ハッカズークは『退職で終わらない「企業と個人の新しい関係」を実現し、退職による “損失” のない社会を作る』をビジョンに、「アルムナイ(企業の退職者/卒業生/OB・OG)」という領域でサービスを提供していて、今までに累計2.6億円の調達をしているスタートアップ企業です。
具体的にはアルムナイ特化型のSaaSシステム「Official-Alumni.com」と、企業とアルムナイの関係を構築するためのコンサルティングサービス、オウンドメディア「アルムナビ」などを展開しています。
そんなハッカズークに、2022年1月にアルムナイ・リレーションシップ・パートナーチームにコンサルタントとして入社した大森さんに、ハッカズークに転職した理由などを聞いてみました。
「クライアント向けに仕事をしたい」「専門としては人事領域で勝負したい」という想い
---ハッカズークに入社するまでの、大森さんの経歴を教えてください。
大学卒業後に食品関連の会社に入社して、法人営業を5年経験しました。
その後、専門的なスキルを身に付けたいという思いから、人事職でIT企業に転職しました。採用、教育、人事企画を中心に幅広く実務に関わりました。成長途上の企業だったので、まだ30歳前後であっても裁量を持ちながら自ら判断していくことを経験できたのは大きかったですね。
最終的には管理職として部門をマネジメントしながら、人事戦略にも関わることができました。会社の意思決定に繋がるプレッシャーを感じると共に、自分の考えていることが形になっていくことが大きなやりがいになっていました。
そして、もっと色々な企業に対して戦略的な人事の支援をしたいという思いを持つようになり、33歳の時に前職のタナベ経営に人事コンサルタントとして転職をしました。
---ここでまた大きなキャリアチェンジがあったんですね。
そうなんです。営業から人事へ、そして人事からコンサルへと大きな変化でした。ただ、この頃に自分の軸足ができてきた感がありました。「クライアント向けに仕事をしたい」「専門としては人事領域で勝負したい」という想いです。
キャリアは色々と変化をしているものの、その2つの軸足を考えると、経験してきたものが全て繋がって今に至っていることになります。
しかし、人事からコンサルへの転職では必要となる知識が大きく変わり、経営全般を理解するために、インプットの領域が大きく変わりました。ただ、クライアント企業に貢献したいという一心で取り組んでいると、辛いという感覚はなく、むしろ面白いという思いで取り組んでいましたね。
周囲のプロ意識も高く、色々な業種や規模のクライアント企業に対するコンサルティングはスピード感と熱量がすさまじく、どんどんのめり込んでいきました。気が付けば当時では最短となる、3年ちょっとで部長職に昇進していました。
役職や年齢と共に高まる危機感。「自分の力で事業を成功させる力」を身につけたかった。
---上場しているコンサル企業で順調なキャリアを築いていたんですね。
よくそう言われていましたね。実際に、仕事はやりがいもあって面白かったし、不満があったわけではないし、良いキャリアを築いていたと思います。一方で、若手社員から「大森さんは、人生上がりですね!」と言われて、「あれ?俺はもうこれで終わってしまうのか?」と、逆に違和感も感じていました。
最終的には8年間在籍して、パートナーにまで昇進し、書籍の執筆など多くの経験をさせて頂きました。しかし、役職を頂いたり、年齢を重ねるほどに「安泰」という印象とは真逆の感覚になりました。
---真逆というと、危機感が強くなっていったということですか?
そうなんです。人生100年時代と言われ、定年延長の流れや労働力人口の不足を考えると、我々世代は70歳、80歳まで仕事をすることが当たり前になってくる。そうなると、40歳を過ぎた自分はこれから最低でも30〜40年は仕事をしていくので、現時点では折り返しすらしていないわけです。
さらにビジネスのサイクルは30年と言われていることからも、このままキャリアのゴールという発想を持つことは非常に危ないと感じました。ちょうど「45歳定年」「リスキリング」等が話題にもなっていますが、大きく変化をするためには、自分で環境を変えていくということが当然のように感じたんです。
その時に、様々な選択肢がある中で「自分の力で事業を成功させたい」という想いから、スタートアップへの転職という決断に至りました。
前の職場は上場企業であり、歴史も長いことから自分だけの力ではなく、組織の力としてお客様からの信頼を得られる環境ができています。それは経営としては大正解なのですが、「自分の力で事業を成功させる」という私にとって必要な経験を得るためには、あえて厳しい環境に進んで行くという選択をしました。
(ウェビナーで話す機会も多い大森さん)
事業を創る原点がここにある!と思った
---そこでハッカズークに転職した経緯を教えてください。
代表の鈴木とは実は約2年半前から知り合いだったんです。
当時、日経新聞に掲載されていた「アルムナイ」の記事を読んで、面白い事業をしている会社があるなと思ったことがきっかけです。通勤電車で記事を読んで、その日のうちに私から直接アポイントのメールをハッカズーク宛に送りました。「記事を読んで興味を持っているので話を聞かせてください」と。当時は、ハッカズークに転職することは全く考えておらず、アルムナイの考え方に共感して、純粋に事業の話を聞きに来ました。
そして、自分自身が転職ということを考え始めたときに真っ先に頭に浮かんだのがハッカズークでした。
---どのようなところに面白みを感じたのでしょうか?
人事の領域では実務面も、コンサルタントとしても広く深く関わってきましたが、唯一のアンタッチャブルともいえる分野が「退職」でした。離職率を低減するための取り組みには関わってきましたが、退職が決まった途端に「裏切り者扱い」をすることは当然の思想になっていました。人事領域のブラックボックスを開くドキドキ感と、事業的な捉え方では唯一のホワイトスペースだと思いました。
一方で、正直なところアルムナイという領域には本当にニーズがあるのか、という懐疑的な気持ちもありました。しかし、メンバーと話をする中で、この人達であれば一緒にチャレンジしたいし、成功させることがっできる、と感じました。
また、「変化するライフスタイルに、人と組織が適応するためのサービスを提供する」という考え方に強く共感し、「退職者を裏切り者扱いしない」世の中を創っていくスケールがベンチャーらしくもあり、事業を創る原点がここにある!と思い、ハッカズークに飛び込みました。
---ハッカズークに入社してからはもうすぐ3ヶ月ですよね。具体的な仕事について教えてください。
コンサルティング、カスタマーサクセスの業務をメインに担当しています。具体的には、自分の担当先となる企業に対して、アルムナイに取り組む目的を整理し、そのための目標やKPIへの落とし込み、それを実現するための施策の計画立案や実行へと繋げていきます。さらに、自社サービスの『Official-Alumni.com』の利用状況などを分析し、新たな打ち手を提案しながらコミュニティの成功に導いていくという仕事になります。
担当のクライアントの仕事以外にも、人的資本情報の開示に関連する支援や、自社の採用の担当をしていたり、マルチに仕事を任せてもらっています。人的資本情報の開示については、詳しくは代表の鈴木の記事をご覧ください。
---入社前のイメージとギャップはありましたか?
事業に惹かれてきているので、入社前とのギャップという面では少ないですね。入社前から時間があれば顔を出していたりしていたこともあり、社風等に対しても違和感は無いです。
良い意味でのギャップとしては、経営的な情報がかなり社内でも開示されているということですね。将来起業したいというメンバーもいることもあり、資金調達の難しさや、PMFを実現するための取り組みなど、1人1人が経営者意識を持ちながら主体的に取り組めるのは良い緊張感を生んでいると思います。この点は事業やスタートアップに興味のない人には、しんどいと感じるかもしれませんね。
---入社してからやりがいを感じているところを教えてください。
日々、「新しい価値を創っている」という感覚が生まれていることですね。世の中にまだまだ認知されていないことを0から創り出していくという大変さと、そこに共感をしていただいた方が増えていることが実感できる環境にあります。
競合企業もほとんどいない状態です。そのため、時流に乗った「トレンド」ではなく、まだまだ「市場を創り出している」というフェーズなので、普通に頑張っているだけでは会社や事業が無くなるとさえ思っています。
しかし、そのような事業を創っていくことが私の求めていたことなので、自然とやりがいに繋がります。幸いにも新聞やメディアにも取り上げて頂くことが増えてきていますが、一つ一つを我が事として捉えることができるので、良い意味での緊張感を持って取り組めますね。
(大好きなカツ弁当を持って満面の笑みの大森さん)
---逆に、入社してから苦戦しているところがあれば教えてください。
担当するクライアントやパートナー候補の企業の方などに、共通の理解を持っていただくことの難しさは、苦戦しているところですね。
社会に広く認知されている価値観であれば、大きな方向性や目標を握ることで進めやすくなりますが、まだ認知されていない価値を創っている段階では、人によって解釈や捉え方は様々です。それによって、熱量や優先度も変わってくるので、抽象度の高い話と、かなり細かい具体的な話まで幅広く対応していかなければならない点は苦戦をしています。特に具体的な話については、どのように伝えるべきか、システムをどう活用していくべきかなど、社内で日々他のメンバーと相談しながら進めています。
---大森さんの経験から、どのような人であれば今のハッカズークに入社することをおすすめしますか?
コンサルタントには多いかもしれませんが、「事業を創ったという実感を持ちたい人」にはお勧めします。戦略はもちろん、戦術も実行段階まですべて関わることができるので、今はちょうど良い規模とタイミングだと思います。私もハッカズークの規模がもう少し大きくなっていたら入社しなかったかもしれません。笑
---最後に、大森さんの意気込みを聞かせてください。
一緒に事業を成功させて、10年後には私たちが創った事業が「あたりまえ」になる世の中にしていきましょう!
(ボツ写真・・・開発責任者のマサとのツーショット写真を撮ろうとしたら真顔w)