挑戦する安平町役場の新たな試み|株式会社FoundingBase
2018年より活動がスタートした北海道安平町。 この町で行っているプロジェクトの1つが、役場の採用ブランディングです。 昨年から始まったビジネスSNS「Wantedly」を活用した採用PR促進事業では、町長を含む安平町職員インタビュー記事を10本以上掲載してきました。 ...
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多様な知見を持った人材を確保するため、平成31年度から始まった安平町の役場職員採用支援プロジェクト。
情報チームでは、職員募集のポスター作成や「wantedly」を使った情報発信、オンラインイベントなど、「発見」から「応募」までに必要なステップを考え、トータルプロモーションを行っています。
その中でも今回は、応募後のフローとして新たに取り組んだ「採用候補者インタビュー」について紹介します。
上記のような取り組みが功を奏し、近年の応募者数は増加傾向にあります。一方で、採用フローの課題も見えてきました。
特に難しいのが、20分という短い面接時間でその人本来の資質を見抜くことです。短時間で深い対話を行うことは難易度が非常に高く、結果として採用のミスマッチが起こってしまう可能性があります。
そこで新たに実施したのが、採用候補者インタビューです。筆記試験をパスし、面接を受ける前の候補者を対象に、1時間のインタビューを実施しました。インタビューでは、資質・価値観などの要素をすくい上げ、面接時により深い対話へと導くためのサポートを行います。
<目的>面接の場では引き出し難い「個人の資質」を発掘する
<方針>数値評価や合否の判断は行わず、フラットな目線での対話を行う
中でも特に大切にしたのが、相手に興味を持ち、誠実に話を聞くことです。インタビューの最初に「この時間はあなたのことを深く聞かせてもらう場です」と説明します。お互いが共通認識を持った上で、話しやすい空気感を心がけました。
常に一問一答で終わるのではなく、返答のどこにその人らしさが隠れているか、常にアンテナをはりながら質問を繰り返します。中には、論理的思考や言語化が苦手だったり、自分の強みに気づいていなかったりする場合も。そんな時こそ、何気ない選択のどこにその人の魅力が隠れているかを探します。例えば「普通だったらこうするけど、どうしてみんなと違う行動をとったのだろう?」といったように、ささいなエピソードの中にも“その人らしさ”を象徴するヒントが落ちているかもしれないからです。
インタビューが終わると、インタビュー時に録画した動画と、その内容をまとめた原稿を役場に提出します。面接官は事前に動画を視聴し、原稿を手元に用意して面接にのぞみました。動画は見出し(目次)を作って見やすくし、文章は端的に分かりやすくするなど、忙しい中でもインタビュー内容を確認できるよう意識しました。
面接当日は、無難な質問ではなく、事前資料を踏まえた質問が飛び交いました。「この答えについて、もっと具体的に教えてください」など、インタビュー内容をさらに深掘り。相手の人柄やバックグランドに触れることで、その人の行動性質や本質に迫る面接が実施されました。
グループワークや複数回の面接など、これまで様々な試行錯誤を繰り返してきた採用フロー。今回の取り組みについて採用担当者からは「理想的な採用の形を見つけることができた」と嬉しいお言葉をいただくことができました。面接官にとっても候補者にとっても画期的な取り組みとなったようです。
長期的な視点で採用を考え、初見では感じづらい候補者の”隠れたポテンシャル”を引き出すことこそ、今回行ったインタビューの意義だったように感じます。
今後は、見る側(面接官)への負担を減らすため、「共有する資料をさらにコンパクトにできないか」などを検討していきます。
また、今回は一人のメンバーがヒアリングを行い、複数人で原稿を執筆するという流れで実施しました。今後は、メンバーのみんなが“その人らしさ”を引き出せるよう、ヒアリング力の底上げを図ります。
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