こんにちは!フルカイテン株式会社と申します。
弊社の第1回目のフィード記事は、代表取締役の瀬川直寛が語る、フルカイテンが掲げる「ミッション」への熱い想いです。
誰でも耳にしたことがある「在庫」という根深い問題。弊社では在庫問題を解決することはもちろん、その先にあるよりよい未来に向けて事業に取り組んでいます。
ーフルカイテン株式会社のミッションとは何ですか?
シンプルに「在庫問題を解決する」です。
ーとても真面目なテーマですね!「在庫問題」とは具体的にどのような問題なのでしょう。
はい、地味なミッションですが、取り組む価値がとても大きな問題なんです。
私はもともと小売事業をやっていて、その問題に気付くことができました。
物を売るお店は今も昔も在庫問題を抱えて悩んでいます。その悩みは深刻でずっと変わらないのに、これまで解決されることがなかった。
代表的な例は、「不良在庫」が増える問題です。お店の売上を増やすには、売るための在庫が必要ですよね。ところが在庫を増やすとどうしても「不良在庫」が出てしまう。つまり売上が増えると同時に不良在庫も増える。「売上増加」と「在庫の適正化」この両立やバランスがとても難しいのです。
簡単なようですが、この問題が何万、何十万種類の商品の数だけ存在すると考えてみてください。本当に深刻で根深い問題なのです。
ー確かに在庫を持ちすぎるのは怖い、という印象はあります。世間では今、どのように対応されているのでしょうか?
例えば在庫を仕入れるとき、誰でも「ちょうどいい」仕入数を決めたいですよね。これまでは担当者の経験や勘に頼っていた。弊社もそうでした。よく言われる「カリスマバイヤー」とかがいて、その人が決める。でもその人が辞めたら困りますよね。また、1商品ずつ悩んで決めるのも時間と労力がかかります。
あるいはこれまでの売上データをエクセルなどを駆使して管理し、それをもとに仕入数を決めている店舗もあります。でも大きな店舗では商品数が何万、何十万もあり、エクセルではデータが多すぎて扱えず、ファイルを開くことさえ困難な状況になっている、という話をよく聞きます。このように在庫の仕入や管理にはとてつもない時間と労力が使われているのに、これという解決策はないというのが現状です。
ー確かにキリがないですね。ではどうして瀬川社長はその問題を解決しよう、と思い立ったのですか?
私は、創業してから経営していた小売事業で3回も倒産危機を経験しました。1度はあと2ヶ月で会社が倒産するというところまで追い詰められたんです。今思えば3回とも在庫問題が原因でしたが、最初は多くの小売企業と同様に導線・クリック率・CVRの改善やクーポン配布・送料無料など、色々な対策を行いました。どれも少しの成果は出るものの、倒産の危機を回避できるものとはほど遠かった。
いよいよ資金繰りが回らず、不良在庫を一気にお金に変えようとしたときにハッと気が付いた。
「不良在庫っていったいどれなんだ?」
残っている商品が全て不良在庫とは限らない。売れているから在庫をたくさん積んでいることもある。見渡すだけでは把握しきれない数の商品の中で、本当の不良在庫はどれで、何を処分しなければいけないのかということを理解していない、それが根幹の問題なのだ。
そこでこの「在庫問題」を解決することが小売業にとっての改善の本質だという結論に至りました。
運の良いことに、弊社のメンバーはほとんどがIT企業出身者でプログラムに強く、大学時代に統計やAIの勉強をしていたメンバーも複数いた。そこで倒産危機を本当の意味で解決するべく、自然な流れで在庫問題への取り組みが始まったのです。
ー開発はどのように進められたのでしょうか。
まず、在庫問題が起きるメカニズムを解明しない限り、本当の解決には至らないと考えました。
「どうして在庫は増えるの?」
「どうして仕入の数を間違えるの?」
「改善しても売上が増えないのはなぜ?」
こういった問題の原因を突き止め、解決策をロジカルに説明できるようになることを目指しました。それができたので、最終的に在庫問題を解決することができた。この解決策を機能として実装し、改良を重ねたのが「FULL KAITEN」なのです。
でも当時はFULL KAITENを外部の企業に販売する気はなかったんですよ。
ーでもなぜFULL KAITENを販売しようと思ったのですか?
最初は弊社の小売事業で使うために開発し、2年ほど実際に使いながら改良を重ねていました。弊社の在庫問題は解決し、在庫回転率は年間17回転を超えるという見事な数字を記録するようになりました。
実を言うと、その間ずっと実際に担当者としてFULL KAITENを使っていた私の妻から「このシステムを売るべきだ」と言われていたのですが、踏み出すことができずにいました。なぜなら、自分はもともとBtoBのビジネスをやってきたのですが、お客さまが心から喜んでくれている、自分が役に立っている、という実感をあまり得ることができていなかった。その気持ちが35歳ぐらいにピークになり、残された人生をBtoCに賭けようと会社を設立し、EC事業に参入したのです。
そんな想いがあったので、BtoBはあえて避けていたんです。
しかし何度も妻に説得されるうちに、3回も倒産しかけた窮地を救ったFULL KAITENだからこそ、たくさんの同じ悩みを持つ小売企業の役に立てるのでは・・・と思うようになり、苦闘した自分達が開発したものだからこそ、世に広めて行くべきではないかと考えが変わりました。
ここまでくるのに6年かかかりましたが、再びBtoBに辿りつくまでの助走期間だったんだと考えて、事業化に踏み切りました。
ー事業化してみて、お客様の反応はどのようなものですか?
初めてのお客様に大変感動されたのをよく覚えています。
「自分がこれまでやってきた分析の仕方を完全に否定する考え方だ。しかしそれがあまりにも正しい」と。
「ここまでよく考えて作りこまれているシステムは素晴らしい」と高い評価をもらい、即決で導入してもらうことができました。
「ハンマーで頭を殴られたほどの衝撃だ」とおっしゃったお客様や、「2人採用しようと思ってたけど、これでもう必要ないね」とおっしゃったお客様もいます。
なんと初訪問から契約までの訪問回数はわずか1.14回と、ほぼ即決なんです。
こんな刺さり方をするプロダクトはなかなかないと思います。
自分達が倒産寸前まできて、絶体絶命の極限状態で考え抜いたからこそできたもので、その経験がなければ決して開発できなかった。そこまで追い込まれないと見えない数字や切実な要望に気付けなければ開発は無理だと思います。
私たちは小売事業の本当の苦労を肌感覚で知っているからこそ開発できた。現にお客様には、最初の画面を一目見ただけでそれが伝わることもあります。ECを含め小売事業を経営する難しさ、在庫の苦しさは言葉で表現できる程度の簡単なものできない。そういうところの理解がないままFULL KAITENと似たような機能を開発する競合が出てきても、全く負ける気はしないですね。
ー具体的にどんな機能がどんな風に喜ばれているのですか?
1番は在庫削減ですね。例えば今1億円の在庫があるとします。その内、置いておいても安心な在庫は何円分?早くお金に変えないといけない在庫は?なんとか露出を増やせばまだ見込みがある在庫は?こういったことを何万・何十万商品でもFULL KAITENが毎日自動で計算・分類してくれる。
そのデータを目の当たりにした時、多くの企業が「ヤバイ・・・」と言います。
「このあたりの商品、削減しないとやばいぞ」
「ここはもっと仕入れないとあかんぞ。」
在庫の良し悪しを判定するのはFULL KAITENに任せて、人間は不良在庫をどう減らそうかという戦略・戦術を考える方がはるかに事業の成長に貢献できます。
FULL KAITENは機械学習を使って在庫の良し悪しを判定していますが、そういうのはやっぱり人間よりコンピューターの方が得意ですし速いんです。でもコンピューターの分析結果をどう使うかは人間に向いた仕事です。こういう役割分担をする方が、人間の時間をより効率的に使えるようになると喜ばれています。
ー最後に、「在庫問題を解決する」という大切なミッションについて、社長の本気度を教えて下さい!
一般的には、弊社のようなベンチャー企業が掲げるミッションとして「在庫問題を解決する」というミッションはすごく地味に思えるかもしれません。
でも在庫問題というのは昔から存在するのにほぼ解決されないまま今に至っていますので、古くて新しい問題です。それにCVRが悪いから倒産したという話なんてほとんど聞きませんけど、在庫問題で倒産したという話はよく聞きますよね。それぐらい本質的な問題がずっと解決されないまま今も残されている。だからこの問題を解決できたら、社会がどう変わっていくのか。
私はそこに可能性を感じているんです。
考えてみて下さい。在庫問題を解決できた会社が増えると、無駄な在庫を作る必要がなくなりますよね。そうすると無駄な資源を使わないで済む。廃棄も森林伐採も抑制できるでしょうから、私たちの子供や孫の世代により良い地球を残せるじゃないですか。
リスクを負って起業したのですから、単なるお金儲けだけの会社にはしたくないんです。お金はもちろん大事なんですけど、お金を目的にするのではなく、在庫問題を解決するその先により良い地球を残すという未来を見ていたいんです。
FULL KAITENのプロダクトに絞った話で言えば、最終的には世の中が欲していない物を作らないでいいようにしたい。
最近はお客様にもそういう話をするようにしているのですが、共感してくれる企業はとても多いですよ。
私たちは在庫問題を解決できる理論にたどり着き、それをFULL KAITENというプロダクトとして開発することに成功しました。だったら自分達がやるしかない、自分達の使命なんだ。私にとっては、そう感じるための起業してからの6年だったと思っているので、このミッションに人生をかけて挑んでいます。
小売・卸売企業の在庫問題を解決するクラウドサービス「FULL KAITEN」
https://full-kaiten.com/