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iCAREが「BtoCではなく、BtoBのヘルスケアスタートアップ」である理由

この度、株式会社iCARE(以下、iCARE)は資金調達を実施しました。その舞台裏として、この記事では、代表取締役CEO山田洋太の言葉でiCAREの事業領域について紹介します。



iCAREの山田です。
2022年1月末をもってシリーズEラウンドとして、総額19億円の資金調達をしました。前回のシリーズDラウンド(総額15億円)が2020年12月に実施しましたので、約1年での新たな調達が実現しました。このスムーズなファイナンスはiCAREの仲間ひとりひとりが尽力し、投資家の皆さんとともに同じ世界を夢見て、事業拡大が出来ている証です。同時にこの1年間で、多くの人事や産業医、産業看護職といったユーザーの皆様から喜びの声やご要望、感謝の言葉を頂き、私たちにとって大きな力となりました。
iCAREがこの1年間で何が大きく変わったのか、そしてこれからの未来をどう開拓するのかを、事業領域の視点でここに書きます。その他、事業成長の度合いやカルチャー、財務、システムプロダクトについては、COO石野やCRO中野、CFO加藤、CTO荻野からnoteに綴っていきますので引き続き御覧ください。


  • Purpose「働くひとの健康を世界中に創る」
    • Purposeを最短で実現するために必要なこと
    • 提唱し続けてきたカンパニーケアの重要性
    • 産業保健でも言われ続けた。5管理でもっとも重要な作業環境管理
  • 拡張する「働くひとの健康」という定義
    • “企業が”働くひとの健康を創る手法
  • これまで注力してきた事業領域とこれから
    • Carelyファイブリングスの左側領域「嫌われないエリア」
    • Carelyファイブリングスの右側領域「好きになるエリア」
  • 最後に、iCAREは採用しています。

Purpose「働くひとの健康を世界中に創る」

長らくiCAREでは、VISIONとMISSIONの二本立てで私たちの事業を説明してきました。

VISION「働くひとと組織の健康を創る」
MISSION「カンパニーケアの常識を変える」

つまり、何をどうやって健康を創るのか?といったWHATとHOWを説明していたのですが、「なぜiCAREは存在するのか?」のWHYへと置き換えることで、シンプルに私たちの存在意義を表せるようにしました。

Purpose「働くひとの健康を世界中に創る」

一貫して変わらない文言がありますね、そう「働くひとの健康」です。「健康」という単語が表す通り私たちの事業はヘルスケアスタートアップです。しかし、「働くひとの健康」となればとてもユニークなヘルスケアスタートアップが生まれます。

- Purposeを最短で実現するために必要なこと

ヘルスケアスタートアップと言えば、治療アプリやオンライン医療、AI問診、AI診断を思い浮かべることが多いでしょう。これらは医療機関と患者を繋ぐものや医療機関での業務効率化・質向上といったメディカルケア領域を主としたサービスです。他方で、医師への相談サービスやオンラインフィットネス、生活習慣病予防アプリといったセルフケア領域を主としたサービスも思い浮かぶでしょう。

ヘルスケアスタートアップの事業モデルは、こうしたB to CやB to B to Eモデルがイメージされやすいのですが、iCAREはそのどれにも当てはまりません。B to Bに特化したユニークなヘルスケアスタートアップなのです。

iCAREとは、Purposeを最短で実現するために、サービス提供者である私たちが働くひとに直接アプローチするのではなく、働く環境である「企業」を変えることであると信じている会社なのです。そして、メディカルケア領域でもなく、セルフケア領域でもない、カンパニーケア領域における様々な「不」を解消するサービスモデルがCarelyなのです。


- 提唱し続けてきたカンパニーケアの重要性

当たり前のようにカンパニーケアの重要性を訴えてきましたが、実は「カンパニーケア」とはiCAREが独自で提唱している概念です。健康を創る「場」を切り口にしたときヘルスケアサービスを3つに分類できます。

① 医療機関による治療で健康を守るメディカルケア
② 能動的な行動で健康を勝ち取るセルフケア
③ 働く場所、つまり企業が健康を創るカンパニーケア

これらのいずれかが欠けても健康は創られません。たとえ働くひと自身がどれだけ健康になりたいと願っていても、企業にカンパニーケアが存在しなければ働くひとの健康はいともかんたんに損なわれてしまうのです。

この考え方は、社会的決定要因(SDH:Social Determinants of Health、 SDOH)そのものです。

SDHは、1970年代から海外の医療健康政策で提唱されるようになり、2000年前後から普及してきた概念です。SDH以前では、不健康の原因は本人の習慣や行動が怠けていることであるので、保健指導で動機づけして行動変容を起こすことで健康に向かわせようとする取り組みが主流でした。さらには、遺伝子分析によって将来の疾病予測をし、その人に合った行動変容を促そうとするヘルスケアサービスも組み立てられてきました。

ところがSDHでは、その人の不健康を引き起こす原因の半分以上は社会的な要因によって生じていると考えます。例えば喫煙者にとって禁煙という行動変容が難しい理由は、上司が喫煙者であったり、社内コミュニケーションが喫煙所で行われていたり、容易に喫煙場所へアクセスできるといった環境そのものにあるということです。

- 産業保健でも言われ続けた。5管理でもっとも重要な作業環境管理

SDH、あるいはカンパニーケアという概念は、保健指導や行動変容への動機付けを否定しているわけではありません。働くひとへの直接的なアプローチに加えて、働く環境が変わることでより多くの働くひとの健康が創れると信じているのです。


▲iCARE主催の産業医養成講座より引用

産業医や産業看護職として企業の健康管理に尽力されてきた方々には理解してもらえると思います。産業保健における鉄板のフレームワークと言えば5管理です。この5管理の中でも3管理(作業環境管理、作業管理、健康管理)が重要であり、さらに最も本質的な問題解決になるのは、作業環境管理だと教えられてきました。

産業保健における5管理は経験則から生まれたフレームワークだと思いますが、SDHや私たちが提唱するカンパニーケアの概念にも通じているのです。

拡張する「働くひとの健康」という定義

Purposeである「働くひとの健康を世界中に創る」を最短で実現するためには、”企業が”働くひとの健康を創ることが重要です。そして、iCAREは企業を支援するスタンスだからこそBtoBのヘルスケアスタートアップなのです。

この信念は私がiCAREを創業した10年以上前から変わりません。一方で、働くひとの健康を取り巻く社会情勢はめまぐるしく変わり続けています。

産業革命によって成立した資本主義社会において、労働者と使用者は利益追求のための上下関係が成り立っていました。その後、情報革命によってひとりの労働者の声が社会全体と共有されるようになり、労働者と使用者の関係性は一変しました。企業として持続的な事業成長のためには、社会から支持されることが不可欠な時代となったのです。

そして、企業が社会から支持される中心的な取り組みが「働くひとの健康創り」です。健康とはどの時代どの文化においても大切であるという共通概念ですので、グローバルではESG投資が、日本国内では健康経営に取り組む企業が支持を集めているのです。

- “企業が”働くひとの健康を創る手法

ところが、企業が働くひとの健康を創りたいと思っても様々な壁が立ちはだかります。
・働くひとの健康情報がばらばらにあって、現状整理も従業員ニーズも見えていない
・企業の人事施策が散らかっていて、どの施策が誰に利益あるものか分からない
・データ活用できず、働くひとの健康づくりの施策が当てずっぽうになっている

これらはゴールである「働くひとの健康」の定義があいまいであり、数多ある健康へのアプローチを整理・分類することができないために発生していました。

そこでiCAREでは企業が働くひとの健康を創る手法を包含したフレームワークを Carely Sustainable Expo 2021 において発表しました。これを「Carelyファイブリングス」と呼びます。


Carelyファイブリングスが定義する5つの健康や、その使い方については以下のスライドと解説記事をご覧ください。まだまだ産声をあげたばかりのフレームワークではありますが、健康経営に取り組む経営者・人事担当の方々からは、「わかりやすい」「やりたいことが整理された」という声をいただいています。




これまで注力してきた事業領域とこれから

iCAREは「企業が働くひとの健康を創る」ことを支援するBtoBヘルスケアスタートアップであることに変わりありません。しかし、Carelyファイブリングスを発表したことによってiCAREの事業領域は拡張することになります。

- Carelyファイブリングスの左側領域「嫌われないエリア」


iCAREが起業した事業領域は、Carelyファイブリングスの左3つの健康を創ることでした。

① 安全と衛生 / Health and Safety
② 健康増進 / Health Promotion
③ 働きやすさ / Work Environment

これらの健康が不十分だと、職場内の危険が放置されて労働災害が発生したり、同じ職場で働く他人の行動によって病気を患ってしまうといった、「会社が嫌われる要因」になります。

日本では歴史的な背景から、法律やガイドラインによって企業が取り組まなければならないことが事細かに規定されています。近年では、ストレスチェックの実施義務や働き方改革、ハラスメント防止法などのように毎年のように法改正と義務が重なっており、作業だけがどんどん増えてしまい非効率性が人事の大きな課題となっています。

iCAREのサービスモデルであるCarelyは、こうした健康管理における「マンパワー不足」や「不十分なデジタル化」を解消できるクラウドサービスとして高い評価を得てきました。これからもワンクリックで働くひとの健康管理が充実するようにプロダクトとサービスの進化が問われています。

- Carelyファイブリングスの右側領域「好きになるエリア」

今後、iCAREが数年以内に充実化する事業領域が、Carelyファイブリングスの右3つの健康を創ることです。

③ 働きやすさ / Work Environment
④ 働きがい / Work Engagement
⑤ 生きがい / Purpose of Life

一般的な健康の定義としては含まれないと思われますが、「企業が働くひとの健康を創る」という観点ではこれまでも企業文化の醸成や福利厚生の充実によって満たしてきた「会社が好きになる要因」です。

左側領域とは異なり、画一的なルールが定められていないため企業ごとの経営戦略や人事施策の特徴が色濃く表れてきます。ウェルビーイングを重視する外資系企業やスタートアップでは、左側よりも右側領域の健康に注力している企業が多くなっています。

右側領域の健康創りでは、企業の価値観と従業員のニーズが一致していないとせっかくの取り組みが非効率になったり、意味をもたなくなってしまう難しさがあります。例えば、一律に映画券割引きの福利厚生を提供したとしても、従業員が求めていない限り働きがいに還元されることはありません。企業として従業員一人ひとりの価値観を尊重している姿勢を表し、働くひと自身が「企業に大切にされている」ことを実感できるような従業員体験を醸成することが鍵となります。

iCAREでは健康データを活用することで、従業員体験の醸成を効率化・充実化していきます。働くひと個人が抱く「現状への不満」や「将来への不安」を収集・整理し、専門家の支援によって課題を解決していきます。

最後に、iCAREは採用しています。

以上、iCAREが「BtoCではなく、BtoBのヘルスケアスタートアップ」である理由でした。

事業領域は広がっていきますが、企業という働く環境を支援するBtoBのヘルスケアスタートアップであることは10年前もこれからも変わりません。

「働くひとの健康を世界中に創る」というPurposeの実現のためには、未だ陸地の見えない大海原が広がっています。こうしたユニークなビジネスモデルの会社で、チャレンジしたいという仲間を私たちは求めています。
きっとあなたとお会いできることを楽しみにしています。

株式会社iCARE
代表取締役CEO
山田洋太


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