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こんにちは、HENNGE採用担当の貝沼です!
今回の記事では、広告代理店で長年キャリアを積んだのちにHENNGEに転職し、現在はクリエイティブディレクターとしてブランディング業務全般を担う古野さんにお話を伺います。
HENNGEのブランディングチームは、4名で構成される少数精鋭チームでありながら、担う予算は年間数億にのぼります。
今回は古野さんへのインタビューを通じて、HENNGEのブランディングチームの仕事内容や、広告代理店と事業会社のブランディングポジションの違いを紐解いていきます!
古野 照雄(ふるの てるお)
Corporate Communication Division, Design Management Section
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。広告プロダクションでのグラフィックデザイナー業務、広告代理店でのアートディレクター・クリエイティブディレクター業務を経て、2023年9月にHENNGEにジョイン。現在はクリエイティブディレクターとして、広告だけでなくCI・イベント・ノベルティなど幅広くブランディング業務に関わる。
広告業界での15年以上のキャリアを経て、一つのブランドに向き合う道へ
──まずは古野さんのこれまでの経歴と、HENNGEに入社した経緯を教えてください。
古野:僕は美大卒業後、新卒で広告の企画制作を行うプロダクションに入社し、主にグラフィック広告の制作を行っていました。
30歳で広告代理店に転職してからは、アートディレクター・クリエイティブディレクターとして、キービジュアルやCMの制作、商品パッケージのデザインなど様々な業務に携わりました。また代理店時代は、知育絵本やオーダーメイドお守りなど、社外で新たな事業の立ち上げも行い、海外の広告賞を受賞したりもしていました。
HENNGEと出会ったきっかけは、LinkedIn経由でオファーをもらったことです。HENNGEはこれからブランディングに力を入れていくフェーズにあり、僕の経験を強く必要としてくれているのが伝わってきたことと、カジュアル面談で社員の方の人柄の良さに惹かれたことから、入社を決めました。
──他にはどんな点に魅力を感じたのでしょうか。
古野:代理店で様々なクライアントを同時に抱え、一つのブランドに集中できないもどかしさを感じたことや、自分で事業を立ち上げた際にブランドを育てる楽しさを知ったことから、事業会社で一つのブランドに根幹から関わり、育てることに挑戦してみたい、と純粋に思ったんです。
また、社内公用語が英語であることも決め手の一つでした。僕はビジネスシーンでも英語が使えるようにと、数年前から独学で英語の学習を進めていました。とはいえ自分の英語力がどの程度通用するか不安な面もあったので、公用語が英語でありつつも業務が全て英語で行われるわけではなく、場面に応じて日本語と英語を使い分けることができるHENNGEの環境は、自分にぴったりだと感じました。
入社数ヶ月で、主力製品のリブランディングプロジェクトをリード
──HENNGEでの、古野さんの仕事内容を教えてください。
古野:主にコーポレートブランディングと、主力製品であるHENNGE Oneのブランディングに携わっています。
最近取り組んだ大きな仕事としては、HENNGE Oneのリブランディングが挙げられます。これまではデザインやコピーがきちんと統一されていなかったところから、HENNGE Oneとしてのブランドイメージを正しく打ち出せるデザインへとアップデートを行い、ガイドラインも整備しました。
プレゼン用のスライドやパンフレット、イベントブース、ノベルティなど、あらゆる資料やアイテムにリブランディング後のデザインを反映する作業も、同時に行いましたね。
──全社に影響のある、一大プロジェクトでしたよね。
古野:そうですね。リブランディングにあたっては、社内の様々なメンバーにHENNGE Oneについてヒアリングし、その特性やブランド像を明確化したうえで、デザインを練っていきました。
具体的には、HENNGE Oneの「いろんなトライを繰り返しながら進化し続けるセキュリティシステム」という特性を表現するために、ブルー系のカラーリングで統一したデザインをつくりました。
HENNGEは、「アーリーアダプターであり続けるために、青い果実を食べる」というバリューを掲げています。そこには、「未成熟な果実である新たな技術を積極的に取り入れ、時には失敗しながらも、果実の最適な食べ方をいち早く導き出してお客様に届けよう」という意味合いが込められています。
ブルー系のカラーを使うことで、そうやって青い果実を食べ続け、進化し続ける様子を表現しました。
代理店と事業会社の違いは、スピード感・当事者意識・業務範囲
──前職の広告代理店と事業会社の違いは、どんなところに感じますか?
古野:冒頭で挙げた抱える案件数の差に加え、プロジェクトが進むスピードにも大きな違いを感じます。
代理店では検証案も含めて案を複数つくって提案する必要がありますが、事業会社の場合は自分の信じた一案だけで押すことができ、さらに意思決定者に直接交渉できるので、スピードが断然速いです。
また、代理店の場合は依頼されたものをつくりますが、事業会社では「何が必要か」から自分で考え、やるべきことを提案していかなければならない点も、大きな違いだと感じます。
──事業会社で働く面白さや大変さについても教えてください。
古野:代理店時代は、最終決定権とその責任はクライアントにありましたが、事業会社では何かあれば全て自分に跳ね返ってくるため、一つ一つの決断にすごく重みがあります。もちろんプレッシャーもありますが、その分本気になれますし、良いインパクトを生み出せた時には大きな喜びがあります。
また、様々な経験が積めることも魅力の一つです。入社前は「事業会社のブランディング担当は、狭く深く仕事をするものだ」と思っていましたが、実際は全く違いました。製品自体のUIのディレクションや、社内外で使用されるワードの整理など、代理店ではやらないところまでやるので、むしろ担当する仕事はとても幅広いと感じています。
大変な点は、やることが無限にあることでしょうか。代理店の時は業務範囲がある程度決まっていましたが、事業会社では自らやるべきことを考え、取り組み続けなければなりません。その点は、慣れるまではしんどさもあると思いますね。
──他の事業会社と比べた、HENNGEのブランディングチームのユニークネスはどこにあると思いますか?
古野:最大の特徴は、裁量権の大きさだと思います。HENNGEでは現場に大きな裁量権が与えられており、ボトムアップで施策を提案・実行することができます。
加えて、多額の予算を使える点も大きな特徴です。HENNGEは現在業績が好調で、ブランディングには億単位の予算が割かれています。「これだけの予算があるんだから、面白いことができなきゃダメだな」と思えるほどの額なので、自分が試されている気がしますし、頑張ろうと背筋が伸びますね。
事業会社で働く僕の知人のなかには、裁量権や予算の問題で自分のやりたい案を通せずストレスを感じている人も多いので、この二点は他社との大きな違いだと思います。
──クリエイターの方々の中には、広告賞を目指して仕事をしている人も多いと聞きます。事業会社では広告賞は狙いづらいとも言われているそうですが、HENNGEの環境はどうですか?
古野:これまでお伝えした通り、HENNGEのブランディングチームには裁量も予算もあるため、広告賞を目指しやすい環境が整っているのではないでしょうか。
ちなみに僕の入社前ですが、HENNGEは過去にHENNGE OneのUI/UXデザインでグッドデザイン賞を受賞しています。もちろん賞を取ることだけが目的ではないものの、僕も「賞が取れるぐらい面白い施策を考えよう」という気持ちで仕事をしています。
──古野さんはブランディングチームでの業務以外にも、別の部署と協働して様々なプロジェクトに取り組んでいる印象があります。
古野:ありがたいことに、日々様々な相談をもらっています。
例えば人事の組織開発チームから「行動指針を社内で浸透させるいいアイデアはないか」と相談された時は、「ドンジャラ」をアレンジした「ヘンジャラ」というボードゲームをつくりました。
ヘンジャラは、HENNGEの9つの行動指針「HENNGE WAY」がプリントされた牌を使い、ドンジャラと同じルールで遊べるゲームです。
増床したオフィスフロアについても、経営陣から「メンバー間の自然な会話が生まれる空間にしたい」という相談をもらい、壁の色や什器のディレクション、会議室の名前決め、エントランスのロゴマークデザインなどを担当しました。
──クリエイティブの力を使って、組織の課題解決にも寄与しているんですね。
古野:僕は、クリエイティブは単に何かをかっこよくおしゃれにするものではなく、課題解決の手段だと考えています。だからこそ、社内の様々な課題解決をクリエイティブの側面からサポートすることで、「デザインはこうやって活用できるんだ」とHENNGEのメンバーにも知ってもらえたら嬉しいです。
こんな風にクリエイティブの力を活かせるのも、事業会社だからこそだと思います。
前例のないチャレンジを後押しし合う、4名の少数精鋭チーム
──ブランディングチームのメンバー構成やカルチャーについても教えてください。
古野:ブランディングチームには僕を含めて4名が在籍しており、マネージャーが1名、僕ともう一人がクリエイティブディレクターとしてデザイン周りを、ウェブやデジタルに強いもう一人がウェブ周りを担当しています。
カルチャーとしては、僕のチームに限らず全社共通ですが、失敗を歓迎するカルチャーが特徴的だと思います。HENNGE WAYには「Eat Unripe Fruits(挑戦しよう。失敗から学ぶために。)」という項目があり、打ち合わせの際も「Eat Unripe Fruits、やりましょうよ!」という言葉と共に、前例のない新しいアイデアを後押しし合う光景がよく見られます。
──どんな方にチームに加わってほしいですか?また、どんな方が活躍できると思いますか?
古野:ブランドを育てたいという情熱を持っている人でしょうか。ブランドの育成には、自分の子供を育てるような気持ちで取り組む必要があり、妥協が許されないため、時にはしんどさもありますが、その分本気で取り組むことができます。そうして真剣に仕事と向き合い、苦楽を共にできる仲間になってくれる方と、一緒に働けたら嬉しいですね。
活躍できるのは、変化を楽しめる人だと思います。HENNGEの社名は「変化(HENNKA)」と「チャレンジ(CHALLENGE)」を組み合わせたもので、社内には変化に挑むカルチャーが根付いていますし、実際に変化が多い環境です。そうした環境を楽しめるマインドを持っている人が、HENNGEには合っていると思います。
業界のイメージを覆すような斬新な取り組みにチャレンジし続ける
──古野さんの考える、ブランディングチームが目指す方向性についても教えてください。
古野:個人的には、「企業やプロダクトに対して、関わるすべての人が共通のイメージを持てる状態をつくること」がブランディングのゴールだと考えています。そのためには、まずは社内で共通のイメージを形成することが不可欠です。
冒頭で紹介したHENNGE Oneのリブランディングも、「HENNGE Oneって、どんなプロダクトなんだっけ?」と考えたとき、古参メンバーも新入社員も関係なく、皆が立ち返れる北極星のような場所をつくろうという意識で取り組みました。
組織の拡大に伴い、現在HENNGEには新しいメンバーが多く入ってきています。メンバー間で製品やカルチャーの理解度に差が生まれやすいフェーズだからこそ、「皆が立ち戻れる北極性をつくる仕事」により積極的に取り組んでいく必要があると考えています。
──最後に、古野さんの今後の展望を教えてください。
古野:常に新しいチャレンジをし続けたいです。
こう思えているのは、HENNGEという環境から受けている影響が大きいと思います。HENNGEは予算も潤沢にあり、メンバーも若くてエネルギッシュな人たちばかりなので、自然と「こんなに恵まれた環境にいるのだから、頑張ろう」と思える環境なんです。
直近では、BtoBやセキュリティ事業のイメージを覆すような斬新な取り組みを行い、他社に真似されるような広告やブランディングを展開していきたいと思っています。
──「セキュリティ事業=硬い」というイメージがあるので、面白い施策を仕掛けられたら、いい意味でギャップが生まれそうですよね。
古野:そうですね。セキュリティ系の製品は、製品に対する信頼感や安心感が重要になるため、真面目で誠実な表現を使ったり、有名タレントを起用したりするのがプロモーションの定石になっています。
そのためユニークなアプローチができれば、飛び抜けて目を引ける可能性があります。社外のクリエイターも巻き込みながら、業界のイメージを覆すような面白いアイデアを具体的な施策に落とし込み、実行していきたいですね。
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Edit by 高野優海
Photo by Yui Sasaki