今回は、Gunosyでクーポン企画をけん引する藤原さんへインタビューをしました。後輩の育成にも積極的な藤原さん。「業務を知るきっかけになるし、自分のパーソナリティも知ってもらいたいから」という藤原さんの提案で、同事業部でインターン中の19卒内定者にもインタビューに同席してもらいました。
藤原さん/メディア運営推進部 コンテンツ開発チーム
2018年4月Gunosy入社。プロモーション担当として入社し、入社4ヵ月目にはGunosy初の試みとなるクーポン企画の責任者に抜擢。 現在、掲載ブランド及びクーポン数は順調に増加し、「グノシー」の成長へ大きく寄与している。
- 自身初めての転職で、約10ヶ月前にGunosyへ入社した藤原さん。それまではどのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか?
新卒で入社したのは、医療介護系のメガベンチャーと呼ばれるような会社でした。当時、入社後3年間は、1年毎にジョブローテーションさせる制度があり、毎年全く別の事業、かつ別のポジションにアサインされました。1年目では新規事業立ち上げの部署でtoCの電話営業、2年目はコミュニティサイトの企画運営や広告商品の設計等の企画業務、3年目には人材紹介事業のSEO集客の担当となりました。そのWebマーケの部署には4年ほど在籍し、SEOやリスティング広告の集客戦略、施策の企画や運用、CRMの分析と設計など、社内のデジタルマーケを一通り網羅しました。他にもサブプロジェクトとして営業企画や社内広報など、様々な業務を経験しました。
- 毎年違う事業とは大変ですね。常に新鮮味のある働き方だと思いますが、なぜGunosyへ転職したのでしょうか?
Webマーケターとしてスキルアップできたものの、もう少し別軸で成長したいと考えていて。アプリのマーケは未経験でしたし、サービスも特定領域の従事者向けとマス向けでは全く異なるので、経験してみたいなと。また、テクノロジーが強い会社に興味もありました。前職は営業組織やプロセスの実行力が特に強い会社だったので、「技術的にこんなことができるのでは?」といった視点で意思決定を行う組織での事業の作り方や、優秀なエンジニアの考えを知ることができるのも魅力的に感じました。あとは面接官だったマネージャーの石渡さんの存在が大きかったです。この人の下で働いたら成長できるだろうと思いました。
- どのような印象だったのでしょうか?
マーケティングに関する能力や知識が優れているだけでなく、組織を俯瞰してみている方だなと。全社的視点で事業と連動してどう振舞うべきか、論理的かつ整理された状態で共有してくれました。一緒に働くことになっても、フラットなコミュニケーションで、変にバイアスがかかることなくジャッジができる人だろうなと思いました。
- 実際に一緒に働いてみてどうでしたか?
その印象は間違っていなかったです。プラスアルファで感じたのは、「物事を数字で表現する能力が“突き抜けて”高い」ということですね。経営陣やエンジニアなど、異なるレイヤーや職種の人に対しても、事業に対するインパクトを数字でわかりやすくアウトプットされていると思います。Gunosyのカルチャーでもある数字を基にした透明性の高い意思決定に寄与していると感じますね。
Gunosyでスーツ姿は珍しく、藤原さんが社内を歩いていると「おっ」という雰囲気になります。
- 新規企画(クーポン企画)立ち上げの背景についてお伺いします。マーケティング担当として入社された当初と、現在のミッションは異なるのでしょうか?
KPIや目標は徐々に変わっていったという感じですが、根本は大きく変わっていないと思っています。私は「グノシー」のプロモーション担当として入社したのですが、当時の事業部では、既にブランド認知がある「グノシー」について「改めてその良さを伝えていくためにはどうすべきか?」ということが議論の的になっていました。その文脈で、一つの新たな訴求軸として浮上したのがクーポン企画です。私たちプロモーション担当としては、クーポンが新たな訴求軸として、ユーザー獲得に寄与するものかどうか判断したかったのですが、コンテンツがなくてはプロモーションを実施することもできません。そこで、ユーザーの方々に「もっとアプリを使いたい!」と思ってもらうべく、プロモーション担当自らクーポンを集め、コンテンツを設計することになりました。そのプロジェクトの責任者として白羽の矢が立てられたのが、当時まだ入社4カ月目の私でした。
- なぜ藤原さんが任命されたのでしょうか?
面接時に、前職でオールマイティになんでも挑戦してきたことや、マーケよりも事業への興味のほうが相対的には強いということを伝えていたので、それを加味してくれたのかもしれません。マーケのスペシャリストとしてのキャリアを積ませるよりも、マーケと事業を往復しながら、どちら起点でも物事を考えられるポジションで成長してほしいというアサインだったのかなと思います。
- これまで法人営業の経験やブランド企業とのお付き合いもなかったところからのスタートだったと思いますが、どのようにスタートされたのでしょうか?
現在、クーポンを掲載いただいている各社様とは、ほとんどそういった取り組みを行なっていなかったところからのスタートだったので、まずは社内で業界内に知見や人脈を持つ近藤さんに、繋いでいただきました。クーポン企画によりどれくらいの成果が出せるか、やってみなければわからないという状況でしたが、それでもお付き合いいただけたのは、Gunosyという会社やメディアのポテンシャル、近藤さんの人柄を信頼いただいたことが大きかったと思います。サービスをローンチ後以降もフロントにたって駆け回り、クライアント企業様が抱える課題や、提案時の注意点など、訪問先での対話の中で気づかされることばかりで、日々勉強させていただいています。
新規企画を成功に導くマインド、思考、環境
- ちなみに、藤原さんが新規企画を立ち上げる上で重要だと捉えていることは何ですか?
好奇心でしょうか。未知なる課題に対して興味をもち、自ら情報を取りに動くことが大事だと思います。あとはアナロジー*1、物事の構造を捉えてそれを抽出し、他の分野で応用できるかどうかを考える思考が重要かなと。未知の分野に突入するときに、「自分が過去経験したことと同じようなことが言えるのか?」「具体化した際に同様のフレームワークを当てはめることができるのか?」と、何気ない業務設計を行うような場合でも、自分が分からない事柄に対して、今までの知見を生かして取り組めることは重要だと思います。
- その思考法はいつ身についたんですか?
前職で新規事業を考える際のポイントとして繰り返し強調されるうちに、刷り込まれたのだと思います。ただ、もともとそういった考え方に興味はありました。私は大学で哲学を専攻していたのですが、哲学って大まかに言うと、世の中の事象を抽象化して取り出し、真理を探すという学問なんです。たとえば法哲学のように、それが様々な分野に落とし込まれて新たな学問も生まれています。振り返ってみると、そういった自分の興味関心は親和性があったのかなと思います。また、様々な事業や職種を経験する中で、知見ゼロの状態からどうやって走り始めるのかを考えるスタンスが身についてきたのではないでしょうか。
学生のときからまとめ役。サークルの代表(山登り/マウンテンバイク旅行)や生徒会長を務めていたんだとか。Gunosy入社前には、単身で南米をバックパッカーとして周遊。そこで出会った旅人とは、今でも都内で食事をする仲だそうです。
- 今回の新規企画において、これは重要だったなと思える要素はありますか?
今の環境にあると思います。企画の立ち上げ当時、直属の上司であった大曽根さんの職種はエンジニアで、同じ事業部とはいえ私と業務は全く異なりました。エンジニアの上司はキャリアの中でも初めてだったので、本音を言うと意思決定やノウハウを共有できるだろうか?と、最初は少し不安もありました。しかし、大曽根さんは私に裁量を与えて、多くのことを任せてくれました。「とにかくやってみて。もし失敗したら自分が謝ります。」と言ってくれたのです。
- チャレンジできる環境を整えてくださったんですね。
そう思います。新規企画は、事業の土台が完全に固まっていないので、進めている過程で意思決定が歪んだり、横やりが入って方向性が急に変わったりすると、中々上手くいきません。頓挫してしまうケースもあるでしょう。しかし、今回そのようなことは一切ありませんでした。私が見えていない部分もあったと思いますが、その辺りもフォローしてくれていたんだと思います。石渡さんも、直属の上司でなくなっても、大曽根さんと連携してフォローしてくれました。2人とも、部下に任せつつも、重要なポイントは押さえるという、コミュニケーションが絶妙なんです。
- お話を聞いていると、魅力的な上司に囲まれていますね。
これは本当にGunosyに入社して良かったなと思うポイントの一つですね。このメンバーとこの距離感で、このタイミングで仕事が出来ることをありがたく感じています。
良い意味で「どこで活躍するか分からない」
- 今後実現したいことは?
プロダクトに関してはこれまでお伝えしてきた通りですが、その他に社内で整備したい部分がいくつかあります。最近は新入社員も多く、クーポン企画でも新しいメンバーを迎えることがあるのですが、社内のプロダクトや事業について理解しやすい状態を作れるといいなと思っています。私は入社してまだ1年弱ですが、その間にも例えばメディア側では新アプリの「グノシースポーツ」がリリースされたり、広告営業でも新しい事例が生まれたりと、色んなことが起きています。新規企画の立ち上げを行う時って、社内から「こんな事できないかな?」みたいなお話も多くいただくんですが、それまでの文脈が理解できていないと中々受け止められないなと。自分自身も社内の情報収集に苦労したので、その辺りをうまく情報整理したり流通できる状態を作れると、発想が拡散されて新たに面白いことが生まれてくるのでは?と思っています。横串組織に籍を置くと、新しい情報をキャッチしやすくなると思うので、色んな人やアイデアをマッチングさせるという事はやってみたいなと。
- 正直なところ、今の業務とはあまり関わりがない部分ですよね。藤原さんは全社最適な観点での発言が多く、月並みですが視座が高い方なんだなと思いました。
この事業に取り組んでいるうちに、必然的に視座が高まっていくような気がします。私は社内の中でも関わる部署や人が多いので、その分それぞれが抱えている課題や、実現したいけれど手が回っていないタスクを発見できるんです。
一緒に仕事をしている人の視座がそもそも高いということもあると思います。クーポン企画を一緒に進めている上司も、あらゆる面に目を向け、組織を俯瞰できる方です。トップダウンで決め事がおりてくるのではなく、いつもディスカッションして方向性を決めようとしてくれるので、鍛えられていると感じます。これは、私自身がどのように後輩に接するべきかという点でも学びになります。
今回インタビューに同席した、2019卒新卒内定者の古屋くん。今後の活躍に期待です。
- 今後、ご自身のキャリアデザインとして何かお考えはありますか?
事業自体を統括して動かしていくという経験はまだしたことがないので、経験してみたいなと思います。あとは…悩ましいですね。そもそも「マーケを頑張りたい!」と思って入社しましたが、それも変化してきています。実は、入社後は本気で悩んでいたんです。同期入社のマーケ担当が優秀すぎて(笑)。デジタルマーケで彼に敵わないだろうと思ったんです。前職でそれなりに経験を積んだつもりだったので、自信がなかった訳ではありませんでしたが、前職とは畑違いだったこともあって通用しない部分も多く、かなり打ちのめされていました。
そんなこともあり、新規企画にアサインされた時は、チャンスをもらえて嬉しかったです。冷静に考えて、ポテンシャルのある新規企画を、入社4ヵ月の私に任せるという意思決定をするのか、という驚きもありました。結果として役割をマーケに限定されることなく、様々な業務を担当してきた経験を活かして、事業に貢献でき、自分としてはとてもありがたかったです。
今後、事業全体でどこに課題が出てくるか今はまだ分かりません。これまでの経験や強みを活かし、未知なる分野だとしても、必要とされるところでコミットし、自分の幅を広げていきたいと思います。
- 良い意味で「どこで活躍するかわからない」ということですね。今後が楽しみですね!
このインタビュー直後に行われた「Gunosy第7期上半期締会」にて、藤原さんはBESTコミュニケーションAWARDを受賞!お隣は、インタビューにも登場した上司の大曽根さんです。改めて、おめでとうございます!
以上で、今回のインタビューは終了です。
*1:類推(特定の事物に基づく情報を、他の特定の事物へ、それらの間の何らかの類似に基づいて適用する認知過程のこと)