Furubayshi Yuma Profile - Wantedly
GincoMongol LLC CEO 国士舘大学を卒業後、Webコンサルティングファームに入社。中堅ハウスメーカー、大手通信会社、人材紹介会社、NPOなどのコンサルティング、ディレクションを経験。現在は株式会社Gincoにて、海外拠点の立ち上げを担当。
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弊社ではモバイルウォレットアプリ「Ginco」の開発・運用だけでなく、2018年5月に設立した子会社「Ginco Mongol」でマイニング事業を展開しています。
今回はそのGinco Mongol 代表である古林にインタビューを実施。入社に至るまでとモンゴルでのビジネス立ち上げの裏側、また今後の事業展開について話を聞きました。
仮想通貨はネットワークを維持するため、常に膨大な数のPCを稼働して特殊な計算(マイニング)を行う必要があります。 このマイニングという行為には仮想通貨がインセンティブとして付与されるため、『マイニング用のPCを購入・運用することで、日々のマイニング報酬をリターンとして得る』という新しい投資サービスとして注目を集めています。弊社では、電気代が安くマイニングに適したモンゴルを拠点に、『マイニングマシンの販売・運用・修理』という形で事業を展開しています。
まずGincoに入社する前に何をしていたか聞かせてください
大学では理系の分野を学んでいたこともあり、卒業後はITの領域に進んでみたいと考えていました。性格的に人前に出る仕事が向いているだろうと、Webコンサルタントとして株式会社クリエイティブホープに入社しました。入社後は多種多様な企業のコンサルタント、アナリストとして、Web分析とそれに基づく内部改善、マーケティング施策の提案、マーケティングオートメーションの導入など、幅広くコンサルティング業務にあたっていました。
その後転機になったのが、新卒3年目の夏。父を失くしたことがきっかけでした。父は55歳で亡くなったのですが、その時自分は25歳。この頃このまま仕事を続けようかどうしようか沸々と悩み始めていたのですが、「もしかしたらあと30年くらいしかないのかもしれない」と思った時、もっとスキルを身に付けてからとか、実績積んでからとか、急に馬鹿らしく思えてきて。その年の冬にクリエイティブホープを退職し、フリーランスとなりました。
そもそもなぜ3年目で仕事を続けようか悩んでいたんですか?
もともと最終面接の時に、「自分は起業したいんで5年で辞めたいです」って宣言していたんですよ。その当時は何の事業で何をしたい、なんて詳しいことは決めていなかったんですけど、漠然と「起業したい」という思いを持っていました。そしたら当時の社長に「5年は長いから3年で辞めなよ」って言われたんです。そしたらあれよあれよと言う間に3年が経ち、でも力不足ではないかという葛藤を持っていた中、父の死というきっかけで決意しました。
フリーランスになってからはどうでしたか?
Web事業コンサルとして働き始めたのですが、フリーランスとしての仕事は好調でした。これまで培ったスキルやノウハウ、ナレッジを切り売りすればご飯を食べるだけの収入は得られる。ただ、新しいビジネスを立ち上げるということに着手できないまま時間が過ぎ、それに対してのフラストレーションを感じていました。
フリーランスになって半年過ぎくらいの頃、Ginco代表の森川がブロックチェーンについての本を出版したことを知りました。森川とは就職活動の際に知り合い、たまに連絡をとる仲だったんです。それをきっかけにブロックチェーンって面白いなって感じました。
ブロックチェーンのどのあたりに面白みを感じたんですか?
今まで僕がWeb業界でやってきたビジネスモデルとは真逆だな、と。これまでは、データをどう集中的に管理し、それらをどう活用して顧客の購買活動に活かすのか、そして企業の利益に結びつけるのか、ということだったのですが、ブロックチェーンでは逆の発想。ブロックチェーン技術が広まり、個人がきちんと自分自身のデータを管理をする社会になったら、もしかしたらこれまで自分がやってきた仕事は不要になるのかもしれない…そんなこれまでの常識を覆す可能性があるこの領域に、強く関心を持ち始めました。
その時僕の知り合いでモンゴルに会社を持っている人がいたのですが、モンゴルだったらブロックチェーンで面白いことが出来るかもしれないっていう話になったんです。モンゴルでは、地下資源を掘り起こし外貨を得ることで国を運営しているのですが、その際の海外送金に時間や手間がかかり弊害となっていたので、これはまさにブロックチェーンの領域で解決できるのではないか、と。
それで森川とその社長を繋げ、新しい事業を始めようという話になったのですが、なかなかその話が進まず…。繋げた手前、僕自身もなんだかやきもきしていた頃に森川に呼ばれ、そこで交わした最初の言葉が、
「ちょっと古林モンゴル行ってきてくれない?」
「うん、いいよ」
だったんです(笑) 事業をずっと作ってみたいと思っていたので、何もない状態からのスタートということをとても魅力に感じ、この話をきっかけにGincoにjoinすることに決めました。
色々な縁とタイミングが重なっての入社だったんですね。入社後はまず何から手をつけたんですか?
モンゴルの環境がマイニングに適していることもあり、マイニングとそれに関連する新規事業を始めようという構想を持っていました。そのためまずはマイニングのテストマシーンを持ってモンゴルに飛び、諸条件が合うかどうかの調査に行きました。これが入社してまだ3日目のこと(2018年2月)です。
実際モンゴルに行ってみて、どうでしたか?
日本との商慣習と時間軸の違いに戸惑いましたね。特に時間軸の違いで言うと、僕の感覚の「すぐ行く」は数時間なのですが、現地の方の感覚では3日後だったり(笑) 設備を整えるにもスケジュールが遅延に遅延を重ね、テスト機が無事稼働したのを確認したのが帰国の飛行機が飛び立つ1時間半前でした。
その後、マイニング事業がモンゴルの環境で無事まわるのか調査を続け、2018年4月に事業展開することを確定。そこから子会社の設立準備と並行し、国内での営業も始めました。実際子会社設立に至ったのが、2018年5月23日のことです。
設立からまだ半年弱ではありますが、事業の調子はどうですか?
順調に伸びています。この数ヶ月で取扱高は数億円にまで成長しました。今後営業を増やし、この数字はさらに伸ばしていけると考えています。初年度で最低十億、その後は上限はまだ見定めていません。
またマイニングだけでなく、それに関連した新規事業も横展開させていく予定です。この領域における余白はまだ大きく、今後さまざまなビジネスが生まれていくと思います。例えば弊社ですでに着手しているのが、マイニングマシンのリペア事業。マイニングマシン製造最大手のBitmain社の公式リペアライセンスを持っているのは、国内で2社しかないんです。またその他にも、ブロックチェーンを承認する際のコンセンサスアルゴリズムを軸としたビジネスや、マイニングに参加するユーザーを軸としたクラウドマイニングに関する事業など、色々な軸で新しいビジネスモデルを生み出すことができます。
では最後に、今後の事業展開に向けどんな人と一緒に働きたいか聞かせてください
現時点でブロックチェーンの知見は必要ありませんが、この領域に興味があって、可能性を一緒に感じられる人がいいですね。あとは、何があっても足を止めない人。新しい領域で新しいことを始めているわけですから、うまくいかないことばかりだし時に批判を浴びることだってあります。そんな時、いちいち歩みを止めていては事業を生み出すことは出来ません。猪突猛進に、全力で走りきれる人と一緒に働きたいです!