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大規模CRM開発プロジェクトの裏側。セールステックの代表プレイヤーを目指して | Wiz様

GIGではこの度、株式会社WizさまのCRM開発、基幹システム、全社データベースの構築を担当させていただきました。

創業から7年で全国18都市に拠点を拡大し、売上高160億円の企業へと急成長を遂げたWiz。今後さらなる成長のためにはデータを活用した展開が求められていましたが、事業成長のスピードにデータ整理が追いつかない状況が続いた中、今回のプロジェクトが始動。

Wizの事業成長にあわせ拡張性をもたせたCRM開発とSalesforceと連携するマーケティングオートメーション化を実施し、データを活用した営業、すなわちSalesTechを実現する第一歩を踏み出しました。

そこで今回、Wiz取締役の山本さん、プロジェクトリーダーの財部さんを交え、GIG岩上、中島と共に今回のプロジェクトを振り返っていきます。

地に足をつけた進め方が重要。GIGとであれば、まだ見ぬゴールを一緒に描けると思った

GIG岩上:今回、WizとGIGでタッグを組み、Wizが保有する大規模なデータベース(以下、DB)を構築・活用する『SmartSellプロジェクト』がスタートしました。もともとあるWizの強い営業力に、SalesTech(営業×技術)が組み合わさることで、今後どんな展開になっていくのか非常に楽しみにしています。

今回、あらためてプロジェクトを振り返っていければと思うのですが、まずはCRM開発のパートナーとしてGIGを選んでいただいた理由を教えていただけますか?

山本:Wizが抱えていた課題としては、営業で獲得した顧客データは大量にありつつも、それらデータを活用したアクションが起こせていなかったことです。しかし、今後SalesTechの代表的なプレイヤーを目指していくためにも、統一したCRMでデータ活用は必須であると。

ただ、データをどう構築し、活用していくかのスキル・ノウハウがまだまだ十分ではなく、さらに自分たちの中でも、確固たる正解が見えていなかったため、信頼できる方と一緒にゴールを描き、進めていきたいと考えていました。

特にこういったCRM開発というのは難易度が高く、微妙なものができてしまうと、あっても使えない、活用フェーズでうまく運用できないといったことがリスクです。それにも関わらず、機械学習を専門にしている会社とお話をしたりしても、「それはAIでできちゃいます」といった返答が返ってきたりと、いまいち信用できなかったんですね。

AIでできるのはわかるが、もっと地に足をつけてどう進めていくかが重要で、そこでWizの社外取締役でもある岩上さんであれば信頼できるなと思い、GIGにご相談させていただきました。


リモートでインタビューを実施 | 左上:GIG岩上、中島、右上:Wiz山本さん、中央下:Wiz財部さん


財部:そしてデータ活用の部分で具体的にお話すると、以前は商材別に顧客情報が保存されていて、同一顧客のデータであるにも関わらず、横軸でデータ連携ができていませんでした。そのため、効果的なクロスセールスが展開できておらず、またそれを検証できる環境もなかったんですね。

そこで、もっと顧客軸でのセールス戦略を立案していきたい、効果的なクロスセールスを展開していきたいというのがCRM開発の目的としてありました。

山本:これらの課題は以前から「なんとかしなくてはいけない」と気づいてはいたのですが、取り扱い商材は毎週増えていき、体制変更が起きたりとWizの成長スピードが早すぎて、データの整理が追いつかない状況でした。

しかし、どこかで整理しなければならない課題。そこで、まずは箱をつくって、それからルールを整えていこうと舵を切り、今回のプロジェクトがスタートしました。

「通常であれば3〜5年かかる」意思決定の早いWizだからこそ成功したプロジェクトだった

GIG岩上:機械学習の成果を期待するには数年必要なプロジェクトでありつつ、急成長を続けるWizに必要なのは、今も使えて、さらに将来的にも使える拡張性のあるCRM開発でした。

そこでまずは、散乱している顧客データをすべて統一のDBに移管するというところから着手しましたね。

財部:はい、まずはクロスセールスを実現することを優先し、顧客情報とその他の販売データを紐付けたいと考えていました。

セールスフォースなどの既存のCRMツールを使って無理やりやる方法もあったのですが、将来的にどうデータを活用していくか未知数であったため、とりあえず既存の顧客データはすべて移管してしまおうと。

そして商材ごとにデータ項目を整理していき、現場に確認したり、カテゴライズしたりと、ベースのデータ項目を整えていきました。

山本:それぞれのデータ項目は、実際に現場で仕事していないと理解できないルールがあったりするので、中島さんは本当に大変だったのでは、と思っていました。

GIG中島:やはり開発途中、データをまとめていくうちに新しいデータが出てくる、というのは難しいところではありました。そのため「これはヤバそうだな」と感じたところは、途中で要件が変わっても大丈夫なよう、変更しやすいDB設計で進めていきました。

ただ、Wizは意思決定がとても早いのが印象的で。通常、大企業のこういったデータ整理のプロジェクトというのは、3〜5年で進めていくものだったりします。

そんな中、Wizはまずここで一区切りさせて、顧客データから進めていくと判断されました。そういった判断はなかなかできないと思います。

適切な意思決定ができる組織であったからこそ、プロジェクト自体も進めやすかったですし、1年かからない形で第一フェーズの構築を終えることができたなと。全部のデータをはじめからDBに格納させましょうという会社であれば、3年たっても終わっていないと思います。

財部:また、今回は岩上さんにも非常に助けられたプロジェクトでした。経営層への進捗報告で「それ進んでるの?」と聞かれても、なかなか我々からはうまく説明できない。特にシステム内部の設計の話などは、経営層へは説明しづらい中、岩上さんが間に入っていただくことで、とてもやりやすかったです(笑)。

GIG岩上:Wizは意思決定が早い分、「DBを使ってやりたいこと」というのがどんどん増えていってしまいます。だからこそ、まず第一ステップである今回のプロジェクトの意義を経営層にしっかりと伝えていくこと、伝え続けることが大事であると思っていました。

なぜなら、第一ステップでコケるわけにはいかないからです。まずは箱となるDBがないと、実現したいSalesTechの未来像もただの絵に描いた餅になってしまいますからね。

財部:私自身も、いろいろ構想が膨れ上がってきて「あれもやりたい」「これもやりたい」というのがあったのですが、初志貫徹と言いますか、最初の理想を追い続けられるかが肝だったなと感じています。

GIG岩上:今回のプロジェクトの決裁が下りた時点で、会社としては大きな変化であったと思うのですが、プロジェクトを通じて何か社内での変化はありましたか?

山本:「データを戦略的に活用しなければいけない」という考えは浸透してきていているように感じています。また採用においても、機械学習に対応できる人材、データサイエンティストと呼ばれるような人材が入ってくるようになったりと、データドリブンな組織へと強化していこうといった意識が高まっていますね。

財部:そうですね、これまではそもそもデータを専門に扱うチームというのがありませんでしたが、今回のプロジェクトをキッカケに誕生しました。私自身も情報システム部に異動し、データをもとに営業へのリスト展開をするなど、組織全体としての動き方が変わってきているなと実感しています。

パワフルな営業をスマートに。IT総合商社として日本一の「DXコンシェルジュ」を目指していく

GIG岩上:今回、CRM開発がひとまず出来たわけですが、次のステップとしてはいま、どういったことをお考えですか?

財部:いまは現状のWizのデータをとりあえず入れた、という状態。そのため汚いデータ、正規化されていないデータも入っているわけなので、次のステップとしては活用できるデータに整えていきたいと考えています。

その上で、他のシステムとの連携などを準備していき、年内にはデータを活用したアクションを展開していきたいなと。

もともと私がやりたかったこととしては、営業メンバーに、いまこのタイミングで、この顧客にコンタクトをとり、このトークで営業しなさい、といったことを画面に表示すること。そういったことを早く実現し、SalesTechの代表的プレイヤーを目指して進めていきたいと考えています。

GIG岩上:あらためて今回GIGと一緒にやってよかったなと思う点はありますか?

財部:中島さんが1億以上ものデータを扱ったことがある、ビッグデータを扱ったことがあるというご経験も、とても頼もしかったですし、期日内にデータ移行を完遂していただけた、というのは非常に嬉しく思っています。

GIG中島:こういったデータ移行のプロジェクトは、データを入出力する現場の方にも大きな負荷がかかります。それが大きい会社であればあるほど、その負荷も大きい。そんな中、Wizの皆さんが実務とのバランスをとりながら進めてくださったのは、こちらとしても非常に助かりました。

これだけAIが叫ばれている中、営業の領域はまだAIを活用しきれていない領域のひとつ。そして途中で頓挫してしまうケースも多い中、Wizは蓄積すべきデータを貯めるという第一ステップをクリアし、次に良いデータをいかに溜め込んでいくか、そして検証して活用していくということが大事になっていきます。

優秀な営業マンのログがきちんとデータとして溜まっていき、営業の効率化や仕組み化ができていくといいなと、とても期待しています。

GIG岩上:今回のプロジェクトにおいて、失敗の定義は「プロジェクトが途中で止まってしまうこと」。しかし中島の言う通り、Wizの皆さんのご協力もあり、無事に完遂させることができました。

そしてWizの強みである営業力と、このCRM活用をかけ合わせることで、いままで以上のスピードで成長していけば我々としても嬉しいですし、どう活用していくのかとても楽しみにしています。

最後に『SmartSellプロジェクト』の今後の展望を教えて下さい。

財部:Wizは創業から7年で売上高160億円の企業へと成長してきましたが、それはパワフルな営業をしてきたからだと思っています。そして売上が伸びるに伴い、営業人員も増えていって、営業一人あたりの売上限界がある程度見えている状態

そのため、今後よりWizが成長していくためには、いまの規模で売上規模をいかに2倍、3倍、さらには10倍へと伸ばしていくかが重要です。データを活用した営業の最適化や、最適な商材提案を行えるようにしていき、これまでのパワフルな営業を、テクノロジーを使ってスマートにしていこうと。それが『SmartSellプロジェクト』にかける思いです。

山本:財部の言う通り、一人あたりの売上単価をいかに上げていくかが鍵。そのためにも、どんどんトライアンドエラーを繰り返していき、いまの売上高100億円という規模から1,000億円規模を達成できるよう進めていきたいですね。

またWizが目指しているのは、日本No.1のDXコンシェルジュになること。インターネット回線の販売というところからスタートし、いまは集客ツール、コスト削減ツールなど取り扱い商材は200を越え、ITの商社として企業や店舗のDXをサポートしています

いままで培ってきたWizの強みを活かしつつ、データ活用によりお客様に最適なご提案ができるようになることで、DXコンシェルジュとして企業、そして社会へさらなる貢献ができればと考えています。

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