■「人生の主導権は誰のもの?」理不尽な社会構造を変えたいと転職を決意
ーーHEROZ入社以前のキャリアを教えてください。
前職では、住宅設備メーカーの研究開発部門でR&D職を担当し、化学の基礎研究から統計学に基づいた機構設計、脳科学のエビデンスを基にした販売促進活動や新商品の研究企画など、幅広く業務を行っていました。 住宅設備メーカーへ就職したのは、もともと大学院時代は地球化学を研究していたので研究開発職に就きたかったということと、消費者の生活に紐づいた企業で研究できたら社会貢献を実感しやすいのではないかという想いがあったからです。
ーー希望が反映された企業だったにもかかわらず、 転職を決めたのはなぜ だったのでしょ
うか。
労働者を有能な作業者化する社会構造が現代の日系企業では傾向としてあり、個人が突出する企業文化があまり存在していないと働く中で肌で感じていました。こうした企業文化の中で長く働いていると、AIで言う過学習となって汎化性能が乏しくなり、外部では通用しない人材になります。すると転職はできず、企業から仕事をふられる状況から抜け出すことができなくなります。そんな状況下でやりたくない仕事をしたり、人間関係に悩まされたりすれば、いつか身体を壊してしまう。人生の主導権を会社に握られてしまうと思ったのです。
自分の身近にも理不尽に体を壊してしまった人がいますが、これは誰が悪いというよりも社会構造に原因があると思います。そんな社会構造を変えるために自分には何ができるか。そう考えた時に、ある仮説を立てたんです。それは、自身が学んできた統計学の知識を素地としてデータサイエンス、AIを活用し、経験則やノウハウに依存するタスクを機械により削減する。そして、テクノロジーにより企業戦略を変革し、社会全体の生産性を向上することで、個人が自分のスキルやバックグラウンドを生かして仕事ができる社会を実現できるのではないかという仮説です。
これを実現するため、R&D職で培った広い技術分野への理解を武器にAIに携わる職種へ転職しようと決めました。
■出会ったのは、プロフェッショナルが集結し、個人が裁量を持って働ける会社
ーー転職先を HEROZに選んだ理由を教えてください 。
転職の選定軸は、3つありました。まず、自分の知見がある製造業をエンパワーメントできる企業であること。それから、R&Dだけでなくビジネスの中核に携われる職種であること。そして、すでにAIで実績を出している企業であること。この3軸で探した時に、HEROZが候補企業としてあがってきたんです。
ーー入社前、HEROZに対してどんな印象を持っていましたか。
面接時に、一般的な面接で聞かれるような定型的な質問ではなく、「個人でやりたいことは何ですか?」など、僕という一人の人間をちゃんと認めてくれる質問をしてくれて、とても好印象を持ちました。また、特に印象に残っているのが、面接終了間際に元外資系コンサルタントの社員の方がキャリア相談に乗ってくれたことですね。自社以外のキャリアを勧めてくれる…これって、会社にとっては全然お金にならないことじゃないですか(笑)。でも、そんな出来事から、きっと企業の利益に固執せずに、まずは人を大事にしてくれる会社なのだと思いました。
ーー入社後は、抱いていたイメージとのギャップなどはありましたか。
感じた印象は概ねその通りでした。ただし、嬉しい誤算が2つありました。1つは、思っていた以上に過ごしやすい雰囲気だったことです。仲の良さをアピールするようなキラキラ感があるベンチャーというよりも、腰を据えたプロフェッショナルとしての付き合いができる環境がありました。2つ目は、一般的な大企業と異なり、上の人間が言うから絶対という文化がまったくないことです。社員が自分で決めていく主軸があり、それに対して上の人からアドバイスをいただくという、個人が独立して裁量を持って働ける場所だと感じました。
ーー現在の業務内容について教えてください。
お客様の困りごとをヒアリング、課題設定をし、それに対してアプローチを設定していくというコンサルティング業務。さらに、データアセスメント、PoC(Proof of Concept)や実際にシステム化が決まった案件の開発から運用支援まで、一気通貫したプロジェクトマネジメントを行う、AIビジネスコンサルタントというポジションを担っています。
ーー入社して1年経った今、どんな所に仕事のやりがいや面白さを感じていますか。
幅広い企業の方とお話しができることと自分の設計した価値をエンジニアの高い技術力を活用して一緒に創出でき、それが大きな企業利益および社会貢献につながっていく点に面白みを感じています。
また、現在メインで担当している建設業界は、ある意味マニアックな業界で、単純にロジックだけで話を組んでいくとアプローチの仕方を間違えてしまうことがあります。そうならないために必要なのが、業界のドメイン知識や業務知見。それをキャッチアップして、丁寧に議論をしていくように心掛けて仕事をすることでクライアントから評価をいただけることは、1つのやりがいになっています。
個々の強みを大切にしてくれる人と環境によって培われたのは、「Give」の精神
ーー一緒に働く職場のメンバーはどんな方達でしょうか。
バックグラウンドもまったく異なる、いろんな所に軸がある人達がたくさんいるので、自分のバックグラウンドを武器にして仕事をしていくのは重要だということを改めて思いました。会社としても、尖っている人を取りたいという人事ポリシーがありますし、個人の得意とする分野や一面をとても大切にしているカルチャーがある会社だということは、働くメンバーを見ていても感じますね。
ーーHEROZの強みや魅力は、どんな所にあると思いますか。
一つに、エンジニアのレベルの高さがあると思います。それから、自分が設計した価値に対してエンジニアが検証および開発する分担のため、ビジネス職は価値の全体像を描き切ることにリソースを集中でき、価値設計業務にちゃんと専念できるのも魅力ですね。また、ジョブローテーションも基本的にはないですし、能力といった期待役割こそ昇級の近道という方針なので、定型的な出世ルートはありませんが、自分で選んだキャリアを邁進できるのはいいと思います。
ーーそんな環境の中で、自分が一番成長したと感じるのはどんな所ですか。
入社時、ビジネススキルはほとんど持っていなかった状況でしたが、入社してスキルは強化されてきたと思います。データ活用人材に必要なスキルセットとして、ビジネス、データサイエンス、データエンジニアリングの3要素が必要と一般的に言われています。この3つのレベルが、挑戦できる機会やまわりの人達のおかげで少しずつ底上げされてきているように感じています。
ーー自分の内面的な変化を感じる部分はありますか。
末っ子長男ということもあり、これまでは割と人から与えられてばかりの人生でしたが、「Give」の精神が育ってきたと思います。それは、職場の皆さんのアドバイスや、キャリア相談に乗ってもらった経験から感じるようになりました。自分も身近な人に「Give」できる人間になりたいと思うようになりました。
■HEROZは、誰もが自分の強みを生かしてヒーローになることができる場所
ーー今後、どのようなキャリアアップを考えていますか。
接点のある担当部門だけではなく、後々はクライアント全体をテクノロジーを用いてどのように変革すべきかという戦略の全体像を高解像度で立案できるようになりたいです。
ーーこれから、HEROZにはどんなメンバーに入ってもらいたいですか。
まず、必要条件でいえば、何かしら強みを持っている人です。それから、自分から何がしたいかを言える人であることは重要だと思います。そういうことができる人にとっては非常に働きやすい環境なので。あと望むなら、例えば、テクノロジーを使って世界を変革したいけれど、実現するのに自分だけでは足りないと思っている人。HEROZは、技術力の高いエンジニアの力を借りて、自分がやりたいと思ったことを一緒に形作っていくことができる会社です。やりたいことがある人にとっては非常に力強い存在になると思います。
人のスキルの生かされ方は、環境に依存することが大きいと思いますが、会社の言葉を借りると、HEROZには「どんな人でもヒーローになれる」環境があります。自分がヒーローになれる武器は何なのかを考えた上で入社されるのがいいのではないかと思います。強みを人に見つけてもらうこともできるので、まずは気負いせずに挑戦していただきたいです。