沿ったデザイン実践とデザイン投資の促しを行っています。

事業が成長して大きくなっていくことに比例して、デザイン投資量を増やしていく企業が増えていけば、結果的にはrootの「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」というビジョンの実現に近づくと思っています。

「デザイン投資」が企業に与えるポジティブな影響

──デザイン投資に取り組んでいくことで、企業内で起こる変化、得られる価値に関してはどのように考えていますか?

ひとつは、組織内の文化としてユーザーや顧客に向き合いプロダクトやサービスをつくっていく価値観が醸成しやすくなることが挙げられます。これは個人的な肌感覚ですが、ユーザーや顧客を見てプロダクト開発する環境になっていない会社が非常に多いと感じています。

ただ、これはデザイナーだけで推進して変えられるという話でもないんです。プロダクトやサービスは複合的なものですし、複数のロールが関わって形成されていくもの。組織全体でユーザーや顧客のインサイトやフィードバックをきちんと取り込んだ形でモノづくりをしていくためには、デザイン投資の考え方が非常に効果的だと思っています。

もうひとつはブランドへの寄与です。ブランディングは基本的に経営と直接繋がってくるものだと思っていて、経営者が考えてるビジョンや実現したい世界を具体化し、プロダクトやサービスに落とし込む際、デザインによってできることは多々あります。

ブランディングに寄与できるかどうかは戦略上、デザインをどう扱っているかに接続されてきます。デザインのプライオリティを下げているということは、結果的にユーザーや顧客を見ずにブランドを考えていることになるので、どこかで歪みが生まれてしまいます。

どれくらい投資するのか、どれくらいリソースをかけるのかといった判断がデザインに対しても行われていくべきですが、それらをハンドリングしたり、意思決定したりできるデザイナーが内部にいないという問題もあります。であれば、代替する役割を本来は立てていかなければいけないのですが、そんな簡単な話でもありません。「デザインマネージャーを雇えますか?」と言われたら、すぐには採用できないのが現状です。であれば、デザイナーを1人採用したらいいのではないかと思いますが、それではマネジメントは機能しません。

事業や会社のカルチャーといったコンテクストをしっかり理解していなければデザイン投資を推進できないのですが、それができるデザイン人材の母数も少ないのです。だからこそ、rootのように外部のパートナーとして入りつつも、持続的に組織のカルチャーや文化を深く理解していき、内部にデザイン組織の体制やデザイン投資に対する考え方を残していけるような取り組みが必要なのではないかと思っています。

──短期的な成長を意識しながらも、長期的な目線を持ってデザイン投資を推進していくというのは、なかなかバランスを取るのが難しい気もします。

はい、なかなか難しいと思います。事業は短期的な成果に目が向きやすいですし、そこにフォーカスされやすく、もちろん重要でもあります。ただ、それだけをやってると、結果的に歪みがどんどん大きくなっていってしまうんですよね。一定の成果が出て、これからグロースしていくというタイミングで、 資産になるアセットに投資していかなければ事業は軌道に乗っていきません。結局、事業と組織は連動しているので、事業をつくる人たちがどう機能していくのかで、事業がスケールしていくのかも決まっていく。ここにデザインを扱う組織体制やデザインアセットをしっかり整えていく、作っていくということが必要になるのかなと思います。

スタートアップでよく起こりがちな問題として、グロースフェーズへ入っていく段階で社内に業務委託のデザイナーが1人しかいないというものがあります。その状態から、デザイン投資に力を入れていきましょうと言っても遅いんですよね。組織の文化やカルチャーも形成されており、その時点でのデザインに対する認識も表層的なものをつくる、見た目を整えるといったものになっているので、その認識をひっくり返すところから始めなければいけない。これをやっていくのは、なかなか大変なことです。

そのため、rootではグロース前のPMF(プロダクト・マーケット・フィット)のタイミングから入り、グロースフェーズに入る前から先手を打ってデザイナーがパフォーマンスを発揮するための環境や仕組みの形成を支援するようにしています。これが、デザイン投資の一歩目になってくるのかなと思っています。

rootが実践する「デザイン投資」3つの取り組み

──デザイン投資に関しては、root内ではどのような取り組みをされていますか?
クライアントのデザイン支援品質を高めるために、rootが行う3つのデザイン投資は、「人材の採用」「人材の育成」「ナレッジの運用設計」です。

rootは、外部にあるデザイン組織のような位置付けで組織づくりを行っています。
デザイナー個々の属人的な能力による支援ではなく、組織立ってデザイン支援を推進するために必要なものとして、この3つに注力をしています。

rootの現フェーズでは、クライアントの支援をより強化していくためこのデザイン投資にコミットできるメンバーを注力して採用しています。

──人材の採用については、いかがでしょうか。

個人的には、業界内で人材を流動化させることが大事だと思っています。インハウス化が進んでいく中、最近は事業会社の人気が高くなりつつあります。

ただ、事業会社の中で取り組んでることは、その会社の中ではアセットになりますが、そこから外へ出していくのはなかなか難しい。例えば、デザイン環境が整っているような会社の中でデザイン投資を推進し、経営や組織レベルで導入でき、いい関係を作れたとします。それを推進した人が事業会社の中にとどまり続けるのは、業界視点だと恩恵を受けづらい構造になると思っていて。それはデザイナー人口の偏りを考えると、なおさらです。

一定の経験を積んだ人が他の環境に移ることが、もっと流動的に起こっていかないと、業界全体でノウハウの流通などが起こらない状態になってしまいます。rootとしては、一定の経験を積んだ人に入ってほしいという思いがあり、特に事業会社ではたらいたことのある人はすごく相性がよく、親和性が高いと思います。

1社グロースさせた経験やデザイン投資をしっかりやって成長させた実績があれば、それを応用したり、他の会社で複数展開したりすることは、rootの中で実現できます。これまでの経験を掛け算で活かしていけるような環境はあるので、一定の経験を積んだ人を採用し、多くの会社でその経験とrootのナレッジを掛け算することでクライアントの支援レベルを高めていけたらと考えています。

──2つ目の人材の育成について、教えてもらえますか?

人材の育成に関して説明すると、これまでのデザイン業界は職人型のイメージが強く、1人のプレイヤーが職人的に物事を動かしたり、形成したりする側面がありました。

ただ、今はデザイナーがインハウス化されていく中で、複数人のデザイナーが組織に在籍し、チームでパフォーマンスを出していくことが求められる構造に変化しつつあります。なおかつ、figmaのようなデザインの過程、工程をオープンに見えるようにするツールも出てきていて、他者とコラボレーションすることが前提になってきています。

デザイナー以外の職種とも繋がって仕事をしていくことが当たり前になっており、デザイナーに求められる役割や能力もコラボレーションありきのものに変化してきています。
そのため、組織でマネジメントしたり、チームでコラボレーションしたりといったことを活性化できる人材が求められるようになっています。そういった人材をどんどん増やしていかなければいけないのですが、自然と生まれてくるわけではありません。

rootとしては、デザイン業界内で求められてる能力水準や要求に応えられる人材を育てていくことが必要だと思っているので、そのための仕組みやプロセスを構築をし、運用するといったことに取り組んでいます。今はまだ内部での取り組みになっていますが、最終的にはノウハウを外にどんどん出していきたいと考えています。

──3つめのナレッジの運用についても、教えてもらえますか?

ナレッジの運用に関しては、体系化されたノウハウやフレームワークをつくりましょうというよりは、それぞれのプロジェクトの中で経験してることやぶつかっている壁などをできるだけ言語化し、見える化しています。

プロジェクトの過程で何をやったかは、意外と属人化され、暗黙知になりやすいんですよね。rootではたらいているデザイナーの多くも、プロジェクトの過程で課題が起こってたり、悩みが生まれていたりします。ここをできるだけ見える形にし、課題や悩みに対してどう対処していくのかを、知識のある人が勉強会をしたり、メンタリングしたりして解決していく。

もしくは、同じレイヤーのデザイナー同士で横のつながりをつくり、問題解決していくという方法もあります。個人的には、人と人が繋がることが一番重要だと思っていて。全部を体系化し、言語化していくよりは、コンテクストや文脈を含めて渡していくとなったときは、人が語るのが最も効果があります。

見える化された課題や悩みを経験してきた人と、その課題や悩みの解決策を求めている人がちゃんと繋がる仕組みを設計できてるかが肝かなと思ってます。これを将来的に拡張していくことも考えたときに、内部のフルタイムメンバーだけで運用していくというよりも、rootの中には複業メンバーやコラボレーター(業務委託)にも入ってもらっていることもり、外からいろんなノウハウを持ってこれる構造がつくれています。

ナレッジの運用をきちんと回していく仕組みが構築できると、結果的にはrootの中だけにノウハウが閉じない状態をつくることができ、それを循環させることができればデザイン業界全体に対して、ノウハウやナレッジが波及していけると考えています。

事業を牽引できるデザイナーも将来的には増やしたい

──最後に今後の展望についても教えてください。

デザイン投資を推進できるデザイナーを増やしていくこともそうですが、その先に事業を牽引できるデザイナーを増やしたいという思いもあります。自分はもともと、スタートアップで立ち上げをずっとやってきたこともあり、立ち上げフェーズに回帰していくデザイナーの数を増やすことが今後は大事だと思っているんです。

まだ、業界内ではゼロイチの構想しかない創業フェーズから入っていき、事業を立ち上げられるデザイナーの数が少ない。デザイン組織をつくったり、事業をドライブさせる経験をした次に求められるのは、ゼロイチの経験。不確実性が高く、リスクの高い領域に入っていけるデザイナーの数が増えてくると、業界全体も面白くなると思います。

とはいえ、リスクが高すぎるあまり、みんな入っていけていないのは分かっているので、もっとチャレンジしやすくなるような機会や環境は増やしていきたいと思っています。
rootではゼロイチの創業フェーズをはじめ、さまざまなフェーズや規模のプロジェクトへデザインの支援を行っており、新しいステップへ挑戦できる環境を整えている最中です。
それらの事業の関わりを通して、事業を牽引できるデザイナーの数をもっと増やしていきたいと考えています。

rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!

私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指しています。

共に、クライアントと事業の本質(芯)を見いだしながら、事業本来の価値をユーザーに届け、デザインの根源的な力を個から組織・事業へと広げることで、世界をより良く前進させていきたいという方!
ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか?ご連絡お待ちしています!



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